- 資産運用の始め方と基本原則を理解したい
- 資産運用の代表的な手法と運用戦略が知りたい
- 資産運用における失敗を回避する方法が知りたい
近年、ネット証券の台頭や低金利環境などをきっかけに幅広い年代で資産運用への関心が高まっている。
そこで本記事では、資産運用の基本原則と始め方、代表的な運用手法と賢い運用戦略について解説する。
また、資産運用における失敗を避ける方法についても触れるので、安定的な資産成長を目指すためにもぜひ役立ててほしい。
資産運用の手法を選ぶ前に確認するべきポイント
資産運用を始める際は、あらかじめ確認しておきたいポイントがいくつかある。
まずは、資産運用を始めるまでのステップや、事前に確認すべきポイントについて紹介していこう。
資産運用を始めるまでのステップ
投資する商品にもよるが、資産運用は金融機関を通じて取り組むことが一般的だ。
たとえば、株式投資の場合は証券会社に専用の口座を開設する必要がある。
証券会社によって取扱商品や手数料が異なるため、口座開設を行う際は複数の証券会社を比較して選定することがおすすめだ。
口座開設が完了したら、取引に必要な資金を入金して売買を始める。
なお、近年ではオンラインで手続きが完結するネット証券の利用も浸透している。
自分の運用意向に合わせて、対面証券とネット証券のどちらがいいか検討してみよう。
資産運用を始める前に確認したいポイント
資産運用を始める際は、あらかじめ運用の目的を明確にしておきたい。
「老後の資金を準備したい」といった目的が明確になっていなければ、どれくらいのリスクを取れるのか自覚しにくいためだ。
また、資産運用に充てる資金の金額も明確にする必要がある。
資産運用は元本を割る可能性があるため、生活に必要な資金まで回すと家計が悪化することもあるかもしれない。
資産運用に充てるお金を可視化するためには、自分の資産を次の3つに色分けしよう。
- 使うお金
- 日々の生活に使うお金
- 貯めるお金
- 近い将来に使う予定があるお金
- 増やすお金
- 当面使う予定がないお金
資産運用に充てられるのは、このうち「増やすお金」に該当する部分だ。
資産運用に取り組む際は、何となく金額を決めるのではなく、きちんと資産全体を色分けして余裕資産の範囲内に収めることが重要である。
リスクとリターンの仕組み
資産運用を始める際は、リスクとリターンの仕組みについても理解しておきたい。
一般的にリスクとリターンは比例関係にあるとされており、リスクが高いほどリターンも高くなる傾向にある。
反対に、リスクが小さければリターンも小さくなる仕組みだ。
資産運用に取り組むとなると、「早く大きな利益を得たい」、「手っ取り早く資産を増やしたい」という気持ちもあるかもしれないが、大きなリターンを狙う場合はその分リスクが大きくなる。
市場の動向によっては、大きな損失を被るリスクがあることに留意しておこう。
適切な資産運用に取り組むためには、リスクとリターンの関係性を正しく理解し、自分のリスク許容度に見合ったリターンを目指すことが重要だ。
短期投資は資産運用におすすめなのか、より詳しく知りたい人は下記の記事を参考にするといいだろう。
短期投資について、分かりやすく解説されている。
資産運用の代表的な手法
資産運用にはさまざまな手法があるが、中でも代表的な例として次のような金融商品が挙げられる。
- 株式
- 債券
- 投資信託
- FX
- 貯蓄型保険
- 不動産投資
それぞれ特徴をくわしく解説していこう。
株式
株式とは、企業が資金調達のために発行する証券である。
株式投資には、主に「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2つで利益を得る方法がある。
キャピタルゲインとは、「株式を安く買って高く売る」という取引で譲渡益を得る方法だ。
一方、インカムゲインは配当金や株主優待で利益を得る方法である。
また、株式投資はNISA制度の対象となっていることも特徴だ。
通常、株式投資で得た譲渡益や配当金には20.315%の税金がかかるが、NISA口座で購入した場合は非課税となる。
2024年からの新しいNISAでは「成長投資枠」にて上場株式を買い付けることができ、年間240万円、最大1,200万円まで非課税で投資することが可能だ。
債券
債券とは、国や地方自治体、企業が発行する証券である。
株式と大きく異なるのは、債券はあらかじめ満期と利回りが定められているという点だ。
満期が到来すると、基本的には投資した元本がそのまま償還されるので、計画的な運用がしやすいメリットがある。
また、株式に比べてリスクが低いことも特徴だ。
たとえば、日本の個人向け国債はデフォルトのリスクが大変低いため、ほぼ損失を負う心配がない。
「リスクを抑えて運用したい」、「数年後に使う予定があるお金を運用したい」という場合は、債券で運用することを検討しよう。
投資信託
投資信託とは、投資家から集めたお金をもとにプロの投資家が運用する金融商品である。
その運用で得た利益を投資家へ還元する仕組みだ。
投資信託は、「ファンドマネージャー」と呼ばれる専門家が複数の銘柄を組み合わせて運用するため、投資家が自ら銘柄選定を行わないで済むメリットがある。
資産運用は銘柄選びにコツが必要だが、それをプロにお任せできる。
1つのファンドを通じて複数の銘柄に分散投資できる点もメリットだ。
また、投資信託は株式と同様にNISAの対象となっている。
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」のどちらでも投資信託を購入できるため、ファンドや購入方法に応じて2つの枠を併用することも可能だ。
「どの銘柄に投資すればいいのか分からない」、「自分で銘柄を選ぶのが不安」という人は、投資信託を活用するとよいだろう。
実際に投資をする時にどんなことに注意すればいいのかなど知識がなく、なかなか始められないと思っている人も多いはずだ。
投資信託の他に、簡単に始められる投資方法について、より詳しく知りたい人は下記の記事を参考にするといいだろう。
簡単に始められる投資方法について、分かりやすく解説されている。
FX
FXとは、「外国為替証拠金取引」と呼ばれる取引で、通貨を売買したときの差額で利益を得る方法である。
FXの大きな特徴として、「通貨の現物の取引を伴わない」という点が挙げられる。
取引の対象は「売値と買値の差額」であるため、米ドルやユーロなどの通貨を実際に手にするわけではない。
たとえば、米ドル/円の取引で1ドル=145円のときに買い、1ドル=150円のときに売りを入れると、その差額分が利益となる仕組みである。
また、FXは「レバレッジ」をかけられることも特徴だ。
レバレッジとは、証拠金を預け入れることで実際よりも大きな資金で取引ができる仕組みを指す。
たとえば証拠金100万円に対して10倍のレバレッジをかけると、1,000万円分の取引が可能となる。資金効率よく利益を狙える点が魅力だ。
ただし、レバレッジをかけた取引は大きな損失を被る可能性もある。
FXは「大きなリスクを取っても大丈夫」という資金の範囲内で取り組むようにしよう。
貯蓄型保険
貯蓄型保険も資産運用のひとつだ。貯蓄型保険とは、万が一の事態に備えながら貯蓄機能も備えている保険のことである。
保険と聞くと掛け捨て保険のイメージを思い浮かべるかもしれないが、貯蓄型保険では解約返戻金や満期保険金を受け取れることが特徴である。
契約時に満期保険金が確定する「定額保険」では、「何年後にいくらになる」ということが明確になっているため、計画的に運用できるメリットがある。
「子供の教育資金を準備したい」、「老後のために私的年金を備えたい」という場合は、貯蓄型保険の一種である学資保険や個人年金保険を活用するとよいだろう。
不動産投資
資産運用には、現物の不動産へ投資する方法もある。
不動産投資は賃料収入などで利益を得る手法で、不労所得を築けるメリットがある。
たとえば、5,000万円の物件に対して3%の利回りがあれば、年間150万円の収益を得られる。不労所得でまとまった収益が得られるのは、大きな魅力があるといえるだろう。
ただし、不動産を購入する際は金融機関から借入を行うことが一般的で、まとまった負債を抱えるリスクがある。
資産の状況によっては、金融機関の借入審査に通らないこともあるかもしれない。
加えて、投資先の物件の選定も慎重に行う必要があるため、不動産投資に取り組む際は専門家へ相談することがおすすめだ。
不動産投資の他にも、人気のある積立投資や、近年注目を集めるESG投資などもある。
反対に、少しニッチな再生可能エネルギーへの投資やSDGs投資などもあるので、気になった人はチェックしてほしい。
資産運用における失敗を避ける手法
資産運用に取り組む際、多くの人が不安になるのが「もし損失が出たらどうしよう」という点ではないだろうか。
資産運用における失敗を避けるためには、次の3点を重視したい。
- 分散投資を徹底する
- 生活防衛資金を確保する
- 情報収集に取り組む
それぞれくわしく解説していこう。
分散投資を徹底する
資産運用の基本のひとつが「分散投資」だ。資産運用において分散投資は、損失を被るリスクを低減する効果がある。
具体的には、次の3つを分散させるようにしたい。
- 資産クラス
- 地域
- 時間
資産クラスとは、株式や債券など金融商品の種類のことである。
たとえば、株式に偏って投資をしてしまうと、リスクが高くなりすぎる可能性がある。
株式市場の変動に備えるためには、債券を併せ持つことが大切だ。
また、投資先の地域も分散したい。
1つの地域や国に集中投資すると、その国の経済が停滞したときに保有資産全体が下落してしまうこととなる。
リスクが集中しないようにするためには、複数の地域や国に分散投資することが重要だ。
最後に、時間を分散することも心がけたい。投資は、買い付け時のタイミングがその後の損益に大きな影響を与える。
高値掴みを避けるためには、買付のタイミングを分散することがポイントだ。
生活防衛資金を確保する
資産運用を始める際は、生活防衛資金を確保しておくことも大切だ。
生活防衛資金とは、病気やケガなど万が一の際の出費に備えるための資金である。
株式など金融商品は換金に時間がかかるうえ、タイミングによっては損失が出ている可能性もある。
突発的な出費に対応するためには、預貯金にまとまった資金を確保しておきたい。
生活防衛資金は、一般的に生活費の半年分といわれている。
もし月々の生活費が20万円の場合は、120万円の生活防衛資金が必要だ。
「余剰資金を全て投資に回してしまって出費に対応できない」ということにならないよう、あらかじめ生活防衛資金をきちんと確保しておこう。
情報収集に取り組む
金融市場は日々変動しているため、適切な投資判断を下すためには常に情報収集に取り組むことが欠かせない。
もしきちんと情報収集を行っていなければ、市場のリスク要因に気がつくことができず、あっという間に含み損が広がってしまうことがある。
金融市場の先を見据えて適切な行動を取るためには、ニュースや新聞などで最新情報を取り入れる習慣をつけよう。
証券会社によっては、アナリストによる投資レポートを提供しているところもあるため、そういったサービスを活用することもおすすめだ。
投資をすると投資だけで生活できるのか、気になるだろう。
投資だけで生活できるのか、より詳しく知りたい人は下記の記事を参考にするといいだろう。
資産運用の手法に迷ったらプロに相談しよう
自分の投資意向に合った手法を見つけるためには、投資の専門家へ相談することがおすすめだ。
ここからは、資産運用を専門家へ相談する重要性や、特におすすめの相談先について紹介していこう。
資産運用における専門家の重要性
ネット証券が広く浸透している近年は、自ら情報収集して資産運用に取り組むことも可能だ。
しかし、1人で資産運用に取り組むことに対して、「自信がない」、「ハードルが高い」と感じる人もいるだろう。
資産運用について専門家へ相談することは、疑問点が解消できるだけでなく、精神的な安心感を得られるメリットもある。
プロの意見を取り入れながら投資先や手法を選定できるので、初心者でも資産運用に取り組みやすい。
「どのような金融商品に投資すればいいのか分からない」、「1人で投資判断を下すのが難しい」という人は、ぜひ専門家へ相談することを検討しよう。
IFAへの相談がおすすめ
資産運用の相談先にはさまざまな選択肢があるが、最近特に注目を集めているのがIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)である。
IFAとは、特定の金融機関に所属しない金融アドバイザーで、主に金融商品の仲介業を取り扱っている。
IFAは金融機関から独立した存在であるため、相談者のニーズを優先した提案を行ってくれるメリットがある。
金融機関のような営業ノルマも抱えていないので、本当に必要な商品だけを紹介してもらえるのも安心できるポイントだ。
IFA探しは「資産運用ナビ」の利用が便利
IFAへ相談するときは、「資産運用ナビ」の活用が便利である。
IFAにはそれぞれ得意分野や取扱商品に違いがあり、自分の投資意向に合ったIFAを探す必要がある。
資産運用ナビでは、相談者のニーズに合ったIFAを無料でマッチングしてくれるため、自らIFAを探す手間が省略できる。
簡単な入力項目を入れるだけでIFAを検索できるので、ぜひ一度利用してみよう。
資産運用の最適な手法は人によってさまざま
資産運用にはさまざまな手法があり、その中から自分に合った投資スタイルを見つけるのは簡単なことではない。
より適切な資産運用の手法を取り入れるためには、金融のプロへ相談することがおすすめだ。
特に、IFAは顧客目線でのアドバイスをくれるメリットがある。
ぜひIFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用し、自分の投資意向に合ったIFAを探してみよう。