1. ホーム
  2. 退職金
  3. 退職一時金とは?税金面はどう変わるのか 退職一時金制度のメリットデメリットをわかりやすく解説

退職一時金とは?税金面はどう変わるのか 退職一時金制度のメリットデメリットをわかりやすく解説

退職金は退職した企業から支払われる賃金のことを指し、老後の人生を支える重要な資金の1つである。

そんな退職金の受け取り方に、「退職一時金」「年金方式(企業年金)」「前払い方式」の大きく分けて3種類あるのはご存知だろうか。

本記事では、最もスタンダードな受け取り方法である「退職一時金」についてわかりやすく解説していく。

また意外に知らない退職金制度と税金面の計算方法、退職金相場などにも言及している。

事前に退職金の基礎知識について理解しておくことで、老後の生活を送るライフプランを立てやすくなるのではないだろうか。

退職金運用のおすすめの相談先

退職金ナビ  おすすめ!

アドバイザーナビ社が運営する自分に合った退職金の相談相手を無料で探せるマッチングサービス。日経新聞、東洋経済など有名メディアに度々取り上げられている。

目次

退職一時金とは?

退職一時金とは? 資産運用ナビ

まず退職金にまつわる目的、制度を確認しておこう。

そもそも退職金とは、退職した企業から従業員へ以下の目的を持って支払われる。

  • 老後の生活保障
  • 後払い分の給与

退職金は給与の一部である。

在職中に賃金を受け取るよりも退職金として受け取ることで税制面で優遇されるようになっており、社会保険もかからないという特徴を持っている。

そんな退職金に関する制度は「退職一時金制度」と「企業年金制度」と「前払い退職金制度」の3つに分けられている。

  • 退職一時金制度
    • 退職金を一括で受け取る制度
  • 企業年金制度
    • 年金のように一定期間分割して支給される制度
  • 前払い退職金制度
    • 在職中に退職金を支払う制度

「退職一時金」は上記の退職一時金制度で受け取った退職金のことを指す。

一般的にイメージされる退職金の受け取り方法は、退職一時金と考えて差し支えないだろう。

退職一時金のメリットとデメリット

退職一時金のメリットとデメリット 資産運用ナビ

退職一時金で受け取るメリットとデメリットは以下の通りである。

メリットデメリット
税制面で優遇される
一括で大きな金額を受け取れる
住宅ローン返済などに充てられる

非課税枠が設けられている
受け取り金額が少なくなる場合もある

退職金を無駄遣いしてしまいやすい

最大のメリットは税制面で優遇されることであろう。

退職一時金は「退職所得」とみなされる。

そのため退職所得控除を活用できる上に、給与所得のように社会保険(健康保険・雇用保険・厚生年金)はかからない。

退職所得控除額は以下のように勤続年数によって優遇されている。

  • 勤続年数20年以下
    • 40万円 × 勤続年数(※80万円未満は80万円)
  • 勤続年数20年以上
    • 800万円+70万円 × (勤続年数 – 20年)

また退職所得は課税金額を半分にできる優遇措置も取られている。

退職所得の計算方法は次の通りだ。

退職所得 =(収入金額(源泉徴収前の金額)-退職所得控除額)× 0.5

その上、高額な資金の受け取りにより発生する税負担を軽くするため、退職所得のみ分離して計算される「分離課税」を採用している。

つまり、以下の点で年金方式と比べて節税効果が高いといえるだろう。

  1. 退職所得控除を利用できる
  2. 社会保険が必要ない
  3. 勤続年数が上がるほど優遇される
  4. 課税対象金額を半分にできる
  5. 分離課税

デメリットは年金方式よりも受け取れる金額が少なくなるという点だ。

年金方式では受け取るまで企業側で運用を続けてもらうため総受給額が増えるが、退職一時金は一括受け取りのため、運用してもらうことはできない。

また高額な資金を一括で受け取るため、住宅ローンを返済資金に充てたり、不動産投資など高額投資も選択肢に入れやすくなったりする一方、無駄遣いが増えるリスクも考えられる。

そのため、使い道が決まっており、税制面の恩恵を受けたい方向けの受け取り方法といえるだろう。

退職金一時金を含めた3種類の制度の簡単なメリットとデメリットは以下の通りだ。

メリットデメリット
退職一時金制度税制面で優遇される

一括で受け取れる

社会保険は対象外
無駄遣いが増える

年金方式より受け取れる金額が減る
企業年金制度
(退職年金制度)
会社が運用を続けるため総受給額が増える
資金を管理しやすい
一時金のように控除が受けられない
社会保険がかかり、税負担が多くなる
前払い
退職金制度
最も早く受け取れる

毎月の賃金が増える

退職金減額のリスク回避可能
一時金のように税制面で優遇されない
3つの中で最も受給額が少ない

税制面を重視するなら「退職一時金制度」、総受給額を重視するなら「企業年金制度」、退職金減額リスクを抑えるなら「前払い退職金制度」など制度ごとに特色が異なっている。

自身が何を重視するか考えて制度を選ぶべきであろう。

退職金運用のおすすめの相談先

退職金ナビ  おすすめ!

アドバイザーナビ社が運営する自分に合った退職金の相談相手を無料で探せるマッチングサービス。日経新聞、東洋経済など有名メディアに度々取り上げられている。

退職一時金受取時の注意点

退職一時金の受け取る際の注意点を紹介していく。

企業ごとに退職金の支払い方法は異なるので、予め事前に受け取り方法を確認しておく必要がある。

その上で、ご自身の勤続年数と受け取れる退職金額を照らし合わせて税制の優遇措置を活用するかどうか判断してみてはいかがだろうか。

ちなみに、厚生労働省が行った「平成30年就労条件総合調査」での退職金相場は以下の通りだ。

スクロールできます
勤続年数大学・大学院卒(管理・事務・技術職)高校卒(管理・事務・技術職)高校卒(現業職)
20~24年1,058万円462万円390万円
25~29年1,106万円618万円527万円
30~34年1,658万円850万円645万円
35年以上1,897万円1,497万円1,080万円
出典:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 退職給付(一時金・年金)の支給実態 」
  • 勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者対象
  • 記載は退職一時金のみとする

また厚生労働省「令和元年賃金事情等総合調査」や東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」において、大学卒業後から定年まで同じ企業で働いた場合の退職金相場は、次の通りである。

従業員規模などによって変わるものの、相場を踏まえながら受け取る退職金のシミュレーションをしておくことをお勧めする。

また退職後のライフプランでも退職一時金で受け取るのが有利になるか否かが決まる。

もし退職後に全く働く気がないのであれば、税負担を下げる目的で退職一時金としてもらうのが良いだろう。

現時点では退職一時金制度が優遇されており、一括受け取りが主流となっている。

退職一時金制度のメリットデメリットを踏まえながら、退職後のライフプランや使い道を考えつつ選択してみてはいかがだろうか。

まとめ

まとめ 資産運用ナビ

今回は退職一時金について、メリットやデメリット、受け取り時の注意点などを解説した。

退職一時金は一括で受け取るスタンダードな方法であり、税制面でも優遇されている。

税制面なら「退職一時金制度」、総受給額なら「企業年金制度」、退職金減額リスク回避なら「前払い退職金制度」など、制度ごとにメリットが異なってくる。

企業ごとに制度が異なるため、まずは自社の採用している制度を確認することから始めてみてはいかがだろうか。

または、退職金を受け取ったものの、資産運用をどの様にして良いか悩んでいないだろうか。

最近、「よく分からないまま資産運用をして何百万円も損をした」という話をよく聞く。

そんな時は、「退職金ナビ」を活用して、資産運用アドバイザーに相談をしてはいかがだろうか。

プロの視点から資産運用の疑問を解決し、納得した上で資産運用を行おう。

現在、下記ボタンから申し込むと無料で資産運用の相談にのってくれる。

退職金にや資産運用に関して、少しでも不安やお悩みがある方は、無料相談を申し込んでみてはいかがだろうか。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

・本サイト「資産運用ナビ」はアドバイザーナビ株式会社が運営しております。
・本サイトに掲載される情報に関しては、最大限の注意を払っておりますが、金利、手数料、その他商品情報の完全な正確性や信頼性を保証するものではありません。
・本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

目次