退職金制度によって受け取れる退職金は、老後の資産形成において、非常に大きな柱となってくれる。
しかし、今まで貯金しかしてこなかった方にとって、投資という行為は非常に難しいように思えるかもしれない。
しかし、最低限守るべき事や注意点がわかっていれば、退職金を投資によってしっかりと増やすことができる。
今回は、退職金制度を上手く利用して資産形成するにはどうすればよいのか、やっておくべき準備や手堅く増やす4つの方法、具体的な注意点についてわかりやすく解説していく。
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退職金制度を使って資産運用する前に!やっておくべき準備とは
退職金制度を利用して上手く資産形成する前に、やっておくべきことがある。
まずは、資産形成前の事前準備について説明していく。
資産状況を把握しておく
退職金を使って資産運用をする場合は、真っ先に自分の資産状況を把握しておこう。たとえば、次の項目を明確化しておくと自分の試算を把握しやすくなる。
- 預貯金
- 証券口座
- 生命保険
- 自宅以外の不動産
- 借入金
資産状況は、必ずしもプラスになるというわけではない。借入金が大きい場合は、マイナスになることもある。
そのため、資産状況の把握をしっかりとやっておこう。
資産形成で使って良いお金・だめなお金を分類する
資産形成では、投資に使って良いお金しか投資してはいけない。
なぜなら、子供の養育費といった使い道の決まったお金の投資してしまうと、元本を下回ったときに大変なことになるからだ。
そのため、資産形成で使って良いお金・だめなお金を分類していこう。
月々の生活費を守っておく
月々どれくらいのお金があれば生活を維持できるのか分かっているだろうか。
資産運用をする場合、月々の生活費に手をつけてしまうと非常に困ることになる。
そのため、1年~3年程度の生活費は、生活予防資金として現金で残しておこう。
資産運用方法を決める
借金をゼロにして、資産運用に使えるお金が明確になったら、資産運用の方法を決めていく必要がある。
気軽に人に紹介されたような投資商品は、非常にリスクが高く、危険が伴うものが多い。
そのため、このあと紹介する手堅く運用できる4つの資産運用方法から都合の良いものを選ぶと良い。
【手堅く運用】退職金の運用方法を4つの方法から決める
退職金制度で受け取った退職金を手堅く運用したい場合は、次の4つの方法から運用方法を決めることで、リスクを抑えた資産運用が可能となる。
定期預金で資産運用する
定期預金とは、最初に預ける期間を決め銀行にお金を預けることで、普通預金よりも高い金利を受け取れる預金のことだ。途中解約することもできるが、その場合、一気に金利が下がってしまう。
金利といっても0.01%と非常に低く、資産を増やすことは難しい。
しかし、元本を下回ることはないため、老後資金を守るための運用方法として非常に優秀である。
個人向け国債で資産運用する
個人向け国債とは、個人の方を対象とした国が発行する債券のことである。
債券とは、会社や特定の団体が事業展開で必要なお金を得るために、発行する借用証書のことだ。
つまり、個人向け国債を買うということは、国や特定の団体にお金を貸すことで、その代わりに借用証書を受け取るということだ。
個人向け国債は、定期預金と同様に元本保証の投資という点で共通している。
満期になれば、元本はそのまま元売り、投資額に応じて利子を受け取ることができる。
元本の管理や利子の支払いは、日本国政府が行うため、非常にセキュリティ性が高く信頼できる。
多くの個人向け国債の利子は、0.05%と決まっている。
そのため、定期預金よりかは、投資先として条件が良くなる。
個人年金保険で資産運用する
まだ、定年までに時間がある方は、個人年金保険へ入ってみてはどうだろうか。
個人年金保険を利用して保険料を積み立てていけば、一定の年齢になったタイミングで、年金形式でお金を受け取ることができる。
そのため、退職をしてから年金が支給されるまでに一定の期間がある方や自営業の方で将来お金が不足する可能性の高い方に、リスク分散の選択肢として人気がある。
投資信託で資産運用する
退職金制度を上手く使って資産運用するのなら、「投資をしている」ということを強く実感できる投資信託で資産運用してみてはどうだろうか。
投資信託は、老後の資金の運用方法として非常に人気がある。
最近は、一般NISAやつみたてNISAという非課税の税制度も登場し、投資信託初心者でも運用を始めやすい環境が整いつつある。
インターネットを使って無料で証券口座を開設し、代表的な投資信託へ積み立て設定すれば、毎月何もしなくても自動的に老後資金を積み立てることができる。
長期投資で分散投資していけば、非常にリスクを抑えながら、高い確率で資産形成できるため、将来を見据えて今すぐ始めることをおすすめする。
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退職制度で受け取った退職金運用の注意点
退職金制度で退職金を受け取ったら、いくつか注意しなければいけないことがある。次に、退職金運用の注意点について説明していく。
老後の生活スタイルなどを家族で擦り合わせる
老後の退職金は、自分の労働によって受け取れるお金ではあるが、一方で配偶者や子供の将来とも関係してくるお金である。
そのため、配偶者や子供と老後の生活スタイルについてしっかりと話し合うことで、退職金の使い方や資産運用の仕方を明確化しやすくなる。
もし、退職金の使い方について家族と話し合ったことがない方は、老後の生活スタイルなどを家族で擦り合わせることをおすすめする。
勤続年数によって退職所得控除額に違いがある
退職金は、支払われる額がそのまま受け取れるわけではない。
なぜなら、退職金には税金が発生するからだ。しかし、国税局の退職金と税のページによれば、勤続年数20年を境に退職所得控除額に違いがあると記載されている。
令和3年分の計算方法について詳しく記載されているため、退職金の正しい受け取り額を計算したい方は、ぜひ参照してほしい。
- 出典:国税庁「退職金と税」(2022年6月調査)
長期目線で着実に利益を積み上げる
退職金でまとまったお金を受け取った方がやってしまいがちな失敗に、まとまったお金を集中投資してしまうというのがある。
投資信託の世界で上手く資産形成をしたいと思うのなら、長期視点でリスクを抑えながら着実に資産を積み上げていく計画をしていくと良い。
短時間で資産形成する方法は、どれもリスクが高く、最悪の場合、すべての退職金を失ってしまう可能性があるので注意が必要だ。
まとまった資金の運用の仕方を資産運用のプロに決めてもらう
1000万円以上の退職金を集中的に投資する場合、少しの失敗が大きな損失に繋がってしまう。
なぜなら、投資初心者はリスクとリターンのバランスを見極めることが難しいからだ。
もし、まとまった資金を老後資金として運用していく予定なら、資産運用のプロに運用の仕方を決めてもらうというのも、リスクを限りなく小さいものにする方法として非常に有効である。
もちろん、資産運用に詳しい人だからといって、誰に頼んでも良いわけではない。
資産運用について相談する前に、その人の実績や信用に値する人物なのか、しっかりと調べる必要がある。
まとめ
退職金制度を使って上手く資産形成をしたいと考える方は、すでに「投資信託がおすすめ」や、「株の積立が良い」、「NISAで始めるとお得」といったことを、どこかで聞いたことがあるかもしれない。
しかし、まとまった資金を投資する予定であれば、専門家の指導のもとに投資をしたいというのが本音だろう。
もし、専門家のアドバイスがほしければ、「退職金ナビ」を活用して、資産運用アドバイザーに相談をしてはいかがだろうか。
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