- 早期退職した40代がはじめる退職金運用のポイントが知りたい
- 運用時のリスクとその回避方法を学びたい
- 40代に適した具体的な運用戦略が知りたい
退職金と聞くと定年後に受け取るものというイメージが強いだろう。
ただ、近年早期退職制度を導入する企業が増えており、50代や、中には40代ですでに退職金を受け取ったという方もいるはずだ。
人生100年時代と言われる現代において、退職金は40代のあなたにとって今後のセカンドライフを支えるための貴重な資産となる。
そこで本記事では、退職金運用の基本原則からリスク管理の対策法、そして40代に適した具体的な運用戦略までを詳しく解説する。
退職金を賢く運用し、安定した将来への一歩を踏み出そう。
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40代が知るべき退職金運用の基本原則
40代は、そろそろ退職後を見据えた資産運用に挑戦する年代だ。
人によっては、40代で早期退職をして退職金としてまとまったお金を受け取る人もいるだろう。
ここでは、セカンドライフに必要なお金や退職金運用の基本について考えていく。
セカンドライフに必要な生活費と退職金の役割
40代で早期退職をする場合、退職後のセカンドライフについて考える必要がある。
セカンドライフに必要なお金は人によって異なるが、どのくらいの金額を目安にすれば良いかわからない人は、まず平均的な老後の生活費から確認してみよう。
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、夫婦2人の老後の最低日常生活費は月額23.2万円、ゆとりある老後に必要な生活費は月額37.9万円という結果が出ている。
一方で、厚生労働省が発表した「厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和3年度)」によると基礎年金の平均受給金額は男性59,013円、女性54,346円だ。
夫婦の両方が国民年金に加入していた場合、年金の平均受給金額は113,359円と計算できる。
夫か妻のどちらかが会社員などで厚生年金に加入していた場合、厚生年金への加入分が年金に上乗せされる。
基礎年金を含む男性の厚生年金受給平均額は163,380円、女性の平均額は104,686円だ。
仮に、夫が会社員で妻が国民年金に加入していた夫婦の場合、平均値を単純に合計すると163,380円+54,346円=217,726円が受給金額となる。
共働き夫婦でどちらも厚生年金に加入していたとすると、163,380円+104,686円=268,066円だ。
40代で早期退職をする場合、上記で想定される年金の受給額よりも実際の受給額が小さくなると予想される。
加えて、年金の受給年齢までは自分の貯蓄を切り崩して生活する必要があるだろう。
豊かな老後生活を送るためには、しっかりと貯蓄を蓄えておくことや、退職金を効果的に活用することが重要だ。
40代のライフステージにおける退職金運用の重要性
40代は、子供が中学校や高校へ入学する時期でもあるため、子供がいる家庭では教育資金の負担が重くなりやすい。
40代後半では子供の大学受験や大学進学などで、教育資金がピークを迎えるケースもある。
子供が複数いる家庭では、さらに負担が大きくなり、突発的な支出も増えやすい。
どのような支出があるか不明瞭なだけに、ある程度はすぐに引き出せる預貯金で蓄えた上で、将来に向けて資産運用を進めていきたい。
40歳で退職金を受け取る場合は、まとまったお金をどのように運用するかが豊かな老後生活を送るためのポイントとなるだろう。
代表的な運用手法とそれぞれの特徴
40代が資産運用を始めるにあたって、代表的な運用手法を紹介する。
個人向け国債 | 国が個人向けに発行している債券。1万円から購入できて、変動10年・固定5年・固定3年の3種類がある。安全性が高い一方、リターンはそれほど大きくない。 |
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株式 | 企業が資金調達のために発行する有価証券。株価が安いタイミングで購入して高いタイミングで売れば大きな利益を得られる可能性がある反面、相場の動向によっては大きな損失が発生する可能性もある。配当や株主優待狙いで株式に投資する人もいる。 |
投資信託 | 投資家から集めたお金をプロが運用する金融商品。少額から複数の資産への分散投資ができるため、投資初心者にも人気のある金融商品。 |
ファンドラップ | 投資家のリスク許容度や運用ニーズに基づいて金融機関が資産運用を代わりに行う投資一任型の運用商品。安心して運用を任せやすい一方、運用コストが高くなりやすい点に注意が必要。 |
貯蓄型保険 | 保障機能に加えて貯蓄機能も併せ持つ保険商品。解約するタイミングによっては支払った保険料以上に解約返戻金を受け取れる。 |
不動産投資 | アパートやマンションなどを購入して、他人に貸し出すことで家賃収入を得る運用手法。 |
金融商品にはさまざまな種類があるため、それぞれのメリット・デメリットをよく理解した上で、自分のリスク許容度に合った運用手法を選ぶことが重要だ。
年代別の退職金運用方法について、より詳しく知りたい人は下記の記事を参考にするといいだろう。
40代の退職金運用におすすめの戦略
退職金運用を行うにあたって、40代特有のリスクや対処方法について解説していく。
退職金運用に伴う一般的なリスク
資産運用におけるリスクとは、一般的に収益の振れ幅の度合いを指す。
収益を左右する要素には、以下のようにいくつかの種類がある。
価格変動リスク | 金融商品の値動きによるリスク |
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金利変動リスク | 金利と証券価格の変動によるリスク |
信用リスク | 発行体の経営状態・財務状態が悪くなることで、元本や利子が予定通り支払われないリスク |
為替変動リスク | 為替相場の変動によって、外貨建ての金融商品の価値が変動するリスク |
カントリーリスク | 投資先の国・地域の政治、社会情勢などの変化によるリスク |
リスクとリターンは正比例の関係といえるため、高いリターンを狙うとリスクも高くなり、リスクを低く抑えようと思うとリターンも低くなる。
リスクを管理するための戦略
リスクを管理して運用するためには、「長期投資」「積立投資」「分散投資」の3つの投資方法を活用するのが重要だ。
長期で運用を継続することで、利益からさらに利益が生み出される複利効果が大きくなる。
また、積立投資を行うと、購入タイミングをずらすことで購入単価が平準化され、高値掴みを避けやすくなる。
さらに、投資先を複数の資産にわける分散投資を実践すれば、一つの資産の値下がりによる資産全体の下落を回避できる。
この「長期・積立・分散」投資を手軽に実践するには、iDeCoやNISAといった非課税制度の活用もおすすめだ。
40代の退職金運用で注意したいポイント
40代で退職後を見据えた資産運用を始める場合、運用期間と目標額をしっかりと設定しておこう。
40代で早期退職する場合、公的年金やiDeCoなどの私的年金の受給が始まる60代までしっかりと生活を営みつつ、一定の資産を築くことが、一つの運用の目標となるかもしれない。
もちろん、人によっては「子供が大学を卒業するまで」「住宅ローンの返済が終わるまで」といったように、ライフスタイルに合わせたゴールの設定が必要だ。
「いつまでにいくらの資産を準備する」と目標を設定しておくことで、それまでに必要な投資額や利回りを逆算しやすくなる。
また、40代は、親の世代と子供の世代の両方を支える必要がある場面も出てくるため、緊急事態に備えた預貯金は多めに確保しておくのが望ましい。
特に、家族が多い人の場合は、生活費の1年分程度はすぐに引き出せる預貯金などで確保した上で、その他の資金を運用に回すようにしよう。
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40代の退職金運用におすすめの方法
40代で退職金運用について考える場合、運用方法について押さえておきたいポイントがいくつかある。
40代の財務状況から考える退職金運用
40代で転職や早期退職を行い、退職金を受け取る場合は、まとまった資金を生かして効率よく資金運用を行うことを意識しよう。
退職金を受け取った後、再就職するのかそれまでに築いた資産を取り崩して生活していくのかによっても、退職金の運用方法が変わるだろう。
また、40代では今後使うお金について、ある程度予定が立てやすくなっているケースが多い。
今後予定しているライフイベントにかかるお金を計算した上で、退職金からどの程度資産運用に回すかを決めていこう。
退職金やそれまでに築いた貯蓄については、以下の3つに分類して、それぞれの運用方法や管理方法を決めるのがおすすめだ。
- 万一の支出に備えるお金
- 当面の生活費や緊急事態に備えるお金
- 数年以内に使う予定が決まっているお金
- 住宅ローンの繰り上げ返済や車の買い替え、家のリフォームなどに使うお金
- 当面使う予定のないお金
- 数年以内に使う予定のないお金
40代に適した投資の具体例
40代に適した投資ポートフォリオをいくつか紹介する。
以下はあくまで一例なので、自分のリスク許容度に合わせて適したポートフォリオを設計するのがおすすめだ。
安全性を重視したポートフォリオ
- 国内債券
- 50%
- 先進国債券
- 20%
- 国内株式
- 15%
- 外国株式
- 15%
なるべくリスクを抑えて運用するなら、債券比率を高めた運用がおすすめだ。
ただし、債券であっても外貨建て債券には為替リスクが発生するため注意しよう。
リスクとリターンのバランスを重視したポートフォリオ
- 国内債券
- 25%
- 外国債券
- 25%
- 国内株式
- 25%
- 外国株式
- 25%
国内外の債券・株式にバランスよく投資するポートフォリオは、年金運用を行うGPIFも採用している運用戦略だ。
運用期間の経過とともに配分比率は変動するため、定期的にリバランスを行おう。
収益性を重視したポートフォリオ
- 国内債券
- 10%
- 外国債券
- 20%
- 国内株式
- 20%
- 外国株式
- 50%
収益性を重視するなら、株式の比率を高めたポートフォリオがおすすめだ。
ただし、高いリターンが狙える分、損失が生じる可能性もある点に気をつけよう。
年代に応じた運用戦略の調整
年齢が上がるにつれて許容できるリスクの大きさは変わってくる。
40代のときにポートフォリオを決めて運用を開始したとしても、数年ごとに自分のリスク許容度に現在のポートフォリオが適しているかをチェックしよう。
一般的に、若い年代ほど運用期間を長く確保しやすいため、リスク許容度が高い傾向がある。
年代が上がるにつれて、出口を見据えた安定的な資産運用についても考える必要があるのだ。
40代の退職金運用の相談先はどこが良い?
40代で退職金運用について考える場合は、専門家に相談するのがおすすめだ。
ここでは、資産運用を専門家に相談するメリットや、どんな相談先を選ぶのが良いかについて解説する。
退職金運用における専門家の重要性
退職金運用について検討する場合、資産運用の専門家に相談するのがおすすめだ。
資産運用においては、自分の家計や今後のライフイベントに基づいて適した運用計画を立てることが重要だ。
資産運用の専門家に相談すれば、自分の運用ニーズやリスク許容度に合わせて、最適な運用ポートフォリオを提案してくれる。
これから退職金を受け取る予定の人も、すでに退職金を受け取った人も、ぜひ退職金運用の専門家に相談した上で、最適な運用方法について考えてみよう。
信頼できるアドバイザーの見分け方
退職金運用について相談する場合、信頼できる相談先かどうかを見極めるのが非常に重要だ。
特に、以下のポイントについてはしっかりとチェックしよう。
- 相談可能な分野・対応可能な業務範囲
- 料金体系・サービス内容
- アドバイザーの経歴・実績
退職金での運用を検討する場合、具体的な資産運用方法や投資商品にまで踏み込んでアドバイスをくれるかどうかが重要だ。
例えば、資産形成に関する専門家としてよく知られるFP(ファイナンシャルプランナー)は、ライフプランを軸にした資産運用について一般的な助言は行えるが、FP資格のみでは金融商品の提案・販売ができない。
具体的な資産運用の内容について相談するなら、IFA(独立系資産運用アドバイザー)がおすすめだ。
資産運用に関する助言や金融商品の案内・販売を行う専門家なので、安心して資産運用の相談をしやすい。
金融機関に特有の異動や転勤がないため、信頼できる担当者に長期間サポートしてもらえるのも魅力的だ。
「退職金ナビ」の活用方法とメリット
信頼できるアドバイザーを探したいなら、「退職金ナビ」を活用するのがおすすめだ。
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経歴や得意分野といったアドバイザー個人のプロフィールをしっかりと確認した上で、会ってみたいと思うアドバイザーを選んで面談を依頼できる。
紹介費用や相談費用は一切不要となっているため、まずは気軽に相談してみたいという方にもおすすめだ。
40代から退職金運用について考えたいという方は、ぜひ「退職金ナビ」を活用してみよう。
40代からの退職金運用は収入と支出のバランスに注意
退職金運用には、複数の選択肢とリスクが存在する。
運用の目標設定やリスク管理、そして40代特有の財務状況を考慮した戦略が安定した未来への鍵となるだろう。
本記事では、いくつか具体的な方法も紹介したが、資産運用の最適解は個人によって異なる点に注意が必要だ。
自分に最適な運用方法を知るためには、退職金の運用に関する疑問や不安があれば、専門家からアドバイスを受けることを推奨する
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