- 新NISAでインド株を購入する方法が知りたい
- インド株投資のリスクと成長性を理解したい
- インド市場の特性と効果的な投資戦略を学びたい
2024年からスタートした新NISAでは、非課税枠が拡大したことから投資先に悩んでいる人も多いかもしれない。
「ポートフォリオのスパイスとなる投資先を探している」という人は、インド株投資を検討するのもひとつの方法だ。
本記事では、新NISAでインド株に投資する方法や注意点などについて解説していく。
新NISAでインド株を購入する方法
新NISAでは非課税枠が増加したことに加えて、非課税期間も無期限化されたことから、ぜひインド株投資にも活用したい。
しかし、インド株投資は日本株や米国株投資とは少し異なる点がある。
ここでは、新NISAでインド株を購入する方法について解説していこう。
インドの株式市場に直接投資することはできない
インド株投資が日本株や米国株投資と大きく異なるのは、「株式市場に直接投資ができない」という点だ。
インドの株式市場は外国人投資家による買付が制限されているため、日本から直接株式を購入することができない。
たとえば、米国株であれば日本の証券会社を通じて直接投資することが可能だ。
インド株にはそういった仕組みが設けられていないため、「この企業の株式を買いたい」という意向があっても、残念ながら個別銘柄に投資することはできない。
では、インド株はどのように投資すればよいのだろうか。次の章でくわしく紹介しよう。
新NISAでインド株を購入する3つの方法
新NISAでインド株に投資するには、下記3つの方法がある。
- 投資信託
- 国内・海外ETF
- 米国のADR
それぞれくわしく解説していこう。
投資信託
インド株は直接株式市場に投資することはできないものの、投資信託を通じて投資することが可能だ。
日本の公募投資信託は全体で約6,000本ほどの種類があり、その中にはインド株を取り扱うものも多い。
投資信託へ投資するメリットとして、銘柄が分散できる点が挙げられる。
投資信託は、投資家から集めた資金をもとに複数の銘柄へ分散投資される。
1つのファンドのなかで数十〜数百の銘柄に分散されるため、より多くのインド企業へ投資することが可能だ。
個人では発掘できないような銘柄に投資できるのも嬉しいポイントである。
インド株投信には、インドの株価指数であるSENSEXに連動するような「インデックスファンド」や、ファンドマネージャーが投資先を選定する「アクティブファンド」など、さまざまな種類があるため、自分の投資意向に合わせて投資先を選定してみよう。
国内・海外ETF
インド株は国内・海外ETFを通じて投資することも可能だ。
ただし、国内ETFについては「NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信(1678)」の1本のみとなっており、選択肢が限られている。
複数の選択肢の中から投資先を選びたい場合は、海外ETFのなかから選ぶことがおすすめだ。
たとえば、米国ETFでインド株をテーマにしたものには、次のような例が挙げられる。
- ウィズダムツリー インド株収益ファンド(EPI)
- ヴァンエック・ベクトル・インド小型株ETF(GLIN)
- Direxion デイリー MSCI インド株 ブル2倍 ETF(INDL)
その他にも、香港市場に上場している「iシェアーズS&P BSEセンセックス・インディア・インデックスETF(02836)」や「db xトラッカーズ ニフティ50 UCITS ETF(03015)」などでもインド株への投資が可能だ。
米国のADR
先ほどインドの個別銘柄には投資ができないことを伝えたが、銘柄によっては米国のADRを通じて投資できるものもある。
ADRとは「米国預託証券」と呼ばれ、外国で発行された株式を裏付けに発行される米ドル建ての有価証券である。
インド企業のなかにはADRの仕組みを利用して米国市場に上場しているところもあり、実質株式のように投資することができる。
ADR銘柄の例として、次のような企業が挙げられる。
- インフォシス・テクノロジーズ(INFY)
- ウィプロ(WIT)
- ドクター・レディース・ラボラトリーズ(RDY)
新NISAを活用したインド株投資の成長性
IMFが2024年1月に公開した世界経済見通しによると、2024年のインドの経済成長率は6.5%となっている。
先進国の成長率が1.5%と鈍化が予想されるなか、インドがこれだけ高い成長率を期待されているのには、どのような背景があるのだろうか。
くわしく解説していこう。
2023年にインドの人口が世界一に
インドの成長性の大きな鍵となっているのが人口増加である。
インドの人口は2023年4月末に14億2,577万人に達し、ついに中国を抜いて世界一となった。
インドの人口増加は2060年代まで続くと予想されており、現在「人口ボーナス期」の真っ只中にある。
人口ボーナス期とは、生産年齢人口の人数がそれ以外の人口の2倍以上を占める状態のことを指す。
つまり、若い働き手が多く高齢者が少ない人口構成であるため、社会保障費を抑えながら経済が発展しやすい状態にあるといえる。
日本も人口ボーナス期に高度経済成長期を迎えたことから、今後インドでも経済が発展していくことが期待される。
インドの個人消費の拡大
インドの人口増加は個人消費の拡大にもつながる。インドのGDPは個人消費が約6割を占めており、経済に大きな影響を与える要因となっている。
今後、消費に積極的な中間層や富裕層が増えることで、さらに個人消費が拡大していくことが期待される。
たとえば、インドの国内のスマートフォン普及率はここ数年で飛躍的に上昇しており、Apple社もすでにインド国内での生産を開始している。
その一方でエアコンや冷蔵庫、自家用車などの普及率はまだ低水準にあり、今後さらに個人消費が拡大していく見込みがあるといえる。
インド国内での投資家の増加
中間層・富裕層の増加によって、インド国内では株式投資への関心も高まっている。
特に、積立投資による投資信託の購入に資金が集まっており、2023年9月には積立専用口座が8,000万口座を突破している。
また、積立投資による資金流入も1,500億ルピーを超え、インドの株価を下支えする大きな要因となっている。
今後、国内経済の発展により生活にゆとりが生まれる人が増加すれば、さらに株式投資の需要も増加していくといえるだろう。
モディ政権による改革
インド経済の発展で欠かせないのが、モディ政権による数々の経済改革である。
モディ政権は2014年から続いており、まもなく10年を迎えようとしている。
2014年からの1期目では、ブラックマネーの排除を目的とした高額紙幣の廃止や、ビジネス環境を改善するためにGSTの導入を行い、大きな経済改革を行った。
特に、モディ政権がスローガンとして掲げる「メイク・イン・インディア」は、外国企業の誘致に大きく貢献している。
このスローガンは、インドを世界のものづくりの拠点にすることを目的に掲げられたもので、すでにトヨタやスズキなどの日本企業もインドに製造拠点を設けている。
インド国内で製造業が発展することにより、雇用機会が増加するだけでなく、税収の増加や輸出の増加といったメリットも期待されている。
新NISAにおけるインド株投資の注意点
新NISAでインド株投資を始める際は、次の3点に注意したい。
- つみたて投資枠の対象商品が少ない
- 先進国株に比べてコストが高め
- リスクが偏りがち
それぞれくわしく解説していこう。
つみたて投資枠の対象商品が少ない
新NISAでは「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2つの投資枠があり、どちらも併用することが可能だ。
つみたて投資枠は金融庁が定めた基準をクリアしている投資信託が対象となっていることから、利用を検討している人も多いだろう。
ただし、インド株については、つみたて投資枠の対象ファンドとなっているのが「iTrustインド株式」の1本のみとなっている(2024年2月現在)。
今後、インド株へも注目が高まることで対象ファンドが増える可能性はあるものの、現状では選択肢が限られている。
しかし、成長投資枠であれば、複数のインド株ファンドが対象となっている。
投資信託でインド株投資を行いたい場合は、つみたて投資枠だけでなく成長投資枠も視野に入れてみるとよいだろう。
なお、新NISAの投資対象についてはこちらの記事でまとめたので、さらに詳しく知りたいという方はぜひ参考にしてほしい。
先進国株に比べてコストが高め
インド株の投資信託を購入する際は、コストの水準についても知っておきたい。
インド株に限らず新興国株式を対象とした投資信託は、先進国株式に比べて信託報酬が高い傾向にある。
たとえば、つみたて投資枠で人気の高い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は信託報酬が、年率0.05775%であるのに対し、「iTrustインド株式」では年0.3828%となっている。
信託報酬はファンドによって異なるため、投資先を選定する際は必ず確認するようにしよう。
しかし、信託報酬が高いことは決してデメリットばかりではない。
もちろん運用コストはかさんでしまうが、個人では直接投資ができないインド株に投資ができたり、銘柄選定を行ってくれたりするメリットを考えれば、決して信託報酬が高すぎるとはいえないだろう。
リスクが偏りがち
インド株などの新興国は、国内株や先進国よりもリスクが高い傾向にある。
通貨の変動幅も大きいため、市場の変動要因が起こると大きく株価が下落することも珍しくない。
よりリスクを低減しながら運用するためには、ポートフォリオの資産配分をよく考えることが大切だ。
インド株はあくまでスパイス的な位置づけとして、保有資産の大半を占めるような割合になることは避けたい。
なお、こちらの記事では新NISAで実践可能な代表的な投資手法についてまとめたので、「どのような組み合わせが良いのか分からない」という方がいればぜひ参考にしてほしい。
また、買付のタイミングについても分散することが重要だ。
インド株は比較的値動きが大きいことから、買い時を探るのが難しい。
高値掴みとなるリスクを避けるためには、積立投資などを活用して、時間を分散することを心がけよう。
新NISAで始めるインド株投資の相談は誰にするべきか
インド株は比較的リスクの高い投資先であることから、新NISAを利用する際は金融のプロへ相談することを検討したい。
ここからは、インド株投資におすすめの相談先について紹介していこう。
インド株投資の相談はIFAがおすすめ
新NISAにおけるインド株投資は、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)へ相談することがおすすめだ。
IFAとは、特定の金融機関に所属していないことが特徴の金融アドバイザーだ。
投資の相談先というと証券会社などの金融機関が思い浮かぶが、「セールストークを聞くのは気が引ける」という人もいるかもしれない。
その点、IFAは金融機関の職員ではないため、金融機関の企業利益や営業ノルマから切り離された立場でアドバイスをしてくれる。
また、銘柄選定のコツや売買のタイミングなどについてもアドバイスをくれるので、初めてインド株に投資する人でも安心だ。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用しよう
IFAの人数は年々増加しており、全国各地にIFA法人の拠点が増えている。
IFA法人によってそれぞれ特色があることから、「どこに相談すればいいのだろう」と悩む人も少なくない。
そんなときにおすすめなのが、IFA検索サービスの「資産運用ナビ」だ。
「資産運用ナビ」では、投資意向や資産の状況、投資経験などに合わせて、相性の良いIFAを紹介してもらえる。
面談前にIFAの経歴や得意分野も確認できるので、安心して面談にのぞむことが可能だ。
無料で利用できるので、ぜひ一度気軽に相談してみよう。
新NISAでインド株投資を始めよう
インド株は直接株式市場に投資することはできないものの、投資信託やETF、ADRを通じれば新NISAで買い付けることができる。
ぜひポートフォリオのスパイスとして加えることを検討してみよう。
ただし、インド株はリスクの高い投資先であることから、金融のプロであるIFAへ相談しながら取り組むことがおすすめだ。
「資産運用ナビ」を活用して、自分の投資意向に合うIFAを探してみよう。