- 安定した運用で資産を増やしたい
- 低リスクで行える投資手法が知りたい
- 資産運用を成功させるポイントが知りたい
「老後2,000万円問題」や新NISA制度のスタートなどにより、近年は資産運用に対して興味を持つ方が増えてきている。
一方で「投資は危険」というイメージを抱く方も多く、なかなか一歩を踏み出せないケースもある。
安全に投資をするためには、資産運用におけるリスクを理解して、適切な対策法をとることが重要だ。
本記事では、安定して資産運用を行うためのポイントや低リスクで運用を行える投資先などを解説していく。
本記事の内容が、あなたが資産形成の第一歩を踏み出すきっかけになれば幸いだ。
安定した資産運用をするための基本戦略
投資を行う以上、資産運用で損失を抱えるリスクはある。
しかしいくつかのポイントを押さえて運用を行うだけで、リスクを低減して安定したリターンを狙いやすくなる。
完全にリスクを回避することは不可能だが、比較的安全性の高い運用を行うことが可能だ。
ここでは、安定して資産運用を行うための戦略のポイントについて解説していく。
リスク許容度の理解と自分に合った目標設定
まず、自分自身のリスク許容度を把握した上で目標を設定することが大切だ。
リスク許容度とは、投資のリターンがマイナスに振れたときにどの程度の損失まで許容できるかという度合いのことを指す。
自分自身のリスク許容度が高ければ、ハイリスク・ハイリターンな投資手法で運用を行うことが可能だ。
しかしリスク許容度が低い人の場合、ハイリスクな投資先に手を出すと想定外の損失を抱えて精神的にも経済的にも大きなダメージを抱える危険性がある。
通常、リスク許容度は年齢や投資経験によって変化していく。
若年層は運用期間に余裕がある分、リスクを取った運用が可能となる。
一方で、年齢を重ねるごとに運用期間が限られていくため、リスクを抑えた運用が必要とされる。
まずは自分自身の年齢や投資経験を踏まえ、どの程度の損失まで許容できるかという点を把握しておこう。
リスク許容度を把握できれば、具体的な目標設定を行える。
ハイリスクな手法で積極的に資産増加を目指すのか、堅実な投資手法でじっくりと資産を形成していくのかという点を明確にした上で具体的な運用戦略を立てていこう。
分散投資の実践
安定した資産運用において重要となるのが「分散投資の実践」である。
分散投資とは、投資先をひとつに絞らず複数に分けて運用する手法のことだ。
投資の世界には「卵は一つのカゴに盛るな」という格言がある。
卵を一つのカゴに盛ってしまうと、そのカゴを落としたときにすべての卵が割れてしまう。
複数のカゴに分けておけば、万が一カゴを一つ落としても他のカゴは影響を受けずに済む。
投資を行う際も同様で、ひとつの投資先に資産を集中させてしまうと、その投資先が暴落したときに全資産が大きなダメージを負ってしまう。
複数の投資先を組み合わせて運用を行い、リスクを分散させておくことが安定した資産運用の基本となるのだ。
具体的には、株式や債券、REIT(不動産投資信託)などのアセットクラス(資産の種類)を分散させたり、国内や先進国、新興国などの対象地域を分散させたりすることで分散効果が得られる。
特徴が異なるさまざまな資産に投資を行い、安定的な資産運用を実現させよう。
定期的なポートフォリオの見直し
安定した運用の実現には「ポートフォリオ(資産配分)の見直し」も大きなポイントとなる。
定期的に資産状況をチェックし、リバランス(資産の再配分)を行っていくことで運用の安定性が高まる。
例えば、高リスク資産である株式と相対的に低リスクな債券を50万円ずつ組み合わせて合計100万円を運用している場合を考えてみよう。
好景気によって株式市場が上昇し、保有株式が70万円まで上昇した場合、資産全体における株式の比率が高まる。
同時に資産全体におけるリスクも大きくなってしまい、自分自身のリスク許容度を超えてしまう恐れがある。
上記のケースでは、10万円分の株式を売却して10万円分の債券を追加購入することで、それぞれ60万円ずつのバランスとなる。
当初想定していたものと同じバランスとなり、資産全体におけるリスクも適正化されるのだ。
マーケットは常に変動しているため、保有資産のバランスも崩れてしまう可能性が十分にある。
定期的にポートフォリオを見直し、必要に応じて適切な配分に調整していくことが重要だ。
安定的な投資法を紹介
資産運用において「リスク」とは、価格の振れ幅の大きさのことを指す。
リスクが大きくなるほど価格がプラスにもマイナスにも振れるため、リターンが大きくなる反面、損失も大きくなりやすい。
安定した運用を実現するためには、低リスクで運用できる投資法を選択する必要があるのだ。
ここでは、低リスクで行える投資法を紹介していく。
それぞれの特徴を踏まえ、自分自身のリスク許容度や運用目的と照らし合わせながら最適な投資法を検討しよう。
債券
債券とは、企業や国、地方公共団体などが資金を借り入れるために発行する有価証券のことだ。
投資家は債券を購入することで発行体に資金を貸し出し、利子を受け取る仕組みとなっている。
発行体が破綻しない限り、満期には額面金額が払い戻されるため、比較的安定したリターンを狙える投資法である。
債券に投資する方法はさまざまなものがあるが、「個人向け国債」と「債券ファンド」がおすすめだ。
いずれも低リスクで運用しやすいことが特徴の商品である。
個人向け国債とは、国が発行する債券である「国債」を個人でも取引できるようにした商品のことだ。
発行元が日本国であるため安全性が高く、1万円という少額からでも投資できる。
利率が低いことから収益性は高くないが、安定した資産運用の第一歩として取り組みやすい商品だ。
債券ファンドとは、債券で運用を行う投資信託のことを指す。
投資信託はプロに資金を預けて運用を代行してもらう仕組みであるため、運用に手間や時間がかからない。
さらには複数の債券で運用が行われることから分散効果も高く、安定したリターンを狙える点が特徴だ。
低リスクで堅実な運用を実践したい場合は、個人向け国債や債券ファンドなどを活用した資産運用を検討してみよう。
ETF(上場投資信託)
ETFは、金融商品取引所に上場している投資信託のことを指す。
通常の投資信託のように複数の株式や債券等に分散投資されており、比較的リスクを抑えた運用を行える投資商品だ。
ETFは取引所に上場しているため、株式と同様にリアルタイムで価格が変動し、相場の動きに合わせた取引が可能だ。
1日に1回基準価額が決まって取引を行う投資信託とは異なっている。
ETFには、市場指数(日経平均株価など)に連動するように運用される「インデックス型」と市場指数を上回る運用成果を目指す「アクティブ型」の2種類が挙げられる。
安定した運用を実現したいのであれば、インデックス型のETFの利用を推奨する。
インデックス型の方が信託報酬などの手数料が低く、低コストで市場の平均リターンを得られるためだ。
具体的には「NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信【1321】」「NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信【1306】」などをおすすめする。
いずれも国内の市場指数に連動するように運用されており、安定的な運用を実現できるだろう。
REIT(不動産投資信託)
REITとは、不動産で運用される投資信託のことだ。
不動産運用で得られる家賃収入や売買益などの収益が分配される仕組みとなっている。
株式やETFと同様に金融商品取引所で取引される点が特徴として挙げられる。
本来、不動産投資を行うためには数百万円から数千万円というまとまった資金が必要となり、運用を始めるハードルが高い。
しかしREITは数万円から購入できる商品も多く、少額で運用を始められる点が大きなメリットだ。
不動産は株式や債券などと違い、不動産自体に価値があるため、比較的安定した値動きになりやすいという特徴がある。
長期的に分配金を得ながら安定した運用を行える点も魅力と言えるだろう。
具体的には「〈購入・換金手数料なし〉ニッセイJリートインデックスファンド」や「eMAXIS Slim国内リートインデックス」などの商品をおすすめする。
比較的信託報酬も低く、安定したパフォーマンスを期待できるREITだ。
安定的な資産運用のための長期目線の重要性
資産運用における安定性を高めるポイントとして「長期投資」も挙げられる。
ここでは、長期投資や積立投資の利点、新NISAの活用などについて解説していく。
長期投資のメリット
リターンの安定化を狙う上で長期投資は欠かせない。
運用期間を長く設定することで短期的な値動きの影響が軽減され、安定した値動きに収束するケースが多いためだ。
例えば、株式で運用を行う投資信託やETFの場合、マーケットの変動によって年間数十%以上の値動きとなるケースは少なくない。
短期的に大きなリターンを得られる場合がある一方、大きな損失を抱える危険性も伴う。
しかし長期的に運用を継続していけば値動きは平均化されていき、年率ベースで見ると数%の値動きに収束する可能性が高い。
長い運用期間を設定することで、リターンの安定化が図れるのだ。
短期的に資産を増やそうとするのではなく、長期目線でじっくりと資産を成長させていく戦略で運用を継続しよう。
インデックス投資と積立投資の利点
ETFの紹介時にも解説したが、投資信託やETFには「インデックス型」と「アクティブ型」の2種類が存在する。
安定した資産運用を実践したいのであれば、低コストで市場の平均的なリターンを狙えるインデックス型の商品を選択しよう。
そもそもアクティブ型の商品が市場指数を上回る保証はなく、長期的に平均以上のパフォーマンスを出し続けることは容易ではない。
長い目で見ればインデックス型の商品の平均的なリターンが相対的に高いパフォーマンスとなっている可能性は十分にある。
低コストでじっくりと資産の成長を目指せるインデックス投資がおすすめだ。
また、インデックス型の商品は積立投資による運用を推奨する。
毎月一定額の投資を継続することで、商品の価格が高いときに少なく買い、安いときに多く買うという運用を実現できる。
平均の取得単価を抑え、高値で購入してしまうリスクを避けることに繋がるのだ。
高値掴みのリスクを避けながら市場の平均リターンを得られるという点で、インデックス投資と積立投資は相性が良い。
長期的な資産成長を目指し、コツコツとインデックス型の商品を積み立てていこう。
新NISAの活用
長期での資産運用において欠かせないのが「新NISA」の活用である。
新NISAとは2024年から始まった新しいNISA制度のことを指し、年間一定額までの投資で得た利益が非課税となる仕組みとなっている。
本来、投資で利益が生じた場合には約20%の税金がかかるため、10万円の利益が出ても約2万円が税金として引かれてしまう。
しかし新NISAの専用口座内で運用した投資商品については一切税金がかからず、10万円の利益をそのまま受け取れるのだ。
年間最大360万円・生涯で1,800万円まで非課税投資を行うことができ、非課税期間は無期限となっている。
長期的な視点で運用を行っていても、NISA口座内で運用し売却した場合は税金がかかることはない。
新NISAは「資産運用を行う際に利用しない理由がない」と言えるほどの魅力的な制度だ。
資産運用を始めることを検討している方は、ぜひ新NISAで税金の負担をかけずに運用しよう。
安定的な資産運用を実現したいなら誰に相談するべき?
資産運用の安定化を目指すのであれば、運用の専門家に相談することをおすすめする。
ここでは、専門家に相談すべき理由やおすすめの相談先「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」の役割などを解説していく。
資産運用における専門家への相談の重要性
資産運用を行う際、自分自身のリスク許容度を把握して適切な投資先を選定したり、効果的な組み合わせを検討したりと投資に慣れない方にとってはハードルが高い内容が多い。
インターネットやSNSで得られる情報も「一般的におすすめ」の情報はあっても、自分にぴったりの情報を得ることは容易ではない。
しかし資産運用の専門家に相談を行えば、あなたの運用目的や資産状況などを踏まえた適切な投資先の選定やポートフォリオの構築などをサポートしてもらえる。
あなたにとってベストな助言を行うため、安心して資産運用を始めることができるだろう。
資産運用は失敗すると大きく資産を減らす可能性もあるため、慎重に行わなければならない。
運用のサポートを行うプロフェッショナルに相談し、安全性の高い運用方法を提案してもらうことをおすすめする。
IFAの役割とメリット
IFAとは、銀行や証券会社などの金融機関から独立して顧客の資産運用のサポートを行う専門家のことだ。
投資プランの策定や具体的な商品の提案・仲介などを行い、運用開始後のサポートも行っている。
顧客の資産運用をあらゆる面からサポートすることが主な役割だ。
IFAは金融機関に所属しない立場であるため、中立な目線から助言を提供してくれる。
「安定した資産運用を実践したい」というニーズがあれば、低リスクで運用できる商品の提案を行う。
投資家のニーズに合わない商品を無理やり提案されたり、手数料が高い商品を勧誘されたりする心配がない。
また、IFAには転勤や異動がなく、原則として同じ担当者が長期的にサポートしてくれる。
先ほど紹介したように安定した運用には「長期投資」が必須となるが、長期間にわたって継続的なアドバイスを提供してもらえる点は大きな魅力と言えるだろう。
資産運用について信頼できるパートナーを探しているという方は、ぜひIFAに相談してみよう。
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不明な点を納得が行くまで相談しても、金銭的な負担は基本的に発生しない。
「安定した資産運用を実践したい」「相談先を探している」という方は、ぜひこの機会に「資産運用ナビ」を利用して信頼できるパートナーを探してみてはいかがだろうか。
リスク許容度とポートフォリオの設定で安定的な資産運用を実行しよう
安定した資産運用を行うためには、自分自身のリスク許容度や分散投資の実践、定期的なポートフォリオの見直しなどが必要となる。
加えて長期的な視点を持った運用により、積立投資を実践したり、新NISAを活用したりすることも重要なポイントと言える。
これらを踏まえた資産運用に不安を感じる方は専門家への相談がおすすめだ。
特に、IFAに相談すれば中立な目線からの投資助言を長期的に提供してもらえるだろう。
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