※本コラムは2024年2月27日に実施したIRインタビューをもとにしております。
株式会社コンフィデンス・インターワークスは「プロフェッショナルの力と可能性を信じ、共に未来を創り出す」をビジョンに掲げ、ゲーム・エンタメ業界を中心に業界特化型のバーティカル人材サービスを展開しています。
単なる求人と求職者のマッチングにとどまらず、業界特有のニーズを掴み、新たな人材ビジネスを創出することで、特化業界に狭く・深く入り込む事業展開を目指している会社です。
代表取締役社長の澤岻宣之氏に事業の変遷や今後の成長戦略を伺いました。
株式会社コンフィデンス・インターワークスを一言で言うと
業界特化型ソリューションで成長性と収益性を両立し、カテゴリーNo1を積み上げ、新たな人材ビジネスを切り開く会社です。
コンフィデンス・インターワークスの沿革
創業経緯
当社は2014年8月に設立されました。
創業時からゲーム業界に特化した人材サービスを行っております。
早期黒字化と上場
私(澤岻)が、創業の翌年 2015年8月に社長として着任した当時は、社員はわずか3人。赤字経営でした。
私は新卒でスタッフサービスに入社し、20代で営業・人事マネージャーを歴任、新規事業の立ち上げにも関わり、サービスを提供する業界・職種も多岐に渡って経験しておりました。
これらの人材業界での経験を生かして、まずはプレイングマネージャーのように営業現場に入り込み、プロセス管理を徹底しながら、泥臭く営業しておりました。
3ヶ月で黒字を達成し徐々に社員数を増やし事業を拡大させていきました。
そしてゲーム業界という非常にニッチな分野に特化したサービスを磨き続け、2021年6月28日には東証グロース市場に上場を果たしました。
また、2023年8月には株式会社インターワークスとの合併を果たし、これまでコンフィデンスが主に手掛けてきた派遣・受託事業に、インターワークスの人材紹介・求人広告・採用支援などの事業が加わり、バーティカル人材サービスとして、網羅的にクライアントニーズにお応えできる体制となりました。
コンフィデンス・インターワークスの事業の概要と特徴
概要
業界特化型のバーティカル人材サービスを展開しています。
現在は「HRソリューション事業(人材派遣・受託)」「HRソリューション事業(人材紹介)」「メディア&ソリューション事業」の3区分でセグメント情報を開示しております。
売上の7割がHRソリューション事業(人材派遣・受託)で、ゲーム・エンタメ業界に特化した人材派遣・受託サービスを提供しています。
また、人材派遣で働く求職者の活躍の幅を広げる・企業の機動的な人材獲得ニーズに柔軟に対応することで、ゲーム・エンタメ業界にさらに特化することを目的に、2023年4月よりフリーランス・マッチングサービスも開始しました。
また、売上の15%強を占めるのはHRソリューション事業(人材紹介)です。人材紹介プラットフォーム「BIZTREAT」を展開し、大手企業をクライアントに、ミドル・ハイクラス転職の転職支援サービスを行っています。
さらに、売上の15%弱をメディア&ソリューション事業が構成しており、転職求人サイト「工場ワークス」という全国の製造業・工場に特化したメディアの運営、企業の採用課題解決をサポートする採用支援事業などを行っています。
セグメントは3区分にしておりますが、企業様・求職者様ともに、点ではなく面的に、多様なサービスのクロスセルで長期的なお付き合いができることを目指しております。
事業における優位性
創業からこだわってきた業界特化型
当社は創業からゲーム・エンタメ業界に特化したHRビジネスを行ってきました。
この業界はプロジェクトごとに必要な人材が流動的に変化するので、コアな人材のニーズがあり、正社員として抱えることが難しいという課題があります。
そこで当社は、適切な人材を配置可能な高度なマッチング力、即戦力人材を揃うデータベースの構築による人材力、取引先企業の顧客開拓や課題を早期に捉えることができる営業力を発揮して、この業界特有の人材の課題を解決しています。
そして業界特化型のバーティカル人材サービスとして、狭く・深く・広くサービスを展開しています。
当社は人材派遣、フリーランス、業務受託、人材紹介、メディアなど人材に関わる課題を網羅的に解決することができるようなサービスを展開しているため、取引先企業との様々なタッチポイントがあります。
このように業界特化型として事業展開をしてきたことが当社の大きな強みです。
高精度なマッチング力
特に、ゲーム・エンタメ業界ではどのようなプロジェクトや工程によって必要な人材が異なるため、業界への深い理解が必要です。
また適切に求人を集めるために、どのようなスキルのある人材かを見極めることも必要です。
そこで私は前職の人材派遣会社でのチームビルディングやマネジメントのノウハウを活用して、より効率的に業界ナレッジを蓄積する組織作りを行ってきました。
具体的には、ターゲティング・チームビルド・PDCAマネジメントの3段階に分けてご説明いたします。
新たな領域に参入する際には、業界を細分化し、狭く絞り込んだターゲティングを行っています。
最速での仮説検証が可能になり、初期投資の最適化にも繋がります。
参入業界が決定したら、チームビルドです。
経験の浅いメンバーもすぐに活躍ができるよう、分業化・標準化の視点でチームの機動性を高めます。
早期にチームを立ち上げることで、社内にナレッジが蓄積され、PDCAマネジメントもスピーディーに行えるようになり、より高精度なマッチングが可能になる仕組みです。
これらが人材・求人データベースを構築する上でのリクルーティング力・求人開拓力にも繋がります。
現在はこのマッチング総数を最大化する独自の手法を確立させたことで、人材・求人数を着実に伸ばしながらも、稼働率99%を実現しています。
人材力と営業力
当社はゲーム業界において、プランナー、デザイナー、エンジニアといった幅広い職種の人材を取り揃えております。
取引先は130社以上と、ゲーム業界の取引先企業は既存取引先に加えコンタクトできる先を含めますと業界の約9割を網羅していると考えております。
中には、50名以上を配属している大手企業様もございます。
設立から9年半で、クリエイター配属数も840名超となり、着実に成長を続けております。
これは当社の持つプロフェッショナル人材を揃えるデータベースを構築していることや、取引先との継続的な関係性を維持している証拠です。
コンフィデンス・インターワークスの中長期の成長イメージとそのための施策
市場環境と対応策
現在、人材業界は売り手市場で、全てのセグメントで追い風を受けています。
一方で獲得コストの上昇と、労働人口の減少には課題を感じております。
この状況下では、従来の広告に依存した採用戦略ではなく、自社によるオーガニックな手法による人材の確保が重要となります。
このため、SEOの強化やSNSを利用したコミュニティ形成を通じてコストを抑えながら高品質な人材を集める戦略を取っていく方針です。
また、インターワークス社のリソースを活用して、サーバー運営やコンテンツ制作を強化し、より効率的な人材獲得を目指します。
実現したい未来/世界観
我々は、最低でも年商10億円規模のビジネスを目指し、可能であれば50億円以上のスケールを持つ事業を展開したいと考えています。
このスケールを実現するには、競合が少なくマーケティングコストが抑えられるマーケットの選定が重要です。
エンターテインメント業界への特化を進め、既存のコネクションを活かしながら、新たなニーズに応えるサービスを開発します。
また、DXやWeb3.0の領域にも注目し、これらの新興分野でのシェア獲得を目指します。
今年1月には、Web3.0×HR Techに強みをもつ、株式会社プロタゴニストを子会社化、先端技術領域に特化した人材エージェントサービスの運営も開始いたしました。
重要なのは、獲得コストを最小限に抑えつつ、迅速に市場へ参入し、必要に応じて柔軟に事業モデルを調整する能力だと考えています。
目指すのは中長期的な成長と持続可能なビジネスモデルの確立です。
注目していただきたいポイント
注目いただきたいのは、やはり業界特化での事業展開です。
人材大手のパソナ、パーソル、リクルート、スタッフサービスなどは、数千億円規模のビジネス展開をしています。
当社はそのような企業と真っ向から勝負するのではなく、ニッチな業界で特に我々が参入するカテゴリーの中で必ずNo1を目指していく戦略をとっています。
また成長性と収益性を両立させていくことも重要視しています。
そして当社は人材ビジネスにおける新たなモデルを創造し、特にゲーム業界などの特定分野で業界構造の変革を目指しています。
今後も業界特化型の人材ビジネスを極めていきますので、ぜひご注目いただければと思います。
投資家の皆様へメッセージ
参入業界を狭く絞り込んだターゲティングで初期投資を抑えつつも、ゲーム業界で培ったカテゴリーNo.1のポジションを確立するメソッドを用いて、特化業界の拡大にも注力しており、盤石な経営基盤の下、安定した配当と株主還元も実現しています。
当社の業界特化型のビジネスモデルの安定性・持続性・成長性に期待して、今後ともご支援をいただければと思います。
本社所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿二丁目19番1号 ビッグス新宿ビル10階
設立:2014年8月5日
資本金:508,034千円(2023年3月時点)
上場市場:東証グロース市場 (2021年6月28日上場)
証券コード:7374