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【6180】GMOメディア株式会社代表取締役社長 森輝幸氏「収益事業での安定と、投資育成事業によるさらなる成長」

※本コラムは2023年2月9日に実施したIRインタビューをもとにしております。

創業以来、変化の激しいインターネット上で広告事業を行っているGMOメディア株式会社。代表取締役社長の森氏に、そのような外部環境で会社を成長し続けられる秘訣や、今後の展望について教えていただきました。

目次

GMOメディア株式会社を一言で言うと

多ブランド展開をする、インターネットサービスのメーカーです。

代表就任の経緯

ネット広告事業を展開していたイスラエルのアドテクベンチャーの日本進出に際し、設立された法人にGMOインターネットグループが出資を行ったことがきっかけです。同じタイミングで私も一部資本参加しており、翌年の2002年2月に代表に就任いたしました。

GMOインターネットグループは元々サーバーやドメインなどのインフラサービスを法人向けに手がけていましたが、そこからコンシューマー向けのメディア事業に派生し、現在の事業領域につながっていきます。

創業以来、事業としては山あり谷ありでした。2000年代初期に始めた事業はメール広告でした。今の時代では考えられませんが、メールを受信したらワクワクしながら開封した時期でありましたので、メール広告にはそれなりの効果がありました。しかし、ブログやLINEが台頭し、やがてメール広告の業績は低下していきました。その他、iモードのサービスも展開していましたが、これも外部環境の変化によって市況が厳しくなっていきました。

このように、事業環境は常に変化し、またその裏には多数のチャレンジがありました。大きな転換点は主流のデバイスがかわったタイミングだったと思います。パソコンからガラケー、ガラケーからスマートフォンといったようにです。

デバイスが変われば波に乗っているサービスが当然のように変わっていきます。メールやブログから、TwitterやFacebookなどのSNS、そして、LINEというメールに変わる存在や、InstagramやTikTokという新しいSNS。このような変化によって、会社として取り組むことが大きく変わることが多々ありました。

当社の上場は2015年になります。実は、2000年代後半に非常に業績が良かった時期があり、当時はこのまま上場してしまおうと思っていました。しかし、検索エンジンがYahoo!からGoogleへと変わり、さらにガラケーがスマートフォンに取って替わられました。その変化に広告市場がついていけず、2010年代序盤は売上が下がってしまいました。

特に大企業を中心に、広告主側は年度予算で動きますので、ユーザーのデバイス変化と広告主・業界の転換には時間差がありました。2014年頃からはスマートフォン向けの広告商品が出始め、市場拡大とともに当社の業績も回復していきました。そして、このタイミングで再度上場を目指すことを決意しました。

代表に就任してから今まで、常に意識しているマネジメントスタイルがあります。それは、先々の変化を意識しながら行動するということです。当社事業領域は変化が絶えません。10年後は今とは全く異なる景色になります。既存事業を守っていく必要もありますが、それを壊して新しく建て替える必要もあります。柔軟性と、先を読む力を持ち、先行して価値を創造しています。

新しいことはなかなか成功するものではありませんが、うまく行かない時期にもトライし続けることが0から1という成果を生み出すきっかけになると考えていますので、そのためのハードワークはいといません。ただ、もちろん会社組織としてはワークライフバランスを大切にしています。

事業内容について

事業のフェーズから見ると収益事業と投資育成事業の2つに分類されます。前者の収益事業には、アフィリエイトASPの「affitown」やポイントサイト構築を支援する「GMOリピータス」などのソリューション事業と、クーポンサイト「くまポン」や“ポイ活”サービス「ポイントタウン」などのメディア事業があります。

この収益事業は当社が20年以上継続して展開しており、毎期5~10%の安定した成長ができています。収益事業の特徴は自社サイトで培ったシステムやノウハウを提供し事業拡大をしているという点です。このエコシステムの最大化を図る戦略は当社の競争優位性ともなっています。

GMOメディア株式会社 2022年12月期 通期決算説明資料 より引用

後者の投資育成事業は、「コエテコ」と「キレイパス」の2つが該当し、成長業界特化事業とも呼んでいます。「コエテコ」は、義務教育において必修化されたプログラミング教室を検索できるサイトです。日本の将来を担う子どもたちにとって、プログラミングが身近な習い事になるよう取り組んでおります。

本メディアに掲載されるプログラミング関連記事は、その内容や被リンク元の信頼性からSEOに強いメディアへと成長しています。検索エンジンで上位に表示され、そこからの集客モデルが確立されています。

「キレイパス」は、エリアや受けたい施術、予算等に応じて簡単にクリニックの検索ができる、美容医療のチケット販売サイトです。「誰もが良質な美容医療を手軽に体験できる世界」を目指しております。

「コエテコ」では教育業界、「キレイパス」では美容医療業界という成長領域にフォーカスすることによって、マーケットの成長に伴う会社の成長を見込んでおります。連続した事業の立ち上げとそれを軌道に乗せることを可能にしているのは、技術の内製化と新たなサービス創出にチャレンジしたいメンバーが集っていることです。

収益事業で安定した成長をしつつ、投資育成事業でさらなるジャンプアップを常に目指しています。

GMOメディア株式会社 2022年12月期 通期決算説明資料 より引用

中長期の成長イメージとそのための施策

先ほどもお伝えした通り、既存の収益事業で毎期5〜10%の成長を確保でき

ています。我々のメディアには毎日ユーザーが何百万人と訪れており、これがある日ゼロになることはありませんので、ある種の構造収益であり、この構造は今後も拡大させていきます。ですが、この疑似ストック型収益は、景気動向により広告単価が変動するなど外部環境の変化を受けやすいという特徴もあります。

そのため、当社としては投資育成事業を通じて完全ストック型の収益を中長期的に伸ばしていきたいと考えています。現在はまだ10%程度の売上比率ですが、2030年を目安にこの数字を50%にすることを目標としています。

GMOメディア株式会社 2022年12月期 通期決算説明資料 より引用

具体的な施策としては、まず「コエテコ」についてはメディア事業のターゲット層を拡大するとともにサブスクモデルの事業を展開していきます。IT人財不足という社会課題解決のため、子供・学生向けの他にも、社会人のリスキリングニーズに対応する「コエテコcampus」を展開しており、この領域でも圧倒的なメディアポジションを確立してまいります。

コロナ禍でオンラインスクールの市況は追い風です。「学びのEC化」と私は表現しているのですが、通勤や会食の機会が減り、夜の可処分時間が増えたことでオンラインスクールの供給は増加傾向にありますので、更なる拡大余地があると考えています。

さらにはDX化支援による運営サポートサービスとして「コエテコplus」、そしてオンラインスクールの開校を簡単にする「コエテコカレッジ」をSaaSモデルで展開し、拡大しつつあるニーズにマッチしたサービスを提供しています。

従来は、掲載されたプログラミング教室や講座の申し込みに対して、課金される制度を取っておりましたが、サブスクなど料金形態を充実させ、スクールや講師側の利便性・選択肢の自由度の向上に努めてまいります。可処分時間の増加や100年時代の到来というトレンドの中で、広く学びと捉えた事業展開で総合的学びメディアを目指してまいります。

GMOメディア株式会社 2022年12月期 通期決算説明資料 より引用

「キレイパス」に関しましては、チケット販売をメインに集客サポートを継続しつつ、「キレイパスコネクト」にて美容クリニックのDX化支援を行います。まずは、継続してクリニック掲載数の拡大を図ってまいります。

その後、アップセルの取り組みとして、「キレイパスコネクト」というSaaSサービスを提案してまいります。新規顧客の獲得もしながら、顧客単価の向上も目指します。

GMOメディア株式会社 2022年12月期 通期決算説明資料 より引用

投資家の皆様へメッセージ

当社は創業以来、業界構造や外部環境の大きな変化を多数経験してきました。その度に新たな戦略を会社全体で考え、実際に取り組み、修正を重ねてその変化に対応してきました。

当社の事業領域は変化が絶えませんが、この先訪れる変化に対しても柔軟に対応することができるでしょう。そのためのノウハウをこれまでに培ってきています。

チャレンジ精神を忘れずに取り組んで参りますので、応援していただけましたら幸いです。

GMOメディア株式会社

本社所在地:東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー

設立:2000年10月13日

資本金:7億6197万円(2023年2⽉アクセス時)

上場市場:東証グロース(2015年10月23日上場)

証券コード:6180

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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