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新興国債券投資のデメリットとは?デメリットを抑える効果的な運用方法も解説

この記事で解決できるお悩み
  • 新興国債券の基本的な特徴を知りたい
  • 新興国債券のデメリットを詳しく知りたい
  • 効果的な新興国債券の投資法を把握したい

高い利回りでの運用が期待できる新興国債券だが、一方で気を付けるべきデメリットも存在する。

効果的な運用を行うためにも、デメリットを把握した上で適切な対策法を検討することが大切だ。

本記事では、新興国債券投資の特徴や魅力、デメリットを解説していく。

効果的に運用するための方法についてもご紹介するので、ぜひ本記事を参考に新興国債券投資を始めてみよう。

また、新興国債券投資だけでなく、外国債券投資全体のデメリットを知りたい方はこちらを参考にしてほしい。

目次

新興国債券の特徴

新興国債券のリスク・デメリットを把握するためには、基本的な知識を押さえておく必要がある。

ここでは、債券の基本的な特徴やリターンの仕組み、新興国債券の魅力について解説していく。

そもそも債券とは

債券とは、国や自治体、企業等が資金調達のために発行する債券のことだ。

投資家は債券の購入を通じて発行体に資金を貸し出し、発行体は資金を貸してくれた投資家に利子を支払う仕組みになっている。

債券には満期が決められており、発行体が破綻しない限りは満期時に債券の額面金額が払い戻される。

つまり投資家目線では一定期間資金を貸し出し、利子を受け取りながら期限を迎えたら貸した資金を返還してもらうという仕組みだ。

新興国債券の魅力

新興国債券とは、ブラジルやインドなどの成長性が高い新興国が発行する債券のことである。

先進国の債券と比べて利回りが高い点が大きな魅力だ。

例えば令和6年5月現在の個人向け国債(日本国債)の利率は、変動金利10年が0.57%、固定金利5年が0.45%、固定金利3年が0.29%である。

一方で新興国債券の利率は5〜6%の水準となっているケースが多く、場合によっては10%以上の利率になることもある。

高い利回りで運用できる点は先進国の債券にはない魅力と言えるだろう。

新興国債券の利回りが高い理由とは

高い利回りが魅力の新興国債券だが、なぜ先進国よりも高い利率が設定されるのだろうか。

主に以下の2つの理由が挙げられる。

  • インフレ率を上回る利率を設定する必要がある
  • 国の信用が低い

新興国は経済成長率が高いケースが多い。経済成長は物価の上昇を伴うことが多く、経済成長率が高くなるとインフレ率(物価上昇率)も高くなる。

債券を発行する際、インフレ率を下回る利率を設定しても投資家にとって魅力がないため、資金が集まらない。

そこで高い利率が設定されることとなり、高い利回りで運用できるのだ。

しかし、経済成長率を上回るようなペースでインフレが発生し、債券の利回りも急上昇しているようなケースは投資対象としてリスクが高いと判断される。

経済成長率との関係性のもとで債券の利回りを評価し、投資先を選定することが重要だ。

また、新興国は地政学上のリスクや経済的なリスクを抱えており、先進国に比べると国の信用が低いという点も挙げられる。

投資家目線ではリスクを冒して投資することになるため、先進国よりも高い利率を設定している。

新興国債券のデメリット

高い利回りが魅力の新興国債券だが、いくつかデメリットもある。

投資での失敗を避けるためにも、あらかじめデメリット・リスクを把握しておくことが大切だ。

ここでは新興国債券投資のデメリットを解説していく。

デフォルトのリスク

デフォルトとは、債務不履行のことを指す。

発行体の経営状態が悪化し、元本や利息の支払いが滞るリスクに注意が必要だ。

特に新興国の場合、国の財政状態が不安定だったり、政治上でのリスクがあったりと返済が滞る可能性は十分に考えられる。

利率も高めに設定されている分、利息の支払いも負担になってしまう。

デフォルトによって利息の支払いや額面金額の償還が受けられないリスクには十分に注意しておこう。

例えば、2022年4月にはスリランカが公的対外債務の支払いを一時的に停止すると発表し、デフォルト状態となった。

また、ガーナでは2022年12月に事実上のデフォルトとなり、エチオピアでも2023年12月にデフォルトに陥った。

過去数年でもデフォルトが発生した事例は多く存在するため、慎重に投資を行うことが大切だ。

為替変動によるリスク

新興国に限らず、外貨建ての債券に投資する場合は為替変動のリスクがある。

途中で受け取る利息や満期で受け取る額面金額を為替差損が上回る可能性があるため注意が必要だ。

債券の購入時よりも円高になると損失、円安になると利益が発生する。

特に新興国の通貨は急激に価値が下落する可能性があり、一気に円高に振れる可能性は十分にある。

新興国債券に投資する場合は、為替変動にもしっかりと注目しておくことが大切だ。

情報収集が困難

投資をする際、投資対象の情報を収集していくことも重要となる。

しかし新興国の情報は入手しづらいため、投資の判断が難しくなる点も大きなデメリットだ。

例えば日本や米国に投資する場合、新聞やインターネットで情報を集めることは難しくない。

一方で、ブラジルやインドなどの新興国については現地の情報を入手する手段が少なく、投資判断の見極めが困難である。

情報収集のしづらさは新興国債券特有のデメリットと言えるだろう。

デメリットにも対策できる!新興国債券の効果的な運用方法

デメリット・リスクもある新興国債券だが、やはり高い利回りは魅力的だ。

運用方法を工夫し、リスクを抑えた上で高い利回りでの運用を実現したい。

ここでは、新興国債券投資の効果的な運用方法について解説していく。

投資対象の地域や資産の分散

新興国債券のリスクを抑える方法として効果的なのが、投資対象地域や資産を分散して投資する方法だ。

資産を1ヶ所に集中させず、分散させておくことでダメージを抑え込むことができる。

新興国債券に資産を集中させた場合、利回りが高い分だけ受け取れる利息は大きくなる。

しかしデフォルトによって利息や額面金額の支払いが滞った場合、大きな損失を抱えることになってしまう。

新興国債券以外にも先進国の債券や株式、不動産などに分散しておけば、万が一新興国債券がデフォルトしても小さなダメージで済む。

できる限り投資対象を分散し、リスクを抑える工夫をしよう。

新興国債券ファンドの活用

新興国債券に投資する投資信託の活用も効果的だ。

高い成長性が期待できる新興国の債券に分散投資ができるため、リスクを低減しながらリターンを狙って行ける。

投資信託を購入する場合はインデックスファンドをおすすめする。

インデックスファンドとは特定の指数と連動するように運用されている投資信託のことで、比較的低コストで運用できる点が魅力だ。

例えば、三菱UFJアセットマネジメントが提供する「eMAXIS 新興国債券インデックス」は、信託報酬年率0.66%で運用される商品である。

2024年5月17日時点で過去1年のリターンが18.20%、過去3年リターンが28.71%、過去5年リターンが38.27%となっており、高いリターンとなっている。

ただし新興国債券ファンドだけでは分散効果は十分と言えないため、先進国などの違う地域に投資することも意識しておこう。

積立投資によるリスク低減

新興国債券は為替などの影響で価格が大きく動きやすいことが特徴だ。

一括購入にしてしまうと高値掴みになるリスクがあり、大きな損失を抱えてしまうかもしれない。

しかし毎月一定額を買い続ける「積立投資」の場合、価格の変動にかかわらず購入することとなる。

価格が高いときには少しだけ買い、安いときに多く買うことになり、平均の取得単価を抑え込める。高値掴みを回避し、大きな損失を抱えるリスクを軽減可能だ。

また、積立投資は運用期間が長くなるほどリスクが低減される。

さらに利益が更なる利益を生む「複利効果」の恩恵も受けられるため、積立投資を長期にわたって継続していくと良い。

新興国債券ファンドの積立投資などを活用し、リスクを抑えながらリターンを狙っていこう。

デメリットを踏まえた新興国債券の運用相談は誰に相談するべき?

資産運用による効果を高めたいのであれば、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)への相談がおすすめだ。

IFAとは、特定の金融機関に所属せずに顧客の資産運用にアドバイス・提案を行う専門家のことである。

ここでは、IFAの強みや信頼できるアドバイザーに出会う方法などを解説していく。

IFAの強み

IFAの強みは、顧客に寄り添って最適なアドバイスを行えるという点にある。

金融機関から独立した立場だからこそできるアドバイスがIFAの大きな武器だ。

銀行や証券会社のアドバイザーは、自社で取り扱っている商品の販売ノルマなどが課せられている。

そのため、ノルマをクリアするために顧客に必要のない商品であっても提案しているケースが少なからずある。

しかしIFAは金融機関からは独立しており、自社で金融商品を取り扱っていない。

アドバイザーにノルマが課せられているわけでもないため、本当に顧客にとって最適な金融商品を提案しているのだ。

ノルマなどに縛られず、最適な運用プランの提案を行える点がIFAの大きな強みである。

継続的な運用戦略の見直し

継続的に運用をサポートしてもらえる点も、IFAに相談するメリットのひとつだ。

一度相談したら終わりではなく、ライフプランや相場環境の変化に応じた運用戦略の見直しにも対応している。

特に新興国債券投資の場合、地政学上のリスクや他国の金利動向などに大きく影響を受ける。

状況に応じて機動的に保有割合を変化させたり、商品を入れ替えたりしていかなければならない。

IFAは情報収集や分析スキルにも長けており、状況に合わせた適切な対応ができる。

新興国債券のように情報収集が難しく、急激に状況が変わるような投資法を選ぶ場合は、よりIFAのような専門家の力が重要となるだろう。

信頼できるアドバイザーに出会う方法

IFAは資産運用のプロであるが、アドバイザーごとに得意な領域は異なっている。

債券に強みを持つアドバイザーもいれば、株式や投資信託などを得意とするアドバイザーもいる。

こうした中で自分のニーズに合ったアドバイザーに出会うために、IFA検索サービスの利用がおすすめだ。

自分の希望する相談内容に適したアドバイザーのマッチングや無料相談などで、信頼して相談できるアドバイザーに出会うことができる。

「資産運用ナビ」では多くのIFAが登録されており、相性の良いアドバイザーを自動で診断して紹介するサービスを提供している。

プロフィールに掲載されている経歴や得意分野に納得した上で面談の申し込みに進む、という流れで相談できる点が魅力だ。

信頼できるIFAをお探しの方は「資産運用ナビ」を活用してみてはいかがだろうか。

新興国債券の運用はデメリットもあるが、それを上回る魅力満載!

新興国債券は高い利回りが魅力の一方で、デフォルトリスクや為替リスクなどのデメリットも多い。

運用方法を工夫して、できる限りリスクを抑えてリターンを狙っていくことが重要だ。

また、IFAに相談することで最適な運用プランの提案を受けられる。

状況が変化しやすい新興国債券投資についても、継続的にしっかりとフォローしてくれるため安心して運用できる。

資産運用ナビ」で信頼できるアドバイザーを見つけ、リスクの高い新興国債券投資を成功させよう。

新興国債券のデメリットに関するQ&A

新興国債券の価格に政治的リスクはどのように影響しますか?

投資対象地域の政治的不安が起きると、リスクを感じた投資家が資金を引き上げることで価格が下落する可能性がある。

周辺諸国との地政学上のリスクなども債券価格の変動に影響があるため、新興国債券に投資を行う際には政治的なリスクを十分に検討しておくことが大切だ。

新興国債券投資において、為替変動によるリスクはどのように管理できますか?

新興国の通貨は為替相場が急速に変動するリスクが伴うため、特定の通貨に集中投資をすると大幅に資産を減らしてしまう可能性がある。

複数の新興国債券に分散投資を行い、通貨を分散させることで為替リスクは軽減可能だ。

新興国債券投資における分散投資の成功事例を教えてください。

複数の新興国債券に分散投資を行うケースとして、インデックスファンドへの投資が挙げられる。

例えば、三菱UFJアセットマネジメントが提供する「eMAXIS 新興国債券インデックス」では、2024年5月17日時点で過去1年のリターンが18.20%、過去3年リターンが28.71%、過去5年リターンが38.27%となっている。

分散投資によってリスクを抑えながらも高いリターンを得られており、十分に投資成功と言えるだろう。

IFAはどのような基準で選ぶと良いですか?

相談先のIFAを選ぶ際には以下の2点を押さえておくと良い。

  • 経歴・得意分野
  • メインの顧客層

相談先のIFAが「どういった経歴で何を得意としているのか」という点はよくチェックしておくと良い。

証券会社出身であれば株式や投資信託に強みを持つケースが多く、保険会社出身であれば生命保険を得意としているケースが多い。

経歴と得意分野をチェックし、自分が相談したい内容とマッチしているかどうかを確認しておこう。

また、IFAがメインで抱える顧客層もチェックしておきたい。

自分と似たような資産状況や運用目的の顧客を多く抱えるIFAの方が、自分にぴったりのアドバイスを提供してくれる可能性が高いためだ。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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