- SBI証券IFAコースの具体的なデメリットが知りたい
- 資産運用にIFAを活用するメリットと注意点を正しく理解したい
- IFAの選び方がわからない
効果的な資産運用のために、ネット証券最大手のSBI証券でIFAを活用した取引を検討する人も多いのではないだろうか。
しかし、楽天証券など類似するサービスを展開するその他の証券会社と比較・検討したいと考える人もいるはずだ。
そこで本記事では、これらの比較とともに、SBI証券のIFAコースを利用するうえでのメリットとデメリットを解説する。
また、IFAを選ぶときのチェックポイントや探し方についても説明するので、IFAを活用したよりよい資産運用を行ううえでの参考となれば幸いだ。
IFAとは何か?
ここでは、資産運用の専門家であるIFAについて、その特徴や役割を解説する。
IFAを利用して資産を運用する人も増えているが、IFAを利用するうえでは注意すべき点もある。
このためIFAを利用するうえでのメリットだけではなく、デメリットも紹介する。
正しい理解をもったうえで、IFAを効果的に活用してほしい。
IFAの概要
IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)とは、金融業界での実務経験と豊富な金融知識をもつ、資産運用の専門家だ。
株式や債券などのさまざまな金融商品を複合的に提案し、顧客の資産運用を支援してくれる。
そして、最大の特徴は特定の金融機関に所属していない点で、これにより企業利益ではなく、顧客利益を第一に考えた提案が期待できる。
またIFAには転勤がないため、長期的な資産運用へのサポートができ、顧客のライフステージの変化に応じて適切に資産を管理してもらうことも可能なのだ。
IFAの役割
IFAは、長期的な視点で顧客の資産全体への運用を支援するため、その業務範囲は広い。
- 顧客の投資プランの作成支援
顧客とのヒアリングを通じて、資産の運用目的やリスク許容度を明らかにし、資産の運用計画を設定する。そのうえで、顧客に最適なポートフォリオ(資産の配分)を提案する。
※リスク許容度:仮に投資で損失が生じても、どのくらいまでなら受け入れられるか、という資産運用に対する個人の耐久力。 - ポートフォリオの調整や見直しの提案
市場動向や顧客のライフステージの変化に応じて、顧客のポートフォリオの見直しを随時提案する。 - 情報提供
顧客の金融リテラシー向上のため、金融市場の情報を随時提供する。また顧客が購入した金融商品の動向についても定期的に報告する。 - 相談対応
顧客からの資産に関する相談に幅広く対応する。事業継承や相続・税務・保険・不動産などについても、対応することがある。場合によっては、弁護士や税理士などの外部の専門家と連携する。
なお、FP(ファイナンシャルプランナー)の業務内容との類似点も多いが、法律上、FPは金融商品の提案ができない点で異なる。
そのため資産運用の相談先としては、具体的な商品提案や取引仲介が可能なIFAの方が、適切だと言える。
IFAのメリット・デメリット
IFAの特徴をおさえたところで、IFAを利用するうえでのメリットとデメリットを、以下の表で整理する。
メリット | デメリット |
---|---|
中立的な立場から客観的なアドバイスがもらえる 資産運用に対して長期的なサポートが受けられる 外部の専門家と連携して、自己資産への総合的な提案が得られる 資産運用に関して、最新の情報を幅広く手に入れられる | 手数料が発生する ・金融商品の購入時手数料などは対面証券会社と同水準である。 信頼できるIFAを見つけることが難しい ・なかには情報や経験が少ないIFAもいる。 ・売買手数料のコミッションを報酬とするIFAには、頻繁に売買をすすめるIFAもいる。 ・中立的立場ではなく、IFA事業者(IFAが所属する会社)の方針にそった提案をするIFAもいる。 IFA事業者は金融機関のような大企業ではない ・金融機関ほど知名度がないため、会社の評判がわからず、不安を感じてしまう。 ・情報収集力や提案力は人(IFA)次第であるため、大企業のように組織力でカバーできないことがある。 |
これらを踏まえて、投資に対する考え方やライフスタイルと照らし合わせながら、IFAの利用を検討してほしい。
SBI証券でのIFA活用法とその特徴
ここではSBI証券でのIFAコースの概要や、このサービスのメリット・デメリットを解説する。
昨今では、営業担当がいないネット証券会社の顧客からも、金融商品の提案を望む声が増えている。
ネット証券最大手であるSBI証券でも、このような顧客の声に応じて、IFAのサービスを展開している。
SBI証券でのIFAコースを検討している人は、ぜひ参考にしてほしい。
SBI証券とは?
SBI証券は、1,100万を超える口座開設数を誇る、ネット証券業界最大手の証券会社だ。
創業時はソフトバンクグループの傘下だったが、現在は三井住友フィナンシャルグループと資本提携をし、事業拡大をはかっている。
SBI証券の最大の特徴は、「ゼロ革命」と銘打ち、さまざまな取引手数料を無料にしている点だ。
また扱う投資商品も幅広く、海外株式では米国・中国などをはじめ9カ国の株式が取引できる。
SBI証券のIFAコースの特徴
SBI証券のIFAコースでは、顧客のニーズに合わせて、以下の2つのコースが用意されている。
IFAコース(プランA) | IFAコース | |
---|---|---|
サービス概要 | IFAが電話または訪問を通じて、投資への助言・情報提供を行い、金融商品の売買までができるコース | 電話を通じてIFAに投資相談が受けられるコース |
担当IFA | あり | なし |
手数料 | それぞれの手数料は、金融商品の売買時の手数料に上乗せされる 両者のうち「IFAコース(プランA)」の手数料が割高 |
一方、SBI証券のグループ会社(SBIマネープラザ)の担当者がつき、顧客資産をトータルサポートする「対面コース」もある。
こちらでは、SBI証券が扱う投資商品以外に、生保・損保・住宅ローンなどSBIグループおよび提携企業の金融商品の提案を行っている。
SBI証券のIFAコースの物足らなさ
担当IFAがつく「SBI証券IFAコース(プランA)」のサービス範囲には、物足らなさを感じる人もいるかもしれない。
このサービスでは、さまざまな金融商品を扱う「対面コース」と比べて、SBI証券の投資商品しか取り扱えないからだ。
SBIマネープラザが金融商品全般のコンサルティング事業を行うため、IFAの業務範囲とも競合している。
このため、SBI証券もグループ外のIFAには、SBI証券の外部販売業務に限定させている。
総合的な金融サービスを期待する人には、「SBI証券IFAコース(プランA)」では、満足できない可能性もあるだろう。
SBI証券のIFAコースの活用方法
「電話でIFAとの投資相談ができるだけで十分」と考える人は、「SBI証券IFAコース」が最適だろう。
また「対面コース」ができるSBIマネープラザの拠点は、全国に46ヶ所しかない。
同社の拠点が身近にない地域に住んでいる人には、「SBI証券IFAコース(プランA)」は検討する価値がある。
SBI証券と提携するIFA事業者が近くにあれば、IFAからの電話や訪問を通じて、投資への助言や情報が得られる。
以上の場合でSBI証券と提携するIFAからサービスを受けるには、下記の手順で手続きをすればよい。
STEP1:資産アドバイザー(IFA)を探す
SBI証券のWEBサイトからSBI証券と提携しているIFA事業者に問い合わせを行う
STEP2:申し込み
「IFAコース」または「IFAコース(プランA)」のいずれかを申込み、SBI証券のIFA口座を開設する
STEP3:取引開始
SBI証券とその他の証券会社との比較
SBI証券以外でもIFAサービスを提供しているネット証券もあるが、どのような違いがあるのだろうか。
また、実店舗をもつ対面型証券会社との違いはどうだろうか。
ここでは、SBI証券のIFAコースと他社サービスを比較し、投資目的に合ったサービスを選択するためのポイントも説明する。
IFAコースの比較(SBI証券 vs 他のネット証券)
ここでは、SBI証券のIFAコースと、他のネット証券がもつ同様のサービスとを比較する。
ネット証券業界で口座開設数2位の楽天証券、3位のマネックス証券の各サービスとで、対比させてみた。
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | |
---|---|---|---|
口座開設数※1 | 1,100万口座 | 1,000万口座 | 225万口座 |
IFAコースの 概要 | 以下の2つのコースから選択する。 IFAコース 電話での投資相談に対応。IFAコース(プランA) 担当がつき、電話と訪問で、投資への助言や情報を提供する。 | 個別売買以外に、顧客に合わせたオーダーメイドでの資産委託運用サービス(管理口座コース)も提供する。 | 個別売買以外に、資産運用サービス「ON COMPASS+」を提供する。このサービスではIFAがコンサルティングを行う。その結果をもとに、金融庁公表調査で3年・5年リターン1位を獲得した「ON COMPASS」で運用する。※2 |
出典 SBI証券「2023年9月26日付けニュースリリース」
出典 楽天証券「2023年12月5日付けニュースリリース」
出典 マネックス証券「会社情報:口座数等(月次)」
※2:出典 マネックス証券「2023年5月2日付けニュースリリース」
楽天証券のIFAコースでは、IFAのコンサルティングを重視して、オーダーメイドでの顧客資産の運用委託サービスも行っている。
また、ファンドラップ(複数の投資商品を組み合わせた資産配分で委託運用するサービス)も、IFA専用のものを用意している。
一方、個人の勘と経験から脱却したツールによる資産運用を望むならば、マネックス証券を検討するとよいだろう。
サービスの比較(SBI証券のIFAコース vs 対面型証券会社)
大手の対面型証券会社では、自社および親会社が上場していることが多く、会社の株主評価を高めるために増収増益を目指している。
このため対面型証券会社の担当者には厳しいノルマが課せられ、担当者は顧客利益よりも自社の利益や方針を重視することがある。
しかし対面型証券会社は、コンプライアンス教育の徹底や、経験の浅い担当者でも組織がカバーするというメリットがある。
IFAは、IFA事業者と業務委託契約を結ぶ個人事業主も多く、コンプライアンス意識や提案力もIFA次第ということもある。
積極的に営業されることが苦手な人はIFAを、信用や組織力を求める人は対面型証券会社を選ぶとよいだろう。
IFAはどのように選ぶべき?
ここでは、最適なIFAを選ぶための基準を解説する。
IFAは、ネット証券を介さずとも、IFA事業者が主催するセミナーや個別相談会でも出会える。
しかしIFAには個人差があり、信頼できるIFAを見定めることは難しいので、ここで説明する基準を参考にするとよいだろう。
さらに、自分に合ったIFAを、WEBから簡単にさがせるIFA検索サービス「資産運用ナビ」も紹介する。
IFAを選ぶ基準
ここでは、自分にあったIFAを選ぶうえでのチェックポイントを紹介する。
IFAは個人の経験や性格以外に、IFA事業者との雇用形態によっても対応が変わる場合がある。
多くのIFAとは無料で面談を行うことができるので、以下のチェックリストを参考に、自分に合ったIFAを選んでほしい。
- 対応可能範囲や取扱商品(種類や数)
- 投資方針
リターン追求の提案 or リスク管理型の提案 - 対象顧客
- 資産形成層 or 富裕層
- IFAが対象としている顧客の資産規模
- IFA個人のキャリアや専門領域
- 投資に関しては、銀行や保険業界の経験者よりも、リスク商品を扱う証券業界での経験があるIFAが望ましい。経験豊かなIFAは、IFA個人の相場観も優れ、金融商品の選別力も優れている。
- 事業継承や相続に関しては、銀行や保険業界の経験者が望ましい。
- フォローの手厚さ
金融商品を購入後に、IFAから提供される情報の内容や頻度。 - 担当者の雇用形態
- 正社員の場合は、IFA事業者が顧客に組織的なサービスを提供し、提案内容やコンプライアンス意識も期待できる。IFA事業者の理念と自分の投資方針が合うかどうかが選ぶポイントになる。
- IFA事業者と業務委託契約を結んでいるIFA(個人事業主)は、個人のコネクションや能力に依存するため、個人の経験や資質を見定める必要がある。
- 報酬形態(フルコミッション制 or 固定給+α)
フルコミッション制の場合では、顧客が支払う手数料がIFAの報酬に直結する。このため顧客重視ではなく、IFAのインセンティブ重視の対応になる可能性もある。特に短期型の投資ばかりを進めてくるIFAには注意が必要だ。 - 自分との相性
「資産運用ナビ」という選択肢
ネット証券の紹介も使わず、対面型証券会社の担当者にも頼らず、中立的立場のアドバイザーを探すためにはどうすればよいだろうか?
先述したように、IFAの経験やスキルには個人差がある。しかし、現在全国には6,000名を超えるIFAがおり、自分一人で比較・検討することは現実的ではない。
IFAが主催している個別相談会やセミナーなどでもIFAと出会えるが、どれを選んで参加すればよいのか悩ましい部分もある。
また、IFAに出会えたとしても、その人物が自分に合っているかを見定める基準がなければ、その判断も簡単ではないだろう。
このようなときにおすすめしたいのが、IFA検索サービス「資産運用ナビ」である。
「資産運用ナビ」を使えば、信頼できる相談先を簡単に見つけることができる。
「資産運用ナビ」を活用するメリット
このサービスでは、簡単な質問に回答するだけで、投資目的や自分の性格に合ったIFAを自動的に無料で紹介してくれる。
紹介されたIFAのなかで気になった人がいれば、プロフィールを確認し、無料で面談もできる。
面談人数に制限はないため、納得のいくまで何人でも会って話せる。
あなたの資産を任せられるIFAと出会うために、ぜひ「資産運用ナビ」を活用してほしい。
自分に合った資産アドバイザー探しは「資産運用ナビ」で
本記事では、資産運用におけるIFAの役割から、SBI証券でのIFAコースまでを解説した。
さらにSBI証券と各証券会社とのサービスの違いや、IFAの選び方についても述べてきた。
中立的立場から長期的にサポートしてくれるIFAは、あなたが効率的な資産拡大を目指すうえでの、パートナーになる。
自分に合ったアドバイザーは、IFA検索サービス「資産運用ナビ」でみつかるだろう。
ぜひ利用してほしい。