定年を機に資産運用を始めよう。と、考えている人は多いはず。現役で仕事をしているうちは、忙しくて運用どころではない、なんていう人も多いだろう。また、退職金でまとまった資金が出来たのでそれを元手に運用を始めよう、と考えている人も多いはず。
しかし、そこには恐ろしい落とし穴が潜んでている…
今回はあなたの大切な老後の生活と資金を守るための秘訣とお勧めの運用方法を説明しよう。
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気を付けたいポイント
欲張らずにローリスク・ローリターン
60歳からの資産運用の大前提として欲張らずにローリスク・ローリターンを心掛ける。なぜなら、投資には絶対はないためだ。
会社を退職して、退職金が入り、いきなり大きな資金が手元にある。気持ちが大きくなる気もわからないでもないが、人生はこれから20~30年と続くので、先を見据えて落ち着いて運用と向き合おう。
ハイリスク・ハイリターンの商品は避けて、安定した商品でコツコツと運用をしていこう。
ポートフォリオで分散投資 100―年齢
欲張らずにローリスクで安定定期に運用することは前述したが、もう一つ大事なことがある。それは、分散投資だ。同じ商品ではなく、違った商品に投資をする、という事だ。複数の商品に投資をしていると、A商品は下落をしているが、B商品は上昇している、とこのように異なる資産に投資をすることでリスクヘッジに繋がる。
この分散投資は「ポートフォリオ」と呼ばれている。具体的には株式、債券、投資信託、金や不動産投資信託(REIT)などに資産を配分することだ。基本の比率は 株式:債券 = 50:50、を参考に自分なりの最適な組み合わせを見つけて欲しい。ちなみにこの基本の比率はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、私たちの厚生年金や国民年金の管理と運用を行っている機関が採用している。
また、年齢によってリスクの高い株の組入れ比率を決める方法がある。その計算式は「100-年齢=株の組入れ比率」だ。
例えば、今の年齢が30歳であれば100-30=70となり資産の70%が株の比率となる。また、60歳であれば、100-60=40となり、資産の40%まで株の比率を落とすといった方法だ。
しかし、これが必ずしも最適というわけではなく、一人一人資産状況が異なるため、あくまでも一つの参考基準として考えてほしい。そして、株の比率が少し高いなと感じたのであれば減らすというように、それぞれ自分に合ったポートフォリオを見つけて欲しい。
また、一度決めたら終わりではなく、投資環境、資金の状況やライフイベントに応じてポートフォリオを機動的に見直して、定期的に点検を行うことが大切だ。
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お勧めの金融商品
株式投資
リターンには値上がり(キャピタルゲイン)と配当(インカムゲイン)の二種類がある。株式の醍醐味は銘柄選定。大きく値上がりする銘柄を当てると資産を大きく増やすことも出来るが、その逆もまたしかり。60歳からの資産運用ではローリスク・ローリターンでインカムゲインを中心に優良企業の高配当株式に投資をしよう。
電鉄・商社・医薬品・金融などの業種は高配当株式が多いのでチェックしてみよう。
投資信託
プロの金融機関が運用を担ってくれるので初心者も安心と言われている投資信託。
手軽に少額から分散投資が出来る商品であり、組込まれている商品が債券、株式、不動産などタイプが分かれている。一番ローリスクは債券メインの債券型、リターンを追求するなら株式中心の株式型、その間はバランス型と言うように、組入れ商品によって分類されている。
注意点としてはコスト面。プロに運用を任せる分、信託報酬と言う運用管理費用が掛かる商品が大半だ。
ファンドラップ
まとまった資金ならファンドラップも選択肢の一つとして検討して良いだろう。複数の投資信託を組み入れてポートフォリオを作成し分散投資を行う。前述の株式投資、投資信託と決定的に違う点は投資一任契約を金融機関と結ぶことだ。つまり、運用に関することは全部金融機関にお任せします、というフルサービス型の商品だ。
あなたは最初にアンケートに答え、リスク許容度や資産運用に対する意向を伝える。そのアンケートを基に、あなたの意向に合うように金融機関が複数の投資信託を選定し分散投資を行う。
その後の管理、定期的な運用報告、更にはリバランスといって組入れ銘柄の見直し作業も行ってくれるのだ。注意点としてはフルサービスであるゆえにコストが掛かる。投資信託の信託報酬にプラスしてファンドラップの運用コストが徴収される費用体系が基本的だ。
60歳からの運用で失敗しないために
前述したように60歳からの資産運用には様々な商品がある。また、老後の資金の運用というのがプレッシャーになって、なかなか一歩が踏み出せない、という方も多いはずだ。そんな時は是非、専門家に相談して欲しい。
特に中立的な立場からアドバイスをしてくれるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)がお勧めだ。
彼らはもともと、銀行や証券会社で勤務していた人が大半だ。理不尽なルールに縛られず、より客観的な立場から顧客本位の営業をしたいと、IFAになった人が大半である。その為、知識や経験が豊富で、さらに志が高く、あなたの意向や目標を汲み取った提案をしてくれるのではないだろうか。
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