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【7320】日本リビング保証株式会社 代表取締役社長 安達慶高氏「保証イネーブラーとして、1兆5500億円市場のシェアナンバーワンを目指す」

※本コラムは2023年2月21日に実施したIRインタビューをもとにしております。

様々な製品・サービスに付帯されることで一般的となった「保証」。その保証に必要なインフラをBtoBで提供するのが日本リビング保証株式会社です。

代表取締役社長の安達慶高氏に、1兆5,500億円とも言われる巨大な保証マーケットでのトッププレーヤーを目指すその成長戦略を伺いました。

目次

日本リビング保証株式会社を一言で言うと

保証イネーブラーとして、保証制度提供において必要なインフラをBtoBで提供している企業です。

近年では、新たに修理・物流・点検・決済といった保証を支える各種ソリューションにデジタルのエッセンスを加え、提供を行っています。

そんな近年の変化を踏まえ、昨年企業ブランドを一新し、「独創的なリアルとデジタルのサービスで、暮らしの資財価値の最大化をするWorthTech Company」として生まれ変わりました。

創業の経緯

2009年に私と現会長の荒川を含めた3名にて設立しました。私は新卒で旧三和銀行(現三菱UFJ銀行)に入行し、2003年頃まで勤めた後、外資系保険コンサルティング会社であるマーシュ・ジャパン株式会社に転職しました。

ちょうど時を同じくして、保険業法が改正され、少額短期保険会社の設立が認められるようになり、当時マーシュ・ジャパン株式会社で同僚であった荒川ほか数名とチャレンジすることを決め、同社を退職し2006年に日本震災パートナーズを立ち上げました。

そして、おかげ様で法律改正後の第1号の少額短期保険会社として登録されることができました。

ビジネスモデルの策定と資金調達までは順調でしたが、B to Cでのネット販売での経験がなかった我々は拡販に苦戦しました。追加の出資により徐々に外部の資本が増え、実質的な経営権が薄れ始めていたことを契機に、スピンアウトした会社が日本リビング保証株式会社です。

保険業界は保険業法をはじめ法規制が極めて厳しく苦戦しましたが、一方でこれまでの経験で培ってきた保険関連の知識・経験を何か活かせないかと思案を重ね、保険会社と事業者の間に立って、「保証」として事業者のサービスに組み込むという現在の事業の基本形となるビジネススキームを考えつきました。

会社にとっての転機はやはり、ビジネスの着想を初めて形にした創業当初でしょうか。

日本震災パートナーズ時代に懇意にしていた工務店から「地震保険はいらないけど、住宅設備(給湯器やキッチン、トイレなど)の長期保証サービスが欲しい」と言われていたことから着想し、第1号商品である「住設あんしんサポート」をリリースしました。

当時業界初の商品ということもあり、非常に大きな反響を呼び、大手マンションデベロッパーとの取引開始など堅実に売上が上がり、企業経営を軌道に乗せることができました。

その後、住宅に関する保証範囲の拡大やコールセンターや点検といったリアルなアフターサービスの受託など、住宅領域での対応範囲を拡大することで事業の拡大フェーズを迎える中で、積極的な投資をもってチャレンジしている現在がまさに転機と言えるかもしれません。

近年は住宅領域以外への事業展開を進めており、再生可能エネルギー関連機器や教育ICT機器、EV関連機器といた領域で保証ビジネスを展開するほか、培ってきたアフターサービスに関する知見をつぎ込んだ各種デジタルプロダクトを次々と投入しています。

日本リビング保証株式会社 2023年6月期第2四半期 決算説明会資料 より引用

事業内容について

現在は、住宅領域に特化したHomeworthTech事業と、住宅以外の領域で保証イネーブラーとしての機能を横展開するExtendTech事業の2つをメインに展開しており、いずれも事業者様の事業戦略に沿ったアフターサービスを企画・設計し、実行支援まで併走させていただくことで価値提供をさせていただいています。

日本リビング保証株式会社 2023年6月期第2四半期 決算説明会資料 より引用

我々の強みは保証ビジネスが生む財務健全性を活かした積極的かつ独創的な商品・サービス開発にあると考えています。

これまでも業界初の事業を創出し、それらを仕組み化して成長につなげてきました。多くの失敗を経験しながらも、より良い商品やサービスを開発するために常にB for Bの考え方でお客様と接しながら、お客様の声を取り入れてより役立つサービスを提供することを目指しています。

また、デジタル化とB for Bの概念が社内に浸透しており、デジタルを取り入れたサービスの提供にも近年非常に力を入れており、例えば、アフターサービスとしては一般的な点検・検査をオンラインで実施・管理できるサービス(おうちアルバム・おうちliveアシスト)や、AIチャットと専門家がハイブリッドでお客様対応を行うサービス、修理修繕工事の見積・契約・決済をオンラインで完結するサービスなど、リアルとデジタルを組み合わせた多様なサービスを提供しています。

このようなサービスで高い顧客体験価値(CX)を実現し続けていきたいと考えています。

日本リビング保証株式会社 2023年6月期第2四半期 決算説明会資料 より引用

中長期の成長イメージとそのための施策

まずは、主要2事業の安定的成長を確固たるものにすることをメインに考えています。

HomeworthTech事業の保証がやはり当社としても基盤となっており、設備・建物・地震・資産価値などの住宅の保証マーケットにはまだまだ開拓余地がありますので、売上を増やし、収益を高めていきます。

ExtendTech事業では、主戦場である太陽光発電関連機器、教育ICT機器のほか、社会的なニーズの高い電気自動車(EV)領域に注力していきたいと考えています。

また、住宅・太陽光発電・教育ICT・EV以外の新規領域での保証ビジネス展開を目的して、新たなデジタルプロダクト(アプリ)である「My warranty」の投入をこの春に予定しています。このアプリを通じて、業界各社でも簡単に保証制度が導入できるように、保証とオペレーション機能がパッケージされています。

日本リビング保証株式会社 2023年6月期第2四半期 決算説明会資料 より引用

そして、住宅領域においては、もう1つの大きなテーマとして、これまでタッチできていない既存住宅オーナーへのアプローチを進めていきたいと考えています。

そのための新たなサービス・プロダクトの準備も進めており、クライアントである住宅事業者と共同で様々な取り組みを進めていきます。

そのことを通じて、保証だけに依存しない多角的な収益源を育成していきたいと考えています。

日本リビング保証株式会社 2023年6月期第2四半期 決算説明会資料 より引用

最後に、基礎的な部分ですが事業基盤の強化という面で、IT人材を増やすとともに、社内教育も含めて育成を進めています。

足元の業績よりも3年後、5年後を見据えた投資が重要だと認識していますし、ビジネスモデル上キャッシュは潤沢にありますので、先行投資として人材に対する投資を進めていきたいと思っています。

また、新たなマーケットの発掘も重要な課題であり、これを活かしてシナジー効果の期待できるインキュベーション投資も進めていく方針です。

当社は、100年生き残る企業になるために、お客様に評価され必要とされる商品を作り、継続的にお客様から支持される会社になりたいと考えています。そのためには中長期的な視点で会社を成長させていくことが大切だと考えています。

今後は、人員を増やしたり、仕組みを変えたりするなど、様々な要素から会社の成長を目指して取り組んでいく予定です。ただし、株価や利益にこだわることよりも、お客様に評価され必要とされる会社になることを最優先に考えています。

何よりも、当社の強みは保証サービスに付加価値があることです。リアルとデジタルの融合や、オペレーションチームの強みなど、他の保証会社にはない特長を持っていると自負しています。

日本リビング保証株式会社 2023年6月期第2四半期 決算説明会資料 より引用

これまでお話したような事業戦略の強さや将来性にはぜひ注目していただきたいと考えています。先にあげた戦略のように、保証を通じて新しい市場の開拓や業界横断的なサービスの提供を進めていくことで、今後のさらなる成長を目指しています。

投資家の皆様へメッセージ

国内の保証マーケットは1兆5500億円とも言われており、世界的にも年率7%で伸びている市場です。当社は、この市場でトッププレーヤーを目指し、保証に付加価値を持たせた独創的なサービスを提供しています。

リアルとデジタルの取り組みを含め、保証の分野でマネタイズしていることが当社の強みであり、住宅以外の市場にも積極的に事業展開していく予定です。

この1兆5500億円市場のシェアナンバーワンを目指す当社の成長をぜひ応援していただけますと幸いです。

日本リビング保証株式会社

本社所在地:東京都新宿区西新宿4-33-4 7F

設立:2009年3月

資本金:211,826,400円 (2022年6月末時点)

上場市場:東証グロース(2018年3月30日上場)

証券コード:7320

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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