近年、「オルタナティブ投資」という株式や債券以外への投資手段が注目を集めている。
投資チャンスの拡大やリスク分散といったメリットがあり、非常に魅力的な投資手段だ。
オルタナティブ投資のメリットを理解して、自身の運用にも取り入れることをおすすめする。
この記事では、オルタナティブ投資の基本的な特徴と3つのメリットを解説していく。
本記事を参考にして、オルタナティブ投資を自身の運用ポートフォリオに組み込むことを検討してみよう。
オルタナティブ投資とは?
オルタナティブ投資とは、株式や債券などの伝統的な投資手法とは違う「代替的な投資手段」のことを指す。
不動産投資やプライベートエクイティ(未公開株式)、ヘッジファンド、コモディティ(商品)などのあらゆる投資手法が、オルタナティブ投資に該当する。
従来、「投資」と言えば株式や債券を取引し、売買差益や利子・配当などを収益として得る方法が一般的であった。
しかし、株式や債券は相場の変動に影響を受けやすく、市場が下落している局面ではリターンを獲得しにくいというデメリットがある。
市場が下落しているときでもリターンを得られる投資先を求めた結果、従来の投資手法に「代替する」投資先として誕生したのがオルタナティブ投資だ。
こうした背景で登場してきたオルタナティブ投資だが、近年は年金の運用にも用いられている。
例えば、日本の公的年金の運用を行う「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」では、2020年度から始まった第4期中期計画で「資産全体の5%を上限としてオルタナティブ資産を運用すること」が定められている。
また、海外でも多くの年金基金や機関投資家がオルタナティブ投資を運用に組み込んでいる。
世界中の投資家から注目を集める「オルタナティブ投資」のメリットを理解した上で、自身の運用にも取り入れていこう。
オルタナティブ投資の3つのメリット
オルタナティブ投資のメリットは、主に以下の3つが挙げられる。
- 投資チャンスを拡大できる
- リスク低減効果が得られる
- 市場の下落局面でも利益を狙うチャンスがある
1つ目は、オルタナティブ資産によって投資のチャンスが拡大できるという点だ。
従来の株式や債券だけに投資していると、どうしても収益を得るチャンスが限られてしまう。
しかし、オルタナティブ投資を活用することで、さまざまな資産クラスへの投資が実現できる点がメリットだ。
特に、近年では初心者でも運用しやすいオルタナティブ投資の手法が広まっている。
例えば、不動産に間接的に投資できる「J-REIT」や、コモディティ(商品)の取引ができる「コモディティ・ファンド」など、機関投資家や富裕層でなくても投資機会を得られる。
これまで取引が難しかった投資対象を選択できるようになったことで、投資チャンスが拡大している点がオルタナティブ投資のメリットだ。
2つ目は、リスク低減効果が得られるという点である。
投資においては「卵は一つのカゴに盛るな」という格言がある。
一つのカゴだけに卵を盛っていると、そのカゴを落としたときに卵がすべて割れてしまうため、複数のカゴに盛ってリスクを分散しようという教訓だ。
投資も同様に、一つの投資先だけに資金を投じるのではなく、複数の投資先に分散することが重要となる。
特に、オルタナティブ資産は、株式や債券とは異なった価格変動の性質を持つ。
株価や債券価格が下落しても、同じようにオルタナティブ資産の価格が下落するケースが少ないため、高いリスク分散効果を得られる。
保有資産全体のリスクを低減させられる点も、オルタナティブ投資のメリットと言える。
3つ目は、株式や債券の市場が下落局面であっても利益を狙うチャンスがあるという点だ。
オルタナティブ投資には、先物やオプションといった「金融派生商品」の取引も含まれる。
仮に市場が下落している局面であっても、先物やオプションなどの高度な金融取引を用いることでリターンを狙うことができる。
また、オルタナティブ資産の中には市場の影響を受けにくい資産もある。
株式市場や債券市場が不安定な相場となっていても、オルタナティブ資産でリターンを狙える可能性があるのだ。
市場の価格変動に左右されずに投資ができるという点も、オルタナティブ投資の魅力と言えるだろう。
このようにオルタナティブ投資には、従来の株式や債券にはないメリットが存在している。
メリットや特徴を十分に理解した上で、自身の運用にオルタナティブ投資を取り入れることを検討してみよう。
ポートフォリオにオルタナティブ資産を組み込もう
オルタナティブ投資には、投資チャンスの拡大やリスク分散などのメリットが多い。
運用ポートフォリオに組み込むことで、効率的な資産運用が実現できる。
例えば、これまで株式や債券を中心に運用していたのであれば、「J-REIT」を組み込むことで不動産からのリターンを得られるようになる。
株式や債券で損失を抱えても、不動産で利益が出ていれば損益の相殺が可能だ。
また、景気動向に左右されにくいインフラに投資できる「インフラファンド」もおすすめの投資先である。
不景気で株式や債券の市場が不調であっても、安定的なリターンを得やすい。
しかし、メリットが多い一方で、デメリットが存在することも忘れてはいけない。
オルタナティブ投資の対象となる金融商品の中には、仕組みが複雑で分かりにくい商品が多くある。
また、不動産やヘッジファンドなどは流動性が低く、すぐに現金化できないという短所もある。
こうしたデメリットを踏まえると、自身でオルタナティブ資産を運用に取り入れるのは難しいケースもあるだろう。
そこで、自身の資産運用について「IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)」に相談することを考えてみよう。
IFAとは、特定の金融機関に属さない中立な立場で、資産運用に関するアドバイスをする専門家のことだ。
豊富な知識や経験をもとに、ライフプランに適した資産設計のアドバイスを受けることができる。
通常の証券会社や銀行では、自社の利益を優先させるケースも出てきてしまうが、IFAは自社で商品を持つわけではないため、徹底した顧客目線で適した商品を紹介してもらえる。
株式や債券、オルタナティブ資産への投資だけでなく、相続、贈与などの複雑な問題にも対応可能だ。
自身の資産運用で相談したいことがある人は、IFAに相談することを視野に入れてみよう。
まとめ
オルタナティブ投資とは、株式や債券などの伝統的な投資の「代替的な」投資手法のことだ。
投資チャンスの拡大やリスク分散などのメリットがあり、運用ポートフォリオに組み込むことで効率的な資産運用が実現できる。
また、資産運用をやってみたいが、どの様にして運用して良いか悩んでいる人も多いだろう。
最近、「よく分からないまま資産運用をして何百万円も損をした」という話をよく聞く。そんな時は、
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