- 債券投資を始めてみたいが何から手をつければいいかわからない
- 債券投資の基本を理解したい
- 債券の選び方がわからない
債券は、定期的な収益が見込めるうえ、リスク分散の役割も果たすため、長期運用を重視する投資家にとって魅力的な選択肢の一つとなっている。
とはいえ、「償還」「額面」「クーポン」など専門用語が多く、構造もやや複雑だ。
投資対象として興味を持ったとしても、「とっつきにくい」と感じて手を出せない人もいるだろう。
本記事は、そうした「債券投資へのハードル」を感じている人に向けた、債券投資の基本をわかりやすく示すガイドである。
仕組みや種類といった基本情報から始め、債券を選ぶ際の注目ポイントや選定の基準、さらには具体的な投資の始め方まで網羅的に紹介する。
ぜひ最後まで読み進め、債券投資に役立つ知識の土台としてご活用いただきたい。
債券とは?基本をおさらい
債券は、国や企業などの「発行体」が資金を調達するために発行する、「借用証書」のようなものである。
発行体は満期が来たら、”借りた”金額をそのまま返す義務を負う(額面償還)。
また、一般の借金と同じように、お金を貸してくれる側(投資家)に対して利息を支払う。
債券発行から買い戻し(償還)までの一連の流れは、以下のとおりだ。
- 発行体は、資金を得るために市場で債券を発行する
- 発行体は、一定期間ごとに利息(クーポン)を支払う
- 発行体は、満期になると額面を投資家に償還する
同じ仕組みを投資家の視点で見ると、以下のようになる。
- 投資家は、証券会社を通じて債券を購入する
- 新たに発行される債券(新発債)は、額面で購入する(※)
- すでに市場に出回っている債券(既発債)は、市場価格で購入する
- 投資家は、保有期間中に定期的に利息を受け取る
- 投資家は、満期前なら保有債券を市場で売却できる
- 投資家は、満期を迎えたら元本(額面)を受け取る
- 多くの新発債は、額面金額で発行されるが、市場環境や債券の種類によっては、プレミアム発行やディスカウント発行が行われる場合もある
満期まで保有すれば、原則として元本が返済される。ほぼ元本保証に近い効果を得られつつ、利子収入を狙える点が、債券投資の魅力と言える。
ただし、発行体が倒産や破綻に至った場合は、元本割れする可能性がある。
また、満期前に売却する場合、市場価格が購入時より下回っていればキャピタルロス(売却損)が生じることにも注意が必要だ。
債券の種類と特徴

債券は、発行体や発行通貨、利子の形態などで分類できる。
発行体による分類
債券は、発行する主体によって分類できる。たとえば国が発行した債券は「国債」で、トヨタが発行した債券は「社債」だ。
以下の3種類が代表的だが、ほかにも政府機関や国際機関、銀行などが発行体となる。
種類 | 定義 | 特徴 |
---|---|---|
国債 | 国が発行する債券(日本国債や米国債など) | 信用度が高く、安全性が高い一方、利回りは低め |
地方債 | 地方自治体が発行する債券 | 地方公共団体の財政状況に左右されるが、比較的安全性は高い |
社債 | 企業が発行する債券 | 発行体の信用リスクを負うため、利回りは国債より高め |
発行通貨に基づく分類
また、発行通貨や発行国によっても分類できる。たとえば、英国で発行された債券は、「英国債」「ポンド建て債券」と呼ばれる。
種類 | 定義 | 特徴 |
---|---|---|
円貨建て債券 | 日本円で発行される債券 | 為替リスクはなく、総じて金利は低め 少額から投資できる「個人向け国債」もある |
外貨建て債券 | 日本円以外の通貨で発行される債券 | 為替レートの変動で円換算額が変化し、利回りは発行国の金融政策や経済状況に左右される 日本より金利水準が高い国なら、高い利息を得られる可能性がある |
利払い形態による分類
債券は、利息の支払い形態によっても分類できる。以下では代表的な3つの形態を紹介する。
種類 | 定義 | 特徴 |
---|---|---|
固定金利債 | 利率が発行時に決定され、満期まで固定される債券 | 金利が一定であるため、将来の利息収入を予測しやすい 市場金利が上昇しても、既発の固定金利債の金利は変わらない |
変動金利債 | 市場金利や指標金利(TIBOR、LIBORなど)に 連動してクーポンが変動する債券 | 市場金利が上昇すれば利息収入は増加するが、下落すれば利息収入も下がる 一般的に固定金利債より金利リスクが抑えられることが多い |
ゼロクーポン債 | 額面金額よりも低い価格(ディスカウント)で発行され、満期に額面で償還される債券 | 額面より安く購入して額面が戻るので、「購入時の割引率=リターン」となる。ただし、定期的な利息はない 途中売却する場合の価格変動リスクが大きくなりやすい |
債券選びのポイント

ここからは、債券を選ぶ際のポイントを整理しよう。どこを見るべきかがわかると、債券投資がより身近なものに感じられるはずだ。
債券選びで注目すべきポイント
債券を選ぶときに確認していただきたいのは、以下の7つのポイントだ。
1. 利率と利回り
債券投資をする場合、もっとも気になるのが「一体いくらくらい儲かるの?」という点だろう。
これを見るための指標が「利率」と「利回り」だ。たとえば、第158回利付国債(20年)では、次の数値が示されている(2025年1月16日時点)。
- 利回り(税引前・単利):1.360%
- 利率(税引前):年0.500%
「この投資でいくら儲かるの?」が知りたいときは、この2つのどちらを見れば良いのだろうか。
この疑問を解決するには、まず利率と利回りの違いを理解しておく必要がある。
- 利率(クーポンレート)
- 「利息をどのくらいを受け取れるか」を示す「名目上の数字」
- 債券発行時点から固定されているものが多い
- 額面金額に対するパーセンテージとして表現される
- たとえば「額面100万円、利率3%」の債券なら、100万円に対し年3万円の利息を支払う
- 利回り(イールド)
- 「実際に投資家がどれだけの収益を得られるか」を示す指標のこと
- 「債券を購入した価格」と「実際に受け取れる利息や償還金額」を勘案して算出される
- 利率が同じだったとしても、購入や売却の時点での価格が異なれば、実質的な収益率(利回り)は高くなったり低くなったりする
端的に言えば、利率は「名目上の金利」で、利回りは「投資家目線での収益率」と言える。
たとえば、前掲の第158回利付国債(20年)を100万円分購入した場合、単純計算では年1.36万円(100万円×1.36%)ほどの利息を受け取れることになる(実際には税金や手数料が差し引かれる)。
ざっくり「いくら?」が知りたいのなら、利回りを見ると良い。
2. 発行体と格付け
債券投資でもっとも怖いのは、投資金額がまったく戻ってこないという状況だろう。
発行体が債務不履行(デフォルト)に陥るリスクを避けるためにも、発行体の信用リスクの見極めは欠かせない。
信用リスクを推し量るうえで参考になるのが、信用格付会社(S&P、Moody’s、R&Iなど)の「格付け」である。
格付けとは、格付会社が発行体の債務返済能力をランク付けしたもので、「AA+(ダブルエープラス)」「BBB(トリプルビー)」などの表記が用いられる。
- 一般的に「投資適格債」とされるのは、BBB以上の格付けを得ている債券
- 高格付けの債券ほどデフォルトリスクは低く、そのぶん利回りも低めになる
- 格付けが低め(たとえばBB以下)であったり、格付けが付与されていない発行体(新興国政府の債券など)では、リスクは高いが利回りも高い
債券選定の際は、「安全性をどこまで求めるか」「どの程度の利回りを狙いたいか」を考えつつ、発行体とその格付けを確認することが重要になる。
3. 額面金額と債券価格
価格も、債券を選ぶ際に注目したいポイントだ。
とくに途中売却を視野に入れている場合は、どの価格で売買が行われるかをしっかり把握しておきたい。
債券には、「額面金額」と「債券価格」という2つの価格が存在する。
- 額面金額(フェイスバリュー)
- 発行時に設定される元本を指し、通常は1万円、10万円、100万円などの単位で設定される
- 債券価格(市場価格、マーケットバリュー)
- 市場で実際に売買される価格である。需要・供給や市場金利などの要因によって変動する
新発債を額面で購入し、額面償還を受けるなら、債券価格はあまり気にならないかもしれない。
しかし、既発債を購入するときや途中売却するときは、債券価格にも注目すべきだ。
既発債の価格は、金利環境や需要・供給のバランスによって、額面より安いディスカウント価格になったり、額面を上回るプレミアム価格になったりするからだ。
投資家が最終的に重視すべきなのは、「債券取得にいくら支払い、満期あるいは売却時点でいくらを受け取れるか」という部分である。
実質的なリターン(購入価格と償還・売却金額の差額に、受け取る利息を加味したリターン)をシミュレーションしながら、投資判断を行うことが望ましい。
4. 償還期限
満期(償還期限)の長さも、債券選びには欠かせない視点だ。債券の償還期限は、その利回りや価格に大きく影響する要素だからだ。
- 債券は償還期限によって短期債(償還期限が1〜2年未満)、中期債(2〜10年程度)、長期債(10年以上)などに分類される
- 償還期限が短い債券ほど価格変動リスク(とくに金利リスク)は小さいが、利回りも低めに設定されがち
- 長期債は高めの利回りを得られる可能性があるものの、市場金利が上昇すると価格が大きく下落しやすい
投資家は、どのくらいの期間資金を拘束しても問題ないか、あるいはいつごろ資金が必要になるのか、といったライフプランやキャッシュフローを踏まえて償還期限を選ぶべきである。
また、それぞれの特徴を総合的に判断し、自分の投資目的やリスク許容度に合致する期間を選ぶことが望ましい。
たとえば、短期債なら金利環境の変化に対応しながら頻繁にロールオーバー(再投資)しやすい。一方で長期債は、長期の利率を固定できる利点がある。
5. 発行通貨
どの通貨で発行された債券かも、確認しておくべきポイントだ。円貨建てか外貨建てかで、リスクの度合いは大きく変わる。
- 円建てなら為替リスクを負わないが、金利水準は低く設定されることが多い
- 外貨建て債券は高金利国の利回りを取り込みやすいが、為替変動による損益のブレが大きくなる
結局、国内通貨か海外通貨か、どちらを重視するかは投資家のリスク許容度や為替相場の見通しによる。
単に利回りの数値だけを比較するのではなく、為替リスクや為替手数料といった要素も含めたうえで検討することが大切だ。
6. 手数料
債券投資においても、手数料の確認は欠かせない。債券を取引する際には、売買手数料や為替手数料(外貨建ての場合)などが発生する。
- 新発債では手数料がかからないケースもある
- 既発債の売買では、売買手数料が発生することが多い
- 外貨建てでは、通貨交換の際に為替手数料がかかるのが一般的
たとえクーポンが高い債券を選んでも、為替手数料や円高リスクなどを考慮すれば、最終的な利回りが思ったほど伸びないこともある。
手数料率は商品や証券会社によって異なるため、複数社を比較し、総合的に判断することが重要だ。
7. 新発債か既発債か
債券を購入する際には、「新発債」と「既発債」のどちらを選ぶかも大きなポイントとなる。
- 新発債は、額面金額で取得できるケースが多く、理解しやすい
- 既発債は、市場価格が常に変動している。額面より安く購入できれば利回りを高められるが、そのぶん価格変動や利回り計算が複雑になる
投資家としては、発行体の格付けや市場金利を踏まえ、「有利な条件の既発債はないだろうか」あるいは「シンプルに新発債を額面で購入して、長期保有するほうが良いか」を検討すると良い。
投資目的ごとの債券選びのポイント
どのような債券が適切かは、投資家の目的や運用方針によって異なる。
基本としては「どれだけリスクを取れるか」や「どの程度の期間資金を拘束しても問題ないか」を十分検討したうえで、総合的に判断すべきだ。
長期的な安定収益を重視する場合
長期的な安定収益を求めるなら、信用リスクが低めの債券(たとえば国債や高格付けの社債など)を選び、満期まで保有するのが基本である。
これにより、比較的安定したクーポン収入を得られ、価格変動リスクを抑えられるからだ。
また、償還期限は、家計への負担や生活資金との兼ね合いを考慮し、数年スパンで支障のない範囲の中長期債を選ぶと良い。
為替リスクを避けるのであれば円建て商品を中心に組み入れ、少し利回りを上げたい場合は、為替リスクを理解したうえで外貨建て債券を部分的に加えるのも一案である。
高い利回りを狙いたい場合
より積極的に利回りを追求するなら、新興国債券やハイイールド社債などを検討する選択肢がある。
これらは利回りが高い反面、信用リスクや為替リスクも大きいため、資産全体のうち限定的な割合に留めることが賢明である。
金利環境を読んで既発債が価格下落しているタイミングを狙い、キャピタルゲイン(売却益)を狙う手法もある。
金利上昇局面の動向が把握しづらいと感じるなら、変動金利債を検討することで、金利リスクをある程度抑えられることもある。
債券投資で知っておくべきリスク

債券投資には主に、金利リスク、信用リスク、流動性リスクがある。外貨建て債券の場合は、これに為替リスクが加わる。
金利リスク
金利リスクとは、世の中の金利が変動したときに、債券の価格が上下してしまうリスクのことである。
金利が上がると、利率の低い既発債の魅力は相対的に下がり、価格が下落しやすくなる。
この仕組みを、簡単な例を使って確認してみよう。
なぜ金利が上がると債券の価格が下がるのか
たとえば、以下の条件で発行された債券Aがあるとする。
- 額面100万円
- 利率5%(毎年5万円の利息が受け取れる)
- 満期10年
債券Aの発行後に、10年の市場金利が6%に上昇すると、新しく発行される債券は利率6%(毎年6万円の利息)を支払うようになる。
すると、利率5%の債券Aは相対的に見劣りする。
投資家は、「同じ100万円なら、年利6%の債券を買うほうがお得だ」と考えるようになるため、年5%の債券Aを買う際には価格を割り引いてもらわなければ割に合わない。
この結果、債券Aの市場価格は下がるのである。
実際にどれくらい価格が下がるのか
割り引かれた後の価格は、この債券から受け取れる将来キャッシュフローを「金利6%」で割り引いて合計した「現在価値」になる。
単純化した例では、額面100万円・利率5%の10年債は、約83万円前後に価格が下がると想定される。
もし途中で売却する場合は、この下落分(約17万円)の“損”が実現しかねないという意味だ。
債券を満期まで保有した場合はどうなるのか
債券を満期まで保有すれば、額面100万円が返済され、毎年5万円の利息も変わらず受け取れるため、表面上は価格下落による大きな損失は回避できる。
しかし、世の中の金利が6%に上昇している間は「本来なら6万円もらえたはずの機会」を逃しているとも言える。
5%の利率で資金が固定されてしまうため、市場水準よりも低い利息しか得られない状態が続くわけだ。
金利リスクを管理する方法
銀行などの大口投資家は、この金利リスクを軽減するために金利スワップや先物といったヘッジ手法を使うことがある。
また、保有する債券全体の満期(デュレーション)を調整し、金利上昇の影響を抑える戦略を取ることも多い。
個人投資家の場合でも、以下のような対策が考えられる。
- 金利上昇時に対応できるよう、期間やクーポンが異なる債券を分散して保有する
- 満期の異なる債券を組み合わせた投資信託やETFを活用する
- 株式やREIT、コモディティなどと併せて債券を組み込むことで、ポートフォリオ全体のボラティリティを抑える。
こうした手法をうまく組み合わせ、金利リスクが高まる局面でも落ち着いて運用が続けられる体制を整えることが、債券投資の安定化につながる。
信用リスク
信用リスクとは、企業や政府などの債券の発行体が、借入金や発行した債券の元本や利息を期限どおりに支払えなくなる(債務不履行=デフォルト)可能性のことだ。
債券投資においては、発行体の経営状態や財務状況が悪化すると、約束された利息や元本が支払われないリスクが高まる。
投資家は、これを十分に考慮しなければならない。発行体が国や大企業だとしても、デフォルトに至る可能性はゼロではない。
たとえば、2001年に経営破綻した日本の大手総合スーパー「マイカル」は、破綻時点で約3,500億円の社債を発行していた。
これらはすべてデフォルトに至っており、元本に対して10〜30%程度の返済にとどまったため、投資家には大きな打撃となった。
こうしたリスクを踏まえ、信用格付や財務状態をしっかり把握し、分散投資や定期的な見直しを行うことで、投資リスクをコントロールしていくことが望ましい。
流動性リスク
流動性リスクとは、資産を現金化しようとしても、希望どおりの価格で迅速に売却できないリスクのことだ。
債券市場で取引量が減少したり、取引が成立しにくい状況になったら、価格が乱高下して売却が難しくなることもある。
この流動性リスクは、日本国債など信用度の高い債券であっても無縁ではない。
「流動性リスクは小さい」という印象を持たれがちだが、現実には国債市場でも流動性リスクが顕在化する可能性は十分だ。
たとえば三菱UFJリサーチ&コンサルティングのレポートでは、「量的緩和政策によって国債の流動性が低下した結果、長期金利が急騰・乱高下しやすくなる」と分析されている。
ただし、長期運用を前提に満期まで保有する場合は、途中売却する必要がないため、この流動性リスクの影響を受けにくい。
途中換金を必要としない資金管理と運用計画により、流動性リスクは最小限に抑えられる。
為替リスク
為替リスクとは、外国の債券を購入した場合に、為替レート(外国通貨と円の交換比率)の変動によって投資家の資産価値が上下するリスクのことだ。
たとえば、米ドル建ての債券を保有している間にドル円相場が大きく円高方向に振れた場合、ドルベースでの元本や利息は変わらなくても、円換算したときの受取金額が目減りしてしまう可能性がある。
具体例として、1ドル=100円のときに100万円を用意し、米ドル建て債券を購入したケースを考えてみよう。
この場合、購入した債券のドルベースの価値は1万ドル(100万円÷100円)だ。
この債券を満期まで保有したら、満期時には元本1万ドルが返ってくる。しかし、その時点で1ドル=95円になっていたら、円での価値は95万円(1万ドル×95円)だ。
このように、ドルベースでは損をしていなくても、円ベースではマイナスになる可能性がある。
為替相場の変動によって実質的なリターンの変化が、外貨建て債券における為替リスクの本質である。
債券投資の始め方

債券投資を始めるには、証券会社の口座を開設し、希望する債券を選定・注文する流れが一般的だ。ここでは、大まかなステップを紹介する。
1. 証券会社を選ぶ
証券口座をお持ちでないなら、まずは証券会社に口座を開設する必要がある。
証券会社を選ぶ場合のポイントは、主に以下のようなものがある。
取り扱い債券の種類・豊富さ
投資を検討している債券の取り扱いを確認しておこう。
証券会社によって、国内債券(国債や社債)、海外債券(米ドル建て、ユーロ建て)など、ラインナップはそれぞれ異なる。
手数料やコスト構造
債券投資にかかる手数料やスプレッド(買付時や売却時の価格差)は証券会社ごとに違いがある。
また、取引手数料がゼロでも、為替手数料や口座管理料など、別の形でコストがかかる場合もある。
情報提供やサポート体制
投資判断に役立つ情報をどれだけ得られるかも、チェックしておくと良い。
たとえば、投資レポートやマーケット情報を充実させているか、相談に乗ってくれる体制があるかを確認しよう。
注文のしやすさ・取引プラットフォーム
インターネット画面が見やすいか、操作は簡単か、スマホアプリが使いやすいか、などをチェックしよう。
信頼性・実績が十分か
経営基盤が安定しているところを選ぶと安心だ。規模や実績などを確認しておこう。
2. 証券口座を開設する
証券口座を開設する一般的な手順(オンライン申し込みを想定)は、以下のとおりだ。
- 口座開設の申し込み
- 公式サイトから「口座開設」などのボタンをクリック
- 個人情報の入力
- 氏名、住所、口座の種類など、必要な情報を入力
- 本人確認書類の提出
- マイナンバーカードや本人確認書類を提出(オンラインでのアップロードなら手続きが早い)
この後、証券会社での審査を通過し、取引用の資金を入金すれば、取引が開始できる。
証券会社によっても異なるが、ネット証券の申し込みなら20〜30分程度で終了する。
たとえばSBI証券なら、「申し込みは約20分、取引開始は最短で翌営業日から可能」である。
- 参考:口座開設の流れ 簡単4ステップでお取引!|SBI証券
3. 債券を選び、注文する
口座が開設できたら、いよいよ個別債券を選定し発注する段階だ。ここでは、SBI証券で「円貨建て債券」を購入するステップを紹介する。
- SBI証券のウェブサイトにログイン
- メニューで「債券」を選び、「債券ページ」に移動
- 「円貨建て債券を探す」を選択
- 債券の種類(新発債券、既発債券、国債)を選択
- 債券を選択し、「注文」ボタンをクリック
- 目論見書を確認
- 買付額面(注文する金額)を入力し、「概算受渡金額を計算」ボタンをクリック
- 表示される「支払経過利子」と「概算受渡金額」を確認
- 取引パスワードを入力し、「注文確認」して「注文」
「外貨建て債券」は決済通貨(買付を外貨で行うか、円で行うか)の選択が加わるが、それ以外は同様のステップとなる。
債券投資を始めるなら「資産運用ナビ」で専門家に相談しよう

債券投資は、単に債券を購入するだけならさほど難しくない。
しかし、債券を活用して確実に目的を達成しようとするなら、検討すべき事項は株式投資以上に多いかもしれない。
債券投資で最適解を見つけるのは難しい
債券投資は、定期収入を得る目的で「満期まで保有し、利払いを受け取るだけ」と考えるなら、さほど難しくなさそうに思えるかもしれない。
しかし、その場合でも、「どの債券をいつ買うか」「どのくらい購入するか」は最低限検討しなければならない。
これは実は、意外に難しい投資判断で、誤ると痛い目を見る。とくに、今後金利が上昇すると予想される局面では、慎重に行わなければならない大事なものだ。
たとえば、金利上昇局面で利率の低い長期債を大量に買ってしまうケースを考えよう。
この投資は、「低利回りで、大量の資金がロックされてしまうこと」を意味する。得られる収益が少ないばかりか、より良い条件の投資機会を逃すリスクもあるのだ。
専門家を活用するメリット
こうした難しさを乗り越えるうえで役立つのが、資産運用の専門家の助言である。
たとえば独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)や証券会社の営業担当者なら、市場金利や格付け動向、為替の見通しなどを総合的に分析し、どの債券をいつ購入したら良いかを提案してくれる。
さらに、株式やREITなど他の資産クラスと組み合わせた分散投資の設計や、リスク許容度に応じた債券の組み入れ比率のアドバイスも期待できる。
限られた労力で最適化されたポートフォリオを構築し、長期的に安定した運用を目指しやすくなるというわけだ。
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とはいえ、ほかの投資商品同様、「いつ」「何を」「どれだけ」買うのかという判断は難しい。
さらに、他の資産とバランスをどう取っていくのかまで含め、より広い視野に立った投資判断をしなければならない。
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