※本コラムは2023年12月27日に実施したIRインタビューをもとにしております。
株式会社デジタリフトは統合マーケティング企業として、あらゆるデジタル領域のマーケティング施策を提供・最適化し、クライアントとエンドユーザーの双方の利益を最大化しています。
代表取締役の百本正博氏に事業戦略の変遷や今後の成長方針を伺いました。
株式会社デジタリフトを一言で言うと
デジタルマーケティングに関わる全般をワンストップで提供している会社です。
沿革
創業経緯
当社は2012年11月に創業しております。
当時はデジタル運用広告が今ほど一般的ではない時代でしたが、徐々にリスティング広告やバナー広告の運用が脚光を浴びていきました。
私自身は1995年から10年間、(株)大広で大手メーカーや金融機関のブランド戦略やイベント企画に携わり、その後、デジタルエージェンシーの営業部門に対するコンサル業務を経験しました。
両業界を経験して感じたことは、重なっているはずの総合広告代理店と専業広告代理店の対処領域が分断されており、クライアントから見た利便性の提供が業界として不十分だという事。
もう1点は明快なデジタルシフトです。
そこでクライアントにとっての真のマーケティングとは何かを考えた時、デジタルマーケティングの分野での総合的な提案が必要であると考えたことが、当社を設立したきっかけです。
事業安定化と上場、更なる事業拡大へ
設立から1年後の2013年に(株)フリークアウトHDとパートナーシップを結びました。
高い信用力の下で地道な営業を重ね、徐々に売上を伸ばしていき、2016年には(株)フリークアウトHDの連結子会社になりました。
この資本業務提携が当社の更なる運営基盤の強化やリードの獲得、そして大手クライアントの獲得に寄与しました。
2021年9月には東証マザーズ市場(現東証グロース市場)に上場を果たし、(株)フリークアウトHDの連結子会社から外れました。
また、現在はM&Aを積極的に行っており、2023年にはmeyco(株)とウェブココル(株)を連結子会社化し、事業拡大してまいりました。
事業の概要と特徴
概要
当社は顧客のデジタル分野のマーケティングをサポートする統合デジタルマーケティング事業を行っています。
具体的には、広告・コンサルティング領域とブランド・メディア領域があります。
広告・コンサルティング 領域では、クライアントに対してデジタルマーケティング全体のコンサルティングやWEB広告運用でクライアントのビジネスを支援しています。
一方、ブランド・メディア領域では、クライアントに対してSEO(検索エンジン最適化)やアフィリエイト、SNS運用等のサービス提供を行います。
これら2つの領域をクライアントのニーズに合わせてカスタマイズしながらご提供しています。
事業における優位性
各領域の専門性
当社は過去、専門性の高い人材を積極的に採用し育成してきました。
デジタルマーケティングと一口に申しましても、広告運用、アフィリエイト、インフルエンサーマーケティング、SEO、制作などその領域は多岐に渡ります。
一般的なデジタル専業の広告代理店では、特定の分野に限定している事がほとんどですが、当社はデジタルマーケティング全般に対する複数のソリューションを提供できることが強みです。
当社の事業を支える人材は、マーケティング分析を担う理系人材等、様々なバックグラウンドでデジタルマーケティングに携わってきたスペシャリストです。
複数分野で各々のスペシャリティを持った人材が揃っているため、デジタルマーケティングに関わるあらゆる課題に対して多様なソリューションを提供する基盤があります。
総合的なコンサルティング力
この強みは、当社が長期的に顧客との関係を継続できている理由でもあります。
先程お話しした各領域の専門性はもちろん大事ですが、クライアントに真摯に向き合い課題を解決していくためには、全体像を見通すコンサルティング力が必要不可欠だと考えています。
デジタルマーケティング支援は専門性が高いがゆえに、短期的な採算性や費用対効果の向上のみを目的とした支援に限定したサービス提供をしているようですが、それでは本質的な課題解決には至りません。
当社はクライアントへのヒアリングを徹底的に行った上でどのような価値提供ができるのかを第一に考え、包括的な解決策を提案します。
また、専門性の高い人材を多く有している他、各サービスの実行部隊を内省化しているため、予算の適切な配分に関するアドバイスも可能です。
当社ではクライアントに対してのスピード感も重要視しており、当社に依頼いただくことで、高いクオリティで課題への迅速なアプローチが可能になります。
このような総合的なコンサルティング力が2つ目の優位性です。
異分野融合の組織風土
当社はこれまで、ベンチャー創業期・上場子会社・上場企業としての様々なフェーズを経験し、グループ経営に必要な要素を事業の成長と共に培ってきました。
様々なサービスを統合的に提供する当社では、クライアントの期待に応えるために、各領域の専門家がお互いの強みを出し合う必要があり、コミュニケーションを重視しています。
そのため、当社では協調性の高い人材、他者を理解しようと努力する人材が集まっています。
また、近年ではM&Aを積極的に行っており、当社自身が過去に上場企業の子会社となった実体験を持っていることも強みとなっています。
どうすればM&Aを行った会社の価値を最大化して、グループ全体のシナジーを生み出していくのかについては「買われた側」の立場を理解する必要があると考えています。
独自性の高いベンチャー企業が高い自由度のまま強みを活かす形で、当社がマネジメントを行うことが、グループとしての提供価値を最大化できると考えています。
一見すると、異分野融合によってコミュニケーションコストが高くなるリスクも考えられますが、当社の「User Experienceをデジタル技術で最適化する」というミッションの下、各分野が一丸となり高めあうことができています。
この異分野融合の組織風土も当社の優位性の1つです。
中長期の成長イメージとそのための施策
成長性の高いTAM
当社のTAM(Total Addressable Market)は合計で4.3兆円と非常に大きく、成長性の見込める市場だと考えています。
広告・コンサルティング市場では2.68兆円、ブランド・メディア市場は1.68兆円に対して、当社の事業規模はまだ小さいですが今後の戦略によって拡大余地は大きいと考えています。
また、当社は統合デジタルマーケティング企業であり、この膨大なマーケットで事業を拡大していくための基盤があります。
これから、当社が掲げる成長戦略についてお話しします。
クロスセルと事業の多角化
広告・コンサルティング領域とブランド・メディア領域、両分野でのクロスセルを推進していきます。
具体的には、当社がこれまで広告・コンサルティング領域のソリューションを提供してきたクライアントに対して、ブランド・メディア事業を掛け合わせることによって提供価値を高めていきます。
特に、ブランド・メディア事業に関しては、利益率が高く市場の成長も期待でき事業を支えていく基盤となり得るため、注力分野と位置付けています。
当社の強みでもある各領域の専門性と総合的なソリューションを武器に、クライアントへの提供価値を高めていくと共に、業界内でのシェア獲得を目指します。
M&Aによる事業基盤の更なる安定化
引き続きM&Aについては積極的に推進していく施策の1つとして掲げています。
2023年は制作領域に強みがあるmeyco(株)やSEOに対して高いノウハウを持つウェブココル(株)に対してM&Aを行いました。
今後も当社とのシナジーを見込める業界で積極的にM&Aを行なっていく予定です。
デジタルマーケティングに関わる様々なクライアントに対して、幅広いソリューションを提供していくための基盤作りを引き続き進めてまいります。
注目していただきたいポイント
当社が目指しているのは統合デジタルマーケティング企業です。
デジタル広告はデジタルマーケティングを行うための一種の手段でしかありません。
また、国内のデジタル広告専業の企業では、当社のようにパッケージとして包括的なデジタルマーケティングの提案をすることは難しいと考えています。
当社はデジタル関連におけるソリューションを幅広く提案できますし、時代の変化に対して柔軟に対応できるだけの事業基盤があると考えています。
この臨機応変に対応可能な当社のソリューションと、それを支える事業基盤に是非注目していただければと思います。
投資家の皆様へメッセージ
今後、当社はデジタルマーケティング領域において幅広く事業を展開していきます。
クライアントとエンドユーザーに提供する価値を最適化していくためにも、デジタル関連の分野における武器を積極的に獲得していきます。
そのためにも、既存事業への投資はもちろんのことM&Aを含めた投資も継続していく予定です。
投資家の皆様には当社の事業に賛同していただくとともに、中長期的な目線でご支援いただけますと幸いです。
本社所在地:〒106-0031 東京都港区西麻布4-12-24 興和西麻布ビル7階
設立:2012年11月27日
資本金:137,463,580円(2023年9月末時点)
上場市場:東証グロース市場 (2021年9月28日上場)
証券コード:9244