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【3035】ケイティケイ株式会社 事業概要と成長戦略に関するインタビュー

※本コラムは2024年1月22日に実施したIRインタビューをもとにしております。

ケイティケイ株式会社はSDGsへの貢献を目指し、リサイクル製品やDX推進のITソリューションなど、お客様の成長に合わせた商品やサービスを提案・提供しています。

代表取締役社長の青山英生氏に事業戦略の変遷や今後の成長方針を伺いました。

目次

株式会社ケイティケイを一言で言うと

「お客様のオフィスの未来をデザインする企業」です。 

ケイティケイ株式会社 2023年7月6日 会社説明会資料 より引用

ケイティケイの沿革

ケイティケイ株式会社代表取締役社長 青山英生氏

創業経緯

当社は1971年に「カトー特殊計紙株式会社」として設⽴され、電算機用のロールペーパーなどの紙を中心としたサプライ用品の販売を行っていました。

当時の主要取引先である金融機関のオンライン化が進む中で、ATM等で使用されるインクリボンの廃棄量の多さからリサイクルの必要性を感じたことをきっかけとしてインクリボンの再利用方法を考案し、研究開発を重ねてリサイクルリボンの販売を開始しました。

その後、1985年にインクリボン再生工場を建設しました。

そして1995年には、Windows95の発売によりアウトプットされる印刷物が多くなったことでレーザープリンターが普及し始め、レーザープリンター用のリサイクルトナー需要の機運が高まりました。

これが当社の大きな転換点となり、現在の主力製品であるリサイクルトナーを製造・販売するきっかけとなりました。

上場と事業拡大

2006年には、ジャスダック証券取引所(現 東京証券取引所 スタンダード市場)に上場しました。

その後、2009年に駒ヶ根工場がSTMC認証(再生トナーカートリッジの品質基準世界標準規格)を取得しました。

そして、2022年までの間にオフィスサプライやITソリューションを扱う複数の企業のM&Aを行いながら事業を拡大させ、名古屋証券取引所メイン市場にも上場しております。

ケイティケイ株式会社 中期経営計画​​“Growth Plan”(2022年8月期~2024年8月期) より引用

ケイティケイの事業の概要と特徴

概要

当社の事業はサプライ事業とITソリューション事業の2つです。

まずサプライ事業では、自社工場で製造されたリサイクルトナーを中心に、インクやインクリボン等のオフィスサプライに関する製品を販売しています。

主にBtoB製品を扱っており、全国19箇所の営業拠点を軸に約15,000社との取引があります。

次にITソリューション事業では、DX推進のためのITソリューション商品やECを利⽤した商品等の販売を行っています。

具体的には、Wi-Fi機器の導入やリモート会議に対応した会議室のレイアウトのサポートなども行っています。

事業における優位性

豊富な顧客基盤と調達力

当社は50年以上にわたってオフィスサプライという必要不可欠な製品を取り扱ってきたことから、グループ全体で約15,000社の顧客(販売店を含む)と定期的にコンタクト可能な関係性があります。

また、当社のグループ子会社の(株)青雲クラウンは明治8年に創業された140年以上続いている企業で、オフィスサプライの調達力に強みがあります。

当社の顧客基盤は長年築き上げてきたもので、一朝一夕には成し遂げられるものではありません。

この豊富な顧客基盤と調達力を持っていることが当社の優位性です。

ケイティケイ株式会社 2023年7月6日 会社説明会資料 より引用

サステナブルな製品とペーパーレス化

当社はおよそ50年前から、サステナブルな製品の製造・販売を行ってきました。

そして、現在はリサイクルトナーを中心に様々なリユース・リサイクル製品を販売し、顧客のSDGs(持続可能な開発目標)に対する支援を行っています。

近年重要視されてきたSDGsですが、当社は長年にわたって製造する技術を高めてきました。

一方で、ペーパーレス化が進む中、紙に関わる事業が衰退すると見る向きもあるかもしれません。

しかし、運送業界や医療業界など、エッセンシャルワーカーが活躍する分野では、紙の使用量が減少するどころか、むしろ増加しています。

さらに、SDGsへの取り組みが必要であるため、当社のサステナブルな製品のニーズが高まっています。

ケイティケイ株式会社 2023年7月6日 会社説明会資料 より引用

歩調を合わせたITソリューションの展開

ITソリューション事業は、オフィスサプライの既存取引先である15,000社に対して展開しております。

現在、国内企業の大多数を占める中小企業や小規模事業者の課題は、IT専門人材の不足です。

特に、情報システム部門を持たない企業や、いわゆる「ひとり情シス」で運営されている企業が私たちのサービスの主要なターゲットです。

これらの企業では、システムを一気に刷新するのではなく、段階的にシステムを導入していく必要があります。

当社は、既にオフィスサプライの分野で顧客との繋がりを持っており、この強みを活かして、それぞれのニーズにあったITソリューションを提供することが可能です。

このようなアプローチにより、当社は中小企業や小規模事業者のDX化を促進していくことができることも優位性の1つです。

ケイティケイ株式会社 2023年7月6日 会社説明会資料 より引用

ケイティケイの中長期の成長イメージとそのための施策

新ECサイト「YORIDORI(ヨリドリ)」の拡大

2023年10月に、長年運用してきたECサイトを全面的にリニューアルし、「YORIDORI」として新たにリリースしました。

「YORIDORI」では、リサイクルトナー、インクなど環境に優しい製品を豊富に取り揃え、お客様のSDGsへの取り組みを支援します。

また、特徴の一つとして、購入した商品に関する環境レポートを閲覧できる機能を提供しています。

新規顧客に関しては、まだ売上が立っていない状況ですが既存顧客のデータを分析し、注文回数と頻度をしっかりと把握していきます。

この情報を活用し、顧客の個別のニーズに沿った商品を提供することで、受注を増やす戦略を考えています。

ケイティケイ株式会社 2024年8月期第1四半期 連結決算説明資料 より引用

ITソリューション事業の拡大

引き続き、中小企業をメインターゲットとしたITソリューション事業を拡大させていきます。

今後もIT業界の堅調な成長が続くと見込んでいるため、複合機を中心とした提案型ビジネスに注力していく予定です。

複合機が単なるコピーをする役割だけではなく、データをPDFに変換してサーバに保存するゲートウェイとしての役割を果たすことは皆さんもご存じの通りです。

さらには(株)イコリスのデジタルマーケティング技術を用いたEC事業や新商品の開発を通じて、ITソリューション事業の成長を図っています。

また、私たちのグループでは、メンテナンス、リペア、オペレーションを中心としたMRO事業も展開し始めました。

実際に市場を見渡すと、最新のオフィスばかりではなく、修繕やオーバーホールが必要な事業所も多く存在しています。

このような背景から、修理、保守、点検といったサービスを始めましたが、これらの活動が当社と直接結びついていないのが現状です。

まだ力不足ではありますが、世の中にはこうしたニーズが確かに存在していると考えています。

今後はITソリューション事業を通じて、そのニーズを満たすMRO事業にも展開していこうと思います。

ケイティケイ株式会社 2023年7月6日 会社説明会資料 より引用

人材活用を中心とした経営基盤の強化

当社の事業を行う上で人材の活用は非常に重要です。

約2年前に、デジタルマーケティングに特化した(株)イコリスをM&Aで取り込みました。

これは当時、従来の対面営業やリアルなビジネス活動に重きを置いており、デジタル領域での知見が乏しいという課題に直面していたためです。

今後は、リアルとデジタルを組み合わせた新しいビジネスモデルを展開し、リスキリングなども含めた人材の育成を行っていきます。

ケイティケイ株式会社 2023年8月期 連結決算説明資料 より引用

注目していただきたいポイント

当社はSDGs情報メディア「EARTH NOTE(アースノート)」を運営しています。

このサイトではインタビュー企画を通じて、自治体や大学、上場企業、さらにベンチャー企業など、多岐にわたる組織のSDGsへの取り組みを記事にしています。

当社も含めてSDGsへの取り組みを世の中に伝える難しさを実感し、より多くの人にその情報を伝えるためにはじめました。

この「EARTH NOTE」という取り組みは、当社の製品と直接的な関連はありませんが、SDGsへの真剣な取り組みを通じて、当社が持続可能な企業であることを知っていただくことこそが事業成長へと繋がると考えています。

株式会社ケイティケイ 2023年8月期決算説明資料 より引用

投資家の皆様へメッセージ

当社は自社のことをサステナブルな商品を提供する環境貢献企業と位置づけております。

我々はリサイクルトナー業界で唯一の上場企業として、サステナブルな製品の提案を通じて、お客様のSDGsに貢献していきます。

このサステナブルを推進する企業としての当社の事業に賛同いただき、引き続き温かいご支援のほどよろしくお願いします。

ケイティケイ株式会社

本社所在地:名古屋市東区泉⼆丁⽬3番3号

設立:1971年6月29日

資本金:294,670,000円(2024年2月アクセス時点)

上場市場:東証スタンダード市場 (2006年4月18日)、名証メイン市場(2022年4月18日)

証券コード:3035

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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