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【4015】アララ株式会社代表取締役社長 尾上徹氏「アイデアとテクノロジーで世界をもっとハッピーに」

※本コラムは2023年12月1日に実施したIRインタビューをもとにしております。

アララ株式会社は、スーパーマーケットや小売店などに、独自Payを提供するキャッシュレスサービス事業と法人にメッセージングサービス等を提供するソリューション事業を展開しています。

沿革や事業概要、中長期の成長戦略について、代表取締役社長の尾上徹氏に伺いました。

目次

アララ株式会社を一言で言うと

 世の中にある潜在的な欲求や課題をアイデアとテクノロジーを駆使して解決し、みんなをハッピーにする、そんなサービスを世界に提供している会社です。

沿革

アララ株式会社代表取締役社長 尾上徹氏

私は元々JCBでクローズドループと呼ばれるハウス電子マネー事業を担当していました。

その後、自らバリューデザインを立ち上げることになりました。

一方、時を同じくして設立されたのが株式会社レピカ(後のアララ株式会社)です。

2社は共にハウス電子マネー事業を展開する競合関係にありましたが、一緒になることで業界をリードしていきたいという想いから、2022年に経営統合を果たしました。

持株会社体制移行の背景とメリット

当社は、2024年の3月からから持株会社体制に移行し、社名を「ペイクラウドホールディングス」に変更します。

また同時に、デジタルサイネージ関連事業を行っている株式会社クラウドポイントと経営統合します。

それぞれのビジネスを掛け合わせることで、決済を中心とした事業をグローバルに展開・拡大していくことを目指します。

アララ株式会社 2023年11月27日 事業計画及び成⾧可能性に関する事項 より引用

事業内容

概要

当社は、2024年3月から持株会社体制となり、株式会社バリューデザインでキャッシュレスサービス事業、アララ株式会社でソリューション事業、株式会社クラウドポイントでデジタルサイネージ関連事業を推進していきます。

現在、売上の約85%を占めるのがキャッシュレスサービス事業です。

決済手数料が主な売上です。

顧客の店舗において独自Payがより利用されるようにするために重要な要素となるのが、マーケティングであると我々は認識しています。

そのため、デジタルマーケティング、およびインターネット関連サービスを展開している「CARTA HOLDINGS」との資本業務提携契約を2023年3月に締結いたしました。

ソリューション事業においては、メール配信サービス「アララメッセージ」の開発・提供をはじめ、個人情報検出・管理ソリューション「P-Pointerシリーズ」の開発・提供、ARプラットフォームアプリ「ARAPPLI」の開発・提供、「Meta Spark」のコンテンツ制作をおこなっており、代理店経由での販売のほか、サービス連携パートナーが提供するサービスと統合し販売しています。

アララ株式会社 2023年11月27日 事業計画及び成⾧可能性に関する事項 より引用

キャッシュレスサービス事業の優位性

汎用決済との違い

PayPayを始めとする汎用電子決済と競合するのではないか、とお考えになる投資家の方も多いと思います。

しかし、顧客にとって独自Payはこれらの汎用決済と「併用可能な」決済サービスです。

実際に、当社では「汎用決済と独自Payを一緒に導入しましょう」と提案しています。

汎用決済は新規顧客の獲得に向いており、私たちのサービスは既存顧客のロイヤリティアップ、再来店促進に長けています。

また、汎用決済と連携もしており、汎用決済から独自Payへチャージすることで、お客様の利便性アップやお得感の醸成にもつなげています。

現在、汎用決済には様々なサービスが乱立していますが、独自Payを提供する我々にとっては競合ではない、ということをまずはご認識いただけたらと思います。

アララ株式会社 2023年11月27日 事業計画及び成⾧可能性に関する事項 より引用

プロモーションノウハウ

そして、このビジネスを行う上ではプロモーションのノウハウが必要不可欠です。

当社の顧客である小売店や飲食店は、「いかに売り上げを伸ばすか」ということが一番の関心事です。

ただシステムを提供するだけでは売上げは伸びませんし、我々としてもシステムのみを競争優位性とすることに限界があると考えています。

そこで、当社ではそれぞれの業種に向けた最適なプロモーション活動を支援することを優位性としています。

アララ株式会社 2023年11月27日 事業計画及び成⾧可能性に関する事項 より引用

例えば、過去に独自Payを導入したものの、なかなかお客様への普及が進まなかったスーパーマーケットがありました。

当初、「電子マネーにチャージしてくださったお客様に卵1パックをプレゼント」という施策を実施しましたが、それでも普及が進みませんでした。

そこで、「ティッシュボックスをプレゼント」に施策を変更したところ、チャージ金額が跳ね上がりました。

ティッシュボックスを持ってお店から出てくるお客様の姿が他のお客様の目に留まり、キャンペーンの存在をアピールするきっかけとなったのです。

このような業態ごとの細かなノウハウが必要になり、これこそが差別化要因にもなっています。

継続的なサービス拡充

当社は「決済」を主軸に事業を展開しています。

アジア全体で見ても、決済のあり方は変化しており、インドやシンガポールでは政府主導でのキャッシュレス化が進んでいます。

我々は、そういった海外のキャッシュレスを中心としたIT技術を日本に持ち込んで活用したり、場合によっては日本から別の国の事情に合うよう形で提供するなど、国内外の連動を強化し、成長するマーケットの需要を捉えていきたいと考えています。

アララ株式会社 2023年11月27日 事業計画及び成⾧可能性に関する事項 より引用

他にも、当社グループのバリューデザイン社はクレジットカード会社と包括契約を結んでいます。

店頭での現金チャージに加え、別のチャージ手法を取り入れたいとする既存顧客に対して、ワンストップかつ開発コストを抑えたクレジットカードでのチャージを提供しています。

当社を介すことで顧客は大手と同様の手数料率でクレジットカードチャージを利用できるため、店舗はコストを抑えて導入が可能です。

我々としても新たなサービスを提供することで、顧客とより強固な関係性を築くことができています。

また、我々のサービスはプリペイド式、且つそのお店専用の電子マネーですので、残高が残っていれば、それが来店いただくきっかけになります。

例えば、そこにレシートを活用したキャンペーンを行い、お店で利用できる独自Payなどの特典を付与することで、さらに再来店を促し、買い物をしている限り残高が残り続けるような仕組みを作っています。

このように、店舗と長期的な関係性を築く上では新たなサービスを提供し続けることが非常に重要です。

我々は独自Pay領域において競争優位性を築き、継続的に様々なサービスを開発・提供することで、顧客にとってなくてはならない存在となっています。

また今回の経営統合によって我々が提供できるサービス領域が広がり、更に強化していきます。

アララ株式会社 2023年11月27日 事業計画及び成⾧可能性に関する事項 より引用

中長期の成長イメージとそのための施策

当社が独自Payで目指すのは、決済とマーケティングの融合です。

そこに欠かせないのが、今、注視されているリテールメディアです。

店舗とお客様をつなぐ店外での接点については、SNSを活用したマーケティングを得意とするCARTA HOLDINGSと資本業務提携、店内での接点に関してはメニューボードやプロモーションに利用できるデジタルサイネージ関連サービスを手掛けるクラウドポイントと経営統合を行います。

ただ、一口にマーケティングと言っても実際は幅広い分野に広がっているので、決済とマーケティングに関わる機能を拡充させることで成長していきたいと考えています。

決済のみのキャッシュレス化の進行とマーケティングによる集客を加えた独自Payの需要拡大には少しタイムラグがありますが、国内のキャッシュレス比率が今後も上昇する見込みであることを考慮すると、伸び代はまだまだあると考えております。

一方、集客の肝となるプロモーションノウハウの獲得には、人材の確保および育成が重要な鍵になると認識しています。

また、現状、現金で支払っている消費者に対して、いかに独自Payを利用していただけるようにすることも重要です。

そしてこれは、店舗にとってもキャッシュフローの改善やオペレーションの短縮といった形でプラスに働きます。

すでに構築されている関係性を基盤に、今後も共通の目的に向かって新たなサービスを追加してまいります。

アララ株式会社 2023年11月27日 事業計画及び成⾧可能性に関する事項 より引用

海外展開

グローバルで見ても、キャッシュレス化の進行とともに独自Payやデジタルギフトへの需要が高まっています。

現在、当社グループとしては、インド市場とタイ市場に経営資源を集中しております。

この需要を捉えるべくインドとタイの孫会社を通じ、現地の社員が主体となって事業を展開しています。

各地の優秀なスタッフが現地の実情にあわせて、サービスを提供し、日本市場の事業規模に追いつき、追い越すように海外マーケットの成長を捉えていきたいと考えています。

注目していただきたいポイント

独自Payは、どちらかというとニッチなサービスだと思います。

しかし、決済を軸としたこのニッチな世界にはまだまだ広がりがあると考えています。

将来的には、大手カード会社などが活用するプラットフォームをグローバルで確立させ、我々がこの世界をリードしていくことも画策しています。

全世界のキャッシュレス比率が上がるにつれて、独自Payによる消費者の再来店促進のニーズは確実に上がっていくでしょう。

この市場の広がりを捉えるためにも、グローバルなメンバーを集めて、サービスを展開していきたいと思っています。

アララ株式会社 2023年11月27日 事業計画及び成⾧可能性に関する事項 より引用

投資家の皆様へメッセージ

当社のビジネスはニッチな領域であり、汎用決済とは異なるポジションから今後も圧倒的なシェアを獲得していきます。

グローバルでキャッシュレス化が進めば、間違いなく我々の事業ポテンシャルも拡大していきます。

そこをしっかり獲得していきますので、投資家の皆様にはぜひ長い目線で応援していただけますと幸いです。

アララ株式会社

本社所在地:東京都港区南青山2丁目24番15号 青山タワービル別館

設立:2006年8月

資本金:1,001百万円(2023年8月末時点)

上場市場:東証グロース市場(2020年11月19日上場)

証券コード:4015

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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