- 株式投資のメリットを理解したい
- 株式投資の運用戦略を立てるポイントが知りたい
- 1,000万円で組めるポートフォリオの具体例が知りたい
1,000万円で投資を行う際に、どのように運用を行えばよいか迷う人は多いだろう。
今回の記事では、株式投資のメリットや他の投資方法との違い、株式投資の注意点などを解説する。
1,000万円を株式で運用する際のポイントや具体的なポートフォリオ例についても紹介するため、ぜひ参考にしてみてほしい。
1,000万円で運用する前に知っておきたい株式投資の基本
まずは、株式投資のメリットや他の投資方法との違い、株式投資を行う際の注意点などを確認していこう。
株式投資のメリット
株式投資には、以下のようなメリットがある。
- 値上がり益(キャピタルゲイン)を狙える
- 定期的に配当(インカムゲイン)を得られる場合がある
- 株主優待を楽しめる
- 会社の経営や意思決定に関われる
株式投資の最大の魅力は、購入時から株価が上がることで値上がり益(キャピタルゲイン)を期待できることだ。
今後成長する見込みのある銘柄を購入したり、相場が上がるタイミングで株式を購入したりすれば、短期間でもリターンが期待できる。
もちろん、時間をかけてじっくり投資をすることで、長期的に大きなリターンを狙うことも可能だ。
また、株式投資では企業からの配当を得られる場合もある。
配当とは、会社が得た利益の一部を株主に分配するお金のことだ。
配当金の有無や金額は企業が決めるため、株式投資を行っているからといって必ず配当を受け取れるわけではない点には注意が必要だが、定期的に収入を得られるのは大きな魅力だ。
配当利回りの高い銘柄の中には、4%〜5%程度の配当利回りが期待できる銘柄も存在する。
配当だけでなく、株主優待を目当てに株主投資を行う人も多い。
よく行くスーパーやホテル施設、スポーツジム、飲食店などの株主を保有していれば、お得にサービスを利用できる場合がある。
企業によっては自社製品やギフト券などを株主優待として提供している企業もある。
さまざまな株主優待銘柄の中から自分のほしい銘柄を探すのも株主投資の楽しみの一つだ。
最後に、株主を保有していると、株主総会などを通じて会社の意思決定に関われるというメリットもある。
株式を保有していると、保有株数に応じて議決権が与えられ、企業の今後の経営施策に対して自分の意見を主張することが可能だ。
他の投資方法と株式投資の比較
投資には、株式投資以外にもさまざまな投資方法が存在する。
代表的な投資方法としては、投資信託や債券、ETF、外貨預金、不動産投資、FXなどがある。
それぞれのメリット・デメリットをまとめると以下の通りだ。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
株式投資 | 高いリターンを狙える 配当や株主優待を楽しめる 企業の意思決定に関われる | 価格が変動するリスクが高い 投資先の選定には知識が必要 |
投資信託 | ファンドマネージャーに運用を任せられる 少額から手軽に分散投資ができる 初心者でも投資しやすい | 株式投資ほどのリターンを期待しにくい 元本割れのリスクがある 運用中は信託報酬(運用コスト)が必要 |
債券 | 満期まで保有を続ければ発行体が破綻しない限り元本が戻ってくる 保有期間や保有額に応じて利息を受け取れる 商品の仕組みがわかりやすい | 高いリターンは期待しにくい 途中売却する際は時価での売却となる 発行体が倒産すると利払い遅延や元本割れの可能性がある |
ETF | 投資先が分散されているため、株式投資よりもリスクが分散されている リアルタイムで売買できる 指数に連動する投資成果を狙えるものもある | 元本割れのリスクがある 自動積立に対応していないケースも多い |
外貨預金 | 定期預金と似た仕組みでわかりやすい為替相場によっては為替差益も期待できる 円よりも高い利回りで預金できる | 為替相場によっては為替差損が発生する 通貨によっては価格変動のリスクが大きい |
不動産投資 | 賃料収入が定期的に得られる 物件が値上がりすれば売却益が期待できる | 物件によって価格の動向が変わる まとまった投資資金が必要 好きなタイミングで売買しにくい 空室リスクがある |
FX | レバレッジをかければ少ない資金で大きな金額の取引が可能 短期間で利益を狙った取引できる 通貨によってはスワップポイントが期待できる | 相場によっては大きな損失が発生する チャートの読み方や相場分析のために勉強が必要となる 常にチャートに張り付いて取引する必要がある |
株式投資におけるリスク管理の重要性とその方法
株式投資には、必ずリスクがつきものだ。
適切なリスク管理を行うことで、株式投資を成功させやすくなるだろう。
代表的なリスク管理の方法としては、「分散投資」が挙げられる。
一つの銘柄だけではなく複数の銘柄や資産に分散して投資を行うことで、特定の資産が値下がりしたときに資産全体が大きく損失を受けるのを防ぐ効果が期待できる。
特に、値動きの異なる複数の種類の資産に分散させることで、お互いの値動きをカバーしやすくなる。
さらに、投資先だけでなく投資タイミングを分散させることもリスク管理に有効だ。
まとめて投資を行うのではなく、複数のタイミングにわけて投資することで、高値掴みを避けて長期的にリターンを得やすくなる。
1,000万円で行う株式投資におすすめの戦略
1,000万円を元手に株式投資を行う場合、注意したいポイントがいくつかある。
具体的な運用戦略とともに株式投資のポイントを紹介していく。
1,000万円の株式投資に目標を設定する
まずは、株式投資を行う上での目標を設定しよう。
「20年後までに資産3,000万円を目指す」
「年間7%のリターンを目標とする」
といったように具体的な目標を立てることを意識しよう。
今後のライフイベントや家族構成によって運用目標は異なるため、自分の環境や状況に合わせて運用目標を設定するのが重要だ。
なお、運用目標はなるべく実現可能な範囲で設定するように心がけよう。
運用は長期間続けるほど効果が高まるため、まずは継続することが重要だ。
無理せず続けられる運用目標を設定し、達成状況に応じて柔軟に運用方針を調整することで、長い期間運用を続けることができるだろう。
銘柄分析の手法
株式投資では、どのような銘柄に投資を行うかが非常に重要だ。
銘柄選定を行う上でのコツを認識し、適切な方法で分析することが求められる。
まずは、企業の売上高や営業利益などから業績の推移を分析し、今後も成長が見込まれる企業かどうかを判断する。
株式投資を行うに当たっては、長期的に成長が期待できる企業の株を保有することが大事だ。
次に、株価の適正水準と現在の株価水準を比較する。
株価収益率(PER)やPBR(株価純資産倍率)、配当利回りなどの指標を業界平均などと比較し、現在の株価水準か適切かどうかをチェックしよう。
理論株価よりも実際の株価が割安な銘柄については、投資妙味が高いと言える。
加えて、企業のガバナンス体制や今後のビジネスモデルなども重要だ。
今後成長が見込める銘柄かどうかを多角的に評価して、投資に値するかどうかを判断しよう。
このように、企業の収益力や株価の割安度、事業の将来性などを総合的に判断することで、銘柄選びに失敗しにくくなるだろう。
1,000万円を複数の銘柄で運用する
1,000万円で投資を行う場合、一つの銘柄ではなく複数の銘柄・資産を組み合わせて投資を行うのが一般的だ。
この運用資産の組み合わせのことを「ポートフォリオ」と呼ぶ。
適切なポートフォリオは、運用目標や許容できるリスクの度合い、運用スタイル、金融資産などによって異なるため、まずは自分にどのようなポートフォリオが適しているのかを考えてみよう。
例えば、年齢が若くリスク許容度が高い人の場合は、株式や投資信託などを中心としたリスク・リターンの高い資産配分も適している。
一方で、退職後に貯金から運用を行う高齢の人の場合は、債券などを多めに取り入れた安定的な資産配分が適しているだろう。
資産運用を長期的に継続するためには、自分にとって適したポートフォリオを設計することが大事だ。
株式を活用した1,000万円のおすすめの運用例
1,000万円で投資を始める場合、自分の運用ニーズに合致した資産配分で運用戦略を立てることが重要だ。
ここでは、運用ニーズ別のおすすめの運用例と、期待できるリターンや想定すべきリスクについて解説する。
積極的にリターンを狙う運用例
リスクを覚悟してリターンを狙いたいという人は、株式を多めにしたポートフォリオを設定してみよう。
シンプルな組み合わせとしては、以下のようなポートフォリオが考えられる。
- 株式
- 90%
- 債券
- 10%
運用資産のほとんどを株式とするポートフォリオでは、年間5%〜10%程度のリターンも期待できるだろう。
投資初心者の場合や、なるべく安定的にリターンを狙いたい場合は、投資信託やETFを活用するのをおすすめする。
例えば、株式指数および債券指数に連動する投資信託を購入すれば、手間をかけずに複数の銘柄に分散投資が可能だ。
投資上級者の場合などは、自分で投資したい銘柄を選定するのも良いだろう。
また、国内外の銘柄を組み合わせるのも重要だ。日本国内だけではなく、世界各国の運用資産に分散して投資することで、世界経済の成長を享受しつつ、特定の地域の金融市場の下落にも対応しやすくなる。
ただし、株式の投資比率の高いポートフォリオでは、どうしても価格変動リスクが大きくなる点に注意が必要だ。
リスクとリターンのバランスをとった安定的な運用例
上記のポートフォリオ例よりもリスクを減らしつつ、バランスよくリターンを狙いたいという方は、株式と債券を均等に組み入れたポートフォリオがおすすめだ。
- 株式
- 50%
- 債券
- 50%
運用資産の半分を株式にすることで、効率よくリターンを求めることができる。
残りの半分を債券にすることで、元本リスクを減らして安定的に運用を継続することが可能だ。
国内外の資産にも均等に投資をしたいという方は、以下のようなポートフォリオもおすすめだ。
- 国内株式
- 25%
- 海外株式
- 25%
- 国内株式
- 25%
- 海外債券
- 25%
国内外の株式・債券に均等に投資をすることで、さらにリスク分散効果が期待できる。
なお、上記の投資比率は我々の年金資産を運用するGPIFが採用しているポートフォリオでもある。
なお、GPIFの2001年度以降の収益率は年率約4%程度となっている。
手軽に運用したい方は、上記の資産配分で運用を行うバランスファンドへ投資すれば、一つの銘柄を保有するだけで、上記で紹介した4資産へ分散投資するポートフォリオ運用が可能となる。
リスクをなるべく抑えた安全な運用例
リスクを抑えてなるべく安全な運用を行いたいという方は、株式の比率よりも債券比率を高くした運用ポートフォリオがおすすめだ。
- 株式
- 20%
- 債券
- 80%
資産の8割を債券にすることで、株式相場の変動に左右されにくい安定した運用が期待できるだろう。
ただし、上記のポートフォリオは株式を中心としたポートフォリオよりも期待リターンが小さくなる点に注意が必要だ。
国内債券での運用では、高くても年間1%〜2%程度の利回りしか見込めないため、将来に向けて資産をしっかりと増やしていきたいという人にとってはあまり適していない運用先だと言えるだろう。
上記のポートフォリオは、資産を増やしたいという方よりも守ることを重視したいという方におすすめの資産配分だと考えられる。
1,000万円で株式投資を始めるなら誰に相談するべき?
1,000万円の資金を元手に株式投資を行う場合、専門家に相談した上で運用戦略を立てるのがおすすめだ。
以下で、専門家に株式投資を相談すべき理由や、おすすめの相談先について解説していく。
株式投資を活用した資産運用における専門家の重要性
株式投資においては、自分の許容できるリスクの度合いや期待する運用リターン、今後のライフイベントなどに応じた銘柄選びが重要だ。
しかし、投資経験のあまりない人にとっては、自分の投資スタイルに適した銘柄を的確に把握するのは難しいケースもある。
そのような人の場合は、株式投資の専門家に相談することで、自分に合った運用戦略や投資先を設定しやすくなるというメリットがある。
特に、1,000万円といったまとまった金額を投資に回す場合は、投資先や投資タイミングについてプロに相談することで、初心者でも安心して株式投資を始めやすくなるだろう。
IFAの役割とメリット
株式投資の相談先としては、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)がおすすめだ。
IFAは、銀行や証券会社など特定の金融機関に所属せずに、顧客に対して資産運用のアドバイスや金融商品の提案を行う専門家だ。
会社の営業方針や販売ノルマなどに左右されず、中立的な立場からの助言が期待できるため、安心して資産運用を任せられるというメリットがある。
また、会社都合の異動や転勤も原則として発生しないため、長期的に信頼関係を築きながら、資産運用の状況について相談できる。
商品提案だけでなく、その後のポートフォリオの見直しやリバランスの相談にも乗ってほしいという方は、ぜひIFAへの相談を検討してみよう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」とは
IFAに資産運用を依頼する際は、自分の性格や運用スタイルに適したアドバイザー探しが重要となる。
どのような基準でアドバイザーを探せば良いかわからない方は、IFA]検索サービス「資産運用ナビ」の活用がおすすめだ。
「資産運用ナビ」は、年齢や住まいなど簡単な項目を入力するだけで、全国のIFAデータからそれぞれの人と相性の良い担当者を探して紹介してくれるサービスだ。
システムが自分と相性の良いアドバイザーを診断してくれるため、自分でさまざまな業者をチェックして比較する手間が省けるというメリットがある。
表示されたIFAの経歴や得意分野、これまでの実績などはプロフィールページから確認できるため、納得の上で面談に臨めるのも安心材料となるだろう。
自分にぴったりの相談相手を見つけたいという方は、「資産運用ナビ」を利用してみてほしい。
1,000万円で株式投資を始めるならIFAに相談しよう
1,000万円で株式投資を始める際は、株式投資のメリットや他の投資との違いをしっかりと把握した上で、自分に適した運用方法を見つけることが重要となる。
株式投資を成功させるためには、投資目標をしっかりと立てて、適切にリスク管理を行いつつ、自分に適した戦略に基づいて運用することが重要だ。
本記事では、1,000万円を運用に回す際の具体的な資産配分例も紹介したが、これらはあくまで一例となる。
1,000万円を元手に株式投資を行う場合は、専門家からアドバイスを受けることを推奨する。
特にIFAは、あなたの悩みや不安に向き合い、一対一で長期間運用をサポートしてくれる株式投資の専門家だ。
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