- 外国債券の基本知識を知りたい
- 外国債券の比較方法を知りたい
- 外国債券への投資に必要な知識を知りたい
外国債券は、グローバルな投資ポートフォリオを構築する上で不可欠な要素として注目されている。
本記事では、外国債券の基本と比較方法をわかりやすく解説する。ぜひ、あなたの資産形成に向けた投資意思決定に役立てて欲しい。
外国債券の基本知識
まず、外国債券とは何か、その基本を詳しく見ていこう。
外国債券の仕組み
外国債券、通称「外債(がいさい)」とは、発行市場、発行者、または発行通貨のいずれかが外国(または外国通貨)である債券を指す。
外国債券は、投資家が、特定の国またはその国の企業に資金を貸し出し、一定期間後に元本と利息を受け取る形式の投資商品である。
外国債券のメリット
外国債券に投資するメリットには以下のようなものがある。
- 高い利回りを期待できる
- 日本の金利は海外債券に比べて低いため、外国債券に投資することで高い利回りを目指せる。
- 投資ポートフォリオを多様化できる
- 外国債券をポートフォリオに組み入れることで、多様化を図り、リスクの分散を目指せる。また、通貨リスクのヘッジも期待できる。
- 投資選択肢が広がる
- 世界中の債券市場を対象とすることで、投資選択肢が大幅に増える。国、企業の種類、期間、リスクプロファイルなど、多様な投資商品から選ぶことができる。
外国債券のデメリット
一方、外国債券投資にはデメリットもある。
- 為替リスクがある
- 外国債券の投資収益は、最終的には投資元本通貨(例えば、円)に転換する必要がある。そのため、投資対象通貨(例えば、ドル)が円に対して価値を落とすと、実際の収益が減少する可能性がある。
- 信用リスクがある
- 投資先国や企業の経済状況によっては、元本や利息が返済されないリスクが高くなる。特に新興国の債券はこのリスクが高いとされる。
- 情報収集が困難である
- 日本にいて日本の情報を理解することに比べれば、海外の政治や経済情勢の理解は困難を伴う。適切な投資判断を下すために、幅広い情報と知識が必要となる。
- 税制上の問題を考慮する必要がある
- 国や地域によっては、外国からの利益に対する課税が厳しい場合もある。これは実質的な利回りを低下させる可能性がある。
外国債券の比較方法
外国債券の選択肢は、非常に豊富だ。ここでは、外国債券を投資対象として選ぶ際に考慮すべき3つの視点を紹介する。
外国債券の利回りを比較する
外国債券の「利回り」を比較する際には、以下の要素を考慮する必要がある。
額面利率 | 債券発行時に定められた利息率のこと。債券の額面価格に対する年間の利息額を示す。 例:額面1,000ドル、額面利率5%の米国債を購入した場合、投資家が年間で受け取る利息額は【1,000ドル × 0.05 = 50ドル】となる。 額面利率が高いほど高い利息を期待できるが、通常、リスクが高い債券ほど額面利率も高くなるため、注意が必要だ。 |
現行利回り | 債券の現在の市場価格に対する年間の利息収入の割合を示す。 市場価格が額面価格よりも低い場合(割引債)、現行利回りは額面利率よりも高くなる。逆に、市場価格が額面価格よりも高い場合(プレミアム債)、現行利回りは額面利率よりも低くなる。 |
満期利回り(YTM:Yield To Maturity:) | 債券を満期まで保有した場合の年間複利利回りである。 YTMはクーポン利率、市場価格、残存期間、償還価格(通常は額面価格)などを考慮して計算され、債券投資の収益性を比較するための標準的な指標とされている。 |
外国債券の格付けからリスクを確認する
外国債券の格付けは、債券の発行者(国や企業)が将来的に元本と利息を全額返済できる能力(信用力)を評価したものである。格付けは通常、S&P、ムーディーズ、フィッチなどの格付け機関によって行われ、アルファベットで示される。
高い格付け(例:S&Pの場合は「AAA」や「AA」)を持つ債券は、発行者の信用力が非常に高いと判断され、元本と利息の返済リスク(信用リスク)が低いとされる。
逆に、低い格付け(「BB」以下はジャンク債とも呼ばれる)を持つ債券は、発行者の信用力が低いと判断され、信用リスクが高いとされる。
ただし、格付けが高いからといってリスクがないということはない。格付けは「専門機関の評価」に過ぎないため、経済状況の変動、政治動向、為替動向など多くの要因により、債券のリスクは変動する。
投資を行う際には、これらの要因を考慮し、全体的なリスクを評価することが重要だ。
外国債券の元利払通貨を確認する
外国債券は、購入代金の支払いや、利息・償還金の受取通貨によって、「円建債券」「外貨建債券」「デュアルカレンシー債券」に分類される。
円建債券以外の場合、外貨を直接保有しない限り、外貨を円に換算する(円転換)必要が出てくる。円転換が必要となるタイミングは、事前に確認しておこう。
種類 | 通貨 | 詳細 | |
円貨建債券 | 払込み、利払い・償還金が日本円 | サムライ債、ユーロ円債 | |
外貨建債券 | 払込み、利払い・償還金が外貨 | 米ドル建債券、豪ドル建債券、南アフリカランド建債券など | |
二重通貨建債券 | デュアルカレンシー債 | 払込み+利払いが同一通貨で、償還だけが別の通貨で行われる | 日本では、払込みと利払いが円建て、償還が外貨建てという組み合わせが多い |
リバースデュアルカレンシー債 | 払込み+償還が同一通貨で、利払いは別の通貨で行われる | 日本では、払込みと償還が円建て、利払いは外貨建てという組み合わせが多い |
外国債券投資の実践
ここからは、外国債券に投資する際の具体的な手順について説明します。
外国債券を購入する方法
外国債券を購入する主な方法は、以下の3つだ。手数料、取引の利便性、投資の柔軟性などを考慮して選択しよう。
証券会社を通じた直接購入
国内の証券会社の中には、直接外国債券を購入できる会社もある。ただし、全ての証券会社が全ての国の債券を取り扱っているわけではないので、投資したい国の債券を取り扱っているかどうかは、各証券会社に問い合わせる必要がある。
外国債券を含む投資信託を購入
投資信託には、外国債券を組み込んだ商品や、国内株式と外国債券を組み合わせた商品がある。そのため、投資信託を通じて、間接的に外国債券に投資することもできる。
ETF(上場投資信託)を購入
ETFは株式と同様に証券取引所で取引される商品であり、特定のインデックス(例:S&P 500)に連動する運用成績を目指した投資信託である。海外の債券指数に連動するETFを購入することで、間接的に外国債券に投資することができる。
外国債券投資の注意点
外国債券に投資をする際は、以下の点に注意が必要だ。不明な点や不安がある場合は、フィナンシャル・アドバイザーや証券会社の専門家に相談することを強く推奨する。
- リスクとリターンのバランスを理解する
- 外国債券投資には為替リスク、信用リスク、カントリーリスクなどが含まれる。投資家は、投資対象国の政治情勢や経済動向を慎重に調査し、リスクとリターンのバランスを理解して投資を行う必要がある。
- 為替相場の変動に注意する
- 外国債券では、利息や償還が外国通貨で行われることがあり、その場合通常、通貨の換算が必要になる。為替の変動によっては、投資元本や利益が増減する可能性があるため、為替相場を理解し、モニタリングすることが必要になる。
- リスク許容度に合わせた分散投資を検討する
- 単一の国や通貨に偏った投資はリスクを高める。異なる国や地域、債券の種類に投資することでリスクを分散させることが望ましい。
- 情報収集およびモニタリング
- 外国債券投資では、投資先国の動向について情報収集と研究が必要だ。経済指標、金利政策、政治情勢、信用格付けの変動などに注意を払い、適切な投資判断を行う必要がある。
- 税金と手数料を考慮する
- 外国債券の利益は所得として課税されることがある。また、投資商品や証券口座の取引手数料や保管手数料も考慮に入れることが必要だ。
外国債券を購入できるおすすめの証券会社
以下に、外国債券を購入できる証券会社を紹介する。証券会社を選ぶ際には、手数料、情報提供、使い勝手、サービスの充実度などを比較し、自分の投資スタイルに最も合った証券会社を選ぶと良い。
SBI証券
SBI証券は、国内最大級のオンライン証券会社。米国国債、米ドル建債券(普通社債、劣後債など)およびユーロ債や豪ドル債などの取引が可能だ。
投資信託やETFを含む、幅広い商品の取り扱いがあるのも魅力だ。ネット専業ならではの手数料の安さと、豊富な情報提供に特徴がある。
楽天証券
楽天証券は、米国債のみならず、欧州や豪州のほか、中国、インド、ブラジルなどの新興国の既発債を購入できる(時期により扱いが異なり、売り切れもある)。
もちろん、外国債券を含む投資信託の取り扱いもある。豊富な情報提供と、楽天グループとの連携によるポイントサービスが特徴である。
マネックス証券
マネックス証券は、国際機関債(世界の公的機関が発行する債券)や、企業の外貨建て債券の取り扱い実績が豊富な証券会社だ。
投資に関するセミナーを積極的に開催し、独自の投資情報を提供している点に特徴がある。
IFAがあなたの外国債券投資をサポート
外国債券投資では、債券の仕組みを理解するとともに、為替リスクや信用リスクなどを深く理解し、適切に管理することが必要だ。
自分の投資目標やリスク許容度に合った選択に不安を感じる場合は、IFAに相談することを検討して欲しい。
IFAとは何か
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、個々の投資家に対して適切な金融製品やサービスを選択できるようアドバイスする専門家だ。
投資家のニーズ、目標、リスク許容度などを考慮し、幅広い金融商品から最適なものを提案する。
外国債券投資におけるIFAの役割
外国債券投資に際して、IFAは、リスク評価、投資先の選定アドバイス、モニタリング、およびポートフォリオの配分に関して投資家をサポートする。
もちろん、外国債券投資の基本的な概念、市場動向、各国の経済状況などについての情報提供も行う。
IFAの探し方
IFAを探す際には、「資産運用ナビ」をぜひ活用して欲しい。高度なフィルタリング機能やマッチングアルゴリズムを使用して、信頼性と適合性が高いIFA候補を選ぶことができる。相談と検索は無料。
納得するまで候補を検討することができる。
外国債券を賢く組み入れよう
本記事では、外国債券の基本的な知識、購入に必要な情報、および外国債券の比較方法について詳しく解説した。
IFAは外国債券投資においても、投資家に大きなサポートを提供できる。「資産運用ナビ」を利用して、専門的なアドバイスと信頼できるパートナーを見つけていただきたい。
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