資産運用を始めたいけれど、誰に相談すればいいか迷っていませんか?
銀行や証券会社の窓口は転勤で担当者が変わってしまう
IFAは独立系だから中立的と聞くけれど本当なのか
IFA相談にかかる料金の仕組みがよく分からない。
このような不安から、大切な資産運用の第一歩をためらっていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、IFAとは何か、という基本的な知識から、本当に信頼できる相談相手を見つけるためのコツまで、詳しくご紹介します。また、IFAとの相談の流れや初回面談で聞いておくと安心な質問などもまとめました。
これからの大切なお金について、安心して相談できるパートナーを見つけるために、ぜひご一読ください。
IFAとは?なにが相談できる?

まずは、「IFA」とは何か、基本からご説明します。
信頼できる相談先なのか、銀行やFP(ファイナンシャル・プランナー)とはどう違うのか、具体的にどんなことを相談できるのかをご紹介します。
IFAの定義と役割
IFA(アイ・エフ・エー)とは、「独立系ファイナンシャル・アドバイザー」のことです。
特定の銀行や証券会社などに所属せず、独立した立場で資産運用のアドバイスを行う専門家で、国(内閣総理大臣)の登録を受けて活動しています。
IFAの主な役割は、お客様の暮らしのご予定、資産の状況、どの程度のリスクなら大丈夫か、といった投資のニーズを詳しくヒアリングし、その方に本当に合った金融商品(投資信託、株式、債券など)を提案することです。
最大の特長は「独立性」と「中立性」
一番の特長は、「独立・中立」な立場であることです。 金融機関の会社の方針や販売目標(ノルマ)に縛られることがありません。そのため、特定の商品を無理に勧められることが少なく、本当にお客様の利益を第一に考えたアドバイスが期待できます。
長期的なパートナーとしての役割
また、IFAは基本的に転勤がありません。 そのため、金融機関のように担当者変更の心配がないのです。
運用が始まった後も、継続的に運用状況を見守ったり、資産の組み合わせ(ポートフォリオ)を見直したりと長期的な目線で運用をサポートしてくれます。
IFA・FP・金融機関の違い
資産運用の相談先として、IFA以外にもファイナンシャルプランナー(FP)や金融機関の窓口があります。それぞれの特徴を比較表で整理しました。
| IFA | FP | 銀行 | 証券会社 | |
|---|---|---|---|---|
| 提供 サービス | お金全般の相談・投資商品の提案 | お金全般の相談・ライフプラン作成 | 預金・保険・投資信託などを総合的に案内 | 預金・保険・投資信託などを総合的に案内 |
| 報酬構造 | 商品販売時の手数料 | 相談料または保険販売手数料 | 商品販売時の手数料 | 商品販売時の手数料 |
| 取扱範囲 | 株式・投資信託・債券など | 商品販売なし or 保険・投資信託など | 自社の預金・保険・投資信託など | 株式・投資信託・債券など |
| 長期担当 | (転勤なし) | (転勤なし) | (転勤あり) | (転勤あり) |
| 中立性 | 高い | 高い | 低い(会社方針・営業ノルマなど) | 低い(会社方針・営業ノルマなど) |
それぞれの窓口には特徴があり、目的によって使い分けることが大切です。
IFAは、上述の通り、金融商品の売買まで対応できる点が最大の特徴です。顧客の資産状況を把握しながら、実際の投資実行から運用後のメンテナンスまで一貫してサポートします。
FPは家計や保険、住宅ローン、教育資金など、お金に関する幅広い相談に対応できますが、多くの場合、投資信託などの金融商品を直接販売することはできません。相談やプラン作成が主な業務となります。
証券会社や銀行の担当者は所属する銀行や証券会社の商品ラインナップの中から提案を行います。転勤や異動で担当者が変わることも多く、長期的な関係を築きにくい面があるでしょう。
もしあなたが資産運用を中心に相談したいなら、IFAは有力な選択肢の一つです。一方、家計全体の見直しや保険の整理も含めて相談したい場合は、FPとの併用も検討できます。
IFAに相談できる内容
IFAには、人生のさまざまな場面での資産に関する相談ができます。ここでは、主な相談分野を具体的に見ていきましょう。
- 資産形成・積立投資
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将来に向けた資産づくりの相談ができます。つみたてNISAや新NISA(2024年1月開始)、iDeCo(個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度の活用方法、投資信託やETFの選び方、積立額の設定などについてアドバイスを受けられます。
- 退職金運用
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退職金のような大きな資金をどのように運用すればよいか、リスク許容度や運用期間に応じて株式・債券・投資信託などの配分を提案してもらえます。一度に全額を投資するのではなく、時間分散を図る方法なども相談できます。
- 保険の見直し
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IFAの中には、保険募集人の資格を持ち、保険商品の仲介も行う事業者がいます。生命保険や医療保険の見直し、不要な保障の解約、必要な保障の追加などを、資産運用と合わせて総合的に相談できる場合があります。
ただし、すべてのIFAが保険を扱えるわけではありません。保険の相談もしたい場合は、事前に取扱範囲を確認しましょう。 - 相続・贈与対策
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相続税の基礎控除や贈与税の非課税枠を活用した資産移転の相談ができます。ただし、IFAが提供できるのは一般的な情報に限られます。具体的な税務相談や法的な手続きについては、税理士や弁護士など専門家との連携が必要です。
IFAの中には、税理士や弁護士と提携し、ワンストップでサービスを提供する事業者もあります。相続対策を重視する場合は、専門家ネットワークの有無を確認するとよいでしょう。 - セカンドオピニオン
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すでに他の金融機関で運用している方が、提案内容の妥当性を確認するために利用することもできます。現在の保有商品のコスト分析や、より適した商品の有無などを第三者の視点で評価してもらえます。
相談できない分野・範囲外のこと
IFAに何でも相談できるわけではありません。以下の内容は対応範囲外です。
- 税務申告や法的手続きの代行
- 融資やローンの斡旋(銀行代理業の許可がない場合)
- 不動産の売買仲介
もしIFAがこうした範囲外の業務を行おうとする場合は、適切な資格や許可を持っているか確認が必要です。
IFAに相談するメリットとデメリット

IFAへの相談を検討する際、良い面だけでなくリスクも理解しておくことが大切です。ここでは、IFAに相談する具体的なメリットと、知っておくべきデメリットを両面から解説します。
IFAに相談するメリット
IFAに相談する主なメリットを、具体的に見ていきましょう。
メリット①:幅広い商品から選択できる
銀行や証券会社の窓口では、基本的に自社の商品を中心に提案されます。
一方、IFAは提携している複数の金融機関の商品(投資信託、債券、株式など)の中から、どれがお客様に最適かを中立的な立場で比較し、提案してくれます。
メリット②:長期的に同じ担当者がサポート
銀行や証券会社では、担当者が数年ごとに転勤します。せっかく自分の状況を理解してもらい信頼関係を築いても、また一から説明し直さなければなりません。
IFAは転勤がないため、同じ担当者が10年、20年と長期にわたってあなたの資産形成に伴走できます。結婚、出産、住宅購入、子供の進学、退職といったライフイベントごとに、あなたの状況を理解した担当者から継続的にアドバイスを受けられる点は大きな魅力です。長期的な信頼関係を築くことで、より安心して資産運用を続けられます。
メリット③:お金に関する悩みを一貫してサポートできる
IFAの中には、資産運用だけでなく保険の見直しや相続対策まで、お金に関する悩みを総合的にサポートする事業者もあります。ライフステージごとの資金計画から日々の家計管理まで、一貫した方針でアドバイスを受けられるため、別々の窓口に相談する手間が省けます。
たとえば、「子供の教育資金を準備しながら、老後資金も貯めたい。同時に保険の見直しもしたい」といった複数の課題を、ひとつの窓口でまとめて相談できます。
IFAに相談するデメリット
IFAにはメリットがある一方で、構造的なリスクやデメリットも存在します。これらを理解した上で相談することが、後悔しない選択につながります。
デメリット①:利益相反の可能性
IFAは「独立系」と呼ばれますが、実際には提携する証券会社から販売手数料や信託報酬の一部を受け取っています。このため、手数料の高い商品を優先的に勧めるインセンティブが働く可能性があります。
たとえば、同じ投資対象でも手数料3%の投資信託Aと手数料0%の投資信託Bがあった場合、IFAにとってはAを勧める方が報酬が高くなります。必ずしも顧客にとって最適な商品が提案されるとは限りません。
こうしたリスクを避けるには、面談時に「なぜこの商品を勧めるのか」を尋ねましょう。明確に答えられるIFAは信頼性が高いといえます。また、複数の選択肢を提示してもらい、それぞれの手数料を比較することも重要です。
デメリット②:担当者による知識やサービスの質のばらつき
IFAは個人事業主や小規模法人が多く、担当者によって知識や経験、サービスの質に大きな差があります。経験豊富で誠実な担当者もいれば、知識が不十分だったり、強引な営業をしたりする担当者もいます。
こうした背景があるため、担当者選びは慎重に行う必要があります。相談前や面談時には、担当者の保有資格(証券外務員、FP資格など)、実務経験年数、過去の相談実績を確認しましょう。初回面談では説明の分かりやすさ、質問への回答姿勢、相性を見極めることも大切です。
デメリット③:ネット証券の自己取引より手数料が割高になる
ネット証券で自分で投資信託を購入する場合、販売手数料ゼロ・信託報酬も低コストの商品を選べます。一方、IFA経由の場合は販売手数料や相談料が発生し、総コストが高くなることがあります。
たとえば、ネット証券なら販売手数料0%・信託報酬年0.1%で購入できる商品が、IFA経由では販売手数料2%・信託報酬年0.5%・顧問料年0.5%で合計年3%のコスト負担になる場合もあります。
どの程度のコスト差があるのかを把握するため、商品購入時は必ず手数料を確認しましょう。その上で、アドバイスやサポートの価値とコストを天秤にかけて判断します。自分で情報収集や商品選定ができる方はネット証券、専門家のサポートが必要な方はIFAと使い分けることも有効です。
これまでに挙げたようなデメリットを回避するためには、相談相手となる「IFA選び」が最も重要となります。
では、具体的にどのような点に注目し、信頼できるパートナーを見つければよいのでしょうか。次に、後悔しないためのIFA選びのポイントを解説します。
信頼して相談できるIFAの選び方

IFAを選ぶ際は、得意分野・手数料の透明性・継続サポート・相性の4つを総合的に評価することが重要です。ここでは、それぞれの観点で具体的に何を確認すべきか、信頼できるIFAを見極めるポイントを解説します。
得意分野・顧客層を確認する
まずは、そのIFAの得意分野が自分の相談したい内容と合っているかを確認しましょう。
IFAには、それぞれ得意な分野があります。また、主にサポートしている顧客層(年代や資産規模)も異なります。
たとえば、NISAやiDeCoを活用した少額からの積立投資が得意なIFAもいれば、退職金や相続で受け取った数千万円以上の資産運用を専門にしているIFAもいます。また、資産1億円以上の富裕層向けに、不動産や海外投資を含めた総合的な資産管理を提供するIFAも存在します。
公式サイトの事例ページや、担当者の経歴、保有資格をチェックしましょう。
具体的には、以下の点を確認してください。
- 自分の年齢や資産状況と似たケースの事例が紹介されているか
- 自分が相談したい分野(例:NISAやiDeCoを使った積立投資)に関する情報発信や実績が豊富か
あわせて、物理的な条件が合うかも確認しましょう。
- オンライン面談に対応しているか
- 対面の場合は対応エリア内か
これらが自分の目的や条件と一致しているかどうかが、最初の判断基準となります。
料金・手数料が透明に開示されているか
料金や手数料が明確に開示されているかは、信頼できるIFAを見極める重要なポイントです。
IFAの手数料体系には主に2つあります。
・コミッション型:商品の販売手数料や信託報酬の一部を収益源とする
・フィーベース型:商品の販売手数料とは切り離し、アドバイスやサポート(投資助言)に対して顧問料を受け取る
相談や契約に進む前に、どちらの手数料体系なのか、いつどのくらい手数料がかかるのかを必ず確認してください。
IFAの主な手数料体系の種類と、それぞれの仕組みについては、この後の段落で詳しく解説します。
サポート体制・アフターケアが充実しているか
資産運用は、始めた後も継続的な見直し(アフターケア)が欠かせません。そのため、契約後のサポート体制の充実度も、IFAの選び方における重要なポイントです。
例えば、以下のようなサポート体制が整っているか確認しておくと安心です。
- 定期的な面談(運用状況の報告や見直し)はどのくらいの頻度で行われるか
- 運用状況はどのように確認できるか(専用のレポート、Web上のシステムなど)
- 相場が急変した時や、ライフプランに変化があった時にすぐ相談できるか
- 万が一、担当者が変更になる場合の引継ぎ体制はどうなっているか
長期的なパートナーとして付き合えるかどうかを見極めるためにも、契約後のサポート内容は事前にしっかり確認しましょう。
担当者との相性が良いか
制度や商品も大切ですが、最終的には「人」である担当者との相性が非常に重要です。初回面談などを通じて、ストレスなくコミュニケーションが取れる相手かどうかを見極めましょう。
特に確認したいのは、以下の点です。
- こちらの価値観やリスクに対する考え方を丁寧に聞いてくれるか
- 専門用語を多用せず、分かりやすい言葉で説明してくれるか
- 提案の根拠(なぜその商品を選ぶのか)を資料などで明確に示してくれるか
- こちらの質問に対して誠実に回答してくれるか
- 特定の金融商品ばかりを強く勧めるなど、押し売りのような印象はないか
初回面談では、少なくとも2社(2人)のIFAと話をし、説明の明瞭さ、提案内容、費用の透明性などを比較検討することをおすすめします。
IFA相談の費用と手数料の仕組み

IFA相談で最も分かりにくいのが費用の仕組みです。
ここでは、「初回無料」の仕組みや実際にかかる6つの費用の内訳を解説します。
「初回無料」の仕組みとは?
多くのIFAが「初回相談無料」を掲げていますが、なぜ無料で相談に応じてくれるのでしょうか。
その理由は、IFAの主な収益源がその後の金融商品の販売手数料や顧問料であるためです。
初回相談はあくまで「入口」であり、相談後に顧客が金融商品を購入したり、顧問契約を結んだりした際に、IFAに手数料などが入る仕組みになっています。
具体的には、以下のような収益源が挙げられます。
- 投資信託などを購入した際の販売手数料
- 投資信託を保有している間に発生する信託報酬の一部
- 継続的なアドバイスに対する顧問料
このように、「初回無料」は「その後の取引や契約においても完全に無償」という意味ではないことを理解しておくことが大切です。
IFAの手数料体系は主に2種類
IFAの手数料体系は、大きく分けて「コミッション型」と「フィーベース型」の2つがあります。それぞれの特徴を理解しておきましょう。
コミッション型
商品の販売手数料や信託報酬の一部を収益源とするモデルです。日本のIFAで最も一般的な手数料体系といえます。
顧客が投資信託を購入した際の販売手数料や、保有している間の信託報酬の一部がIFAに支払われる仕組みです。商品を購入しなければIFAに報酬は発生しないため、初回相談は無料で提供されることが多いです。
- メリット
初期費用が抑えられる点です。相談だけなら無料で、商品を購入した場合のみ手数料が発生します。
- デメリット
手数料の高い商品を勧められる可能性がある点です。IFAにとって報酬が高い商品と、顧客にとって最適な商品が必ずしも一致しないため、利益相反のリスクがあります。
フィーベース型
商品の販売手数料とは切り離し、アドバイスやサポート(投資助言)に対して顧問料を受け取るモデルです。欧米では一般的ですが、日本ではまだ少数派です。
月額または年額で顧問料を支払い、継続的にアドバイスを受ける仕組みです。顧問料は、定額制(月額1万円など)か、運用資産残高に一定の料率をかける残高連動制(年1.0%など)が一般的です。
- メリット
利益相反のリスクが低い点です。商品販売による報酬がないため、IFAは顧客にとって最適な商品を提案しやすくなります。
- デメリット
具体的な商品の売買(ポートフォリオの変更)を行わない期間であっても、継続的なアドバイスやサポートを受ける契約を結んでいる限り、顧問料が発生し続ける点です。そのため、運用資産額が少ない場合や、単発の相談だけをしたい場合には、コストが割高になる可能性があります。
信頼できるIFAに相談したいなら『資産運用ナビ』

IFA選びで失敗しないためには、複数のIFAを比較することが重要です。ここでは、比較の必要性と、IFA紹介サイト『資産運用ナビ』の活用方法を解説します。
IFA選びは「比較」が重要
特定の金融機関に所属しないIFAは、中立的な立場でのアドバイスが期待できますが、その提案の質や手数料体系、得意分野はIFAごとに大きく異なります。1社だけの提案では、その内容が自分にとって本当に最適なのか判断するのは困難です。
最低でも2社、できれば3社程度に相談し、複数の提案を比較検討することが、信頼できるパートナーを見つける鍵となります。
- 提案内容と専門性
自分の投資目的やリスク許容度を深く理解した上で、具体的な提案(ポートフォリオ)を示しているか。担当者の得意分野が自分のニーズと合致しているか。 - 手数料体系
手数料が明確に開示されているか。 - 担当者とサポート体制
担当者の経歴や資格、経験年数は十分か。また、自分との相性も重要です。定期的な運用報告や、市場が大きく変動した際のアフターフォロー体制が整っているかどうかも確認しましょう。 - 取扱商品と提携先
どのような証券会社と提携しているか。国内外の株式、債券、投資信託など、幅広い金融商品を取り扱えるかどうかも、提案の幅に影響します。
最初に相談したIFAの提案が良さそうに見えても、他と比べてみると手数料が高かったり、サポート体制が不十分だったりすることがあります。少なくとも2社、できれば3社と面談することをおすすめします。
IFAの紹介サイト『資産運用ナビ』とは
『資産運用ナビ』は、全国のIFAを検索し、無料で相談を申し込むことができるマッチングサイトです。
『資産運用ナビ』でできること
- 全国のIFAを検索・比較
お住まいの地域やオンライン対応の可否、アドバイザーの得意分野(退職金運用、NISA活用、富裕層向けなど)といった条件で、自分に合いそうなIFAを探すことができます。 - アドバイザー情報の確認
サイト上で、各IFAの経歴や保有資格、提携している証券会社、手数料体系の概要などを事前にチェックできます。 - 無料相談の申し込み
気になるIFAが見つかれば、サイトを通じて初回相談(多くの場合無料)を申し込むことが可能です。
上述の通り、資産運用で失敗しないためには、複数の専門家を比較することが非常に重要です。
『資産運用ナビ』のような紹介サイトを利用することで、1社ずつ自分で探す手間を省き、効率的に複数のIFAから提案や話を聞くことができます。
手数料や提案内容、担当者との相性などを客観的に比べることで、自身にとって最適なパートナーが見つかるでしょう。
まずは、自分の条件を入力して、どんなIFAがいるのか見てみましょう。
『資産運用ナビ』の利用の流れ
紹介サイトを活用する際の基本的な流れを確認しましょう。
まずはサイト上で、ご自身の「年齢」「お住まいの地域」「運用目的(老後資金、教育資金など)」「投資経験」「希望する面談方法(対面・オンライン)」などの条件を入力します。
入力した条件に基づき、マッチするIFA(アドバイザー)の候補が表示されます。各アドバイザーのプロフィール、経歴、保有資格、得意分野などを確認し、相談してみたい候補を2〜3名選びましょう。
気になる候補者が見つかったら、サイト経由で無料相談の予約を申し込みます。 この時、必ず2社以上に申し込むことが重要です。1社だけの話では比較対象がないため、その提案が本当に自分に合っているのか、手数料は妥当なのかを客観的に判断できません。
予約した日時に、各IFAと面談(オンラインまたは対面)を行います。 面談では、ご自身の資産状況や将来の希望を具体的に伝え、それに対するアドバイスや運用方針の提案を受けます。
面談したからといって、その場で契約する必要は一切ありません。「持ち帰って検討します」と伝え、全ての面談結果をじっくり比較しましょう。
信頼できると感じたIFAがいれば、次の段落で解説するステップで資産運用を始めましょう。
IFA相談の流れ
IFA相談は、事前準備から面談、提案、実行、フォローまでの5つのステップで進みます。ここでは、各段階で何をすべきか、どんな点に注意すればよいかを解説します。
ステップ1: 事前準備
IFAへの相談をより有意義なものにするためには、事前の準備が重要です。とはいえ、完璧に揃える必要はありません。IFAと一緒に整理していくことも可能ですので、まずはできる範囲で現状を把握することから始めましょう。
- 相談内容の明確化
まず、「なぜ相談したいのか」を自分の中で整理します。「老後資金が不安」「NISAやiDeCoを始めたいが、どうすればいいか分からない」「子供の教育資金を準備したい」「相続対策について聞きたい」「手持ちの資金をもっと効率よく運用したい」など、具体的な目的を明確にしましょう。 - 現状の把握
- 資産状況
預貯金、株式、投資信託、保険(種類、保障内容、保険料)、不動産、iDeCoや企業型DCの残高など、現在の資産をリストアップします。また、住宅ローンやカードローンなどの負債も確認しましょう。 - 収支状況
毎月の手取り収入、主な支出項目(住居費、食費、光熱費、保険料など)、毎月の貯蓄額を把握します。家計簿アプリなどを活用すると便利です。 - 家族構成とライフプラン
自身の年齢、家族構成、職業、将来の予定(子供の進学、住宅購入、転職、退職時期など)を整理します。
- 資産状況
- 目標の設定
「65歳までに5,000万円貯めたい」「10年後に子供の大学費用として500万円準備したい」など、具体的な目標(いつまでに、いくら)を設定できると、IFAもより的確なアドバイスがしやすくなります。
これらの情報をまとめた簡単なメモや、関連する資料(源泉徴収票、ねんきん定期便、保険証券、金融機関の残高がわかるものなど)を準備しておくと、面談がスムーズに進みます。
ステップ2: 面談当日
いよいよIFAとの初回面談です。初回面談は通常1時間~2時間程度で、主にお互いの理解を深める「ヒアリング」が中心となります。
- IFAからの説明
まず、IFA自身から経歴や得意分野、アドバイスの進め方、フィー体系(相談料や、金融商品を仲介した場合に発生する手数料など)についての説明があります。また、IFAがどの金融商品仲介業者(証券会社など)に所属しているかの明示も行われます。ここで疑問点があれば遠慮なく質問しましょう。 - ヒアリング(現状と意向の確認)
次に、事前準備で整理した内容に基づき、IFAがあなたの状況を詳しくヒアリングします。- 資産、収支、家族構成、ライフプラン
- 投資経験の有無
- リスク許容度(資産価値がどの程度変動しても受け入れられるか)
- 将来の夢や、お金に関する不安、価値観など
- 今後の流れの確認
ヒアリング内容に基づき、IFAがどのような分析を行い、次回までにどのような提案(ライフプランシミュレーション、ポートフォリオ案など)を準備するか、今後のスケジュールについて説明があります。
初回面談は、IFAが信頼できるパートナーとなり得るかを見極める場でもあります。話しやすさ、説明の分かりやすさ、誠実さなどを確認しましょう。
ステップ3: 提案
初回面談でのヒアリング内容に基づき、IFAがあなた専用の具体的な解決策やプランを作成し、提案します。通常、2回目以降の面談で提示されます。
- 現状分析とシミュレーション
まず、ヒアリングした内容を基にした現状分析の結果が報告されます。例えば、キャッシュフロー表を作成し、「このままの収支や運用を続けると、老後資金が〇〇万円不足する可能性があります」といったシミュレーション結果が示されます。 - 課題の明確化と改善方針
現状分析に基づき、「資産配分が預貯金に偏りすぎている」「加入している保険の保障内容がライフスタイルに合っていない」「手数料の高い金融商品を保有している」といった課題を明確にし、それをどう改善していくかの大枠が示されます。 - 具体的なプランの提案
課題解決のための具体的なプランが提示されます。- ポートフォリオ提案
あなたのリスク許容度や目標達成時期に合わせた、具体的な資産配分(例:国内株式〇%、先進国株式〇%、国内債券〇%など)の提案。 - 具体的な金融商品
NISAやiDeCoといった税制優遇制度の活用方法、具体的な投資信託、ETF、保険商品などの提案。なぜその商品を選ぶのか、コスト、期待されるリターン、リスクについて詳細な説明があります。 - 実行スケジュール
いつ、何を、どのくらいの金額で実行するかの具体的なステップ。
- ポートフォリオ提案
ステップ4: 実行
IFAからの提案内容に納得し、実行を決めたら、具体的な手続きに移ります。
- 意思決定
提案されたプラン(ポートフォリオ、金融商品)について最終的に検討し、実行するかどうかを決定します。 - 手続きのサポート
プラン実行に必要な手続きを、IFAがサポートします。- 口座開設
証券口座やNISA/iDeCo口座など、必要な金融機関の口座開設手続きをサポートします。 - 商品購入・契約
投資信託の買い付け、株式の注文、保険の契約など、具体的な手続きをIFAが仲介・サポートします。
- 口座開設
- 実行後の確認
口座が開設され、注文した商品が正しく購入・契約されたか、ポートフォリオが計画通りに構築されたかをIFAと共に確認します。
ステップ5: フォロー
資産運用は、商品を購入して終わりではなく、そこからがスタートです。IFAの真価は、むしろこの長期的なフォローアップにあると言えます。
- 定期的な面談とモニタリング
3ヶ月、半年に1回、あるいは年に1回など、合意した頻度で定期的に面談を行います。
面談では、ポートフォリオが現在どのようなパフォーマンスになっているか、市場環境にどのような変化があったか、それがあなたの資産にどう影響しているかについて報告を受けます。 - リバランスの提案・実行
運用を続けるうちに、価格変動によって当初設定した資産配分が崩れてくることがあります。その際、元のバランスに戻すための「リバランス」を提案し、実行をサポートします。 - ライフプランの変化への対応
結婚、出産、転職、住宅購入、相続の発生など、あなたのライフステージや家族構成に変化があった場合、その都度IFAに相談します。IFAは変化後の状況に合わせて、資産配分や運用計画、保険の見直しなどを提案します。 - 継続的な情報提供と相談
税制改正や新しい金融商品、経済ニュースなど、あなたに関連する有益な情報を提供してくれます。また、お金に関する不安や疑問が生じた際には、いつでも相談できる「お金の主治医」のような存在となります。
このように、IFAとの付き合いは、短期的な売買ではなく、あなたの人生に長期的に寄り添うパートナーシップとなります。これが、IFAに相談する最大のメリットの一つです。
IFA相談の事例・ケーススタディ
ここでは、典型的な相談ケースを2つ紹介します。
【ケース1】退職金運用・相続の相談
Aさん(58歳・会社員)は、2年後の定年退職を控え、退職金2,000万円の運用方法を検討していました。すでに銀行で提案(販売手数料3%、信託報酬年1.8%の投資信託)を受けていましたが、手数料の高さに不安を感じ、セカンドオピニオンとしてIFAに相談しました。
主な課題は以下の通りです。
- 退職金の一部(1,000万円程度)を運用したいが、リスクは抑えたい。
- 将来的に子供への相続も視野に入れたい。
- 銀行の提案が妥当か判断できない。
IFAの提案
IFAは、Aさんの意向に合わせてリスク・リターンが異なる3つの代替案を提示しました。
- 提案A(安定重視)
債券中心のバランス型投資信託。 (販売手数料0%、信託報酬年0.6%、想定リターン年2〜3%) - 提案B(標準)
株式と債券を6:4で組み合わせ。 (販売手数料0%、信託報酬年0.8%、想定リターン年3〜5%) - 提案C(積極的)
株式中心のインデックス投資。 (販売手数料0%、信託報酬年0.3%、想定リターン年5〜7%)
Aさんは提案B(標準)を選択。1,000万円の運用で年間コストは8万円(年率0.8%)となりました。銀行の提案(初年度コスト年率4.8%、2年目以降年率1.8%)と比較して、大幅にコストを削減できる見込みとなりました。
その後は、半年ごとの運用状況レポート送付と面談を実施。また、市場が大きく変動した際は臨時で連絡をもらえる体制を確保しました。
初心者の積立投資・保険見直し連携の事例
Bさん(35歳・会社員)は、将来のために資産形成を始めたいと考えていました。同時に、独身時代に加入した生命保険(月額1.5万円)が過剰ではないかと感じていました。
- 結婚予定なし、賃貸住まい。
- 老後資金として30年後に2,000万円を目標。
- 毎月3万円程度を積立投資に回せる見込み。
IFAは、資産形成と固定費の見直しをセットで提案しました。
IFAの提案
まず、保険の見直しを実施。独身で扶養家族がいないため、死亡保障を大幅に減額し、医療保障は最低限残す形に変更しました。これにより、月額保険料を1.5万円から5,000円に削減(年間12万円のコスト削減)できました。
次に、積立投資として新NISAの「つみたて投資枠」(年間120万円)の活用を提案。国内外の株式インデックスファンド(信託報酬:年0.2%程度)を中心に分散投資を行います。
保険見直しで削減できた分も投資に回すことで、当初の予算(月3万円)よりも積立額を増やし、より効率的な資産形成を目指すプランとなりました。
その後は、年1回の面談で運用状況を確認。ライフステージの変化(結婚・住宅購入など)があれば、その都度見直しを実施する約束をしました。
IFA相談のよくある失敗と回避策
IFAへの相談では、進め方を誤ると後悔する結果につながることがあります。ここではよくある失敗パターンと具体的な回避方法、初回面談で注意すべきNGワードや警戒サインを解説します。
よくある失敗と回避するポイント
典型的な失敗パターンを知っておけば、同じ轍を踏まずに済みます。ここでは3つの失敗例と、それぞれの対策を紹介します。
失敗例①: 費用が不明瞭なまま申込
「初回相談無料」という言葉に安心して、実際にかかる費用を確認せずに契約してしまうケースです。販売手数料・信託報酬・顧問料など、複数の費用項目があり、総額で見ると想定以上のコストになることがあります。
回避するには、以下の点を徹底しましょう。
- 費用の全項目(販売手数料・信託報酬・顧問料・口座管理料・解約費用など)を書面で確認する
- 年率換算で総コストを計算してもらう
- 「他に費用は一切かかりませんか?」と明確に質問する
失敗例②: 高利回り商品を即日契約
「年利5%以上が期待できます」といった魅力的な説明を聞き、リスクを十分理解しないまま契約してしまうケースです。高いリターンには必ず高いリスクが伴います。
回避するには、以下の点を徹底しましょう。
- 提案書の前提条件(想定リターンの根拠)を確認する
- 「最悪のシナリオで、いくら損失が出る可能性がありますか?」と質問する
- 即日契約を求められても、必ず一度持ち帰って検討する
- 最低でも1晩、できれば2社以上と比較してから判断する
失敗例③: 運用目的が曖昧なまま相談
「とりあえず運用したい」という漠然とした状態で相談すると、自分に合わない商品を勧められる可能性があります。目的が不明確だと、IFA側も適切な提案ができません。
回避するには、以下の点を徹底しましょう。
- いつまでに、何のために、いくら必要かを事前に整理する
- 「10年後の教育資金」「老後の生活費の補填」など具体的な目的を伝える
- 使う予定のない余裕資金での運用に限定する
- 生活費や緊急予備資金は運用に回さない
初回面談で聞き逃すな|NGワード・警戒サイン
初回面談では、IFAの信頼性を見極める重要なチャンスです。以下のNGワードや警戒サインに注意しましょう。
以下のような発言があった場合は要注意です。
- 「この商品は必ず値上がりします」
→将来のリターンを断定する表現は禁止されています - 「今日だけの特別条件です」
→契約を急かす手法。冷静な判断を妨げます - 「元本保証の投資商品です」
→預金以外で元本保証をうたう商品は、ほぼ存在しません - 「損をすることはありません」
→投資には必ずリスクがあります - 「手数料は気にしなくて大丈夫」
→手数料は運用成績に直結する重要な要素です - 「詳しい説明は後で」
→費用や契約条件の説明を避けるのは危険なサインです
言葉だけでなく、以下のような態度や対応にも注意が必要です。
- 費用開示を渋る
「一般的な水準です」「他社と変わりません」など曖昧な説明で、具体的な数字を示さない場合は要注意です。 - 出典不明のグラフや数字
「当社調べ」「過去の実績」として、出典や条件が不明確なデータを示す場合、信頼性に疑問があります。 - 短期売買を前提とした提案
「半年後に見直しましょう」など、頻繁な売買を勧める場合、手数料稼ぎが目的の可能性があります。長期投資が基本です。 - 保全体制の説明が曖昧
万が一IFAや提携先の証券会社が破綻した場合の投資家保護の仕組みについて、明確に説明できない場合は信頼性が低いといえます。 - 質問を嫌がる、威圧的
質問に対して不機嫌になったり、「難しいことは考えなくていい」と説明を省いたりする態度は、顧客本位とはいえません。
もしNGワードや警戒サインが見られた場合は、その場で中断して持ち帰ることが重要です。以下の文例を参考にしてください。
「今日のお話はとても参考になりましたが、大事なことなので一度持ち帰って検討させてください」
「他のIFAの方の意見も聞いてから決めたいので、少し時間をいただけますか」
「家族と相談してから決めたいので、資料だけいただけますか」
契約を急かされても、焦らずに断る勇気を持ちましょう。信頼できるIFAであれば、じっくり検討する時間を尊重してくれます。
まとめ

IFA相談を成功させる鍵は、1社に絞らず「比較検討」することです。
IFAは中立性が期待できる一方、手数料体系や得意分野、サービスの質は担当者ごとに大きく異なります。後悔しないために、必ず複数のIFAと面談しましょう。
その際、手数料が明確か、自分の運用目的と専門性が合っているか、長期的なサポート体制は万全かをしっかり確認してください。
この記事で紹介したポイントを活用し、まずは気軽に無料相談を申し込んで、信頼できるパートナー探しを始めてみましょう。
IFA相談に関するよくある質問

IFA相談について、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。不安や疑問を解消して、安心して相談を始めましょう。


