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【9241】株式会社フューチャーリンクネットワーク 事業概要と成長戦略に関するIRインタビュー

※本コラムは2024年3月14日に実施したIRインタビューをもとにしております。

株式会社フューチャーリンクネットワークは地域活性化を継続的かつ発展的事業の形で実現することで、社会に貢献する会社です。

代表取締役の石井丈晴氏に事業戦略の変遷や今後の成長方針を伺いました。

目次

株式会社フューチャーリンクネットワークを一言で言うと

多様性(=地域活性化)マーケティングを追求する会社です。

フューチャーリンクネットワークの沿革

株式会社フューチャーリンクネットワーク代表取締役 石井丈晴氏

創業経緯

当社の創業は2000年に遡ります。

当時、私はリクルートの人事部におり、ちょうどインターネットが普及し始め、情報の流れがより大きく変わり始めたタイミングでした。

その頃はクーポンマーケティングも急速に広がり 、ホットペッパーをはじめとするクーポンサービスが一般化していました。

同様に、チェーン店の急速な普及も見られ、全国どこでも同じ品質、同じ味を提供することができるようになりました。

しかし別の角度から見ると、このような画一的なサービスの提供によって地域の多様性が失われてしまうのではないかと感じました。

またインターネットの出現によって、ただお買い得な情報を集めて価格の比較をするだけではなく、多様な情報を広く流通させる手段にもなり得るという点に注目し、大きなビジネスチャンスを感じました。

そこで当社を設立し、地域情報サイト「まいぷれ」の運営を千葉県船橋市で開始しました。

ビジネスモデルの確立

創業以来、当社が全国に支店を設けて直接展開するという戦略は、事業の多様性、地域活性化への貢献、そして将来の成長性の観点から考えていませんでした。

そこでフランチャイズとも代理店とも異なる、独自のパートナーモデルを模索し、その結果、2005年に島根県出雲市で初のパートナーが誕生し地域情報流通事業の全国展開におけるロールモデルとなりました。

続いて2006年、川崎市と協業して公共ソリューション事業がスタートし、これもまた事業上の重要なターニングポイントとなりました。

その後、協業するパートナーと自治体は着実に増えていき、2021年8月に東証マザーズ市場(現東証グロース市場)に上場しました。上場後はパートナーの開拓はよりスムーズになりました。

また、地域密着型の体制を持ち、地域に根ざしたサービスを展開するという当社の強みを評価していただき、アライアンスや提携を求める企業からお声がかかるようになりました。

株式会社フューチャーリンクネットワーク 2024年8月期 第1四半期決算説明資料 より引用

フューチャーリンクネットワークの事業の概要と特徴

概要

主に地域情報流通事業と公共ソリューション事業の二つです。

株式会社フューチャーリンクネットワーク 2024年8月期 第1四半期決算説明資料 より引用

当社は地域活性化を目的とした地域情報プラットフォーム「まいぷれ」という地域の中小事業者が情報発信を行うためのプラットフォームの展開を行っています。

船橋を含むいくつかの直営地域でビジネスモデルを確立し、その知見を全国のパートナーに提供しています。

収益モデルとしてはサブスクリプションモデルを採用し、現在では約1万8千店の事業者に利用されております。

直営地域の場合は直接、パートナー地域の場合はパートナー経由で収益を得ています。

さらに、国や自治体から受託する公共ソリューション事業も行っており、この分野では現在の売上比率においてはふるさと納税の後方支援が主要な事業となっています。

ふるさと納税については、地域の生産者や農家を訪問し返礼品を開拓することから、その魅力を取材し寄付を募ること、寄付受付後のバックオフィス業務までをトータルサポートしています。

株式会社フューチャーリンクネットワーク 2024年8月期 第1四半期決算説明資料 より引用

事業における優位性

地域情報プラットフォームとしての独自性

地域情報サイト「まいぷれ」を立ち上げた当初から、そのサービスが地元の人向けなのか、それとも外から来る観光客向けなのかという質問を頻繁に受けてきました。

しかし、この質問に対してはどちらにもアプローチしているとお答えしています。

なぜなら、日本の観光習慣は主に旅行代理店が提供するモデルコースに沿って行動することが一般的である一方で、海外の観光客はその地域の日常や文化に触れる体験を好む傾向にあるからです。

私も含めてですが、真の観光の醍醐味は、その地域固有の食事を味わい、地元の人々の生活に触れることにあると考えています。

つまり、地域住民向けのコンテンツと観光客向けのコンテンツは本質的には変わらないということです。

株式会社フューチャーリンクネットワーク 2024年8月期 第1四半期決算説明資料 より引用

そんな地域の『付加価値情報』を発信する自社運営メディアが「まいぷれ」です。

株式会社フューチャーリンクネットワーク 2024年8月期 第1四半期決算説明資料 より引用

また地域事業者の課題にあわせた段階的なサービス・価格設計で、対象となる顧客の業種が幅広く、特化型メディアが存在しない業種や小規模事業者もカバーしていることが特徴です。

株式会社フューチャーリンクネットワーク 2024年8月期 第1四半期決算説明資料 より引用

運営パートナーモデルによる全国展開

運営パートナーを持つことのメリットは、意義的な面とビジネス上の面の2面性があります。

意義的には、私たちの理念にある「地域の多様性を発掘し、地域活性化を図る」という点に即しているという点があります。

直営で展開するよりも、既に地域に根ざした企業や新たに創業する方々と協力することで、各地域においてより多くの雇用を生み出し、新しい産業を育てることが可能です。

ビジネスの観点から見ると、当社のプロダクトと理念が共鳴するコミュニティを超え、経営の多様性を確保することが可能です。

現在、当社の従業員は約140人ですが、パートナーを通じて事業を展開することで、それ以上に多くの人々が関わり、地域ごとに当社のサービスを提供しています。

このようにパートナーシップを結ぶことで、直営地域だけでなく、パートナーを介して全国各地に「まいぷれ」を届けることができます。

この仕組みによって、一つの新しいサービスが160社以上のパートナーを通じて広がり、持続的な成長を実現しています。

株式会社フューチャーリンクネットワーク 2024年8月期 第1四半期決算説明資料 より引用

プラットフォーム運営体制を活かした公共ソリューション

公共(Public)が抱える課題に対し、地域密着型の体制を活かした多様なソリューションを官民協働事業として提供しています。

地域情報プラットフォームの運営体制があるからこそできる、実行力のある課題解決型事業を実現しています。

現在(2023年11月末時点)、協定・覚書締結自治体数は109、ふるさと納税受託自治体数は40にまで伸びています。

株式会社フューチャーリンクネットワーク 2024年8月期 第1四半期決算説明資料 より引用

フューチャーリンクネットワークの中長期の成長イメージとそのための施策

事業モデルの基本方針

「まいぷれ」のサービス価値を高め、単価を向上させると共に、運営パートナー契約数を増やすことで展開地域を広げ、それらのプラットフォームを活用した公共ソリューション事業・新規事業開発の実施により事業成長を加速させていきます。

株式会社フューチャーリンクネットワーク 2024年8月期 第1四半期決算説明資料 より引用

足元では成長の軸に基づいてさまざまな取り組みを実施し、事業成長ロードマップに沿って、直営地域でのフィジビリティとノウハウの蓄積を経て、スケーラビリティを向上させ、各取り組みの展開規模を広げていきます。

株式会社フューチャーリンクネットワーク 2024年8月期 第1四半期決算説明資料 より引用

市場の拡大余地

我々の主な対象市場である中小事業者は、全国に400万社以上存在しています。

そのうち、BtoCを主軸に直接サービスを提供している事業者が200万社以上あります。

これら全てが我々のサービスの潜在的なターゲットであり、現在私たちがサービスを提供しているのは約1万8千社に過ぎません。

つまり、全体の1%にも満たない状況です。

市場にはまだ強力な競合が存在しないため、莫大な未開拓の市場が残されており、我々には大きな成長の余地があると確信しています。

株式会社フューチャーリンクネットワーク 2024年8月期 第1四半期決算説明資料 より引用

競争力の源泉

全国の地域事業者にリアルな接点を持ち、DXを促進できる体制

現在、我々以外のITソリューションを提供する企業が地域に直接訪問してサービスを案内することはほとんどなくなりました。

オンラインでのサービス提案だけでは導入に至らないケースもありますが、我々は直接訪問し状況のヒアリングからニーズの確認、提案までを行います。

これは他の企業には見られない我々の大きな強みとなっています。

株式会社フューチャーリンクネットワーク 2024年8月期 第1四半期決算説明資料 より引用

顧客との継続的関係性

サブスクリプション型で、持続的に価値提供できる地域情報プラットフォーム「まいぷれ」のサービスモデルと、直接現地でサポートできる地域密着型の体制により高い信頼を獲得しています。

先ほどもお話ししましたが導入の段階からサポートまでを一貫して行うことで、顧客の要望にぴったり合ったサービスを提供しているため解約率が低く、高い顧客生涯価値(LTV)を実現できます。

また、特定の専門サイトなどと比較してもコストパフォーマンスに優れており、この点も顧客にとって魅力的な要素の一つです。

官民協働事業の実績とノウハウ

当社は長年にわたって地方自治体と協業してきました。

実は、現在売上比率の多くを占めるふるさと納税事業は、近年新たな参入企業が増え競争が激化している分野です。

しかし、その中でも我々の「まいぷれ」を通じた経験とノウハウが競合優位性となり、他社との差別化を実現しています。

「まいぷれ」で行っているように地域をめぐり、返礼品提供事業者と密接に関わり、彼らのニーズに寄り添いながらプロデュースをすることは、もともと地域に深く根ざして事業を行っている我々だからこそできる営みです。

また、ふるさと納税事業以外の分野、例えば地域共通ポイント制度の構築・運営や、官民協業による情報発信ポータルサイトの開発、災害情報伝達手段の高度化推進事業など、様々なソリューションが展開可能であることも自治体の課題解決における強みとなっています。

株式会社フューチャーリンクネットワーク 2024年8月期 第1四半期決算説明資料 より引用

注目していただきたいポイント

今後の当社の成長と伸び代に注目していただきたいです。

もちろん「まいぷれ」の機能拡充など、既存事業領域を着実に成長させていく一方で、当社ならではの体制・ノウハウなどの強みを活用し新規事業を積極的に開発していきます。

社内リソースのみで完結する事業のみならず、他社とのアライアンスによる事業化も強化することで成長スピードを加速させていく方針です。

既存事業と新規事業の両軸で高い成長性を実現していく当社の事業戦略に注目していただければと思います。

株式会社フューチャーリンクネットワーク 2024年8月期 第1四半期決算説明資料 より引用

投資家の皆様へメッセージ

我々がターゲットとしている市場には極めて大きな潜在的な成長性があることがわかります。

当社の事業の単価と取引件数を考えたとき、パートナーモデルの力によって我々だけではなしえない成長をすると考えています。

この点を踏まえると、現在の市場価値における当社の株価は、投資の観点から見ても非常に魅力的です。

投資家の皆様には、この大きな伸び代を持つ当社にぜひ注目していただき、ご支援いただけると嬉しいです。

式会社フューチャーリンクネットワーク

本社所在地:〒273-0031 千葉県船橋市西船4-19-3 西船成島ビル

設立:2000年3月2日

資本金:272,409,785円(2023年8月31日時点)

上場市場:東証グロース市場 (2021年8月20日上場)

証券コード:9241

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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