- 銀行と証券会社の新NISA口座の違いが知りたい
- 新NISA口座の選択に最適な金融機関の判断基準を明確にしたい
- 新NISAの効果的な活用法が知りたい
2024年から始まった新NISA制度は、投資枠の拡大や非課税期間の無期限化などで大きな注目を集めている。
新NISA口座は1人につき1つの金融機関でしか口座を開設できないため、口座を作る金融機関は慎重に選ばなければならない。
銀行・証券会社のどちらでも新NISAを始められるものの、どちらを選ぶべきか悩んでいる方も多いだろう。
本記事では、銀行と証券会社の新NISA口座の基本的な違いや口座選択のための判断基準を解説していく。
ぜひ記事を参考にし、自分に合った最適な金融機関で新NISAによる資産形成を始めよう。
銀行と証券会社の新NISA口座の基本的な違い
新NISAは、銀行と証券会社のどちらでも始めることができる。
どうしてもよく利用する銀行を選びたくなるところだが、一般的には証券会社を選択する方が良い。
銀行・証券会社の違いを正しく把握し、自分に合う金融機関で口座開設を行おう。
ここでは、銀行と証券会社における新NISA口座の基本的な違いについて解説していく。
投資商品の種類と特徴
新NISAは、基準を満たした一定の投資信託のみ取引できる「つみたて投資枠」と投資信託や上場株式、ETFなどに投資できる「成長投資枠」の2つの非課税投資枠が設けられている。
しかし銀行は上場株式やETFの取り扱いがなく、投資信託しか購入することができない。
新NISAの対象となっている投資商品の特徴は以下の表の通りだ。
投資信託 | 運用のプロに資金を預けて代わりに運用してもらい、分配される収益を受け取る仕組みの金融商品 複数の株式や債券で運用されるため、リスクが分散されている 長期的な資産形成に向いている |
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上場株式 | 企業が発行する株式を取引することで利益を狙う金融商品 保有期間中に受け取れる配当金や株主優待、売買差益によるリターンなどが主な収益となる 比較的リスクが大きく、高いリターンを狙える反面、大きな損失を抱える危険性もある |
ETF (上場投資信託) | 金融商品取引所に上場している投資信託 複数の銘柄に分散される点は投資信託と共通しており、リアルタイムで取引できる点は上場株式と共通している |
銀行は金融商品取引所で扱われる金融商品の取引に対応していないため、上場株式やETFの売買はできない。
個別の株式等で高いリターンを狙いたい方は、銀行ではなく証券会社で口座開設を行うと良いだろう。
取り扱い商品が多いのはどっち?新NISA対象商品の取り扱い
上場株式やETFの取引をする予定がなく、投資信託で運用をする人のなかには「銀行でも問題ない」と考えている方もいるだろう。
しかし、投資信託の取り扱い本数についても銀行と証券会社では大きな差がある。
例えば、ゆうちょ銀行では2024年2月時点の成長投資枠対象銘柄の取り扱い本数が58本、つみたて投資枠対象銘柄の取り扱い本数が15本となっている。
一方、ネット証券大手のSBI証券では成長投資枠が1,170本、つみたて投資枠221本となっている。
商品ラインナップにかなり大きな差があることが分かるだろう。
もちろん銀行で取り扱っている商品のなかに、自分が取引したい商品が含まれている場合は問題ない。
しかし将来的に違う商品にも投資したくなる可能性を考慮すると、やはり選択肢が多い証券会社を選んだ方が良いと言える。
新NISAにおけるサポート体制
普段利用している銀行では、窓口にいる担当者から丁寧なサポートを受けることができる。
対面で話しながらサポートしてくれる点が安心感につながるという方も多いだろう。
しかしネット証券などもサポートの充実度が決して低いわけではなく、初心者でも始めやすいサポート体制が整えられている。
24時間いつでも問い合わせできるAIチャットを導入していたり、新NISA専用ダイヤルに電話で相談できたりと、取引を全面的にサポートしてくれるのだ。
また、ネット証券によっては投資判断の相談に対応している場合もある。
銀行の窓口に出向いて相談をしなくても、充実したサポートを受けることが可能だ。
サポート体制のことを考えても、やはり銀行よりも証券会社に新NISA口座を開設すべきと言えるだろう。
銀行と証券会社どっちが自分に適してる?新NISA口座選択のための判断基準
新NISAの口座は1人につき1つの金融機関となっているため、金融機関選びは慎重に行う必要がある。
自分に合う金融機関を選択するためにも、事前に判断基準を定めておくことが大切だ。
ここでは、新NISA口座を選択するための判断基準のポイントを解説していく。
希望する投資スタイル
まず、自分が希望する投資スタイルに基づいた金融機関の選択が重要となる。
口座開設を予定している金融機関が自分の希望する投資手法に対応しているかどうかを確認しておこう。
前述の通り、新NISAでは投資信託や上場株式、ETFの取引が可能だ。
上場株式やETFは外国の銘柄に投資することもでき、成長性が期待できる国や地域の株式を購入して高いリターンを得る戦略も立てられる。
しかし、銀行ではそもそも株式の取り扱いがなく、証券会社でも外国株式の取り扱いが少ないケースがある。
そういった金融機関は、外国株式の取引を希望している方にとっては選択肢から外れてしまう。
金融機関が取り扱う商品ラインナップを比較し、希望する投資スタイルにマッチしているかどうかをチェックしておこう。
提供されるサービス
提供されるサービス内容も各金融機関で大きく異なる。
特に大きな違いとして「担当者による運用コンサルティングの有無」が挙げられる。
対面型の銀行や総合証券の場合、担当者から口座開設の手続きや銘柄選びなどをサポートしてくれることが特徴だ。
総合証券では投資判断や運用プランのサポートなど、資産運用を総合的にサポートしてくれる。
一方、ネット証券はサポート体制は充実しているものの、基本的な投資判断などは自分で行う必要がある。
担当者から丁寧なサポートを受けたい場合は総合証券などを利用すると良いだろう。
ただし、総合証券はネット証券に比べて手数料がかかったり、中立ではない商品提案をされたりするケースがある。
サポートしてもらえることが必ずしも有利に働くわけではないことを頭に入れておこう。
コストとリターンのバランス
金融機関の比較を行う際、コストとリターンのバランスを見極めることも重要となる。
各金融機関でそれぞれ異なる手数料体系が設けられているため、もっともコストパフォーマンスが高い金融機関を選択することが大切だ。
ネット証券は株式や投資信託の取引にかかる手数料が低い。
例えば、SBI証券や楽天証券では投資信託・株式等の購入手数料が無料となっており、低コストでの運用が実現できる。
一方、銀行や総合証券は担当者によるサポートを受けられる分、手数料は割高となる。
もちろん手数料を支払うことで高い運用パフォーマンスを得られる可能性があるため、一概に手数料が高いことが悪いわけではない。
しかしなるべく手数料を抑えたいのであればネット証券を選ぶ方が良いだろう。
担当者による運用コンサルティングに価値を感じる方は銀行や総合証券、ある程度自分で投資判断を行える人は低コストなネット証券を選ぶことをおすすめする。
銀行や証券会社で運用を始める方が知っておくべき新NISAの効果的な活用法
ここまで新NISAの金融機関選択について解説してきたが、実際に運用を行う際にはどのように活用すべきなのだろうか。
新NISA制度の特徴を把握し、具体的な運用戦略・リスク管理を考えていく必要がある。
ここでは、新NISAの特徴や運用計画を立てる際のポイント、新NISAで想定されるリスクとその管理法について解説していく。
新NISAの特徴
新NISAの最大の特徴は「投資で得た利益に税金がかからない」という点だ。
本来、投資で得た利益には約20%の税金がかかるが、新NISA口座で行った運用では一切税金がかからない。
新NISAには、年間120万円までのつみたて投資枠と年間240万円までの成長投資枠が設けられており、合わせて年間360万円・総枠1,800万円の投資が非課税となる。
非課税期間の定めもなく、商品を保有している限りは無期限に非課税となる点が大きな特徴だ。
そして金融商品を売却した場合には、翌年以降の非課税枠が復活する。
つまり、仮に1,800万円の非課税枠を使い切っても、保有商品を売却すれば翌年以降再利用できるというわけだ。
このように、税金の負担をかけずに効率的な資産形成を行える点が新NISA制度の大きな特徴だ。
新NISAを活用する際は、この特徴を踏まえた運用計画を立てていこう。
どっちも重要!投資計画とポートフォリオ構築
新NISAによる運用を行う場合、ライフプランに沿った投資計画を立て、プラン実行に適したポートフォリオの構築が重要となる。
ポートフォリオとは、どの金融商品にどのくらいの比率で投資を行うかという資産配分のことだ。
ポートフォリオを決めることでリスク・リターンのバランスを調整できる。
株式などのリスクが大きい資産の比率を高めれば資産全体のリスクが大きくなり、高いリターンを狙える。
債券などの低リスク資産の比率を高めれば資産全体のリスクを抑えられ、堅実なリターンを狙うことが可能だ。
そして、自身のライフプランに合わせた投資計画を立て、適切なリスク・リターンのバランスのポートフォリオに調整することが重要となる。
子どもの教育資金や老後の生活費などの将来の支出を想定し、いつまでにどのくらいの金額を準備すべきか逆算しよう。
運用期間を長く設定できる場合、途中で損失を抱えても取り返すチャンスがあるため、リスクを取った運用が可能となる。
ポートフォリオのリスクを高めに設定し、積極的なリターンを狙おう。
一方、運用期間が短い場合は堅実な運用が求められる。
ポートフォリオのリスクを抑え込み、安全性が高い運用を実現すると良いだろう。
投資利益が非課税になるという特徴を最大限に活かすためにも、適切なポートフォリオを構築して投資計画に合った運用を実現しよう。
新NISAのリスクと管理法
非課税による運用ができる新NISAだが、投資を行う以上は元本割れのリスクがある。
新NISA口座で抱えた損失は、利益と相殺して税負担を軽減させる「損益通算」の対象外であるため、元本割れを回避する戦略を考えておく必要がある。
元本割れのリスクを低減させる方法として「長期・分散投資」が挙げられる。
運用期間を長く設定し、複数の投資先に分散させる運用戦略だ。
長期投資を行うと短期的な値動きの影響が軽減され、安定したリターンを得やすくなる。
そして分散投資を行うことで、投資先の1つが下落したときのダメージを軽減できる。
万が一のダメージを軽減しつつ、安定したリターンを狙える運用戦略だ。
適切にリスクを管理していくためにも、長期・分散投資を実践しよう。
新NISAに関する相談先はどこが良い?
先ほども少し触れたが、新NISAについては銀行や総合証券でサポートしてもらえる。
しかし新NISAに関する相談を検討しているのであれば、外部の専門家に相談することをおすすめする。
ここでは、外部の専門家に相談すべき理由やおすすめの相談先「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」のメリット、アドバイザー検索サービス「資産運用ナビ」の利用方法を紹介していく。
外部の専門家に相談すべき理由
銀行や証券会社の担当者ではなく、外部にいる専門家に相談すべき理由として「中立な目線から投資アドバイスを提供してくれる」という点が挙げられる。
商品を取り扱っている銀行・証券会社に直接相談してしまうと、会社の営業方針による提案をされるリスクがあるためだ。
金融機関も営利企業であるため、できるだけ手数料を取れる商品を提案したいと考えている。
証券会社に入る手数料が高いということは、顧客側が得られる収益がその分だけマイナスになってしまうということだ。
外部の専門家は、自分たちで商品を取り扱っていないため、提案する商品によって得られる手数料に差が生じることもない。
中立な目線から顧客に本当に合った商品の提案を行える。
自分に合う商品の提案を受けたいのであれば、銀行や証券会社ではなく外部の専門家に相談すると良いだろう。
IFAの役割とメリット
外部の専門家に相談を希望する場合、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)がおすすめだ。
IFAは金融機関には所属しない立場から顧客の資産運用の相談を受ける専門家である。
顧客ニーズに合った運用プランの提案や商品の提案・仲介を行うことが主な役割だ。
IFAに相談するメリットとして以下の2点が挙げられる。
- 中立な目線での運用提案を受けられる
- 長期間にわたる投資アドバイスを得られる
IFAは金融機関から独立した立場を保っているため、中立な目線から商品を提案してもらえる。
自分にとってベストな投資アドバイスを提供してくれる点が大きな魅力だ。
また、IFAには異動や転勤が原則としてないため、同じ担当者が長期的にサポートしてくれる。
一貫した運用方針で的確なアドバイスを長期的に提供してくれる点もIFAに相談するメリットだ。
中立な立場から最適なアドバイスを長期的に提供してくれる専門家に相談したい場合は、IFAへの相談を検討してみよう。
「資産運用ナビ」の利用方法
IFAに相談したい方は「資産運用ナビ」を利用しよう。
「資産運用ナビ」とは、相談先の専門家を探す投資家とIFAをマッチングさせるサービスのことだ。
IFAに相談するためには、近くの業者を比較して信頼できるかどうかを判断し、問い合わせを行う。
面談の日程を調整し、具体的な相談に進むといった流れになる。
しかし近くのIFAを探すこと自体が難しく、信頼できる業者を見極めることも簡単ではない。
「資産運用ナビ」であれば、あなたが希望する条件をフォームに入力するだけでアドバイザーが自動で診断され、紹介を受けられる。
全国のデータベースからあなたの運用目的や資産状況とマッチしたアドバイザーを紹介する仕組みだ。
アドバイザーの紹介費用・相談費用は無料、何度でも繰り返し相談可能となっている。
提案内容で不明点や気になる点がある場合、納得が行くまでじっくり相談できる。
信頼できるIFAを探している方は、ぜひこの機会に「資産運用ナビ」を利用してみてはいかがだろうか。
銀行?証券会社?新NISAはどっちで運用すればいい?
本記事では、銀行と証券会社の新NISA口座における主な違いや口座選択のための判断基準を紹介した。
金融機関選択が新NISA運用の成果を大きく左右するため、取り扱っている商品ラインナップや提供サービス、コストパフォーマンスを比較して自分に合う金融機関を選ぼう。
また、新NISAについての疑問や不安については銀行や証券会社のアドバイザーではなく、外部の専門家に相談することを推奨する。
特に、IFAは中立な立場からあなたに最適なアドバイスを長期にわたって提供してくれるため、信頼できる相談先となるだろう。
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