- 国債に関する各社のキャンペーンを比較したい
- 国債投資についての理解を深めたい
- 賢い国債の購入方法が知りたい
一口に「国債」といっても、数種類の商品が存在する。
「どの国債に投資したらいいかわからない」「国債はどこの金融機関で買っても同じなの?」こういった疑問を持っていないだろうか。
そこで本記事では、国債の基礎知識をおさらいしたのち、種類別の国債の特徴比較や金融機関各社のキャンペーン比較までを行なっていく。
国債投資を検討する際は、ぜひ参考にしていただきたい。
国債の基礎知識
まず、国債とは何なのか、基礎知識から投資リスクの有無、国債の評価方法まで解説する。
国債とは
国債とは、国が発行する債券のことをいう。半年に1回利息が支払われ、満期(償還日)には投資した元本が満額戻ってくる仕組みだ。利息と元本の支払いは国が責任を持って行うこととなっているため、安全性が高い投資先である。
国債発行の主な目的は「国の財源確保」だ。国が様々な事業を行うにあたって税収入では財源が足りない場合に、法律で定めた根拠に則って国債を発行し、投資家へ投資を募る。投資家が購入した国債の資金は、国の収入として活用されることとなる。
国債のリスクとリターンの関係
国債投資におけるリスクには主に以下の3つが挙げられる。
- 為替リスク
- デフォルト(債務不履行)リスク
- 価格変動リスク
外国債に投資する場合は為替リスクがある。償還日まで保有することで元本は保証されるとしても、為替によって損失が出る場合もある。
また、デフォルトリスクも考慮しなければならない。デフォルトリスクとは、国が財政破綻することによって、元本の償還や利子の支払いが滞るリスクをいう。デフォルトリスクを管理するためにも、後述する「信用格付け」は必ずチェックしてほしい。
加えて、価格変動リスクにも気をつける必要がある。個人向け国債は中途換金時にも元本が保証されているが、新窓販国債や外国債には価格変動リスクが伴う。そのため、元本割れする可能性もある。
国債は投資リスクが低いことから大きなリターンも見込めない。ただ、デフォルトリスクの高い国債はリターンが見込める場合もある。ローリスク・ローリターンの投資を行うのか、ハイリスク・ハイリターンの投資を行うかで選ぶべき商品は変わるのだ。
国債の信用格付けと金利
国債を購入する場合、まず信用格付けを確認する必要がある。信用格付けとは、格付け会社が国家の安全性を総合的に評価し、ランク付けすることをいう。3大格付け会社として有名なのが、S&Pやムーディーズ、フィッチである。
ここで、実際の格付けを確認していこう。例えばトルコの場合、S&Pでの信用格付けはB(経済状況が悪化した場合などはデフォルトとなる可能性が高い)である。一方、オーストラリアの場合は信用格付けがAAA(デフォルトリスクは限りなく低い)であるため、オーストラリア国債の方が安全性が高く、投資リスクも少ないといえる。
事前に信用格付けをチェックすることで、安全性の低い(デフォルトリスクのある)国債に投資することを防げる。
ただ、国債を選ぶ際には金利にも注目してもらいたい。先ほど例に挙げたトルコ国債とオーストラリア国債の金利を比較してみよう。
商品名 | 米ドル建トルコ国債6.5% 2033年9月20日満期※1 | オーストラリア国債4.5% 2033年4月21日満期※2 |
---|---|---|
金利(現地通貨ベース) | 年6.50%(税引前) | 年4.50%(税引前) |
利回り(現地通貨ベース) | 年7.377%(税引前・複利) | 年3.589%(税引前・複利) |
表を見るとわかるとおり、商品ごとに金利および利回りが異なる。信用格付けが低く、ハイリスクであるトルコ国債の方がリターンが見込めるのだ。しかし、これらは外国債であるため為替リスクが伴う。
国債投資を行う場合は、自身のリスク許容度に応じて最適な商品を選択しよう。
個人向け国債の選び方と活用法
「国債を購入したいけど、選び方がわからない」という方も多いだろう。ここでは、個人向け国債を購入するにあたっての選び方と活用法について解説していく。
国債をポートフォリオに組み入れるには
ポートフォリオにおける国債の位置付けおよび活用法としては、以下のものが挙げられる。
- 定期的な利息の受け取り
- 価格変動リスクへの対応
国債は半年ごとに利息が受け取れる。株式などの配当金とは異なり、国が責任を持って支払うこととなっているため、確実性も高い。
また、償還日まで保有すれば元本が保証されていることから、国債投資への資金は目減りすることもない。
加えて、国債は株式などに比べて値動きが少ないという特徴がある。
以上のことから、安定的な運用を行いたい投資家は、国債をポートフォリオに組み入れた分散投資を検討するべきだと言える。
運用のタイミングと持続可能な投資
国債は償還日が決まっているため、運用のタイミングが測りやすい。
また、個人向け国債は1万円から購入できる。毎月発行されるものであるため、積立感覚で継続的に購入できるのもポイントだ。
投資目的とリスク許容度に合わせた国債の選び方
国債投資は、償還日まで保有しその間の利息を受け取ることで着実に運用することを目的としたものだ。そのため、短期保有(中途換金)はおすすめできない。
また、先述したとおり、国債の金利は信用格付けによって異なる。外国債に投資するのであれば、為替リスクも付きものだ。
ある程度のデフォルトリスクを承知の上でハイリターンを目指すのか、ローリスク・ローリターンで着実な運用を目指すのか。国債投資にあたっては、あらかじめ自身のリスク許容度を測っておく必要がある。
国債をさまざまな観点から比較!
ここまで、国債の基礎知識から個人向け国債の選び方まで解説してきた。ただ、国債を購入するにあたっては、商品内容に加え様々な観点から比較することも大切である。
ここでは、個人向け国債の購入場所や各社のキャンペーン情報について比較していく。加えて、個人向け国債以外に個人投資家が購入できる「新窓販国債」についても触れていきたい。
個人向け国債の購入場所
個人向け国債は、身近な銀行や証券会社、郵便局で購入できる。ただ、金融機関によっては取り扱っている国債の種類が異なる場合があるため、注意が必要だ。
「自分が購入したい国債を取り扱っていない金融機関で口座開設をしてしまった」といったことが起きないよう、事前に取扱商品を確認しておこう。
国債に関する各社のキャンペーン
個人向け国債の購入にあたっては、各社様々なキャンペーンを行っている。2023年6月時点で実施されているキャンペーンの一例を見ていこう。
金融機関名 | キャンペーン内容 | 備考 |
---|---|---|
野村證券 | 「変動10」「固定5」を100万円以上購入で、購入金額に応じてキャッシュバック | キャッシュバック対象金額が10億円を超えると、「変動10」のキャッシュバック上限は140万円、「固定5」のキャッシュバック上限は110万円 |
みずほ証券 | 「変動10」「固定5」を100万円以上購入で、購入金額に応じてキャッシュバック | キャッシュバック上限はなし |
SBI証券 | 「変動10」「固定5」「固定3」を50万円以上購入で、購入金額に応じてキャッシュバック | 「変動10」「固定5」「固定3」ごとのキャッシュバック上限は25万円 |
表を見るとわかるとおり、各社によってキャンペーンの対象としている国債の種類や金額が異なる。
1点注意してほしいのが、異なる種類の国債を購入した場合、購入金額が合算されないことだ。野村證券を例に挙げると、「変動10」と「固定5」を50万円ずつ購入した場合は
キャンペーンの対象とならず、キャッシュバックが受けられないこととなる。
また、個人向け国債は毎月発行されているものだが、キャンペーン内容が毎月同じであるとは限らない。常にホームページなどで最新のキャンペーン情報をチェックしよう。
個人向け国債と新窓販国債
個人投資家が購入できる国債には「個人向け国債」と「新窓販国債」の2種類が存在する。どのような違いがあるか、比較してみよう。
個人向け国債 | 新窓販国債 | |||||
商品 | 変動10年 | 固定5 | 固定3 | 国債10 | 国債5 | 国債2 |
満期 | 10年 | 5年 | 3年 | 10年 | 5年 | 2年 |
購入単位購入限度額 | 最低1万円から1万円単位上限はなし | 最低5万円から5万円単位一申込みあたり3億円が上限 | ||||
販売価格 | 額面金額100円につき100円 | 入札結果に応じて、発行毎に財務省で決定 | ||||
購入対象者 | 個人 | 制限なし | ||||
金利タイプ | 変動金利 | 固定金利 | 固定金利 | |||
金利設定方法 | 直近の10年債平均落札利回り×0.66 | 5年債の想定利回り−0.05% | 3年債の想定利回り−0.03% | 直近の入札により発行した国債と同じ | ||
金利の下限 | 0.05% | なし | ||||
中途換金 | 発行後1年経過すればいつでも国の買取による中途換金が可能(元本割れリスクなし) ※中途換金時に直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれる | 市場でいつでも売却可能だが、市場価格の変動により売却益・売却損が発生する(元本割れリスクあり) |
個人向け国債と新窓販国債には様々な違いがあることがわかる。中でも「流動性」と「元本割れリスク」に着目してもらいたい。個人向け国債は発行から1年経過するまでは原則として中途換金ができない。
しかし、新窓販国債はいつでも市場で中途換金が可能だ。ただ、国債の価格は変動する。新窓販国債の中途換金時の価格が購入価格を下回る場合、売却損となってしまうため、注意が必要だ。
IFAと一緒に考える国債投資戦略
個人向け国債などの日本国債だけでなく、外国債も豊富な現代。「投資先として選ぶべきはどの国債?」「どれくらいの割合で資産を分散したらいい?」と迷うことも多いだろう。
そんなときは資産運用の専門家であるIFAに頼ってみよう。
IFAのアドバイス
IFAは、銀行や証券会社に所属しない「独立系」の資産運用アドバイザーだ。様々な金融機関と業務委託契約を結ぶことで、幅広い商品を取り扱っているのもIFAの魅力である。
幅広い商品を取り扱っているからこそ、投資家にとって本当に良いと思う商品、投資戦略を提案してもらうことが可能だ。
IFAがもつ専門知識
投資は断片的な側面だけでなく、様々な観点から分析しポートフォリオ構築や投資タイミングを測らなければならない。しかし、投資家自らが適切な投資戦略を立てることが難しい場合もあるだろう。
その点、IFAに相談すれば最近の市場動向や投資理論など、専門知識に基づいた最適なアドバイスが受けられる。
投資を成功に導くためにも、IFAの専門知識を活かした投資戦略を立てることがおすすめだ。
IFAとパートナーシップを組み長期的な投資成功へ
投資を成功させるためには、信頼できるIFAとの出会いが必須だ。ここで、信頼できるIFAを探すための注意点を3つ挙げよう。
- 金融商品に関する知識が豊富か
- アフターフォローは充実しているか
- 手数料体系は明確か
投資を成功させるためには、豊富な金融知識が不可欠となる。そして、豊富な金融知識に基づいた投資戦略をアドバイスしてもらえれば、自分の望む形の資産運用ができる可能性が高くなる。
IFAの経験年数や対象としている顧客層などはあらかじめチェックしておこう。
また、一般的に投資は長期間に及ぶため、IFAとの付き合いも長くなる。ただ、IFAによって対応してもらえる範囲や契約期間は異なる。
商品の提案やポートフォリオ構築のみならず、実際の運用状況に応じたポートフォリオの見直しなどのアフターフォローが充実しているかにも着目してもらいたい。
自分にとって最適な資産運用を行うためにも、上記の3点に注意しながら信頼できるIFAを探そう。
まとめ
本記事では、国債の基本知識から投資リターンとリスク、国債の選び方や活用法、国債に関する様々な観点での比較などを解説した。
国債投資にあたって不安や疑問がある場合には、「資産運用ナビ」を活用し、IFAに相談してみよう。IFAは、金融商品の特性やリスクを分かりやすく解説してくれる。また、市場動向や最新の投資理論をもとに投資家の投資目的やリスク許容度に最適なアドバイスをしてくれる。
国債投資のみならず、資産運用に関する様々な疑問や悩みを抱えている方は、ぜひ「資産運用ナビ」を活用してほしい。