- 国債が本当に安全な資産なのかわからない
- リターンの良い国債を知りたい
- 外国債を購入する際の注意点を知りたい
国債という言葉について聞いたことはあるものの、どのような仕組みでリターンを得られるのか知らない人が多いのではないだろうか。
国債は株式や投資信託と比較するとローリスクローリターンで、景気後退局面で強みを発揮する金融商品だ。
ただし、国によって安全性や収益性に違いがあるため、投資する際は運用目的に合っているかを確かめて運用する必要がある。
本記事では、国債の基本情報や投資するにあたって知っておくべき知識までを分かりやすく説明していく。
安全性と収益性の両面からランキングを比較しているので、ぜひチェックしてほしい。
世界の国債格付けランキング
世界には多くの国があり、多くの国債が発行されている。
それぞれの国によって安定性に違いがあるため、安全な資産かどうかを評価するために格付けという仕組みが用意されている。
ここでは、国債の信頼性を確認するために、格付けを高い順からランキング形式で見ていこう。
世界の国債投資における格付けの重要性
国債は信頼性によって格付けされており、これを「ソブリン格付け」と呼ぶ。
格付けが低い債券は安定性に欠けるため、リスクが高いと言える。
ただ、リスクのコントロールを目的に国債を購入する人が多いと思うので、国債投資をする際は格付けを見て安全性をチェックすることが大事だ。
国債格付けランキングデータの見方
有名な格付け機関として、S&Pやムーディーズがある。
2社でそれぞれ若干表記が違うが意味しているところは同じで、最高の信用力を「AAA(S&P)またはAaa(ムーディーズ)」とし、「AA/Aa」「A/a」「BBB/Baa」と下がっていき、「BBB-/Baa3」までが「投資適格級」と言われている。
「BB+/Ba1」以下は「投資不適格級」あるいはもっと下がると「ジャンク級」と呼ばれ、「RD/SD」で「選択的デフォルト・一部債務不履行」、「D」で「債務不履行(デフォルト)」となる。
日本は「A+/A1」で信頼度が高いが、ドイツなどの「AAA/Aaa」には及ばない。
世界の国債格付けランキング
S&Pやムーディーズが公開している格付け一覧から、国債の格付けランキングを作成してみよう。
順位 | 国名 | ムーディーズ | S&P |
---|---|---|---|
1位 | ドイツ | Aaa | AAA |
1位 | ルクセンブルク | Aaa | AAA |
1位 | オランダ | Aaa | AAA |
1位 | オーストラリア | Aaa | AAA |
1位 | スイス | Aaa | AAA |
1位 | デンマーク | Aaa | AAA |
1位 | スウェーデン | Aaa | AAA |
1位 | ノルウェー | Aaa | AAA |
1位 | シンガポール | Aaa | AAA |
1位 | カナダ | Aaa | AAA |
11位 | ニュージーランド | Aaa | AA+ |
11位 | 米国 | Aaa | AA+ |
13位 | オーストリア | Aa1 | AA+ |
13位 | フィンランド | Aa1 | AA+ |
15位 | アイルランド | Aa3 | AA |
16位 | 韓国 | Aa2 | AA− |
17位 | 香港 | Aa3 | AA− |
18位 | フランス | Aa2 | AA− |
19位 | イギリス | Aa3 | AA− |
19位 | ベルギー | Aa3 | AA− |
19位 | チェコ | Aa3 | AA− |
22位 | エストニア | A1 | A+ |
22位 | 中国 | A1 | A+ |
22位 | サウジアラビア | A1 | A+ |
25位 | 日本 | A1 | A |
26位 | スロベニア | A3 | A |
27位 | マルタ | A2 | A+ |
28位 | リトアニア | A2 | A |
29位 | スロバキア | A2 | A− |
30位 | ラトビア | A3 | A− |
世界の国債利回りランキング
次は利回りのランキングについて見てみよう。
国債投資における利回りの定義と法則
ここで言うリターンとは利回りを意味し、すなわち投資した際に期待できる利率と償還差益を合わせた収益の大きさである。
国債には、満期までの期間によって種類があり、一般的なのは5年債や10年債かと思われる。
一概にこの限りではないが、基本的には期間の長い方が利回りは大きく、短期であるほど小さくなることが多い。
例えば、2024年6月の日本やアメリカの国債利回りは以下のとおりだ。
債権の種類 | 日本 | アメリカ |
---|---|---|
1年債 | 0.149% | 5.076% |
3年債 | 0.346% | 4.410% |
5年債 | 0.506% | 4.265% |
10年債 | 0.919% | 4.246% |
20年債 | 1.74% | 4.491% |
30年債 | 2.11% | 4.375% |
主要国の国債の利回りデータ
いくつか主要な国の10年債利回りを、リターンの大きい順に並べ紹介しておく。
国名 | 利回り |
---|---|
トルコ | 26.780% |
エジプト | 25.471% |
ロシア | 15.115% |
ブラジル | 12.010% |
メキシコ | 10.521% |
インドネシア | 7.268% |
ルーマニア | 6.780% |
フィリピン | 6.747% |
チリ | 5.950% |
ニュージーランド | 4.632% |
イギリス | 4.63% |
アメリカ | 4.246% |
オーストラリア | 4.094% |
カタール | 4.030% |
イタリア | 3.929% |
ギリシャ | 3.757% |
スペイン | 3.338% |
カナダ | 3.284% |
韓国 | 3.281% |
シンガポール | 3.180% |
フランス | 3.136% |
ベトナム | 2.826% |
タイ王国 | 2.779% |
オランダ | 2.726% |
デンマーク | 2.454% |
ドイツ | 2.365% |
中国 | 2.295% |
スウェーデン | 2.149% |
日本 | 0.919% |
スイス | 0.682% |
外国債投資の注意点
ここからは、外国債投資に取り組む際の注意点を解説する。
なぜ外国債投資が選ばれるのか
一口に国債投資と言っても、投資先は日本国債に留まらない。
もちろん外国債を購入しても良いのだ。外国債投資が選ばれるのには大きく分けて2つの理由がある。
- 運用益と合わせて為替差益を受け取れる
- 円建ての債券と比較すると金利が高い傾向にある
外国の債券を購入する際には、日本円で買い付ける円建て、外国の通貨で買い付ける外貨建てから選択できる。
海外の通貨で購入する場合は資産を外貨で保有することになるため、為替の動きに合わせて資産価値が変動するのだ。
例えば1ドル=100円の米ドルで米国債券を選択したケースをシミュレーションしよう。
その後、1ドル=150円の時に米国債券が満期を迎えたとすると、1ドルあたり50円の為替差益を得られる。
もし日本円を選択した場合は運用益しか受け取れないのに対して、海外通貨で購入して運用すると運用益と為替差益を受け取れるのだ。
また、外貨建て債券は円建て債券に比べ金利が高い傾向にあり、ランキングでも見たように利回りが高い。
外国債投資の注意点
外国債投資をする際は、為替リスクや信用リスク、流動性リスクといった複数のリスクがともなう点に注意してほしい。
為替差益を得られるかもしれないメリットがある一方で、購入時よりも円高になると資産は減少する。
為替の動きは非常に予想しづらいため、一定のリスクがともなうことを把握しておいてほしい。
また、発行体の信用力によってもリスクが異なる。
国の債券でもデフォルトするケースもあるため、購入する際は格付けをチェックして信頼できる発行体の債券を選ぶことが重要だ。
政治情勢や経済政策が不安定な場合、債券の価格や利回りに大きな影響を与える可能性もある。
そして国によっては国内債券よりも流動性が低い。すぐに売却できなかったり、売却価格が予想より低くなったりする可能性にも注意しよう。
国債の購入方法は、簡単に言うと、金融機関に口座を開設すれば誰でも購入可能である。
ただし、各金融機関によって、取り扱っている国債の種類、手数料や最低購入数、購入できる期間などに違いがあるので、目的にあった金融機関で口座を開こう。外貨建ての債券を購入する場合は為替手数料がかかるが、債券を購入する時の購入手数料は基本的に無料だ。
為替手数料や手軽さの面からも、ネット証券で買うのがお得である。
国債を筆頭とする債券は、新しく発行される債券を「新発債」、既に市場に出回っている債券を「即発債」と呼ぶ。
また、前述したように、国債は満期を迎える前に債券市場で売買できる金融商品であり、それが既発債である。
この場合も金融機関に債券の口座を開設し、資金を入金するだけで、簡単に売買に参加できる。
価格は市場の需要と供給で常に変化しているので事前に確認するようにしよう。
世界の国債投資におすすめの証券会社
世界の国債投資をする際におすすめなのは、楽天証券やSBI証券といったネット証券だ。
ネット証券が国債投資におすすめな理由は以下のとおりだ。
- 取引手数料が安い
- リアルタイムで市場情報やニュースを確認できる
- 初心者でもわかりやすいインターフェースになっている
- 取引ツールが充実している
店舗を持たないネット証券は運営コストが低いため、取引にかかる手数料が安い。
楽天証券やSBI証券では、外貨に交換する際の為替手数料が安く設定されている。
また、投資家の判断をサポートするためにリアルタイムで市場情報やニュースが公開されていて、常に新しい情報をキャッチアップできる。
そして管理画面も見やすくなっており、初心者でも簡単に操作できるだろう。
世界の国債に投資するなら誰に相談するべき?
「何を購入すべきかわからない」「そもそも国債投資が自分に合っていないかもしれない」と悩んでいる人もいるのではないだろうか。
もし資産運用に関して困っているのであれば、IFAを活用してほしい。
ここでは、専門家を活用すべき理由やIFAの詳細を解説している。IFA検索サービスの「資産運用ナビ」にも言及しているので、気になる人はぜひチェックしてほしい。
なぜ専門家に相談するべきなのか
国債を投資先として検討するなかで、金融商品としてなかなか手を出しづらいと感じている人も多いだろう。
安全性やリターン、どこの通貨で購入するかなど、投資計画を立てるうえで考慮すべき点が多いためだ。
もし国債への理解が浅い状態で購入しようとすると、資産が目減りしてしまうかもしれない。
正しい知識を身に付けた状態で投資判断を下すためにも、専門家への相談を推奨している。
専門家の中でも特におすすめなのが、独立系ファイナンシャルアドバイザーであるIFAだ。
IFAとは何か
IFA(Independent Financial Advisor)とは、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」のことで、資産運用のプロフェッショナルとして投資家をサポートしている。
IFAは銀行や証券会社といった金融機関から独立した存在である。所属先の利益やノルマを気にする必要がないため、本当の意味で顧客に寄り添ったアドバイスをしてくれる。
そのため、債券に関する知識が少ない初心者投資家でも、信頼感を持って相談可能だ。
また、IFAには異動がないため、長期間にわたって信頼できるパートナーとして資産運用に関する相談をできる。
運用計画の策定やリスク許容度の確認、具体的な商品の提案、リバランスなど資産運用に関して幅広くサポートしているので、ぜひ活用してほしい。
「資産運用ナビ」について
全国には沢山のIFAがおり、それぞれが資産運用のプロフェッショナルとして活動している。
せっかく相談をするのだから、自分に合ったパートナーとなるIFAを見つけたいものだ。
ただし、「IFAの探し方がわからない」「担当者との相性が悪かったらどうしよう」と悩んでいる人も多いだろう。
そのような人におすすめなのが、投資家とIFAのマッチングサービスである「資産運用ナビ」だ。
所要時間60秒程度の質問に答えるだけで、簡単に自分に合ったIFAとマッチングできるので、ぜひ活用して自分に合ったIFAと資産運用をスタートしてほしい。
国債ランキングをチェックして運用商品を決定しよう
この記事では、国債について、基本的な知識からそれぞれの国債のランキングなど、投資をするうえで必要な知識を説明した。
安定性がわかる格付け、収益性がわかる利回りのランキングをチェックして、自身の運用目的に合った商品を選択してほしい。
なお、国債を購入する際は、手数料の安いネット証券がおすすめだ。
特に楽天証券とSBI証券が手数料面で優れていて、投資家に優しいサービスも充実している。
もし開設先に悩んだら、このどちらかを選ぶと良いだろう。
この記事でおもに取り扱った債券のほか、金融商品はそもそも複雑なので、投資を始めたばかりの人でなくとも疑問や悩みを解決する方法として、IFAへの相談は効果的である。
IFAは、その専門的な知見から的確なアドバイスをすることができ、一人ひとりに合った投資戦略を提案することができる。
また、投資戦略と同じように、あなたに最適なIFAも投資の経験値や目標、資産状況によって異なる。
検索プラットフォーム「資産運用ナビ」などを活用し、自身の条件にあったアドバイザーを探すことも忘れないようにしよう。
「資産運用ナビ」では、信頼できるIFAとマッチングできるので、今すぐ無料相談に申し込んで、より豊かな資産運用を掴んでほしい。