- 仕組み債のクーポンはどのような仕組みなのか
- より高いクーポンを狙うにはどうすればよいのか
仕組債投資はリスクが高い代わりに、高いクーポンが魅力です。では、なぜ仕組債のクーポンは高いのでしょうか。
仕組みがわかると、クーポンだけではなく、ハイリスクハイリターンである仕組債の特徴を理解できるので、投資を検討することができます。
今回は、仕組債の高いクーポンの仕組みをお伝えしていきます。
仕組債のクーポンの仕組み
デリバティブ(金融派生商品)が組み込まれている仕組債は、たくさんの種類の商品が販売されています。
今回は、その中でも代表的なEB債(他社株転換可能債券)と株価指数連動債の2つの仕組債で、クーポンの仕組みを解説します。
EB債の場合
EB債(エクスチェンジャブル・ボンド)とは、他社株転換可能債と呼ばれる仕組債です。
償還日までの対象銘柄の株価変動(下落)によっては、満期日に償還金が支払われる代わりに、当該債券の発行者とは異なる会社の株式(他社株)で交付されるケースがあります。
EB債で高いクーポン(利子)が受け取れる主なケースは、下記3つです。
ノックイン事由の発生がなく、額面100%満期償還のケース
対象銘柄の株価が落ち着いてノックイン自由の発生がない場合、満期償還時に投資金が100%償還されます。
投資期間中は、利払期日に従って、高い利率の利子を受け取ることができます。
早期償還条項に該当し、満期償還日より前に額面100%償還のケース
対象銘柄の株価が上昇し、あらかじめ定められた満期償還日より前に、投資金が100%償還されるケースです。
早期償還日までの期間中は、利払期日に従って、高い利率の利子が受け取り可能です。
ノックイン事由が発生したが、額面100%満期償還のケース
対象銘柄の株価の下落により、ノックイン事由が発生したが、その後、対象銘柄の株価が回復し、満期償還時に投資金が100%償還されるケースです。
投資期間中は、利払期日に従って、高い利率の利子が受け取り可能です。
いずれのケースでもポイントとなっているのは対象銘柄の株価の変動です。
仕組債は分類上債券であるにもかかわらず、対象の株価の値動きによってキャッシュフローが大きく変動します。
その理由は、「プットオプションの売り」を内包している商品だからです。
取引の相手方に対象銘柄を特定価格で買い取るオプションを与える(売る)ことで、オプションプレミアム分が利子に還元されています。
そのため、EB債の利率は高いのです。
株価指数連動債の場合
株価指数連動債とは、株価指数などに連動して償還金額や利率が変動する債券で、「リンク債」や「株価リンク債」とも呼ばれています。
株価指数連動債は、「日経平均株価」や「S&P500種指数」などを参照指標にし、その変動によって償還額や利率が変動し、また早期償還条項が付帯されているケースでは満期前に償還されます。
株価指数があらかじめ決められた水準(ノックイン価格)を償還時に下回らなければ高い利率が適用され、償還時まで高い利率の利子が受け取り可能です。
なお、EB債との違いは、株価指数連動債はノックイン事由が発生したケースでも、EB債のように満期償還時に株式に転換されず、対象銘柄の株価に応じた金額で償還されます。
より高いクーポンを狙うには
次に、仕組債でより高いクーポン(利子)を狙う方法を3つ紹介します。
ボラティリティの高い銘柄を選ぶ
ボラティリティ(Volatility)とは、一般的に「価格変動の度合い」という意味です。
ボラティリティの高い仕組債は、価格変動の度合いが大きく、リスクは高くなる一方で、リターン、つまり高いクーポン(利子)を狙うことができます。
その理由としては、オプション価格が算出されるブラックショールズ・モデルに由来し、変動性の高い銘柄を参照しているオプションほどオプション・プレミアムは高くなるので、そのプレミアムを売却するので高い利回りとして商品ができる上がるという仕組みです。
保有期間を長期化する
ポートフォリオに組み入れる仕組債の保有期間を長期化することで、高いクーポン(利子)を狙うことが可能です。
仕組債は商品ごとに投資期間や償還日(満期)などが決まっていますので、投資期間を考慮して複数の仕組債を購入することでより多くのクーポンを追求できます。
また、既述したブラックショールズ・モデルの計算式の中に保有期間が含まれており、保有期間が長いほどプレミアムが高くなるという理由もあります。
まとめ
今回は仕組債の高いクーポンに関して解説した。
仕組債は高いクーポンを狙える金融商品である一方、その商品内容は複雑な構造になっている。
仕組債をはじめとしたハイリスクハイリターンの商品で運用したい方は,「資産運用ナビ」に相談をしてはいかがだろうか。
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