事業を営んでいると資金調達を急いでしなければいけないこともあるだろう。
法人や個人事業主が資金調達をする手段として銀行や信用金庫、地方自治体から融資を受ける方法が思いつくかもしれない。
しかし、すぐに必要な事業用資金を調達するとなると、手続きや審査が煩雑で時間がかかってしまう。
担保や保証人がなければ融資自体を受けられないこともある。そんなときに頼りになるのがビジネスローンだ。
銀行や信用金庫からの一般的な融資に比べて、すぐに資金調達でき、担保、保証人不要の借入もできるため緊急の資金調達をする手段として役に立つ。
本記事では、法人・個人事業主におすすめのビジネスローンを特徴別に紹介する。ビジネスローンを選ぶ際に迷った際に参考にしてほしい。
ビジネスローンはどう選ぶ?

多くの金融機関がビジネスローンを提供している。無数にあるビジネスローンの中から、自分にあった商品を選ぶのが難しいと感じる人も多いだろう。
どれも一見全て同じように感じてしまうかもしれない。選ぶ際に注目してほしいポイントは以下の5つだ。
- 融資のスピード
- 金利
- 借入限度額
- 申込条件
- 来店の必要性
この5つに注目して比較してみると、ビジネスローン選びがしやすくなるはずだ。
融資のスピード
ビジネスローンが他の資金調達手段に比べて優れている点は融資のスピードだ。
基本的に、どこのビジネスローンも銀行や信用金庫などから一般的な融資を受けるよりも早く借入ができる。
しかし、ビジネスローンによってそれぞれ融資までにかかる期間は異なる。
例えば最短、即日融資が可能としているところもあれば、融資までに数日は最短でもかかるところもある。
一刻も早く資金調達が必要だという場合は最短融資までのスピードを確認してほしい。
金利
金利次第で資金調達にかかるコストも変わる。
ビジネスローンは、担保や保証人を用意することなくスピーディーな資金調達ができる利便性がメリットだが、その分、金利は一般的な融資に比べて高くなりがちだ。
金利をよく確認せずに借入をしてしまうと、後に返済コストが経営を圧迫してしまう恐れがある。
僅かな金利の違いでも長期で考えると利払いのコストに差が出てしまう。後の返済のことも考えて金利はよく確認しておこう。
借入限度額
ビジネスローンには、それぞれ借入限度額が設定されている。
それぞれのビジネスローンには、借入限度額の上限が定められており、返済能力が十分あったとしてもローンに設定された上限以上の借入はできない。
ローンに設定された借入限度額の上限が低いと、資金調達の際に借入金できる額が不足してしまうことも考えられる。
そのため、ビジネスローンを選ぶ際には借入限度額についても確認しておきたい。
ただし、注意したいのが実際に借入できる上限額は審査によって決まる点だ。
ローン商品自体の上限が仮に1,000万円と設定されていても、誰でも上限まで借入できるわけではない点に注意してほしい。
それでも、ローンに設定された上限額以上の借入はできないため、資金調達する額が大きくなりそうな場合は、ローンの限度額には余裕がある方が使いやすいだろう。
申込条件
ビジネスローンにはそれぞれ申込条件がある。
例えば銀行系のビジネスローンの場合は、普通預金口座を持っていて取引実績があることが条件になっていたり、決算書が必要だったりすることもある。
他にも年齢や事業を営んで最低1年は必要としているところがあったりして、条件はローンごとに異なる。場合によっては担保や保証人が必要なこともある。
申込条件を満たさなければ当然、借入はできない。特にビジネスローンは各社それぞれ申込条件が異なる。そもそも申込ができるのかどうかも選ぶ際には確認してほしい。
来店の必要性
借入の際に来店が必要かどうかも確認しておきたい。ビジネスローンの中には、来店が必要なものと不要なものがある。
忙しい中、個人事業主や経営者が借入のためだけに来店するのは手間で時間もかかる。特に利用したい
ビジネスローンの店舗が近隣になければ不便だろう。来店不要なビジネスローンを選べば、手間もかからず時間も無駄にせずにすむ。
銀行のビジネスローンなら低金利で借りられる

ビジネスローンは大きく分けて銀行と消費者金融のものに分けられる。
銀行のビジネスローンのメリットは消費者金融に比べて低金利で借入ができる点だ。本記事では5つの特色ある銀行ビジネスローンを5つ選出した。
- GMOあおぞらネット銀行
- 楽天銀行
- 東京スター銀行
- 住信SBIネット銀行
- PayPay銀行
特に金利を重視して選ぶ場合、銀行のビジネスローンから選ぶと良いだろう。
GMOあおぞらネット銀行「あんしんワイド」:創業期でも赤字でも借入OK!
融資のスピード | 審査申込~お借入まで最短で2営業日 |
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金利 | 0.9%〜14.0% |
借入限度額 | 10万円〜最大1,000万円 |
主な申込条件 | GMOあおぞらネット銀行の法人口座を持っていること(個人事業主不可) 営利法人であること(会社の種類が株式会社・有限会社・合同会社・合名会社・合資会社) 日本の登記上の法人がある GMOあおぞらネット銀行の他のサービスで未収、延滞、その他利用制限がないこと その他詳細はこちら |
来店の必要性 | 不要 |
選ぶメリット | 決算書や事業計画書、担保、保証人が不要で審査できる 創業期や赤字でも借入可能 最短2営業日で申込可能 繰り返しの借入可能で返済自由(融資枠型) |
GMOあおぞらネット銀行の「あんしんワイド」は、融資枠型のビジネスローンだ。個人事業主は利用できないが法人ならば、おすすめだ。
融資枠型なら、カードローンのような形で借入可能な範囲内で自由に資金を借りたり返したりできる。
審査が必要なのは初回のみなので、借入の度に申込や審査などの面倒な手続きが要らないのもメリットだ。
ビジネスローンによっては、申込時に必要な決算書をはじめとした様々な書類の用意も不要。
創業期や赤字でも借入できるため、それらが理由で他のビジネスローンに申込できなかったところでも借入のチャンスがある。
融資のスピードは最短で2営業日。来店不要、24時間申込も可能と借入の際の利便性も高い。
申込もしやすく契約してからの資金調達にも便利な銀行ビジネスローンだ。
楽天銀行ビジネスローン
融資のスピード | 要問い合わせ |
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金利 | 固定・変動金利(要問い合わせ) |
借入限度額 | 100万円以上(10万円単位)1億円以下 |
主な申込条件 | 楽天銀行の普通預金口座を有している 決算書、確定申告書3期分 申込時に税金等の滞納、他金融機関からの借入の延滞がない 原則、担保と保証人が必要 |
来店の必要性 | 要問い合わせ |
選ぶメリット | まとまった資金調達におすすめ |
楽天銀行のビジネスローンは、まとまった資金調達向けのサービスだ。一般的にビジネスローンと言うと無担保、保証人なしでも申込できる。
しかし、こちらのビジネスローンでは担保、保証人が必要だ。
決算書または確定申告書も3期分の用意が必要と一般的なビジネスローンと冠されている商品に比べて、融資の条件が厳しい設定となっている。
ただし、借入限度額が高く1億円以下までとされている。ビジネスローンという名称ではあるが、一般的な銀行融資に近い形でのサービスと考えて良いだろう。
また、名称が似ている楽天スーパービジネスローン、楽天スーパービジネスローンエクスプレスについても解説する。
これらのローンは銀行ではなく楽天カードが提供しているビジネスローンだ。楽天グループの加盟店向けの法人・個人事業主専用のサービスだ。
しかし、2024年11月現在、新規の申込受付を停止している。事業用の資金調達を新規に考えている人は、別のビジネスローンを検討してほしい。
東京スター銀行「スタービジネスカードローン」:個人事業主でも利用できる!
融資のスピード | 審査に最短5日 |
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金利 | 年4.5%〜14.5% |
借入限度額 | 50万円〜1,000万円 |
主な申込条件 | 事業を営んでいる法人代表、個人事業主 申込時の年齢が満20歳以上〜契約時年齢満69歳以下 保証会社の保証を受けられる人 |
来店の必要性 | 不要 |
選ぶメリット | 個人事業主でも申込可能 無担保・保証人なしで調達可能 融資枠の中で自由に借入と返済が可能 |
スタービジネスカードローンは、法人だけでなく個人事業主でも利用できる銀行ビジネスカードローンだ。
融資枠の範囲内で事業資金を借入枠の範囲内で自由に借入・返済ができる。
東京スター銀行の店舗に来店、不要で契約できるため全国各地の法人・個人事業主にも利用しやすくなっている。
担保、保証人も不要で契約でき、毎年契約更新で満69歳まで継続利用できる点もメリットだ。
住信SBIネット銀行「事業性融資dayta」
融資のスピード | 最短当日借入可(住信SBIネット銀行の法人口座で借入条件のお知らせを受け取っている場合) |
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金利 | お客様ごと毎に申込前にお知らせ |
借入限度額 | 50万円〜3,000万円 |
主な申込条件 | 借入条件のお知らせを受け取れる法人(個人事業主不可・法人のみ) 住信SBIネット銀行の法人口座を一定期間利用するなど、条件を満たした法人がお知らせを受け取れる |
来店の必要性 | 不要 |
選ぶメリット | 毎月借入条件を知らせてもらえる 無担保無保証 書類準備や面談不要 最短当日の借入可能 |
事業性融資daytaは法人向けのビジネスローンだ。銀行初の「レコメンド型のトランザクションレンディング」という特徴がある。
住信SBIネット銀行の法人口座を利用し、借入条件のお知らせを受け取っている法人が利用できるサービスだ。
借入条件のお知らせは住信SBIネット銀行の条件を満たしていれば、毎月メールで知らせてもらえる。
利用している法人口座の日々の取引データをもとに、借入可能額や利率を受け取れる。そのため、毎月、借りられる金額や条件を把握できる。
借入をする際には、借入希望額と希望日をネットで入力して申込をする。審査に通れば最短当日の借入も可能だ。書類や面談不要でオンラインで完結できる点もメリットだろう。
PayPay銀行「ビジネスローン」:法人向けと個人向けあり!
法人向け
融資のスピード | ビジネスアカウントあり:最短翌営業日 ビジネスアカウントなし:最短5営業日程度必要※参照 |
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金利 | 1.8%〜13.8% |
借入限度額 | 10万円〜最大1,000万円 |
主な申込条件 | 代表者が日本国籍あり、または外国籍で日本での永住権あり 申込時に代表者が満20歳以上69歳以下 同じ事業内容で、会社の業歴が2年以上、または決算を2期終了している |
来店の必要性 | 不要 |
選ぶメリット | 融資枠の範囲内で借入と返済を繰り返しできる 来店不要で申込可能 必要書類原則不要 |
個人事業主向け
融資のスピード | ビジネスアカウントあり:最短翌営業日 ビジネスアカウントなし:最短5営業日程度必要※参照 |
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金利 | 1.8%〜13.8% |
借入限度額 | 10万円〜最大1,000万円 |
主な申込条件 | 日本国籍あり、または外国籍で日本での永住権あり 申込時に満20歳以上69歳以下 |
来店の必要性 | 不要 |
選ぶメリット | 開業したてでも申込可能 来店不要で申込可能 必要書類原則不要 |
PayPay銀行のビジネスローンには法人向けと個人向けが用意されている。
金利や最大借入限度額に違いはないが、法人向けはカードローンのように借入と返済を必要に応じて借入枠の範囲内でできる。
ただし、法人向けは申込条件が少し厳しく「同じ事業内容で、会社の業歴が2年以上、または決算を2期終了」と設定されている。
一方、個人向けは融資枠型ではないが、開業したてでも申込可能となっており借入自体はしやすい条件だ。
どちらも来店不要、必要書類(決算書など)も不要で申込ができる。
消費者金融のビジネスローンは即日融資も可能

消費者金融のビジネスローンの特徴は、銀行に比べて審査から借入までの期間が短いところにある。
最短で即日融資が可能なところもあるため、資金調達を急ぐときには検討してみてほしい。
ただし、銀行のビジネスローンに比べて金利は高めだ。本記事では特色ある以下の6社のビジネスローンを紹介する。
- AGビジネスサポート
- アコム
- プロミス
- レイク
- エスクローファイナンス
- ファンドワン
AGビジネスサポート「事業者向けビジネスローン」:個人事業主と法人どちらも申込可能!
融資のスピード | 最短即日 |
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金利 | 3.1%〜18.0% |
借入限度額 | 50万円〜1,000万円 |
主な申込条件 | 法人:75歳まで 決算書が必要 個人事業主:69歳まで 確定申告書と所定の事業内容確認書が必要 |
来店の必要性 | 不要 |
選ぶメリット | 最短で即日借入可能 来店不要 |
このビジネスローンは、法人、個人事業主どちらでも事業用資金の借入ができる。銀行系のビジネスローンに比べて早く借入できるのがメリットだ。
即日融資が可能で、しかも来店不要。そのためすぐにでも事業資金を借入なければいけないときにおすすめだ。
ただし、利用には法人ならば決算書、個人事業主ならば確定申告書と所定の事業内容確認書の提出が求められる。
また、AGビジネスサポートでは、事業者向けカードローンも提供している。
金利が5.0%〜18.0%、借入限度額が1万円〜1,000万円と事業向けビジネスローンと少し違いがあるが、融資枠の範囲内で借入と返済ができるので、資金調達の手段としてあっている方を選んでほしい。
アコム「ビジネスサポートカードローン」:アコムのカードローンから切り替え可能!用途も自由
融資のスピード | 最短即日 |
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金利 | 12.0%〜18.0% |
借入限度額 | 1万円〜300万円 |
主な申込条件 | 業歴1年以上の個人事業主‘(法人不可) 直近1期分の「確定申告書(第一表)(写し)」の用意 契約極度額が100万円超の場合は、青色申告なら直近1期分の「青色申告決算書(写し)」、白色申告なら「収支内訳書(写し)」の用意が必要 |
来店の必要性 | 不要 |
選ぶメリット | 個人向けのアコムのカードローンから切り替え可能 担保、保証人不要 最短即日融資可能 融資枠の範囲で借入と返済ができる 事業資金に限らずプライベートでも利用可能 |
アコムでは、個人事業主向けのカードローンを提供している。法人は申込できない。借入できる範囲内で借りたり返したりできる。
既に個人向けでアコムのカードローンから切り替えもできる。個人向けのカードローンのように事業資金の借入をしたい個人事業主におすすめだ。
借入にかかる期間も短く申込もしやすい。また、資金用途に関してもプライベート、事業用問わず利用できる。
プロミス「自営者カードローン」:事業資金以外にも使える!融資枠の範囲内で繰り返し利用可能!
融資のスピード | 最短即日利用可能 |
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金利 | 6.3%〜17.8% |
借入限度額 | 1万円〜300万円まで |
主な申込条件 | 年齢20歳以上、65歳以下の自営者の方 収入証明書(確定申告書、青色申告決算書または収支内訳書が必要) 事業実態を証明する書類が必要 |
来店の必要性 | 必要:電話または自動契約機で申込 契約は自動契約機で行う |
選ぶメリット | 事業資金に限らずプライベートでも利用可能 担保、保証人不要 融資枠の範囲で借入と返済を繰り返し利用できる 消費者金融の中では上限金利が低め |
プロミスの自営者カードローンは、自営業者向けのカードローンを提供している。法人は対象外だ。
一般向けのカードローンと同じ感覚で、借入限度額の範囲内で借入と返済ができる。
事業資金にもプライベートにも用途を問わずに借入金を利用できる点で、自営業者にとって使いやすい点がメリットだ。
また、消費者金融の中では、上限金利が少し低めに設定されているのも嬉しいポイントだ。
ただし、申込に関してはインターネットによる申込を受付していない。電話または無人機による申込のどちらかから選ぶ必要がある。
レイク「レイク de ビジネス」:カードローンのように利用可能で借入限度額が高め!
融資のスピード | 即日融資可能 |
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金利 | 4.5%〜18.0% |
借入限度額 | 1万円〜500万円まで |
主な申込条件 | 個人事業主:(満20歳~70歳)事業実態を確認できる書類が必要 |
来店の必要性 | 必要:SBI新生銀行カードローン自動契約機に来店して契約 |
選ぶメリット | 融資枠の範囲で繰り返し利用可能 即日融資可能 |
「レイク de ビジネス」は個人事業主向けのカードローンだ。借入枠の範囲内で繰り返し借入と返済ができるため柔軟に使える。
借入限度額の上限は500万円と高め。資金用途に関しては、事業性資金での借入に限られるためプライベートな用途の利用はできない点に注意しよう。
即日融資が可能なので、借入を急いでいる人におすすめ。ただし、契約には自動契約機で来店が必要だ。
エスクローファイナンス「ビジネスローン」:法人限定!まとまった資金調達向け
融資のスピード | 最短2日 |
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金利 | 2.00%〜8.00% |
借入限度額 | 要問い合わせ |
主な申込条件 | 法人限定 |
来店の必要性 | 要問い合わせ(電話、メール、FAXで申込可能) |
選ぶメリット | 大口融資のスピード対応 保証人、担保不要 |
エスクローファイナンス「ビジネスローン」は法人向けのビジネスローンだ。個人事業主は対象外なので注意してほしい。
また、融資枠型ではなく証書貸付のため、カードローンのような商品ではない。中小企業向けの規模の大きい資金調達をする際に検討するべき商品だろう。
大口融資のスピード対応と保証人・担保不要を強みとしている。中小企業の経営者で大口の借入を検討している場合は、直接、問い合わせてみるのがおすすめだ。
ファンドワン「事業者ローン」:最短即日融資も可能!運転資金を少し借入するならおすすめ
融資のスピード | 最短即日 |
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金利 | 10.00%〜18.00% |
借入限度額 | 30万円〜500万円 |
主な申込条件 | 法人であること 個人事業主は事業内容や収支状況によっては対応可能 決算書2期分(確定申告書)など必要書類あり |
来店の必要性 | 不要:申込はメールまたは電話 |
選ぶメリット | 保証人と担保不要 全国どこからでも申込と利用可能 最短即日利用可能のスピード融資 |
ファンドワンは事業者向けの貸金業者だ。不動産担保融資や売掛債権担保融資など、まとまった資金調達ができる各種ローンを提供している。
しかし、「事業者ローン」に関しては原則、無担保・保証人なしでも利用できる。
融資の対象は基本的に法人向けだが、事業内容次第では個人事業主の相談にも応じてくれる。
法人で運転資金を少し借入したいというケースでおすすめのローンだ。来店不要で即日融資にも対応しているため急ぎの資金調達の際に検討してみてほしい。
ビジネスローンは事業資金を調達するためのローン商品

ビジネスローンは事業資金の調達を目的としたローンだ。
用途は事業資金に限られており、運転資金の調達や設備投資など事業に関係したことにのみに限定されるのが一般的だ。
銀行融資でも資金調達はできるが、審査が厳しかったり時間がかかったりする。銀行融資との違いを比較すると以下の通り。
審査から借入 | 金利 | 担保・保証人 | 借入できる額 | |
---|---|---|---|---|
ビジネスローン | 早い | やや高い | 原則不要 | 1,000万円が上限のところが多い |
融資 | 時間がかかる | 低め | 必要なケースが一般的 | 大きな資金調達も可能 |
ビジネスローンは融資に比べると借入の時間や手間がかからない。そのため急な資金調達に向いている。
その代わり金利は融資に比べて高い。そのため早めに返済しないと利払いのコストが高くなってしまうデメリットがある。
一方、融資は審査から借入まで時間はかかるが、大きな資金調達ができて金利もビジネスローンに比べれば低く抑えられる。
そのため長期的な借入、まとまった資金調達が必要なときに向いている。
こんなときにおすすめ | |
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ビジネスローン | 急な資金調達 担保、保証人の用意が難しいとき 審査の通りやすさを重視するとき |
融資 | まとまった資金調達が必要なとき 担保、保証人を用意できるとき 長期的な借入が必要なとき |
同じ資金調達手段でも用途が異なる。状況に応じた使い分けが大切だ。ビジネスローンと言う名称であっても融資に近いサーブスも存在するため一般的な傾向として理解してほしい。
ビジネスローンと法人向けカードローンは何が違う?

本記事の銀行と消費者金融のビジネスローンの紹介では、法人向けカードローンもビジネスローンに含めて紹介した。
しかし、ビジネスローンと法人向けカードローンでは厳密には違うため分かりやすいように違いと使い分け方を紹介する。
ビジネスローンと法人向けカードローンの違い
金利や融資のスピードなど個別具体的な部分は、ビジネスローンも法人向けカードローンそれぞれ業者によって異なる。
そのため一概に審査までのスピードや金利、限度額については個別具体的にみる必要がある。ただ、2種類のローンを提供しているAGビジネスサポートの例が参考になるので紹介する。
法人向けの比較
ビジネスローン | カードローン | |
---|---|---|
融資までのスピード | 最短即日融資も可能 | 最短即日融資も可能 |
審査基準 | 不明 | 不明 |
借入限度額 | 50万円〜1,000万円 | 1万円〜1,000万円 |
金利 | 3.1%〜18.0% | 5.0%〜18.0% |
総量規制 | 関係なし | 関係なし |
大きな違い | 借入は1回 | 限度額の範囲で繰り返し借入可能 |
ビジネスローンの方が最低借入額が高く、金利を低く設定できる可能性があることが分かる。
一方、カードローンは最低借入限度額が低い代わりに最低金利は高めに設定されている。その代わり何度も繰り返し借入できる点で融通がきく点にメリットがあるだろう。
また、AGビジネスサポートではどちらも上限1,000万円だが、法人向けカードローンの中には1億円借入できるところもある。
法人向けカードローンの上限は各社高くても1,000万円程度だが、ビジネスローンに関してはよりまとまった資金を調達できるものもある。
当然、法人向けカードローンでは到底、借入できないような額をビジネスローンで調達する場合、審査はより慎重に厳しくなるはずだ。
使い分け方
ビジネスローンと法人カードローンの特徴から、以下のような使い分けが考えられる。
使い分け | |
---|---|
ビジネスローン | 資金を一度で調達するとき 事業用資金でも用途が明確に決まっているとき 金利を少しでも下げたいとき(融資よりは高い) |
法人カードローン | 資金を必要に応じて繰り返し調達したいとき もしものときの備えにしたいとき |
ビジネスローンは資金を一度に調達したいときに向いている。通常の融資とは異なり担保、保証人なしで借入できる点がメリットだ。
一方、法人カードローンは必要に応じて繰り返し資金を調達したり、もしもの備えにできたりと使い勝手の良さがメリットだ。
ただし融通がきく分、金利が高めで、上限額も事業用途としては低めの設定だ。用途に応じて合っている方を選ぶと良いだろう。
ビジネスローンのメリット

ビジネスローンには、事業者にとって大きなメリットがいくつか存在する。ここでは、主要なメリットを3つに分けて詳しく解説する。
融資スピードが速い
ビジネスローンは融資のスピードが比較的早く、最短で即日、遅くても1週間〜10日程度で融資が受けられる。
これに対して、日本政策金融公庫などの公的融資や銀行融資では金利が低いものの、審査に2週間から1ヶ月程度かかることが一般的だ。
どうしてもすぐに資金を確保したい場合は、ビジネスローンを利用するのがおすすめだ。
原則無担保・無保証人で申込できる
ビジネスローンは原則として、無担保・無保証人で申込が可能である。
一部、不動産や売掛債権を担保にするローンも存在するが、多くの金融機関では担保や保証人を求められない。
中小企業や個人事業主の場合、賃貸の事業所しか持っておらず、担保にできる不動産がない・保証人が確保できないケースが多いため、ビジネスローンが有効に活用しやすい。
総量規制の対象にならない
総量規制とは「個人が借入できる金額は年収の3分の1まで」という規則のことである。これは、貸金業法で定められたものだ。
ただ。企業が借入をする場合は総量規制は適用されず、個人事業主が借入する場合でもビジネスローンであれば問題なく利用できる。ビジネスローンは総量規制の対象外となるからだ。
このような特性により、既に他の会社で年収の3分の1まで借入していても、ビジネスローンであれば追加資金を調達できる。
このようにビジネスローンは事業拡大時や緊急で資金が必要になった時に使いやすいサービスであり、事業者からの人気が高いのだ。
ビジネスローンのデメリット

ビジネスローンにはメリットだけでなく、デメリットもある。具体的にどのようなデメリットがあるのか3つに分けて解説していく。
金利が高い
ビジネスローンは、他の融資方法と比べると金利が高い傾向にある。
通常の融資であれば、最近では1%未満の金利で借入できるところもあるが、ビジネスローンは5%〜18%という高金利が設定されていることが多い。
特に返済期間が長くなれば、利息が大きく膨れ上がってしまう。そのため、ビジネスローンの借入をする際は慎重に金額を調整する必要がある。
借入可能額が低い
公的融資や銀行に比べて、ビジネスローンの融資額は少額となる傾向にある。公的融資や銀行融資の借入限度額は数千万円〜1億円と大きな金額に設定されていることが多い。
一方で、ビジネスローンは、数十万円〜数百万円に留まることが多い。高額融資を受けたい場合は、ビジネスローンだけでは不足する可能性があるので注意が必要だ。
銀行の融資を受ける際に影響が出ることがある
ビジネスローンで借入をした場合、事業者や個人事業主は決算書に借入先を記載しなければならない。
一部の銀行はビジネスローンに対して否定的な印象を持っていることがあり、ビジネスローンの利用が銀行融資の審査に悪影響を与えることがある。
将来的に銀行融資を考えている事業者は、ビジネスローンの利用を慎重に考えるべきと言える。
ビジネスローンの審査基準は厳しい?即日融資の方法とは

事業用の資金調達を目的としたビジネスローンは一般的に、個人向けのカードローンに比べると審査が厳しいと考えてよい。
ビジネスローンの審査基準が厳しい理由と即日融資に向けて気をつけるべき点を紹介する。審査基準の厳しさを理解した上で申込にのぞんでほしい。
ビジネスローンの審査基準が厳しい理由
基本的にビジネスローンは一般的なカードローンに比べて、審査基準は厳しいと考えた方が良い。
ビジネスローンは、調達できる資金が大きい。そして金利も条件次第で個人向けのローンに比べて低い設定にできる。
調達できる資金が大きく金利が低くなると、その分、貸倒れのリスクを考慮すると銀行や消費者金融は返済能力を確認する必要があるため審査基準が厳しくなる。
また、事業用資金に対する貸付ということで申込の際に事業計画書や決算書などを求められることが多い。
しかも、2期分、3期分と求められることもあり、事業実績を様々な観点から評価されることになる。
法人向けカードローンに関しても決算書や確定申告書などを提出の上、事業実態を様々な観点から評価される。
ビジネスローンと同様に審査の基準は一般向けのカードローンより厳しいと考えて良いだろう。
即日融資を受ける際に気をつけるべきこと
ビジネスローンの即日融資を希望する場合は以下のポイントに気をつけてほしい。即日融資に限らず迅速な借入をするなら同様に参考になるはずだ。
- 来店不要かどうか
- 融資までにかかる期間の確認
- 必要書類をすぐに提出できるようにしておく
- 早めの時間帯に申込手続きを済ませる
ビジネスローンによって契約までに、来店が必要かどうかを確認しよう。
特に近隣に申込先の営業所などがなければ来店して契約から借入をするだけでも時間がかかってしまう。
また審査の期間も金融機関によって違いがある。特に即日融資を希望するなら、即日融資対応可能なところに申し込むことが前提となる。
審査から申込にかかる期間が最短でどのくらいかかるかも、迅速な借入では重要だ。
また、ビジネスローンは事業計画書や確定申告書などの提出を求められることが多い。
そのため、申込に必要な書類をすぐに提出できるように普段からしておくことも迅速な借入でやっておくべき下準備だろう。
そして、即日融資となると借入先の金融機関の営業日までに申込から審査、契約、借入までの一連の手続きを全て済ませる必要がある。そのため早い時間帯に申込を済ませてほしい。
ただし、即日融資にばかりこだわり過ぎるとビジネスローンの選択肢は狭くなってしまう。借入条件のことも考えて総合的に借入先は検討してほしい。
ビジネスローンそれぞれの違いを理解して、適切な借入先を選ぼう!

事業資金の調達に便利なビジネスローンについて解説した。ビジネスローンと一口に言っても、種類は様々だ。
金利の低い銀行のビジネスローンもあれば、即日融資に強みがある消費者金融のビジネスローンもある。
また、借入ごとに契約をする一般的なビジネスローンだけでなく、融資枠の範囲内で何度も借入と返済ができるカードローンタイプのビジネスローンもある。
それぞれ、一長一短なので自身の状況に応じて上手く借入先を選択できるようにしておくことが、資金調達を上手くできるかどうかを左右する。
融資のスピード、金利、借入限度額、申込条件、来店の必要性の有無など本記事で紹介した観点も参考に自分に合ったビジネスローンを探してほしい。
また、ビジネスローンは一般的に審査が厳しく事業の実態を証明できる書類を求められることも多い。
そのため普段から借入に必要な書類を整理してすぐに提出できるようにしておくと迅速な借入をしやすくなるはずだ。