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【9166】株式会社GENDA 事業概要と成長戦略に関するIRインタビュー

※本コラムは2024年4月3日に実施したIRインタビューをもとにしております。

株式会社GENDAはエンタメ領域に幅広く根差したグローバルエンタメネットワークを構築し、2040年に世界一のエンタメ企業を目指す会社です。

代表取締役社長の申真衣氏に事業戦略の変遷や今後の成長方針を伺いました。

目次

株式会社GENDAを一言で言うと

2040年に世界一のエンタメ企業を目指す会社です。

GENDAの沿革

株式会社GENDA代表取締役社長 申真衣氏

創業経緯

2018年、私と片岡(現会長)の2人で創業しました。

私は新卒から証券会社に勤めておりましたが「LIFE SHIFT(ライフ・シフト) 」という本を読んで「人生100年」という考えに感銘を受け、長期的なキャリアを築いていくためには何か変化が必要だと感じていました。

そこから転職も考えましたが、イオングループの上場子会社であるイオンファンタジーに20年以上勤め、社長を務めていた片岡との出会いの中で、一緒に「世界一のエンタメ会社を作りたい」と意気投合し当社を設立しました。

当初はゲームセンター向けのゲーム機のレンタルから事業を始めました。

大規模M&Aと非連続の成長

当社最大のターニングポイントは、2020年12月にセガ エンタテインメントの株式を取得したことです。

創業当初からM&Aを通じて事業領域を拡大する戦略は決めておりましたが、これまで行ってきた28件(2024年4月23日時点)のM&Aの中でも、セガ エンタテインメントの取得が最も規模が大きく、私たちにとって重要な転換点となりました。

その後、国内外におけるゲームセンターの運営会社等のM&Aを着実に進め、2023年7月に東証グロース市場に上場を果たしました。

その後も、映画配給会社であるギャガやカラオケBanBan等の施設運営を行うシン・コーポレーションをM&Aし、エンタメ・プラットフォームの拡大を進めています。

株式会社GENDA M&A進捗状況及び 2024年1月期第1四半期 見通しについて より引用

GENDAの事業概要と特徴

概要

現在(2024年4月23日時点)、GENDAグループは22の連結子会社を持ち、非常に多岐にわたる事業を展開しています。

私たちの事業ポートフォリオは、大きく「エンタメ・プラットフォーム」と「エンタメ・コンテンツ」の2つに分けられます。

最大の事業はエンタメ・プラットフォーム事業におけるゲームセンターの運営で、GIGOブランドを筆頭にいくつかのブランドで運営しています。

事業規模で見ると次いでカラオケ運営が続きます。

エンタメ・コンテンツ事業に関してはIPを活用したキャラクターMDや、映画配給やプライズ制作などのコンテンツ&プロモーションを展開しています。

株式会社GENDA M&A進捗状況及び 2024年1月期第1四半期 見通しについて より引用

事業における優位性

IPコンテンツ × プラットフォーム

エンタメ業界ではIPの重要性がしばしば強調されますが、私たちはIPのボラティリティに注目し、まずは顧客との接点を確保するためのプラットフォーム構築に注力しています。

例えばゲームセンターは、クレーンゲームのようなプライズゲームを通じて、毎週様々なIPのプライズ(景品)を展開し、顧客とのリアルな接点を持つパネルプラットフォームとして機能しています。

またカラオケは、コラボルームなどキャラクターの内装やコラボドリンクなどを通じて、顧客に特別な体験を提供しています。

このように、”場所”を整えることでIPの持つボラティリティを最小化して、マーチャンダイズに活かしていくことができます。

そしてM&Aを用いてIPコンテンツとプラットフォームの領域を拡大していきながら、「エンタメ経済圏」を作り上げていくことが当社の目指している姿です。

株式会社GENDA 2024年3月11日 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

3つの領域のプロフェッショナル人材

当社にはエンタメ業界の知識を持ったプロフェッショナル、M&Aに特化したチーム、そしてDX化を支えるテクノロジーチームがいます。

株式会社GENDA 2024年3月11日 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

エンタメ業界、特にゲームセンターでの豊富な経営経験を有するメンバーが集結しており、M&Aしたゲームセンターの全てでPMIを実施した結果、増収・増益を達成しています。

株式会社GENDA 2024年3月11日 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

また、非常に優秀なM&A/ファイナンスチームによってM&Aの意思決定を迅速に行うことができるのも特徴です。

株式会社GENDA 2024年3月11日 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

2024年1月期は実績として170件のM&Aをソーシングし、17件のM&A及び資本取引を行ってきました。

株式会社GENDA M&A進捗状況及び 2024年1月期第1四半期 見通しについて より引用

さらに効率的なPMIを実施できるのは、社内外でのDXを推進するテクノロジーチームを内製化していることによります。

株式会社GENDA 2024年3月11日 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

顧客向けに累計会員数67万人を超える「GiGOアプリ」や業務効率化を実現する社内向けアプリ「GiGO NAVI」は当社に参画した企業のDX化による業績改善を実現しています。

ゲームセンターPMI実績

GiGOのゲームセンターは主に都市型、ショッピングセンター型、郊外のロードサイド型の3つに分かれていますが顧客層の特性に合わせた店舗戦略が必要です。

先ほどもお話ししましたが、当社のPMIの実行にはゲームセンター業界のプロフェッショナルが携わっており、PMI施策として景品ラインアップの拡充による売上向上やスケールメリットを生かしたコスト削減を実現してきました。

2024年4月23日現在、PMI施策を実施した全てのゲームセンターで増収・増益を達成し、取得から一定年数が経過した案件については、既に投資回収が完了し、更なるキャッシュフローの創出を見込める状況です。

株式会社GENDA M&A進捗状況及び 2024年1月期第1四半期 見通しについて より引用

GENDAの成長戦略

GENDAのM&Aによる成長余地に於けるTAMの考え方

現在、私たちが参入しているゲームセンター・カラオケ・映画市場だけでも、国内で約1兆円の市場規模です。

一方で、国内だけでもまだ色々な市場が存在しているので、エンターテインメント全域を視野に入れています。

足元でM&Aする領域は決めておりませんが、既存進出領域の周辺を中心に積極的に検討していきたいと考えています。

株式会社GENDA 2024年3月11日 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

KPIとGENDAに於ける「M&Aの規律」

M&Aの戦略を進める上で、ソーシングにおいてはどれだけ対象企業のパイプラインが充実しているかが重要です。

そのためグループ全体の年間キャッシュフロー創出力を示す「償却前営業利益(営業利益+減価償却費+のれん償却費)」と、「のれん償却前 当期純利益」を重視し、当社はM&Aごとの対象会社のキャッシュフロー創出能力に基づいて財務戦略を行っています。

また、資本効率を最大化するため、M&Aは負債で調達した資金で行っています。

既に実行している調達では40社の金融機関からの融資やリースにより、資金調達の分散と強固なサポート基盤を築いています。

株式会社GENDA 2024年3月11日 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

また私たちの重要な考え方として「一株当たりの株式価値の極大化」、つまりレバレッジをかけて一株当たりの利益を増加させることを追求しています。

そのため無闇に規模を拡大するのではなく、投下資本がキャッシュフローベースで回収可能かどうかを重視したM&Aを行っています。

これらを基本的な方針としながら、世界一のエンタメ企業を目指して「連続的な非連続な成長」を実現していきます。

株式会社GENDA 2024年3月11日 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

注目していただきたいポイント

我々GENDAはM&Aを通じて成長していく会社なので、M&Aを積極的に進めていくところに注目していただきたいです。

そこで重要なのは、M&Aの計画について、皆様に目標の数字を開示していないことです。

これは、件数やPLありきで無理なM&Aを行うことを避けるためです。

現在、当社は2025年1月期売上1000億円、償却前営業利益130億円という数値を公表しておりますが、既存事業ポートフォリオの成長のみを見込んで算出した保守的な数値です。

今後、新たなM&Aを進めることにより、この計画地を上回る成長を目指していきますので期待していただければと思います。

株式会社GENDA 2024年3月11日 事業計画及び成長可能性に関する事項 より引用

投資家の皆様へメッセージ

GENDAは創業から6年というまだまだ若い会社ですが、既に28件(2024年4月23日時点)のM&Aを実施し、2025年1月期の目標として設定した売上1000億円という大きなマイルストーンに向けて進んでいます。

これまでの当社の成長速度には私たちも誇りを持っておりますし、今後も持続的な成長を目指しています。

足元ではM&Aが中心となりますので、解像度高く数値としてお示しすることは難しいですが、常に成長を目指し着実に事業拡大を進めていきますので、ご支援いただけると幸いです。

株式会社GENDA

本社所在地:〒105-0021 東京都港区東新橋1-9-1 東京汐留ビルディング17F

設立:2018年5月10日

資本金:64億6,307万円※資本剰余金含む(2023年8月末時点)

上場市場:東証グロース市場 (2023年7月28上場)

証券コード:9166

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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