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医療費控除で住民税はどれくらい安くなる?節税と安心のために知っておきたい関連性

この記事で解決できるお悩み
  • 医療費控除でどのくらい住民税を抑えられるのか知りたい。
  • 医療費控除の具体的な計算方法を把握したい。
  • 医療費控除の適用条件や手続き方法を理解したい。

節税手段の1つとして医療費控除も有名であるが、適用条件や具体的な手続き方法がよく分からない人も多いかもしれない。

この記事では、医療費控除を活用するための流れや注意点などを詳しく解説する。

目次

医療費控除とは何か?

医療費控除とは何か? わたしのIFAコラム

そもそも医療費控除とは何か、基礎知識から確認しよう。ここでは計算方法や事例も紹介するので参考にしてみてほしい。

医療費控除の定義と目的

医療費控除とは、1年間に自分自身や生計を一にする家族等のために支払った医療費が一定額を超える場合、所得控除を受けられる制度である。私たちは「国民皆保険制度」により各種健康保険に全員加入し、窓口等で支払う自己負担は原則3割以内に抑えられている。

医療費控除は、それに加えて個人が一定額以上の医療費を支払った場合に所得控除を設け、医療費負担の軽減につなげるために用意されている。

すでに支払った医療費が返還されるわけではなく、あくまで実際に支払った医療費の金額にあわせて税金を計算し直すものである点に注意しよう。

医療費控除の適用条件

医療費控除は、原則治療目的で行われた医療行為に対して支払ったものが対象である。それに加えて下記2点の条件を満たす場合に適用される。

  • 医療費控除の手続きを行う者が、自分自身または生計を一にする家族等のために支払った医療費である
  • 1月1日から12月31日までの間に実際に支払った医療費である

自分自身だけでなく同居や仕送りをしている家族等の医療費も対象になる。

医療費控除の計算方法とその例

医療費控除の計算は下記の方法で行われる。

実際に支払った医療費の合計額-保険金等で補填される金額-10万円

「実際に支払った金額から10万円を引いた金額が対象になる」といわれることが多いのはこのためである。ただし、その年の総所得金額等が200万円未満の場合は、10万円ではなく「総所得金額等×5%」の金額が差し引かれる。

たとえば総所得金額が300万円で実際に支払った医療費の合計額が30万円の場合、20万円が医療費控除の金額となる。なお上限は200万円である。

住民税と医療費控除の関連性

住民税と医療費控除の関連性 わたしのIFAコラム

ここからは医療費控除と住民税の関連性について解説する。

医療費控除を行うと所得税が軽減されることは有名だが、住民税も抑えられるメリットがあることを知らない人は少なくない。正しい節税を行うために、医療費控除を行うことで住民税にどのような影響を及ぼすのか確認しよう。

住民税の計算方法

住民税は市町村民税と道府県民税を合算したもので居住する地方自治体に支払うものである。非課税限度額を上回る場合に定額の負担を求める「均等割」と、納税者の所得金額に応じた負担を求める「所得割」が存在する。

均等割は合計5000円(市町村民税が3500円、道府県民税が1500円)で、所得割は合計10%(市町村民税が6%、道府県民税が4%)となっている。その時の税制や自治体によって金額が異なる場合もある。

住民税の計算は下記の方法で行われる。まずは総所得金額から所得控除金額を差引いて課税総所得金額を算出する。「課税所得金額×10%」で算出所得割額を出し、そこから調整控除額や税額控除額を差し引いて所得割額が計算される。

基礎控除とは所得控除の1つで、すべての納税者が対象で一律所得から控除される。住民税の基礎控除は原則43万円となっている。所得が2400万円を超えると段階的に減額され、2500万円を超えると適用外となり控除されない。

医療費控除が住民税に及ぼす影響

医療費控除を行うことで具体的にどのような影響を及ぼすのだろうか。

医療費控除は所得控除制度の1つであり、これを行うことで所得控除額が増加し、課税総所得が減少する。つまり住民税の計算対象となる金額が減少するため、結果的に税負担が軽減される。

医療費控除で住民税をどれくらい安くできるのか

たとえば総所得金額が500万円の場合、医療費控除の有無で住民税がどう変わるのか、シミュレーションを行いながら解説する。

  • 基礎控除:43万円
  • 均等割合計額:5000円

上記の設定に加えて今回は話を分かりやすくするため、社会保険料や生命保険料等のその他所得控除、株式等の譲渡や分離配当等、税額控除は考慮しないものとする。

課税総所得額は457万円で所得割額は約45万円となり、住民税は約45万5000円だ。一方で医療費控除額が20万円の場合、課税総所得額は437万円で所得割額は約43万円、住民税は約43万5000円となる。

つまり今回の事例では医療費控除があることで税金が約2万円軽減される。

具体的な金額は個人の所得や所得控除、税額控除の金額等によって変化する。給与明細や自治体から送付される明細書を確認しよう。

医療費控除を活用するためのステップ

医療費控除を活用するためのステップ わたしのIFAコラム

医療費控除を活用するための具体的な流れを解説する。実際に手続きを行う際の参考にしてみてほしい。

医療費控除を適用する手続き方法

医療費控除を受けるには所得税の確定申告が必要だ。会社員などで給与所得を受けている場合、年末調整等によって自動的に手続きが行われるわけではないので注意しよう。

必要書類を準備したうえで税務署のウェブサイト等から申請する。

必要な書類と準備のポイント

所得税の確定申告書と医療費控除の明細書を、本人確認書類を添えたうえで居住地を管轄する税務署に提出する必要がある。確定申告書や医療費控除明細書は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」というウェブサイトでも作成できるので便利だ。

手続きを円滑に進めるために事前準備をしておこう。具体的には下記の情報や書類をあらかじめ用意しておくことをおすすめする。

  • 病院等で受け取った領収書
  • 源泉徴収票(会社員等の場合)
  • 本人確認書類
  • 自分自身や家族等に関する情報

医療費控除の申告の注意点とその対策

医療費控除はすべての医療費が対象となるわけではない。たとえば下記のように、対象外の医療行為も存在するので注意が必要だ。

  • 美容整形等にかかった費用
  • 健康診断の費用や医師等に対する謝礼金
  • 疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないもの
  • 自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金

人間ドッグも原則対象外だが、検査によって異常が発見された場合は対象となる。

故意の不正は言語道断だが、本来は対象外の内容を無意識に含めてしまうケースも十分考えられる。そのため、税務署に指摘される可能性をふまえて、医療費を支払った記録は必ず保存しよう。

IFAによる税金対策のアドバイス:医療費控除の活用とその他の節税策

IFAによる税金対策のアドバイス:医療費控除の活用とその他の節税策 わたしのIFAコラム

医療費の内容によっては自分自身では判断するのが難しい場合もある。税務署に直接質問するだけでなく、必要に応じて税理士やIFAなど金融のプロの力を活用しよう。

ここではIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の活用方法を解説する。

IFAが提供する節税対策の具体的な方法

IFAは資産運用のプロというイメージが強いかもしれないが、医療費控除を含む節税対策においても適切なアドバイスを行ってくれる。

本記事で解説した医療費控除の手続きを自身で行うのが難しい場合は、IFAが説明しながらサポートを行ってくれるので、疑問点や不明点があれば都度確認しながら作業を進められるメリットがある。

節税対策を行うためには、自分自身の資産や所得金額の把握が必要不可欠である。資産や所得の状況によって対策方法や想定される節税金額も変わるためだ。

一方で資産の把握を自分1人で行うのが難しいことも考えられるため、IFAの力を借りるのも1つの方法である。

医療費控除以外の税金対策もサポート

所得控除は医療費控除だけでなく、各種社会保険料や小規模企業共済、生命保険料や地震保険料、雑損控除など多岐にわたる。

税額控除においても、ふるさと納税などの寄付金控除、外構税額控除等があり、これらを総合的に活用するのが節税への道だ。

ただし、これらをすべて自分自身で対策するのは容易ではない。IFAは医療費控除以外の節税対策や資産運用等も総合的にサポートしてくれるのが強みだ。

IFAと共に築く、あなただけの税金対策プラン

IFAは個別のニーズや目標に合わせた総合的なプランを提供し、最適な節税効果を追求する。

税金対策プランは一度作成したら終わりではない。ライフステージや税制は都度変化するため、臨機応変にカスタマイズを続けていく必要がある。IFAをはじめとする専門家のアドバイスやサポートを受けながら、資産形成の最適化を進めよう。

また、あなたの資産状況や投資経験によって最適なIFAの選択肢も異なる。検索プラットフォーム「わたしのIFA」などを活用し、自身の条件にあったアドバイザーを探すことも忘れないようにしよう。

まとめ

まとめ わたしのIFAコラム

この記事では、医療費控除の基礎知識、住民税との関連性および活用方法を説明した。

医療費控除が住民税にどの程度影響を及ぼすのか、正確にシミュレーションするのは容易ではない。IFAは個々の状況に合った税務アドバイスを提供してくれるので医療費控除をはじめとした節税対策を的確に設計できるだろう。

もちろん税金面だけでなく、投資を含むあなたの資産全体の最適化についても、IFAは豊富な知識と経験をもとに信頼のおけるパートナーとなるはずだ。

このようなIFAの検索には「わたしのIFA」などのプラットフォームを活用し、自身にあったアドバイザーを効率よく探すようにしよう。

無料相談もできるので、医療費控除などの税金に関する様々な疑問や資産に関する悩みを解決する、信頼できるIFAが見つかるはずだ。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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