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米国債投資について

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今我々IFAの中で最も注目している投資先、それが米国債です。2022年は世界の株式市場が激しく動いています。米国では40 年ぶりのインフレや、32年ぶりの円安など不安な材料が多い不安定な相場の中で、なぜ今米国債への投資が今注目されているのでしょうか。

2022年初め米国10年もの国債の金利は1.512%でした。それが2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まりインフレが急加速し、それに連動して同金利は急速上昇しました。10月20日現在は4.130%までになっています。

これは、新しく発行した米国債に投資をした場合、年4%の配当金を10年間毎年受け取ることができ、10年後に投資した元本が戻ってくるということを意味しています。

仮に、1000万円分を米ドルに替え66,666ドルを期間10年ものの米国債へ投資をした場合、毎年2,600ドルの配当金が受け取れ、10年累計で26,666ドル(本日のレートで換算すると400万円)の利益が得られることになります。

現在、日本の銀行の円定期預金の金利は0.002%(三菱UFJ銀行スーパー定期)です。先ほど同様1000万円を預けた場合、年間利息は200円、10年分が2,000円であることと比べると違いは一目瞭然です。

債券への投資に伴う最も大きなリスクは発行体の破綻リスクです。米国債の発行体は米国政府なのでその破綻可能性はかなり小さいでしょう。この1年で大きく米国の金利が上がった一方で日本の金利は未だ先進国で唯一低いまま(10年もの日本国債の金利:0.24%)です。

この極端に低い状況は今後も続くとみられ、同じ国債への投資ということであればこの金利差のギャップを活かした米国債への投資は有効な方法の一つと言えるでしょう。

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目次

そもそも米国債とは何か

米国債とは、米国財務省が発行する政府の借金のことです。発行時に年間◯%の配当金を支払い、設定した満期償還日に元本を返済することが約束されています。

そのため投資効果としては、投資家が米国債を購入すると、年2回決まった配当金が受け取ることができ、満期償還日に元本が投資家の元に戻ってきます。その間受け取った配当金の全てが投資家の利益となります。先に挙げた10年もの国債だけではなく、2年もの5年もの、30年ものなど数多く種類があります。

米国債は世界の債券の中で最も市場規模が大きく、日々市場で取引が行われています。そのため満期償還日まで保有しなくても途中で売買ができる仕組みがあり、簡単に売買ができる資産の一つです。

また、株式のような権利確定日があるわけでなく、保有した分日割りで配当金が受取れる仕組みがあり、定期預金より優れている点もあります。

では実際に投資を行う場合、どのようなことに注意すべきでしょうか?以下3つに分けて説明します。

  1. どこで購入できるか
  2. 想定されるリスクは?
  3. リスクを軽減するために検討した方が良いこと

どこで購入できるか

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米国債を購入したいと思った時、取扱いをしている金融期間は証券会社です。銀行や郵便局で直接購入することはできません。

証券口座を持っていない場合、新たに証券口座を作る必要があります。

その際、どこの証券会社で口座を開設するかが非常に重要です。なぜなら国債を売買するときの手数料が証券会社毎で異なるためです。

一般的にネット証券は非常に手数料が安く設計されていますので、新たに口座を開設するのであればネット証券の口座開設を検討しましょう。

想定されるリスクは?

  • 信用リスク
  • 為替リスク
  • 中途解約リスク
  • 発行されている債券を途中から購入した場合のリスク

信用リスク

信用リスクとは、債券を発行する発行体の米国政府が破綻するリスクです。世界No1のGDPを誇る米国が急に破綻することは考えにくいと思われますが、期間が10年のものであれば10年後の保証は誰もできません。

仮に、破綻ということになれば元金が満額戻ってこない可能性もあるということを理解しなければなりません。

為替リスク

為替リスクとは米国債の場合、米ドル建ての投資商品となることから円と米ドルの為替レートの変動に伴い発生するリスクです。

投資を行う際1000万円をドル円の為替レートが150円の時に米ドルに替えると66,666ドルになりますが、10年後元本が66,666ドルが返ってきた時に、仮にドル円が120円になっていたら7,999,920円にしかなりません。

10年間で得た配当金を全部足しても為替レートの推移によっては当初元本を下回ってしまうこともあり得ることを理解しておく必要があります。

一方、この為替リスクは必ずしも下(損)の方だけではないということも理解しておきましょう。つまり、10年後ドル円が180円になっていたら元本66,666ドルが11,999,880円になります。米ドルベースでは同じ金額でも円で考えると損になったり得になったりするということです。

また、為替を交換する際の手数料にも気をつけましょう。取引をする証券会社によって手数料が異なります。各証券会社のサイトで為替手数料をチェックしましょう。

中途解約リスク

中途解約リスクとは、途中に解約をした場合のリスクです。米国債は、流通量が多いため運用の途中で解約をすることが可能ですが、途中で解約する場合は時価での売却となります。

相場の状況によっては時価が下がっていることもあります(上がっていることもある)ので、解約を検討する際には時価を調べた上で口座に戻ってくる金額を確認してから手続きをするようにしましょう。 

発行されている債券を途中から購入した場合のリスク

米国債は日々市場で取引が行われていることから、既に発行されている米国債(=以降既発債とします)を購入するケースが多くあります。その際の注意点は以下の通りです。

まずは、既発債の場合「利回り」という概念が加わります。

途中で購入した場合にはスタートした価格で購入はできません。スタート価格は100のため、100より安く購入あるいは100より高く購入することになります。その場合満期まで保有すると債券は100で満期償還となるため、その保有期間の年間リターンを示すものが「利回り」です。当初発行した時に条件として設定される%で示される配当金は「利率」で表していますので混同しないようにしましょう。

また、投資した金額でいくらの配当金を受取れるのかしっかり計算しましょう。単純に『投資した金額×利率』とは異なりますのでこちらも注意が必要です。

次に既発債については、証券会社から提示された価格で購入することになりますが、同じ銘柄でも証券会社によって提示される価格が異なる点には注意が必要です。これは証券会社の手数料が異なることで起こる現象です。

為替手数料同様、ネット証券の方が手数料が安いため同じ観点でネット証券会社の方がメリットがあると言えます。

リスクを軽減するために検討した方が良いこと

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上記リスクを軽減するために検討した方が良いことを3つ説明します。 

信用リスクと中途解約リスクに対する対策

米国が信用できないという人には米国債投資はお勧めしません。先進国で他の国も国債を発行していますので、ご自身が信頼できる国の国債を検討してみましょう。米国同様金利はどこの国も高くなっている傾向にあります。その際には為替リスクもあることにも注意しましょう。

検討している時点で資金を数年内に使う可能性がある場合には、資金の需要にあった年限の債券を選ぶようにしましょう。一般的には期間の短い債券ほど金利が低くなりますが、現在は逆イールドという特殊な状況のため2年もの債券、5年もの債券でも4%を超える金利を確保できます。こうした期間の短い米国債投資も今はおすすめです。

為替リスクに対する対策

為替リスクが怖いという方は、満期の際に円高になっていたらどうしようという方だと思います。そうした方は円に戻さずに米ドルのまま持つことができる金額にとどめましょう。米ドルのまま増やす方法もありますが、現在の金利環境を考えるとむしろ、投資できる商品の幅は米ドル建ての方が広いと言えます。

また、資産の一部を米ドルで持つことは資産の分散につながり、全体からみると安定を生むと言われています。

例えば2022年は1ドル年初115円でスタートしましたが、現在は149円です。実に約30%円の価値が下がったことを意味します。一方、米ドルを持っていた人は、ただ米ドルを持っていただけでその価値が1.3倍になっています。

日本でも輸入インフレで日用品の値上げが騒がれていますが、ドルを持っていた人にとっては影響が小さくなったと言えるでしょう。大切なのは資産の中でどのくらいのドルを保有するかです。ドルのままにしておける金額を考えて投資をすることがリスクを減らすことになります。

発行されている債券を途中から購入した場合のリスクに対する対策

「利率」「利回り」「受取配当金」については、どれを重視すれば良いか難しいかもしれませんが、最も重視すべきは「利回り」です。満期償還まで保有した場合、年間でどのくらいの%で運用できるかを示していますので、こちらを目安に銘柄を選択することをおすすめします。

ただこの「利回り」はあくまで参考値です。細かく計算方法を知りたい方はIFAや専門家へ相談いただくことをお勧めします。

まとめ

今注目の米国債投資について わたしのIFAコラム

今回は、米国債への投資についてお伝えしました。現状金利4%と高いリターンが期待できる一方で、特に最近では米ドルが32年ぶりの円安局面ということもあり、為替リスクへの心配もあると思います。ご自身がどのくらい米ドルを持っても良いのか、株式とどのように資産を分けたら良いのか相談をしたいという方は、ネット証券をツールに複数商品を扱っているIFAにご相談ください。

なお、今回は外貨建投資に伴う譲渡益の税金説明、配当金、利子に対する利子所得については法人、個人で異なるため割愛しています。ご注意ください。

上記の注意点に留意し、米国債投資をご自身の資産運用に活かしてもらえればと思います。

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※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

川又 啓ニのアバター 川又 啓ニ ウェルスガーディアン株式会社 取締役

20年間メガバンク、外資系銀行で1000人以上の富裕層のお客様を担当。お客様からの「ずっと担当をしてほしい」とのお声をきっかけに、『1番身近な何でも相談できるプライベートバンカー』を実現するためIFAとして独立、ウェルスガーディアンの経営に参画。心に決めていることは、『お客様にFairであること』。金融の枠を超え、お客様の人生のゴールを実現するお手伝いをしています。

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