- インデックスファンドはいくらから始められるのか知りたい
- インデックスファンドをいくらから始めるべきか迷っている
- 自分にあったインデックスファンドを選びたい
近年、投資初心者から上級者まで幅広い層に人気を集めているのが、インデックスファンドである。
運用コストの低さや投資の手軽さが人気の理由だが、インデックスファンドの選定方法や、購入単位など、まだよくわからないという方も多いのではないだろうか。
本記事では、「インデックスファンドをいくらから購入できるのか」というよくある疑問への回答から選ぶ際のポイントまで、基本的な項目を詳しく解説している。
インデックスファンドへの投資を検討している方は、ぜひこの情報を参考にして、賢い投資判断を下して欲しい。
インデックスファンドはいくらから購入できる?
まずは、インデックスファンドの基本的な項目から整理していこう。
概要や特徴に加え、「いくらから投資できるのか」について解説する。
インデックスファンドの基本
インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)に連動するように設計され運用される投資信託のことだ。
たとえば、S&P 500 インデックスファンドは、ベンチマークとなるS&P 500 指数に含まれる500社の株式を市場価値に基づく比率で保有し、この指数の市場パフォーマンスを模倣しようとする。
- アクティブ運用ファンドよりも経費や手数料が低い
- インデックス・ファンドは、売買を最小限に抑えることでリターンを最大化する「パッシブ投資戦略」を採用している
- インデックス・ファンドは、「長期的には市場が単一の投資を上回るという」考え方に基づき、市場のリスクとリターンを一致させる
インデックスファンドの特徴
ここでは、インデックスファンドのメリットとデメリットを整理する。
インデックスファンドのメリット
インデックスファンドの主なメリットは、以下の6つに要約できる。
- リスク分散ができる
- インデックスファンドでは、多数の銘柄に投資することによる「分散投資」が自動的に行われる
- これにより、一つの企業や業種が不振になっても、その影響が全体の投資に及ぼす影響を抑制できる
- 低コストで少額から始められる
- インデックスファンドはアクティブファンドに比べて管理費用が格段に低く抑えられている
- また、少額から投資を始められるため、自分の資金力に合わせた投資計画を立てられる
- 時間と手間が節約できる
- 投資先の選定や銘柄入れ替えなどはファンドマネージャーに任せられるため、自分で銘柄分析をする必要がない
- 投資初心者でも取り組みやすい
- 銘柄選択の必要がなく、株式市場全体の動きに任せるため、投資の専門知識がない人でも始めやすい
- 長期的に良いパフォーマンスが期待できる
- インデックスファンドは、1970年代から米国で広く普及している実績のある運用手法
- 2021年に発表されたレポートによれば、2019年にS&P500種指数を上回ったアクティブ運用ファンドは29%に過ぎず、2021年ではベンチマークを上回るファンドの割合はわずか9%にとどまる
- 世界中の資産に投資できる
- さまざまな国や地域、資産クラスを対象としたインデックスファンドが存在する
- 自国の株式だけでなく、世界中の資産に分散投資できるのもメリットの一つ
インデックスファンドのデメリット
一方、インデックスファンドに投資するなら以下の5点には注意したい。
リターンが「市場平均並み」に限定される
インデックスファンドのリターンは、指数のパフォーマンスと同程度となる。
すなわち市場を上回るリターンは狙えない。
下落リスクへの対処が難しい
株式市場全体が下落すれば、インデックスファンドの基準価額も連動して下がる。
分散投資がリスクを軽減するとはいえ、市場全体が下落する局面では損失を被るリスクがある
投資先の選択肢が限られる
インデックスファンドでは、対象とする指数に含まれる銘柄にのみ投資するため、投資家自身が魅力的だと思う銘柄や業種に集中投資ができない。
配当利回りが低い傾向
多くの市場指数は、高成長株と配当株の混合で構成されているため、高配当銘柄に集中投資する戦略に比べると、全体としての配当利回りは低くなる。
短期的な過度な値動きにも連動してしまう
インデックスファンドは市場との連動を目指しているため、市場の過剰反応や不安定性の影響をもダイレクトに受けてしまう
インデックスファンドはいくらから買えるのか
インデックスファンドを含めた投資信託の購入可能な金額は、金融機関によりそれぞれ異なる。
投資信託はいくらから買えるのか?
かつては多くの金融機関が買付金額を1万円程度からと定めていたが、最近では100円から購入可とする金融機関も増えている。
「積立投資」の方法なら、100円や1,000円から始められる金融機関も多い。
詳しくは、各金融機関のページで「最低買付金額」「買付金額」などの記載を探すか、検索サイトで「金融機関名 投資信託 いくらから」などと検索して調べて欲しい。
投資信託の「基準価額」とは
投資信託の価格は、「基準価額」で表される。
基準価額は、投資信託の純資産総額を総口数で割った1口(または1万口)あたりの価格であり、多くは1万口あたりの価格を基準価額としている。
基準価額は1日1回更新され、一般的には、日本の株式市場の取引終了後に計算されて翌日に公表される。
たとえば、「三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の2024年4月18日の基準価額を確認すると、1万口あたり27,860円であった。
三菱UFJ-eMAXIS Slim(S&P500)を1,000円分購入する
ところで、27,860円という値段がついた投資信託を「100円から」あるいは「1,000円から」購入できるというのは、一体どういうことなのだろうか。
そのことを、SBI証券で購入するケースで考えてみよう。
SBI証券のファンドページ左メニュー中程には「買付単位」として、以下が表示されている。
- 金額
- 100円以上1円単位
- 口数
- 1万口以上1万口単位
- 積立
- 100円以上1円単位
ここからSBI証券では、金額指定および積立投資による購入なら、最低買付金額を100円としていることがわかる。
一方で、口数指定で購入する場合は、1万口以上が必要だ。
今手元にある1,000円で、基準価額27,860円のファンドを買ってみよう。
この場合、購入できる口数は【1,000円 ÷ 27,860円(基準価額) × 10,000(1万口) 】により約358口と計算できる。
つまり、基準価額は投資信託の1口あたりの価格を示し、投資信託の購入時には、この価格が購入可能な口数を決定するための重要な基準となる。
いくらから始めるか決まったら!インデックスファンドを選ぶポイント
ここでは、インデックスファンドを選ぶ際の重要なポイントを、3つの視点から解説していく。
インデックスファンドの対象指数の特性を把握する
インデックスファンドを選ぶ際には、対象となる指数の特性を理解しておきたい。
とくに、以下の点は確認しておこう。
- 指数の構成
- 指数がどの産業やセクターが含まれており、どの地域や国に焦点を当てているかなどを把握する
- 市場のカバレッジ
- 大型株に焦点を当てた指数か、中小型株を含めた広範な市場がカバーされているかを確認する
- 過去のパフォーマンス
- 市場の変動にどのように対応してきたかを評価する
以下に、主な指数を示しておく。
名称 | 内容 |
---|---|
日経平均株価 (日経225) | 日本を代表する225銘柄で構成される株価指数 |
TOPIX (東証株価指数) | 東京証券取引所第一部に上場する全銘柄を対象とした時価総額加重平均の株価指数 |
JPX日経インデックス400 | 資本効率性、健全性、時価総額などを基準に選定された400銘柄で構成される株価指数 |
MSCI Japan | 大中小型株を幅広くカバーする日本の株式市場のパフォーマンスを測る指数 |
S&P500 | 米国の代表的な大型株500銘柄で構成される時価総額加重平均の株価指数 |
NASDAQ Composite (総合指数) | ナスダック市場に上場する全銘柄を対象とした時価総額加重平均の株価指数 テクノロジー企業が多く含まれる |
FTSE100 | ロンドン証券取引所に上場する時価総額上位100銘柄で構成される株価指数 |
自身の運用目標とリスク許容度から選ぶ
インデックスファンドを選ぶ際には、投資家自身の運用目標とリスク許容度を理解し、それに合致したファンドを選ぶことが重要だ。
まず、自分がインデックスファンドに何を求めているのかを明確にしよう。
長期的な資産形成なのか、短期的な利益追求なのか、あるいは安定的なインカム収入なのかにより、適したファンドがまったく異なる。
次に、自分がどの程度のリスクを許容できるのかを把握する。
このとき、投資期間や自分のライフステージと整合していることを忘れず確認して欲しい。
たとえば20代や30代なら成長性を重視し、リスクを取ることもできるが、退職後は安定性を重視しリスクを抑える必要がある。
インデックスファンドの運用実績やコストを参照する
インデックスファンド選びにおいては、ファンドの運用実績とコストを確認することが重要だ。
ファンドの運用実績を確認する方法
ファンドの運用実績は、過去のパフォーマンスデータを見て確認する。
最も信頼できるのが、ファンド運用会社のデータである。
たとえば先ほど例にあげた「三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」なら、三菱UFJアセットマネジメントのサイトに提供がある。
取り扱い証券会社の資料もおすすめだ。
一覧性が高く、グラフや表なども使っていてわかりやすい。
再度、SBI証券のファンドページを確認してみよう。
ページの中程に、「運用実績」「資産構成」「分析」のタブがある。
投資意思決定前に、以下の項目を確認していただきたい。
確認すべき項目 | タブ | 説明 |
---|---|---|
リスク・ リターン分析 | 分析 | 他の資産クラスや他ファンドと比較して、検討中ファンドの位置づけを確認できる |
純資産推移 (期間別) | 運用実績 | 純資産の増減はファンドの規模と投資家からの信頼を反映する |
シャープレシオ | 分析 | シャープレシオは、リスク調整後のリターンを示す指標値が高いほど、リスクに見合ったリターンを得ているということになる カテゴリ平均と比較によりパフォーマンスを評価できる |
最大上昇率 ・下落率 | 運用実績 | 最大上昇率と最大下落率はファンドの過去の一定期間における最大の上昇率と下落率を示すファンドの将来の「極端な動き」を予想するうえで参考にできる |
レーティング | 運用実績 | モーニングスターなどの評価機関によるファンドの評価を示す他のファンドとの相対的な位置づけを把握できる |
資産構成 | 資産構成 | 資産構成はファンドがどのような資産に投資しているかを示す実際に何に投資しているか確認しておく |
コストの種類と確認方法
インデックスファンドに関連するコストには、主に信託報酬(年間でファンド資産から差し引かれる運用手数料)、買付手数料、売却時の手数料、その他管理コストが含まれる。
これらのコストは、ファンドの総リターンに直接影響を与えるため、できる限り低いコストのファンドを選ぶべきだ。
コスト情報はファンドの目論見書やファンド紹介ページで確認できる。
インデックスファンドで失敗しないために
インデックスファンドへの投資は、比較的安全に資産を成長させる方法の一つだ。しかし、失敗することも十分にあり得る。
以下では、インデックスファンドにおける一般的な失敗例とその回避策について解説する。
高コストのインデックスファンドで失敗するケース
投資信託の選択においては、高コストの商品を避けるのは鉄則だ。
しかし、同じ指数に連動するファンド間で運用コストを比較せず、コストが割高な商品を購入してしまうことは、一般的な失敗の例である。
同じ指数に連動する商品だからといって、コストが同じだとは限らない。
そして、非常にわずかにみえるコストの違いが、長期的には投資成果に大きな影響を及ぼすことがある。
たとえば以下の例では、30年の運用で最終資産額に約25%の差が生まれている。
- 投資の前提
- 初期投資額: 10,000ドル
- 年間収益率: 5%
- 投資期間30年間
- 最終資産額
- ファンドA(運用コスト年0.1%): 約42,001ドル
- ファンドA(運用コスト年1.0%): 約32,434ドル(約25%少ない)
失敗を避けるためにすべきこと
ファンド選定の際は、ファンドの目論見書や運用報告書、ウェブサイトなどで必ず手数料と信託報酬を確認する。
同じ投資目標のファンドなら、手数料と信託報酬が低いファンドを選ぶべきだ。
また、定期的にコストを見直し、より低コストのファンドが登場していないかチェックしよう。
乗り換えの際には、税金や手数料についても考慮して検討していただきたい。
ポートフォリオ全体の分散不足で失敗するケース
インデックスファンドを組み入れる際、ポートフォリオのバランスを崩してしまうことがある。
たとえば、株式インデックスファンドのみに投資し、債券やその他の資産クラスを無視すると、ポートフォリオが株式市場の変動に大きく影響されるリスクが生じる。
この場合、目標とするリターンを得られず、過度なリスクを負ってしまうことがある。
失敗を避けるためにすべきこと
こうした失敗を避けるためには、ポートフォリオ全体での分散投資を意識し、異なる資産クラス、地域、セクターなどに適切に投資することが重要だ。
また、定期的にポートフォリオの構成を見直し、偏りが生じていたら適切にリバランスを行うことも忘れてはならない。
市場のタイミングを図ろうとして売買を繰り返し失敗するケース
インデックスファンドを活用する際に、市場のタイミングを図ろうとして頻繁に売買すると、リターンが損なわれることもある。
市場のタイミングを正確に予測することは非常に難しく、多くの場合、かえって投資パフォーマンスを悪化させてしまう。
失敗を避けるためにすべきこと
- 短期的な市場変動に一喜一憂せず、長期的な視点で立てた投資計画に沿って着実に投資を続ける
- 一定額を定期的に投資する「ドルコスト平均法」を活用し、コツコツと長期的に投資を継続する
- 計画途中での売買は、定期的なリバランスを通じてのリスク管理のみに限定する
インデックスファンドをいくらから始めるかで迷ったら誰に相談するべき?
インデックスファンドは、初心者にとって取り組みやすい投資手法であるが、専門家のサポートを受けることで、より効果的で安心な投資が可能になる。
専門家の活用が重要な理由
インデックスファンドでは、自分に合ったファンドの選択、ポートフォリオの構築、リスク管理など、さまざまな判断が求められる。
しかし、投資の知識や経験が少ない個人投資家にとって、これらの判断を適切に行うのは容易ではない。
専門家の助言を受けることで、自分の投資目的やリスク許容度に合ったインデックスファンドの選択、ポートフォリオの最適化、長期的な投資計画の策定などが可能になる。
インデックスファンドの運用におけるIFAの役割
インデックスファンドの運用において力を発揮するのが、IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)だ。
IFAなら、個々の投資家のリスク許容度や投資目標に基づいた適切な投資ポートフォリオを組成できる。
市場の波に乗るタイミングだけでなく、投資家が見落としがちな潜在的リスクを特定し、それに対処する戦略を提案することも可能だ。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」活用のススメ
では、どのようにして良いIFAを見つければ良いのだろうか。
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自分に合ったIFAを効率的に見つけることができるのだ。
インデックスファンドをいくらから始めるべきかの答えは人によって変わる
本記事では、インデックスファンドについて、その概要からメリット、選び方、失敗例と対策まで幅広く解説した。
インデックスファンドへの投資で確実な成果をあげるには、ファンドを賢く選定し、長期的な視点をもって管理することが大切だ。
そのためには、中立的な立場から最適なアドバイスを提供するIFAへの相談がおすすめである。
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まずは気楽に、自身が抱える疑問を投げかけてみることから始めてはいかがだろうか。