- アメリカ市場に特化した投資信託のメリットを理解したい
- 投資信託選びの重要なポイントを理解したい
- 米国市場投資のリスクとその対策法が知りたい
2024年2月9日、S&P500の終値は5,026.61ポイントとなり、5,000ポイントを上回った。
新NISAも2024年1月から始まり、米国株式で構成される投資信託に興味を持っている人も多いだろう。
では、投資信託をアメリカだけで実施した場合、リターンやリスクはどの程度になるのだろうか。
この記事では、アメリカの株価指数をベンチマークとする投資信託に投資する魅力や注意点について解説する。
これから投資信託をアメリカ株のみで検討している人や、どのような特徴があるのか知りたい場合は、検討してほしい。
アメリカ市場のみに特化する投資信託(S&P500など)の魅力とは?

アメリカ株で運用される投資信託を購入する場合、市場の特徴や過去の実績を把握したうえで投資する必要があるだろう。
今までどのような推移をたどってきたのか、また強みや特徴について、以下の項目を踏まえて解説する。
- アメリカ市場の特徴
- アメリカ市場特化型投資信託の利点
- 期待されるリターンと過去の実績
それぞれ確認しよう。
アメリカ市場の特徴
米国市場の代表的な株式指数は、以下の3つである。
- NYダウ
- S&P500
- NASDAQ100
NYダウは、アメリカを代表する30の銘柄から構成されている価格加重指数である。
構成銘柄は米国の大手企業から選定され、複数のセクターの銘柄が含まれている。
S&P500は、米国の主要企業500社で構成される株価指数となっている。
NASDAQ100は、NASDAQに上場する企業のうち、非金融企業を中心とした時価総額上位100銘柄で構成される株価指数だ。
それぞれの指数は、アメリカの経済動向を予測するうえで、世界中の投資家から注視されている。
アメリカの株式市場の特徴は、イノベーションにより世界の経済成長を牽引している点にある。
時価総額上位には、いわゆるGAFAMやマグニフィセント7といった、テクノロジー業界を中心に位置している。
- GAFAM
- Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft
- マグニフィセント7
- Google、Amazon、Microsoft、Apple、Meta、NVIDIA、tesla
これまでも、テクノロジー分野のイノベーションが各企業で起こったことで、世界経済をリードするほどの経済成長を促してきた。
今後も米国市場は世界経済を牽引する企業を生み続けていくだろう。
アメリカ市場特化型投資信託の利点
アメリカの株価指数に連動した投資信託は、米国株式市場の値動きを取り込むことを目的とするため、米国市場が上昇する局面ではリターンが得られる可能性がある一方、下落局面では損失が生じる可能性もある。
米国経済や株式市場の先行きは、景気・物価・金利などの影響を受け、見通しは変動する。
中長期の成長率や生産性の見通しは、想定する前提条件によって異なる。
こうした見通しは、市場環境の変化により見直されることもある。
将来の経済規模や順位の見通しは、前提条件や統計の更新により変わり得る。
そのため、経済成長が続く局面では、株式市場の上昇による恩恵を受ける可能性がある。
米国は世界有数の経済規模を持ち、米ドルは国際取引で広く利用されているため、米国市場は世界の投資家から注目されやすい。
アメリカ市場特化型投資信託の期待リターンと過去の実績
それぞれの株式市場をベンチマークとした具体的な投資信託の過去の運用実績(過去5年など)は、基準日や算定方法によって異なるため、購入前に各商品の公表資料で確認したい。
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)5年
- 運用実績は基準日等により変動
- iFreeNEXT NASDAQ100インデックス(NASDAQ100)5年
- 運用実績は基準日等により変動
- NYダウ・インデックスファンド(為替ヘッジなし)(NYダウ)5年
- 運用実績は基準日等により変動
このように、ベンチマークや商品によって運用実績は異なる。
将来的な運用成果は市場環境により変動するため、過去の実績のみで判断しないことが重要だ。
アメリカのみの投資信託(S&P500など)の落とし穴

高い経済成長を継続したアメリカ市場だが、これまでもマイナス成長となった局面は存在した。
2000年のITバブル崩壊や、2008年のリーマンショックなどは、世界の株式市場にも大きな影響を与えている。
近年では、2020年のコロナショックで株式市場は下落した。
こうした世界的な金融ショックに加えて、アメリカ市場では特有のリスクも存在している。
今回は、アメリカの株式市場に影響を及ぼす特有のリスクと、リスクコントロールする方法について解説する。
アメリカ市場特有のリスク要因
米国株式市場では、大統領選挙年に関連づけられる経験則(アノマリー)が語られることがある。
アノマリーは、理論的に説明がつけられない経験則を意味し、大統領選挙のサイクルと株価の動きが関連づけられる例もある。
三井住友DSアセットマネジメントは、1896年5月から2020年までの間で、大統領の任期3年目では、NYダウが全31回中25回上昇していると解説している。
翌年の大統領選挙に向けた政策運営などを織り込むことによって、株価が上昇したとされている。
過去の推移をみると、大統領選挙が行われる前年から株価が上昇する傾向がみられた。
以上から、米国市場特有のリスク要因として大統領選挙年の「アノマリー」が存在する。
とはいえ、必ず上昇するわけではなく、下落しているケースもあるので、参考程度に考えておいた方がいいだろう。
為替変動リスクとその影響
アメリカ株での投資信託に限らず、海外の資産を保有する場合は、為替変動リスクが影響すると考えておく必要がある。
株価の上昇などで運用成果がプラスになっていたとしても、為替による差損が発生するかもしれない。
一般的に、海外資産は円高になるほど為替差損が発生しやすい。
また、こうした為替損が発生しないように、投資信託の商品によっては「為替ヘッジ」を付加するものもある。
為替ヘッジは、為替変動の影響を抑えることを目的とする。
ただし、ヘッジコストといわれる手数料がかさむので、余計な支出が増える可能性がある点に注意したい。
アメリカ市場特化型投資信託は長期的視点を持つべき
米国市場での投資信託で投資をするなら、為替や政治リスクに対するコントロールが必要になる。
リスク管理に有効な方法の1つが「長期投資」である。
長期投資をすると運用パフォーマンスが安定的に推移する。
一方、保有期間が短いと運用効果にブレが大きくなりやすい。
保有期間の長短によって、年率リターンの振れ幅が変わることがある。
一般に、保有期間が短いと年率リターンの振れ幅が大きくなりやすい。
| 保有期間 | 最大値 | 最小値 |
|---|---|---|
| 1年 | プラス幅が大きい | マイナス幅が大きい |
| 5年 | プラス幅が中程度 | マイナス幅が中程度 |
| 10年 | プラス幅が比較的小さい | マイナス幅が小さい |
以上から、保有期間が長くなると運用効果が安定的に推移しやすいといえるだろう。
さらに、過去の指数をもとに確認する。
金融庁が示した資料では、1998年1月から2017年12月までの20年間に毎月1万円(累計240万円)をつみたて投資した試算として、S&P500を含む主な株価指数の資産評価額が累計積立額を上回った例が示されている(手数料・税金等は考慮しない)。

以上から、米国市場に潜む特有のリスクは、長期投資で影響を抑えやすいだろう。
\ あなたに合うアドバイザーを診断 /
投資信託選びのポイント

投資信託は、投資家の代わりに資産運用をファンドマネージャーが行い、リターンを投資家に還元する仕組みである。
そのため、効果的な運用成果を出すためには、投資信託を選ぶ際に、いくつかのポイントを踏まえる必要がある。
実際に、投資信託を選ぶ場合のポイントについて、以下の観点から解説する。
- 投資信託を選ぶ場合の基準
- コストと運用パフォーマンスの関係性
- 分散投資の重要性
それぞれのポイントについて確認しよう。
投資信託を選ぶ場合の基準
投資信託を選ぶ場合、以下の項目を踏まえて選ぶと良いだろう。
- 純資産の推移
- コストの面(信託報酬や信託財産留保額)
純資産は、投資家から集めている資金の残高を意味する。
純資産の残高が高ければ、それだけ投資家からの人気が高い商品だといえる。
純資産の規模はファンドごとに異なり、繰上償還の条件も商品ごとに定められている。
純資産が小さい状態が続くと、繰上償還等が行われることがある。
純資産の推移や繰上償還の条件(目論見書)を確認しておくと良い。
次に、コストの面である。
先ほど、投資信託にかかる主なコストを以下の通り解説した。
- 購入時手数料
- 売買時にかかる手数料
- 信託報酬
- 投資信託を保有中にかかる手数料
- 信託財産留保額
- 投資信託を解約した場合にかかる手数料
できるだけ信託報酬が低く、信託財産留保額がかからない銘柄を選ぶと良いだろう。
コストと運用パフォーマンスの関係性
投資信託におけるコストの中でも、運用管理費用(信託報酬)は、運用方針で大きく異なる。
一般的に、投資信託の運用方針は「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の2種類がある。
- インデックスファンド
- 目標とする指標(ベンチマーク)に連動する運用を目指す
- アクティブファンド
- 目標とする指標(ベンチマーク)を上回る運用を目指す
アクティブファンドはベンチマークを上回る運用を目指すが、運用成果は市場環境や運用方針によって異なる。
ただし、運用に手間がかかるので、信託報酬が高くなる。
インデックスファンドもアクティブファンドも、それぞれメリットデメリットがあるため、運用する本人の運用目的やリスク許容度に合わせた選択が必要だ。
分散投資の重要性
分散投資は、リスクを軽減する効果がある。
分散投資は、特定の資産や銘柄への偏りを抑え、ポートフォリオ全体の価格変動リスクを分散する効果が期待される。
また、資産配分や相関関係によっては、リスクを抑えつつリターンの効率が改善する場合もある。
そのため、分散投資は運用パフォーマンス向上にも寄与している。
投資で一定の成果を出すためには、分散投資が重要といえるだろう。
異なる値動きをする資産や銘柄を取り入れておけば、一部の資産が値下りしても、他の資産でカバーできる可能性が高くなる。
成長が期待されるアメリカ市場特化型投資信託を運用してみよう

現在、アメリカのみに投資する投資信託に人気が集まっている。
アメリカの株式市場の特徴は、イノベーションにより世界の経済成長を牽引している点にある。
時価総額上位には、いわゆるGAFAMやマグニフィセント7といった、テクノロジー業界が中心となっている。
これまでも、テクノロジー分野のイノベーションが各企業で起こったことで、世界経済をリードする経済成長を起こしてきた。
今も米国市場は世界経済を牽引する企業が生まれ続けている。
しかし、大統領選挙年が近づくと、株価が上下する「アノマリー」や、為替リスクが影響するので、注意も必要だ。
効率よく運用成果をプラスにするためには、長期的な視点で投資をしながら、投資信託のコストや運用スタイルを見て決める必要がある。
どのような銘柄を選ぶべきかは、個人の資産状況やリスク許容度に応じて異なる。
そのため、資産運用に関する疑問や不安があれば、専門家からアドバイスを受けると良い。
特にIFAは、資産運用に関する相談対応を継続的に行う場合がある。
資産運用に悩んだ際は、相談してみると良いだろう。
\ あなたの条件に合う資産運用アドバイザーを診断 /
アメリカの投資信託に関するQ&A

\ あなたの資産運用を任せるプロを診断 /
参考・出典
- Federal Reserve Bank of St. Louis(FRED)『S&P 500(SP500)Table Data』(公表日/更新日:2026-03-02)
- 金融庁『資産運用立国の実現に向けて(第15回 SAAJ国際セミナー)』(公表日/更新日:2024-04-17)
- 金融庁『長期・積立・分散投資とNISA制度』(公表日/更新日:2020-10-13)
- 三井住友DSアセットマネジメント『米大統領選挙と金融市場のアノマリー~米国株編』(公表日/更新日:2024-02-21)
- 国税庁『No.1331 上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度』(公表日/更新日:2025-04-01)
- 国税庁『No.1250 配当所得があるとき(配当控除)』(公表日/更新日:2025-04-01)
- 【例外】S&P Dow Jones Indices『Dow Jones Averages Methodology』(参照日:2026-03-03)
- 【例外】Nasdaq, Inc.『Nasdaq-100 Tracking Innovation in Large-Cap Growth』(参照日:2026-03-03)


