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【4421】株式会社ディ・アイ・システム代表取締役会長 長田光博氏「エンジニアを育成してIT人材を増やし、企業の成長に貢献する」

※本コラムは2022年11月18日に実施したIRインタビューをもとにしております。

自らシステム開発とネットワーク構築を行うと共に、IT人材の教育・育成を手掛ける株式会社ディ・アイ・システム。IT人材の不足が言われるなか、新卒を中心に大量採用を続けている同社の将来性について、代表取締役会長の長田光博氏に伺いました。

目次

株式会社ディ・アイ・システムを一言で言うと

ITエンジニアという、極めて限られたリソースに特化した人的財産を、豊富に持っている会社です。

毎年、専門学校や大学で情報処理を学んだ学生が、社会に送り出されてきますが、その人数は非常に限られています。

おまけに少子化が進んでいますから、子供の絶対数が少なく、その中から情報処理を学ぶ学生となると、さらに人数が少なくなります。その人たちをどう採用するかということで、IT人材を欲しがっている多くの企業は大変な苦労を強いられています。

対して私たちは現在、会社全体で約620名、来年の採用を含めると約700名のITエンジニアを抱えていることになります。

さらに言えば、私たちのビジネスパートナーとして協業して下さっている企業に属しているITエンジニアが160名くらいおりますので、今の時点でも800名近いITエンジニア集団を形成しています。これこそが、私たちの強みといっても良いでしょう。

創業の経緯

私自身はかれこれコンピュータ、ITの世界に入って50年近くなります。最初は富士通、当時はFACOMというブランドだったのですが、そのコンピュータの営業です。

コンピュータといっても、今のようなパソコンとは違い、畳2帖分くらいの大きなもので、金額も億を超えるようなものです。

その営業を経て、1980年に経営情報センターに入社し、1989年に取締役に就任した後、1993年にエム・アイ・シー・システムに転籍して、1996年に代表取締役に就任しました。

私がこの世界に入ったばかりの頃は、当然のことですが世の中に「IT」という言葉はなく、コンピュータシステムといえば大企業が億単位のお金をかけて導入するものでした。

業務の効率化、省力化を進めるために導入するべきものであるのは分かっているのですが、導入できるのは大企業に限定され、中小企業にはとても手が出せるものではありませんでした。

でも、導入するべきものであれば、何とかそれを中小企業レベルでも導入できるものにしたい。折しもインターネットが民間で自由に使えるようになった時期で、これからは中小企業もIT化を進めていく必要があると考えて、1997年にディ・アイ・システムを創業したのです。

正直、自分が起業するとは考えてもみたことがなく、一生、サラリーマンで行こうと考えていたのですが、経営情報センターで取締役を務めていた時、営業統括として、営業担当者が持ってきた案件をジャッジする立場でした。当然、予算的に厳しいとか、納期を約束できないなど、さまざまな理由をつけてお断りすることもあったのですが、それを幾度となく繰り返しているうちに、会社の限界を感じるようになりました。その悩みを仕事関係の人たちに言った時、「だったら自分で起業してはどうだろう」と言われ、その時に初めて「起業」を意識しました。

事業がスケールアップしたのは、人員を増やしてからです。もちろん従前からも毎年2人、3人くらい、2006年以降は10人前後の新卒採用は行っていたのですが、ある年に一気に70人の採用を行いました。7、8年前のことです。その時の社員数は全部で350名くらいだったので、本来ならありえないことなのですが、この業界で会社を成長させるためには、ITエンジニアの数を増やさなければなりません。結局、勝敗を決めるのはITエンジニアの数と、その技術力なのです。

大量採用に踏み切る前も、少しずつ業績を伸ばしてはいたのですが、それを続けていても事業はなかなか拡大しません。社内でもいろいろ意見はありましたが、まずは大量採用に踏み切りました。そのうえで社員一人一人のスキルアップをはかったことによって、事業が大きく伸びるようになったのです。

事業内容について

システム開発からネットワークの設計とその構築、運用、保守まで一貫して行うシステムインテグレーション事業がメインの事業です。

各企業様は自社の業務効率化を図るために、まず、システム開発を行います。システム開発と言っても、現代ではネットワークの構築、その後の運用(オペレーション)が一体となります。

ただし、どれだけ万全に開発したシステムでも、必ず障害は生じます。その障害はシステムに問題があるか、それともネットワークに問題があるか、さらには運用上の操作のミスかのいずれかなのですが、世の中のシステム会社の多くは、システム開発かネットワーク構築かのいずれかに特化していて、その両方に加え、運用を担えるのは大手システム会社しかありません。

当然、大手システム会社はコストが高いので、多くの中小企業はコストを抑えるため、システム開発はシステム開発会社、ネットワーク構築、運用は、それぞれ別に依頼して、システム構築を行うケースが多いのですが、障害が生じた時、システム開発会社とネットワーク構築会社の連携が取れずに、原因究明に時間がかかったりします。

でも、私たちはシステム開発とネットワーク構築、運用を行っているので、障害が生じたとしても早急に原因を究明し、対応を講じることができます。これが私たちの一番の強みといっても良いでしょう。

株式会社ディ・アイ・システム 2022年9月期 決算説明会資料 より引用

またITエンジニアは、私たちのようなシステム開発会社だけでなく、今や一般企業も必要としています。たとえばトヨタ自動車が2022年春入社の新卒採用で、技術系のうちソフトウェア系の開発人材を5割に引き上げたというニュースがありましたし、ソニーも今後、電気自動車の領域に参入するためには、ITエンジニアを必要とします。

このように、これからは業種業界を問わずITエンジニアの争奪戦が一段と激しくなりますから、小さなシステム開発会社は今後、採用で苦戦することになるでしょう。ITエンジニア人材が欲しいということで、大企業であるソニーやトヨタ自動車、あるいはNTTなどが高い報酬で人材を集めたら、多くのIT人材はそっちに流れてしまいます。

そこで今、私たちが力を入れているのは、ITのオープン研修です。IT人材を増やすために行っている事業で、これまでITに全く触れて来なかったという方でも、私たちのオープン研修に参加していただくことによって、ITのプロとまではいかないまでも、初級のエンジニアレベルに引き上げることができます。


株式会社ディ・アイ・システム 2022年9月期 決算説明会資料
 より引用

特に、毎年4月から6月にかけては、百人を超える規模の、他社の新入社員をお預かりして、IT教育をさせてもらっています。このように人を育てるための研修を行っていると、学校の就職担当者も安心してくださるので、私たちの採用は好調です。2023年4月入社の採用人数は80名を予定していますが、今の時代、私たちの規模の会社でこれだけの新卒採用を確保できるところは、ほとんどありません。


株式会社ディ・アイ・システム 2022年9月期 決算説明会資料
 より引用

中長期の成長イメージとそのための施策

そう遠くない将来、具体的には5年以内には、従業員数1000人、ビジネスパートナー人材で500人の計1500人というITエンジニアで、売上100億円を作り上げます。

そのなかで現在、約620人いるITエンジニアについては、さらに高いスキルを身につけていただき、より高度な仕事をこなしていきます。高度最先端の技術を取得、開発するのと同時に、多くのITエンジニアを育てていこうと考えています。

現在、中期経営計画の最終年度ですが、次の3か年計画も策定して、対応していきたいと思います。


株式会社ディ・アイ・システム 2022年9月期 決算説明会資料
 より引用

また、国内だけで人材調達が困難ということになれば、海外への展開も視野に入れてまいります。そのためのマネジメント体制の構築も、これからは必要になっていくでしょう。出来るだけ、大きなマーケットのある市場に参入していきたいと考えています。

投資家の皆様へメッセージ

私たちは地味ではありますが、堅実に成長し続けている会社です。道を誤らなければ、目の前には着実に成長するマーケットが広がっていますから、そこで業績を伸ばしている会社であることを、ご理解いただきたいと思います。

株式会社ディ・アイ・システム

本社所在地:東京都中野区中野4-10-1 中野セントラルパークイースト2F

設立:1997年11月5日

資本金:29,109万円(2022年11月アクセス時)

上場市場:東証スタンダード(2018年10月19日上場)

証券コード:4421

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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