- 新興国債券の特性とリスクを知りたい
- 新興国債券で運用するメリット・デメリットを理解したい
- 新興国債券を活用する資産運用法を相談したい
株式と比較するとリスクが低いと言われる債券だが、先進国債券や新興国債券など種類によってそのリスクは異なる。
そのため、ポートフォリオを作成する際には、メリットとデメリットを正しく比較する必要がある。
今回は新興国債券のメリットとデメリットを説明する。詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてほしい。
新興国債券とは何か?特徴と投資の意義を解説
まずは新興国債券の特徴と投資の意義を解説する。
投資を始める前に、新興国債券についての情報を把握しておこう。
新興国債券の定義と基本的な性質
新興国債券とは、現在の経済水準は低いが高い成長性を秘めた国々に拠点を置く企業によって発行された債券のことだ。
新興国には明確な定義はない。ただ、IMF(国際通貨基金)は、世界の194の国と地域のうち39の国や地域を先進国に分類し、155の国や地域を新興国に分類している。
一方で、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)社は、23か国を先進国、26か国を新興国と定めている。
- 中国
- ブラジル
- トルコ
- メキシコ
- 南アフリカ共和国
- 韓国
新興国債券の性質として、先進国債券よりも高い利回りが挙げられる。経済成長の真っ只中である分、資金ニーズが大きく、高い金利が設定されているからだ。
新興国債券の歴史とその役割
新興国債券は、約20年にわたって総額、および債券市場に占める割合がともに増加している。
2000年は約5%ほどしかなかった割合が、2010年には10%を上回り、2018年には20%を超えた。
総額で見ても2000年から2018年にかけて、10倍以上の金額に膨らんでいる。
注目を集めるようになった2000年代から上昇を続け、リーマンショックにも負けずに規模を拡大してきた歴史を持つ。
新興国債券は文字通り、新興国や新興国企業が発行する債券のことだ。
債券を発行することで資金ニーズを満たし、成長を続ける新興国の経済を支える役割を果たしている。
投資家側からは、ローリスクローリターンと言われる債券の中では、高いリターンを期待できることが特徴だろう。
新興国債券投資の市場規模と人気の理由
新興国債券の市場規模は、2018年度末時点で約26兆ドルであり、世界の債券市場の約21%を占めている。
人気を集めている理由は、政策金利が高く、高いリターンを期待できるからだ。
- トルコ
- 8.5%
- インド
- 6.5%
- チリ
- 11.25%
- 中国
- 3.65%
- 日本
- -0.1%
以上のように、新興国は日本よりも高い政策金利が設定されており、債券の利回りも高くなるというわけだ。
新興国債券投資のメリットとデメリット
新興国債券は金融商品の一つだ。そのため、メリットとデメリットが存在する。
商品を購入する際は、新興国債券の魅力とリスクを必ず理解しておこう。
新興国債券投資の魅力
新興国債券のメリットは、高い利回りと多様性だ。
新興国は高い金利が設定されているため、低金利を維持する先進国よりも債券の利回りが高い。
経済が発展する途中であるため、モノやサービスを欲する消費者が多く、企業は多くの資金を求めている。
資金ニーズが高い分、金利も高く、新興国債券に投資して得られるリターンも大きくなるのだ。
また、新興国にはBRICsを代表とする国々が並んでいる。ほかにも東南アジアや中南米、中東にも新興国は多く、多様性があるのも魅力的だ。
新興国に幅広く投資すると、自然に投資先を分散できる。
新興国債券投資のリスク
デメリットとしては、信用リスク・通貨リスク・流動性リスクが挙げられる。
信用リスクとは、金融商品を発行する国や企業が、経営不振や財政難などによって利息や元本をあらかじめ定められた条件で支払えなくなる可能性のことだ。
債務不履行が発生した場合、多くの投資家が売却するため、発行体の有価証券の価格は下落する。最悪の場合、投資元本がすべてなくなる可能性もある。
新興国の場合、まだ成長過程にあることから相対的に先進国よりも信用リスクが高いとされ、これらは格付けにも表れている。
通貨リスクとは、為替相場の変動によって資産価値が変動する可能性のことだ。為替リスクとも呼ばれている。新興国通貨の相場は変動しやすいため、為替リスクが高い。
新興国の一つに数えられるトルコの通貨「リラ」は、2021年の間に通貨の価値が半分以上も下落した。10リラで購入できていた商品が20リラを出しても購入できない計算だ。
安定したドルやユーロ建ての先進国債券と違い、価値の安定しない通貨建ての新興国債券投資は高いリスクがともなう。
流動性リスクとは、すぐに換金できない可能性のことだ。売買が極端に少なくなることで取引が成立せず、売りたい時に売れなくなってしまう。
いくら資産を保有していても、いざという時に換金できなければ意味がないだろう。
ただ、発行体の信用が大きくない新興国債券は、流動性が低く、希望したタイミングで売却できないことが十分に起こりうる。
リスクとリターンのバランスを如何に評価するか
先進国債券よりも高い利回りが魅力だが、大きなリスクを伴う新興国債券。
リスクとリターンのバランスの見極めが非常に重要だ。
ただ、ポートフォリオにおける先進国債券の適切な組み入れ割合は、人によって大きく異なる。収入や住宅ローン、子どもの学費など世帯ごとに前提条件が異なるからだ。
「うちの家庭状況では、どのようなポートフォリオを組むべきかわからない」という方は、お金の専門家であるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談し、適切なバランスをキープしよう。
新興国債券の投資手法と成功のための戦略
新興国債券のメリットとデメリットは理解できただろう。
ここでは新興国債券の主な投資手法と投資戦略について紹介していく。実際の成功例とその要因を解説しているので、ぜひ確認してほしい。
新興国債券の運用が自分に合った運用方法かを確かめる
まずは、新興国債券の運用方法が家計状況と合っているか確認しよう。
リスクを取りすぎていないか、得られるリターンは十分なのかなど、リスクとリターンを比較する必要がある。
自分で判断できない人は、お金に詳しい周囲の人やIFAに頼ろう。独自の判断を誤ると、資産を大きく失った際に生活が苦しくなる可能性がある。
リスクを軽減するための投資戦略
バランスを見直した結果、リスクを取りすぎていた人もいるだろう。リスクを軽減するための投資戦略として、以下の2つが挙げられる。
- 信用度が高い発行体を選ぶ
- 現預金の保有割合を増やす
信用度が高い発行体とは、先進国の優良企業の株式や債券だ。
先進国は法整備が整っており、大企業がルールを遵守しているため、経営不振に陥ったり、不祥事を起こしたりする可能性が低い。
また、現預金の保有割合を増やす選択肢もある。ただ、メガバンクの普通預金金利は0.001%と非常に低い。
定期預金を選択しても0.002%と、長期間にわたって拘束されるにもかかわらずほとんどうまみがない。
リターンが大きく減ってしまうので、現預金の保有割合を増やしすぎるのはあまりおすすめしない。
新興国債券投資の成功例とその要因
新興国債券投資の成功例として、リーマンショック直後の経済停滞期にインドネシア国債を保有し、1年間で約20%のリターンを得た事例が挙げられる。
当時のインドネシアは人気の投資先とは言えず、国債を保有している投資家は少なかった。
しかし、投資適格債になったことによって、機関投資家がインドネシア国債を購入し、基準価額は右肩上がりに上昇したのだ。
1億円分を保有していたため、年間2,000万円の利益を手にすることとなった。
成功要因として以下の3つのポイントが挙げられる。
- 将来成長すると見こんだ金融商品に投資した
- ブームが短そうな商品を選ばない
- 購入後に格付けがアップした
まとめると、先見の明を発揮したかたちと言えるだろう。リスクを把握した上で投資不適格債だったインドネシア債券に投資し、高いリターンを手にすることとなった。
IFAと一緒に新興国債券投資の最適な方法を見つける
新興国債券を組み入れたポートフォリオ作成に迷ったら、IFAに相談しよう。
IFAが提供する新興国債券投資のアドバイス
IFAが提案するアドバイスは、オーダーメイド型が基本だ。一般論を紹介するのではなく、お金の専門家から顧客一人ひとりに合わせてカスタマイズされた提案をしてもらえる。
また、独立した立場だからこそ無理やり商品を販売することはない。難しい資産運用の相談を、安心してできるのがIFAの特徴である。
IFAが適切な投資選択とリスク管理の支援
IFAの役割として、適切な投資選択とリスク管理の支援が挙げられる。
将来に必要な資産額やリスク許容度に応じた提案をしているので、資産運用で困っている人は早めに相談してほしい。
IFAを活用した新興国債券投資の成功事例
リスクの大きい新興国債券投資に対し、不安を抱えている人もいるだろう。
「どの銘柄にするのか」「ポートフォリオ全体の何%に留めるか」「どれくらい分散させるのか」などをIFAに相談してみよう。
家計状況に応じた適切なアドバイスをおこなうため、不安定な新興国債券投資でも成果を出せる確率がアップするだろう。
まとめ
本記事では、新興国債券投資のメリット・デメリットやリスクについて詳しく解説した。
新興国債券にかぎらず、専門性の高い投資を始める上では自分に合った運用方法を見つけることが重要だ。
わからないことはお金の専門家であるIFAに相談しよう。
IFAは投資に関して疑問や不安に寄り添うだけでなく、運用に対する具体的なアドバイスを提供してくれる存在だ。
新興国債券をポートフォリオに組み込み、安心して運用を始めたい方は気軽に相談してみてほしい。
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