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30代でもらえる退職金はいくら?勤続年数・学歴別の金額と増える要因とは

30代で転職や早期リタイアを見据えて「退職金はいくらだろう?」と気になっていないだろうか。

退職金はある程度まとまった金額が支給される傾向にあるため、30代でいくらもらえるかにより今後の生活が大きく変わってくる。

そこで今回は「30代の退職金」について詳しく解説していく。

統計データをもとに「退職金がもらえる勤続年数」や「学歴別の退職金」「退職金が増える要因」について知ることができるので、ぜひご覧いただきたい。

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目次

30代で退職すると退職金はもらえる?

30代で退職を考えたとき、「退職金はもらえるのか?」と気になるのではないだろうか?

退職金がもらえるかは会社の規約ごとに異なるが、退職金の支給傾向として次のようになっている。

退職金の支給傾向

  • 89.8%の企業は退職金を一括で支給する
  • 退職理由により最低勤続年数が異なる
  • 「30代で退職金が支給される要件」を詳しく解説していく。

退職金を一括で支給する企業は89.8%

2021年に実施された中央労働委員会の調査によると、「89.8%の企業」が退職金の一時金制度を導入している。

「一時金制度」とは退職金の受け取り方の1つで、詳しくは以下をご覧いただきたい。

退職金の受け取り方

  • 一時金:退職時に一括で受け取る
  • 年金:年金として分割で受け取る

退職金は「一時金」「年金」「一時金と年金の組み合わせ」の3つの受け取り方があり、

それぞれ税制優遇が異なる。

自己都合での退職金は「勤続年数3年以上」が最多

中央労働委員会の賃金事情等総合調査(令和3年)によると、「自己都合で退職する」場合、勤続年数3年以上から退職金を出す企業がもっとも多い。

以下のグラフは「自己都合の退職」で、退職金がもらえる最低勤続期間の割合を示したものだ。

なお、介護、航空、病院、農協団体等一部の企業を除いた「調査産業」と「製造業」を合算した割合となる。

出典:中央労働委員会「令和3年賃金事情等総合調査」 (2023年1月参照)

会社都合での退職金は「勤続年数1年未満」が最多

会社都合で退職する場合、勤続年数が1年未満で退職金を出す企業が最多となっている。

以下は、中央労働委員会の賃金事情等総合調査(令和3年)をもとに作成したグラフだ。

介護、航空、病院、農協団体等一部の企業を除いた「調査産業」と「製造業」を合算した、「会社都合で退職する」場合の最低勤続期間の割合となっている。

出典:中央労働委員会「令和3年賃金事情等総合調査」(2023年1月参照)

上記グラフを見てわかるとおり会社都合の退職は、自己都合の退職に比べ勤続期間が短くても退職金を出す企業が多い。

勤続期間が1年未満で退職金を出す企業の割合は、自己都合だと7.6%だが、会社都合では58%となっている。

退職理由によって、退職金がもらえる最低勤続年数の傾向が異なるのだ。

【学歴別】30代の退職金を統計をもとに紹介

中央労働委員会の賃金事情等総合調査(令和3年)をもとに、学歴別で30代の退職金がいくらになるのか紹介する。

30代のモデル退職金

  • 高校や大学を卒業してすぐに入社
  • 入社後、標準的な昇進をする

なお、モデル退職金には、退職年金制度を併用している企業の場合、退職年金現価格を含む。

また「調査産業」の対象は、介護、航空、病院、農協団体等一部の企業を除いたものだ。

次の項目では、30代のモデル退職金について詳しくお伝えする。

30代「高卒」の退職金

以下の表は、高校を卒業してすぐに入社し「15年間勤務した33歳」をモデルとした退職金だ。

勤続年数年齢産業職種退職金
15年33歳調査産業総合職(事務・技術)403万5,000円
15年33歳製造業総合職(事務・技術)451万9,000円
15年33歳調査産業生産422万4,000円
15年33歳製造業生産448万5,000円
出典:中央労働委員会「令和3年賃金事情等総合調査 調査結果の概要」(2021年5月10日) (2023年1月参照)

こちらは高卒で「勤続年数20年の38歳」をモデルとした退職金だ。

勤続年数年齢産業職種退職金
20年38歳調査産業総合職(事務・技術)664万7,000円
20年38歳製造業総合職(事務・技術)733万6,000円
20年38歳調査産業生産690万9,000円
20年38歳製造業生産712万7,000円
出典:中央労働委員会「令和3年賃金事情等総合調査 調査結果の概要」(2021年5月10日) (2023年1月参照)

30代「大卒」の退職金

以下の表は、大学を卒業後すぐに入社し「10年間勤務した32歳」をモデルとした退職金だ。

勤続年数年齢産業職種退職金
10年32歳調査産業総合職(事務・技術)310万2,000円
10年32歳製造業総合職(事務・技術)355万4,000円
出典:中央労働委員会「令和3年賃金事情等総合調査 調査結果の概要」(2021年5月10日) (2023年1月参照)

こちらは大卒で「勤続年数15年の37歳」をモデルとした退職金となっている。

勤続年数年齢産業職種退職金
15年37歳調査産業総合職(事務・技術)577万9,000円
15年37歳製造業総合職(事務・技術)647万3,000円
出典:中央労働委員会「令和3年賃金事情等総合調査 調査結果の概要」(2021年5月10日) (2023年1月参照)
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30代の退職金が増える要因とは?

30代で退職を考えたとき、大抵の人は「できるだけ多く退職金をもらいたい」と願うだろう。

退職金が増加する要因は、次のとおりだ。

退職金が増加する要因

  • 長く勤めるほど退職金が増えやすい
  • 仕事の評価が影響することもある

退職金を増やす要因がわかると、退職時までどのような行動をしたらいいのか目標を定めやすくなるため、ぜひ参考にしてはいかがだろうか。

長く勤めるほど退職金が増える企業は78.8%

中央労働委員会の賃金事情等総合調査(令和3年)では、介護、航空、病院、農協団体等一部の企業を除いた調査産業のうち「78.8%の企業」が、退職一時金が定年まで増えるそうだ。

また製造業においては78.6%の企業が、長く勤めるほど定年まで退職金が増加する傾向にある。

ただし、会社によって勤続年数が退職金にどのくらい影響するのか異なるため、30代で退職時期を決めるときは規約を確認しよう。

仕事の評価が退職金の増加につながるケースもある

仕事の評価によって、30代の退職金が増加するケースもある。

東京都産業労働局の「令和2年版 中小企業の賃金・退職事情」によると、退職一時金の特別加算制度を導入しており「功労加算」を行う企業の割合は77.7%となっている。

30代から退職金を賢く活用しよう

自己都合により30代で退職する場合、多くの企業が「3年以上の勤続年数」であれば退職金を出す傾向にある。

また、会社の都合で退職するときは、1年未満の勤続年数であっても退職金の対象とする企業の割合が多い。長く勤めるほど退職金が増える企業の割合は78.8%で、会社の方針によっては仕事の評価が退職金に反映されるケースもある。

企業ごとに退職金が異なるため、勤めている会社の規定を確認したうえで退職のタイミングを見極めるようにしよう。「30代で退職金をもらったら貯金する」と考えている人もいるかもしれないが、メガバンクの普通預金金利は0.001%だ。

そのため銀行の普通預金に100万円預けたとしても、税金が約20円引かれるため1年間で80円ほどしか増えない。

もし預貯金以外にも資産運用を検討するのであれば、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」のIFAに相談するのもいいだろう。また、「退職金ナビ」を活用して、資産運用アドバイザーに相談するのも有効な手段ではないだろうか。プロの視点から資産運用の疑問を解決し、納得した上で資産運用を行おう。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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