年金はいつから払うのか気になる方は多いのではないだろうか。実際のところ、あらかじめ用意された制度を活用することで、払う時期を調整できることがある。
この記事では年金はいつから払うのかについて、国民年金と厚生年金それぞれについて解説していく。
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国民年金の支払い開始時期
国民年金の支払い開始時期は、日本に住んでいる方が20歳になったときである。なぜなら、日本国内に居住している20歳以上60歳未満の方は国民年金の被保険者になると、国民年金法によって定められているからだ。
そのため、20歳の誕生日の前日が属する月から年金の支払いは開始される。
例えば、これから20歳を迎える方の誕生日が11月1日であれば、その前日の10月31日が加入日となり、保険料の支払いは10月分からスタートするのである。国民年金の加入手続きは日本年金機構が行なっており、20歳の誕生日が過ぎることで、日本年金機構から加入を知らせる案内が届く。
20歳の誕生日を迎えてから2週間以内に送付される書類としては、次のようなものがある。
- 基礎年金番号通知書
- 国民年金加入のお知らせ
- 国民年金保険料納付書
- 国民年金の加入と保険料のご案内
- 保険料の免除、納付猶予制度
- 学生納付特例制度
- 返信用封筒
令和元年10月1日からは、本人による20歳到達の国民年金加入手続きは原則不要となったことから、2週間程度が経過しても上記のお知らせが届かない場合には、改めて国民年金の加入手続きが必要になる。したがって、日本年金機構に確認を取らなければならない。
ただし、20歳になったとしても以下の条件に当てはまる場合には国民年金の第1号被保険者として加入する必要がない。
- 20歳直前で海外に出国され、国民年金加入のお知らせが届いた方
- すでに厚生年金保険に加入している方
- 扶養されている配偶者
上記の条件に当てはまる方は20歳の誕生日を迎えたとしても、年金を支払う義務は発生しない。国民年金加入のお知らせが届いた場合には、近くの年金事務所に連絡しよう。
厚生年金の支払い開始時期
厚生年金の支払い開始時期は国民年金とは異なり、20歳のような一定の年齢が決まっているわけではない。なぜなら、下限となる年齢は設定されていないからだ。あくまでも常時従業員を使用する会社に入社してから原則として70歳未満の方が、厚生年金の被保険者になるとされている。このことは、たとえ20歳未満の方であったとしても、年金の支払いが開始されることを意味する。
ただし、70歳未満の従業員については、さらに明確な条件づけがされている。加入条件である70歳未満の従業員が、おおむね次のような事業所での就業を開始する場合である。
- 70歳未満の従業員が、法人の事業所や従業員を常時5にん以上使用する個人の事業所に勤務すること
- 70歳未満の従業員が就業規則や労働契約に定められた特定労働時間と所定労働日数の4分の3以上を満たすこと
また、1月あたりの特定労働時間と所定労働日数が4分の3に満たなくても、次のような短時間労働者の資格取得要件を満たしているのであれば、厚生年金の被保険者になる。
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
- 賃金の月額が8.8万円以上であること
- 学生でないこと
就業先が、特定適用事業所または任意特定事業所、国や地方公共団体に属する事業所という条件が付いているが、短時間労働者でも上記の資格要件を満たすことで年齢に関係なく、年金の支払いが開始されるのである。厚生年金の支払い開始時期は、常時従業員を使用する会社に入社したときだ。
免除や納付猶予で支払い開始を延ばせる
国民年金は20歳になると支払う義務が生じるが、免除制度や納付猶予制度を活用することで支払い開始時期を延ばすことが可能だ。実際のところ、この2つの制度は被保険者の状況に合わせて様々なものが用意されている。各制度の詳細は以下の通りである。
<免除制度>
- 申請免除
- 法定免除
- 新型コロナウイルス感染症関係の特例免除など
<納付猶予制度>
- 納付猶予制度
- 学生納付特例制度など
国民年金の被保険者が上記のような制度を受けたい場合には、申請書を近くにある市区町村の年金窓口や年金事務所に提出する必要がある。そして、審査に通過することで、年金の支払い開始時期を延ばすことができる。前年度の所得が主な審査対象となるが、所得が一定の水準以下の金額であれば全額免除または、納付猶予を受けられるだろう。
また、20歳になったときに学生であれば、学生納付特例制度が受けられる。この制度は所得が一定以下の学生が申請することで、年金保険料の納付猶予が受けられる制度だ。審査対象となる所得は本人のみが対象である。
具体的な金額は、次のように定められている。
1年以上の修業課程に在学しており、上記の所得基準に満たない学生であれば受けられる。
ただし、納付猶予は年金の受給資格期間には算出されるが、将来受給できる年金額の総額には反映されない。将来の年金受給額は減額されてしまうため、猶予を受けた期間については、あとから追納というかたちで払えば良いだろう。国民年金は免除や猶予を受けることで、払う時期を変えられるのである。
なお、厚生年金に関しては常時従業員を使用する会社に入社してから原則として70歳未満であれば自動的に年金の支払いが開始される。厚生年金の場合には、年金の支払い時期を延ばすことができないことに留意しよう。
まとめ
国民年金であれば20歳になったとき、厚生年金であれば年齢に関係なく、常時従業員を使用する会社に入社したタイミングからの支払いとなる。
ただし、国民年金であれば被保険者が申請を出すことで免除や納付猶予が受けられるため、個人の状況に合わせて年金の支払い開始時期を変えられるだろう。
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