- 国民年金保険料を払わないとどうなるのか
- 国民年金保険料の免除や猶予とは何か
国民年金保険料を支払わないと、必要なときに年金を受給できないばかりか、何かと不都合が生じてしまう。
この記事では、実際に払わないとどうなるのかについてわかりやすく解説する。
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国民年金保険料を払わないとどうなるのか
もし払わないのであれば具体的にどのような不都合が生じるのか、詳しく見ていこう。
支払いは国民義務
国民年金の支払いは国民の義務である。なぜなら、国民年金法によって日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人に、国民年金への加入および保険料を納付するように義務付けているからだ。
しかしながら、厚生労働省が発表している令和4年7月末における3年経過の月次納付率は77.7%である。実に約2割の人が国民年金を払っておらず、未納の状態が続いているのだ。
国民年金の受給資格を得るためには、保険料を10年以上払っている必要がある。保険料を払わない期間は基本的に、支払い期間にカウントされない。そのため、将来の年金が受け取れなくなる恐れがある。
また、老齢年金に加えて障害年金や遺族年金などの受給資格を失うことになる。障害年金といえば被保険者が病気やケガ、事故などによって仕事や生活に支障をきたしたときに受け取る年金、遺族年金といえば被保険者が亡くなったときに、配偶者やその家族が受け取れる年金である。
どちらの年金についても、予期せぬことが起こったときに被保険者の助けになってくれる。しかしながら、保険料を払っていないとこのような年金が受け取れないのである。
財産を差し押さえられる場合も
長期にわたり保険料を払わなかった場合には、財産を差し押さえられる可能性がある。実際のところ、令和元年の調査では保険料の差し押さえ実施件数は2万件以上にのぼっており、財産の差し押さえにあっていることがわかる。財産の差し押さえと聞くと少し怖く感じるが、当然のことながらいきなり財産が差し押さえられる訳ではない。
財産の差し押さえは多くの場合、次のようなステップで行われる。
- 納付督励
- 特別催告状
- 最終催告状
- 督促状・差し押さえ通知書
- 強制徴収
そして、最後に強制徴収というかたちで、財産を差し押さえられる。差し押さえの対象となる財産には、次のようなものがある。
- 給与の一部
- 銀行口座
- 不動産
- 自動車
- 現金や貴金属
- 株券
また、差し押さえる財産の対象は本人のみならず、本人の家族にまで及ぶことがある。財産の調査は年金機構の職員によって行われる。そして、滞納金と合わせて徴収されるのだ。財産を差し押さえられると、給与を満額受け取れなかったり預貯金の送金や引き出しができなくなるため、色々と不都合が生じるだろう。保険料を払わないと、最終的にはこのように財産の差し押さえに発展するのである。
免除制度を活用する
もし払わない、または払えないのであれば免除制度を活用すると良いだろう。なぜなら、免除を受けた期間は、国民年金を受け取る資格を得るための期間に算入されることに加え、将来受け取る年金額に反映されるからだ。
免除制度には、申請免除と法定免除の二種類があり、適用される条件が異なる。以下でさらに詳しく見ていこう。
申請免除
この制度は所得が一定の水準を満たすことなく、保険料の支払いが難しい人を対象としている。活用するためには審査に通過する必要があり、本人に加えて世帯主や配偶者の所得について審査を受けた結果、認められれば保険料が減免される。免除される保険料は、所得基準に応じて以下のように定められている。
免除制度 | 所得基準 |
---|---|
全額免除 | (扶養親族の数+1)×35万円+32万円 |
4分の3免除 | 88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
半額免除 | 128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
4分の1免除 | 168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
そして、計算された所得に応じて年金額の免除が受けられる。所得が一定の水準に満たないのであればこの制度を活用することで、支払う保険料を減らせるのだ。
法定免除
この制度は、生活扶助や障害年金を受給している方を対象とする。所得の有無にかかわらず届け出ることで、活用できる特徴がある。また免除される保険料は全額であるが、申し出ることで保険料を支払える。
また、これ以外にも特例認定と呼ばれる制度が存在する。この制度は前年度の所得に関係なく審査を行うことで受けられるものだ。特例認定の種類には、次のようなものがある。
- 退職や失業
- 自然災害などによる被災
- 配偶者からの暴力など
- 生活扶助以外の生活保護を受けている
- 新型コロナウイルス感染症による収入減少
上記のいずれかに当てはまる場合には、特例認定の申請を出すと良いだろう。
納付猶予を受ける
この制度を活用することで国民年金の保険料を払うことを避けられる。ただし、納付猶予は受給期間にカウントされるものの、将来受け取る年金額には加算して反映されないことに注意が必要だ。
納付猶予制度
この制度は、20歳以上50歳未満の人で本人および配偶者の前年所得が一定の水準を下回る人について、保険料を払うことを猶予する。この制度を受けるためには所得審査を通過しなければならない。所得基準の計算式は、次のようになっている。
<所得基準>
(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
上記の所得基準を下回るのであれば、保険料の支払いを猶予できる。ただし、受給資格期間に含まれるものの、年金総額が増えることはない。したがって、老齢基礎年金の受給額を増やすためには、後から追納しなければならないことに留意しよう。
学生納付特例制度
この制度は、所得が一定の水準以下の学生を対象としている。申請者および所得審査は本人のみであり、所得基準を満たすことで、保険料の納付猶予を受けられるのだ。具体的な所得基準は次のように定められている。
<所得基準>
128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除など
前年度の所得が基準を下回る場合で、修業すべき年数が1年以上であれば活用できるだろう。なお、申請先は住民登録している市の年金窓口で行う。
まとめ
国民年金保険料を払わないと、いざというときに障害年金や遺族年金が受け取れなくなる。そればかりか長期にわたり保険料を未納にしていると、財産の差し押さえに合う可能性があるのだ。払わない、または払えないときには、これらの制度を積極的に活用しよう。もし保険料についてご自身の判断が難しい場合には、資産運用のプロに相談するのがおすすめだ。
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