投資信託は損ばかりする?原因と解決策を徹底解説

この記事でわかること
  • 投資信託で損する主な原因
  • 損失リスクを抑えるために確認すべきポイント
  • 投資信託を選ぶときの見方と注意点

投資信託は、投資家から集めたお金をひとつの資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。

ただし、専門家が運用するからといって、必ず利益が出るわけではありません。投資信託は預貯金とは異なり、基準価額が下がれば元本割れする可能性があります。

最初に押さえたい結論は、「投資信託で絶対に損しない方法はない」ということです。

一方で、使う予定のあるお金を投資に回さないこと、長期・積立・分散を意識すること、手数料や分配金の仕組みを確認することによって、損失リスクを抑えながら運用しやすくなります。

この記事では、投資信託で損をしやすい原因と、損失を抑えるための具体的な考え方を解説します。

目次

投資信託で損する主な原因|元本保証・手数料・分配金の誤解に注意

投資信託で損をする原因は、単に「相場が悪かったから」だけではありません。商品への理解不足や、自分の目的に合わない商品選びも大きな要因です。

原因起こりやすいこと対策
元本保証だと思い込む下落時に慌てて売却する基準価額・投資対象・リスクを事前に確認する
リスク許容度に合わない商品を選ぶ少しの下落でも不安になる使う予定のあるお金と長期資金を分ける
短期の値動きに振り回される高値で買い、安値で売りやすい長期・積立・分散を基本にする
手数料を軽視する運用成果がコストで削られる信託報酬や購入時手数料を比較する
分配金を利益だと誤解する元本を取り崩している可能性に気づきにくい分配金の原資と基準価額の推移を確認する
NISAだから安心だと思い込む非課税メリットだけで商品を選ぶNISAでも元本割れはあり得ると理解する

元本保証ではないことを理解していない

投資信託は、運用会社が専門的に運用する商品ですが、元本保証はありません。株式や債券など値動きのある資産に投資するため、基準価額は日々変動します。

「プロが運用しているから安全」と考えて購入すると、下落したときに想定以上の不安を感じやすくなります。

投資信託を買う前に、どの資産に投資しているのか、どの国や地域に投資しているのか、どの程度の値動きがあり得るのかを確認しましょう。

自分のリスク許容度に合っていない

同じ投資信託でも、国内債券中心の商品と外国株式中心の商品では、値動きの大きさが異なります。大きなリターンを狙える商品ほど、下落幅も大きくなりやすい傾向があります。

たとえば、数年以内に使う予定がある教育資金や住宅購入資金を、値動きの大きい商品にまとめて投資すると、必要な時期に損失を抱えている可能性があります。

投資信託を選ぶ前に、次の点を整理しておきましょう。

  • そのお金はいつ使う予定か
  • 生活防衛資金は別に確保できているか
  • 一時的に20〜30%下がっても保有を続けられるか
  • 家計や収入が変わっても積立を続けられる金額か

「値下がりしても売らずに済むお金」で投資することが、損失を確定させないための基本です。

短期の値動きに振り回されている

投資信託の基準価額は日々変動します。短期的な下落だけで不安になって売却すると、損失を確定してしまう可能性があります。

一方で、価格が上がっている商品を見て焦って購入すると、高値づかみになることもあります。

投資信託は、短期間で売買を繰り返すよりも、長期の資産形成を目的に使う方が向いています。購入前に「何年保有するつもりか」「下落時も積立を続けるか」を決めておきましょう。

手数料を確認していない

投資信託には、購入時・保有中・換金時にコストがかかる場合があります。特に保有中に日々差し引かれる運用管理費用、いわゆる信託報酬は、長期投資ほど影響が大きくなります。

費用発生するタイミング確認ポイント
購入時手数料購入時販売会社によって異なる場合がある。ノーロードの商品もある。
運用管理費用(信託報酬)保有中年率で表示され、信託財産から間接的に差し引かれる。
売買委託手数料投資信託内で株式などを売買するとき運用の結果発生する費用で、事前に金額を把握しにくい場合がある。
監査報酬保有中信託財産から間接的に差し引かれる。
信託財産留保額換金時などかかる商品とかからない商品がある。

手数料が高い商品が必ず悪いわけではありません。しかし、似た投資対象の商品であれば、コスト差は運用成果に影響します。

購入前には、目論見書で購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額、実質コストを確認しましょう。

分配金を利益と勘違いしている

投資信託の分配金は、投資信託の信託財産から支払われます。そのため、分配金が支払われると、原則として純資産総額や基準価額は下がります。

毎月分配型の商品などは、分配金を受け取れる安心感がありますが、分配金の一部が元本の払い戻しに近い性質を持つ場合もあります。

分配金の多さだけで商品を選ばず、基準価額の推移、分配金の原資、トータルリターンを確認することが重要です。

投資信託で損失リスクを抑える基本戦略|長期・積立・分散を基本にする

投資信託で損失リスクを抑えるには、短期的な値動きを当てようとするよりも、長期・積立・分散の考え方を取り入れることが基本です。

ただし、長期・積立・分散をしても、損失が出ないわけではありません。投資する金額や商品選びを誤ると、長期投資でも元本割れする可能性はあります。

長期投資の前提で考える

投資信託は、短期間で大きな利益を狙うよりも、長期で資産形成を行う目的に向いています。長く保有することで、短期的な下落に振り回されにくくなり、複利効果も期待しやすくなります。

ただし、長期投資は「何も見なくてよい」という意味ではありません。少なくとも年に1回程度は、投資目的・資産配分・手数料・運用成績を確認しましょう。

特に、結婚・出産・住宅購入・転職・退職などで資金計画が変わったときは、保有商品や積立金額を見直すタイミングです。

積立投資で購入タイミングを分散する

積立投資は、毎月など決まったタイミングで一定額を購入する方法です。価格が高いときは少なく、価格が安いときは多く買うことになり、購入タイミングを分散できます。

この方法は「ドルコスト平均法」とも呼ばれます。ただし、積立投資をしていれば必ず利益が出るわけではありません。相場が長く下落し続ける場合や、投資対象の成長が見込めない場合は損失が出ることもあります。

積立投資は、利益を保証する方法ではなく、高値づかみのリスクを抑え、投資を続けやすくするための方法と考えましょう。

資産や地域を分散する

分散投資とは、投資対象をひとつに集中させず、国内外の株式・債券・不動産など複数の資産に分ける考え方です。

ひとつの資産だけに投資すると、その資産が大きく下がったときに損失が集中します。値動きの異なる資産を組み合わせることで、全体の値動きを抑えやすくなります。

  • 国内株式だけでなく、外国株式や債券も検討する
  • 特定のテーマ型ファンドに資金を集中させすぎない
  • 米国株式型や全世界株式型の投資対象の違いを確認する
  • 自分の年齢や投資期間に合ったリスク量に調整する

分散投資はリスクを抑えやすい方法ですが、すべての資産が同時に下がる局面もあります。分散しているからといって、投資額を増やしすぎないようにしましょう。

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投資信託の選び方とチェックポイント|過去実績だけで決めない

投資信託を選ぶときは、過去の成績だけで判断しないことが大切です。過去の実績が良い商品でも、将来の運用成果が保証されるわけではありません。

確認項目見るべきポイント注意点
投資対象国内株式、外国株式、債券、REITなど投資対象によって値動きが大きく異なる。
運用方針インデックス型かアクティブ型かアクティブ型はコストが高い場合がある。
手数料信託報酬、購入時手数料、信託財産留保額長期では信託報酬の差が影響しやすい。
純資産総額安定して増えているか極端に小さいファンドは繰上償還リスクに注意。
分配方針分配金の頻度と原資分配金の多さだけで選ばない。
リスク価格変動、為替、信用、金利など目論見書のリスク欄を必ず確認する。

インデックス型とアクティブ型の違いを確認する

投資信託は、大きくインデックス型とアクティブ型に分けられます。

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種類特徴確認ポイント
インデックス型日経平均株価、TOPIX、S&P500、全世界株式指数など、特定の指数に連動する運用成果を目指す。低コストの商品が多いが、指数そのものが下がれば基準価額も下がる。
アクティブ型指数を上回る運用成果を目指して、運用会社が銘柄選定や売買判断を行う。信託報酬が高めになりやすく、必ず指数を上回るわけではない。

初心者が長期の資産形成を目的に投資信託を選ぶ場合は、まず低コストのインデックス型から比較すると、商品ごとの差を理解しやすくなります。

アクティブ型を選ぶ場合は、運用方針、運用実績、信託報酬、ファンドマネージャーの考え方に納得できるかを確認しましょう。

目論見書で最低限確認したいこと

目論見書は、投資信託の説明書です。難しく感じるかもしれませんが、購入前に以下の項目だけでも確認しましょう。

  • 何に投資する商品か
  • どの指数や運用方針を目指しているか
  • どのようなリスクがあるか
  • 購入時・保有中・換金時のコストはいくらか
  • 分配金の方針はどうなっているか
  • 繰上償還の条件はあるか

特に、純資産総額が極端に小さいファンドや、資金流出が続いているファンドは、運用継続性に注意が必要です。繰上償還の条件も確認しておきましょう。

NISAで投資信託を買う場合の注意点

NISAは、投資で得られる売却益や分配金などが非課税になる制度です。金融庁の速報値では、NISA口座数は2025年12月末時点で2,826万口座、NISA買付額は累計71兆円となっています。

2024年からのNISAでは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円で、併用すると年間360万円まで投資できます。非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円までです。

一方で、NISA口座で損失が出た場合、一般口座や特定口座の利益と損益通算することはできません。損失を翌年以降に繰り越すこともできないため、「非課税だから安心」と考えて商品を選ぶのは避けましょう。

つみたて投資枠では、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託が対象です。成長投資枠では対象商品が広がりますが、その分、商品ごとのリスク確認がより重要になります。

投資信託で損したときに確認すべきこと

投資信託の評価額が下がったとき、すぐに売却するべきとは限りません。まずは、損失の原因を整理しましょう。

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確認すること判断のポイント
投資対象全体が下がっているのか市場全体の一時的な下落であれば、慌てた売却は避けたい。
そのファンドだけ成績が悪いのか同じカテゴリーの商品と比較する。
投資目的は変わっていないか目的が変わった場合は資産配分の見直しを検討する。
使う時期が近づいていないか近い将来使う資金なら、リスクを落とすことも必要。
手数料に見合う運用ができているか長期で低迷し、コストも高い場合は乗り換えを検討する。

短期的な下落だけで売却すると、損失を確定してしまう可能性があります。一方で、当初の目的やリスク許容度に合わなくなった商品を持ち続ける必要もありません。

大切なのは、「値下がりしたから売る」ではなく、「保有し続ける理由があるか」を確認することです。

売却・保有・乗り換えの判断軸

損失が出ているときは、以下のように整理すると判断しやすくなります。

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選択肢向いているケース注意点
保有を続ける投資目的・投資期間・リスク許容度に合っており、市場全体の下落に巻き込まれている場合。放置ではなく、年1回程度は運用状況を確認する。
積立額を減らす家計負担が重く、下落時に積立を続けるのが難しい場合。完全にやめる前に、少額継続も検討する。
売却する近い将来に資金を使う予定があり、これ以上の値下がりを避けたい場合。売却タイミングによって損失が確定する。
乗り換える同じ投資対象でより低コストの商品がある、または保有商品の方針が目的と合わない場合。NISA口座では損益通算できない点も確認する。

損失が出ているときほど、感情で判断しやすくなります。売却前には、少なくとも投資対象・手数料・投資目的・資金を使う時期を確認しましょう。

専門家に相談する場合のポイント

投資信託の選び方に不安がある場合は、金融機関やIFAなどの専門家に相談する方法もあります。

ただし、相談する場合でも、提案された商品をそのまま購入するのではなく、以下を確認しましょう。

  • 自分の投資目的やリスク許容度を確認してくれるか
  • 商品のメリットだけでなく、デメリットやリスクも説明してくれるか
  • 購入時手数料や信託報酬などのコストを明示してくれるか
  • 同じ投資対象で、より低コストな商品も比較してくれるか
  • 特定の商品だけを強くすすめていないか
  • 登録を受けた事業者・担当者か確認できるか

専門家の意見は参考になりますが、最終的な投資判断は自分で行う必要があります。納得できない商品や、仕組みを理解できない商品には投資しないようにしましょう。

金融商品を扱う事業者に相談する場合は、金融庁の登録事業者一覧などで登録状況を確認することも大切です。

よくある質問

投資信託はやめたほうがいいですか?

投資信託そのものが悪いわけではありません。少額から分散投資しやすく、長期の資産形成に活用しやすい商品です。

ただし、元本保証ではないため、短期資金や生活防衛資金を投資に回すのは避けましょう。自分の目的・投資期間・リスク許容度に合う商品を選ぶことが大切です。

損している投資信託は売るべきですか?

損しているからすぐ売る、という判断はおすすめできません。

投資対象・運用方針・手数料・投資目的を確認し、保有し続ける理由があるかを考えましょう。

目的に合わない商品であれば、売却や乗り換えを検討する余地があります。一方で、市場全体の一時的な下落なら、慌てて売却しない方がよい場合もあります。

ドルコスト平均法なら損しませんか?

損しないとは言い切れません。

ドルコスト平均法は購入タイミングを分散する方法であり、利益を保証するものではありません。投資対象が長期的に下落する場合は、積立を続けても損失が出る可能性があります。

大切なのは、積立方法だけでなく、投資対象・コスト・投資期間を確認することです。

NISAで買えば損しませんか?

NISAは税制優遇制度であり、投資商品の値下がりを防ぐ制度ではありません。

NISA口座で投資しても、選んだ商品が下がれば損失は出ます。さらに、NISA口座内の損失は、特定口座や一般口座の利益と損益通算できません。

非課税メリットだけでなく、商品の中身を確認することが大切です。

投資信託で損を防ぐには商品選びと売却判断が重要

投資信託で損をする主な原因は、元本保証だと思い込むこと、自分のリスク許容度に合わない商品を選ぶこと、手数料や分配金の仕組みを確認しないことです。

投資信託で絶対に損をしない方法はありません。しかし、長期・積立・分散を基本にし、目論見書で投資対象やリスク、手数料を確認すれば、損失リスクを抑えながら資産形成に取り組みやすくなります。

投資信託を選ぶときは、「人気があるから」「分配金が多いから」「NISAで買えるから」だけで判断しないようにしましょう。

自分の目的・投資期間・リスク許容度に合っているかを確認することが、損を防ぐための第一歩です。

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出典

資産運用業協会「投資信託とは」
資産運用業協会「投資信託が持つリスク」
資産運用業協会「リスクとリターン」
資産運用業協会「投資信託のコスト」
資産運用業協会「基準価額と分配金」
資産運用業協会「商品を選択する際のポイント」
金融庁「NISAを知る:NISA特設ウェブサイト」
金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点(速報値))の公表について」(公開日:2026年2月18日)
金融庁「NISAの利用状況(速報値)」(公開日:2026年2月18日)
金融庁「NISAを利用する皆さまへ」(改訂日:2025年9月)
国税庁「No.1535 NISA制度」(2025年4月1日現在法令等)
J-FLEC「リスクを抑えて賢くふやす!3つのポイント『長期・積立・分散』」(公開日:2025年7月9日)
金融庁「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」

執筆者

資産運用ナビ編集部は、アドバイザーナビ株式会社が運営する金融専門ライターチーム。資産運用アドバイザーと投資家をマッチングするプラットフォーム「資産運用ナビ」を通じて、延べ10,000名を超える相談を支援。おすすめの資産運用おすすめのIFAなど、読者が自身に最適な資産運用の相談先を見つけることができるよう、適切な情報発信に努めている。