- 国債の仕組み・利回りを理解したい
- 国債のメリットやデメリットを知りたい
- 国債の種類や買い方について知りたい
国債は、安定した運用を求める投資家にとって魅力のある選択肢である。
しかし、その仕組み・利回り、種類、購入方法に関する情報は十分に理解されていない部分もある。
この完全ガイドでは、国債の基本から運用方法まで解説する。
具体的には、国債のメリットやデメリット、種類の違い、購入方法のポイントも明確にしていく。
国債への投資を考えている方や、国債についてより深く知りたい方にとって、この記事は必読である。
国債の仕組みとその利回りを理解しよう
最初は、国債の基本からである。この章では、「国債とは何か」「国債の仕組み」「国債の利回りと計算方法」を順に見ていく。
国債とは何か?
企業や団体などが、資金を借り入れるときに発行する借金の証書を「債券」というが、その中でも、国が発行する債券のことを「国債」という。
つまり国債を購入するということは、国に金を貸すという意味になる。国は借入した資金を、公共事業や社会保障の整備などに使用する。
国が発行する債券であることから信用度が高く、流通量も多いため換金性にも優れているという特徴がある。
国債の仕組み
国債は、発行から償還までの一連のプロセスを経て運用される。国債の主なステップを、以下のとおり解説する。
国債の発行は、国家が資金調達のために行う手続きである。発行時には、国債の金利や満期日などの詳細が定められる。
- 「10年変動金利型個人向け国債」のような、変動金利のものもある。
発行された国債は一般に公開され、投資家に販売される。個人投資家や機関投資家、銀行などが国債を購入する。
国債は一定の期間ごとに利払いを行う。利息は、国債の額面金額に適用される利率(クーポンレート)に基づいて計算される。利払いは通常、半年ごとに行われる。
国債には満期日があり、その日に元本が返済される。
- 参考:新規発行以外の取引
投資家は自身が保有している国債に関して、満期まで待つ代わりに中途で売却することができる(国債口座を保有している金融機関等で、全部または一部を売却できる)。
逆に、発行済み国債を購入することもできる(既発債の購入という)。
このような場合、国債の価格は需要と供給の関係によって変動する。価格変動によって利回りも変動するため、投資家は購入・売却時には、市場の状況を見極める必要がある。
国債の利回りとその計算方法
国債を、新発債として購入し満期まで保有した場合、その利回り計算は以下の「応募者利回り」を用いる。
以下の条件で試算する。
- 個人向け国債3年
- 金利
- 年0.05%
- 発行価格
- 100円
応募者利回り=[0.0005+{(100円-100円)/3年}]/100円×100=0.0005=0.05%
なお、既発国債を購入し、満期まで保有した場合は、以下の「最終利回り」で計算する。
国債のメリットとデメリットを覚えよう
この章では、国債のメリット・デメリットに加え、国債投資を考える際のポイントを説明する。
国債のメリット
国債にはさまざまなメリットがある。以下では、国債の主なメリットについて解説する。
安定性
国債は国家が発行するため、政府の信用力を裏付けとした安定性がある。
つまり政府は、国の財政状況や経済力に基づいて債務を返済することが期待される。
幸い日本は、中進国・後進国に比べ国家の財政状況が安定しているため、日本国債は信用リスクが低く、投資家にとって安全な選択肢となる。
保証性
国債は元本と利息の返済が、国によって保証されている。
このため、投資家は国債を保有することで、元本の安全性が確保され、返済に関する心配をする必要がない。
多様性
国債など債券価格は、株価と逆相関にあると言われている。
つまり、分散投資を考える際に、国債を保有することで、ポートフォリオ全体のリスクを低減させることができる。
国債のデメリット
次は、デメリットである。
利回りの低さ
国債は安定性と保証性が高いが、その代償として利回りが低い傾向がある。
そのため、より高いリターンを追求する投資家にとっては魅力的ではないかもしれない。
インフレリスク
国債の利回りは通常、固定されたクーポンレートに基づいて計算されるが、将来のインフレーション(物価上昇)に対しては感応度が低いと言える。
もしインフレーション率が国債の利回りを上回る場合、資産は実質的に減少することになる。
したがって、国債の保有者はインフレリスクに注意を払い、将来の物価上昇に対する保護策を別途考慮する必要がある。
金利リスク
国債の価格は金利とは逆の相関関係にあるため、金利が上昇すると国債の価格は下落する。
これは市場金利の変動によって引き起こされる金利リスクである。
投資家は、金利の変動が国債の価格と収益に与える影響を理解し、適切なタイミングでの投資判断を行う必要がある。
国債投資を考える際のポイント
国債を投資対象と考える際は、以下のポイントに留意する必要がある。
目的と期間の明確化
国債を購入する目的と投資期間を明確にする。国債は安定性や保証性が高いため、資金の保全や安定的な収入を目的とする場合に適している。
また、投資期間を考慮することで、満期までの保有や途中での売却を検討できる。
リスクとリターンのバランス
国債の特徴として利回りが比較的低いことが挙げられる。
投資家は利回りの低さというデメリットを受け入れる代わりに、安定性や保証性を求めるという意識を持つ必要がある。
自身のリスク許容度とリターンのバランスを考慮し、国債がポートフォリオに適しているか判断する。
国債の種類とその購入方法について知ろう
ここでは、国債の種類、購入方法、選び方のポイントを解説する。
主な国債の種類
国債の種類をみていこう。
個人向け国債
以下の3種類がある。
10年変動金利型 | 5年固定金利型 | 3年固定金利型 | |
---|---|---|---|
満期 | 10年 | 5年 | 3年 |
金利タイプ | 変動金利 | 固定金利 | 固定金利 |
金利設定方法 | 基準金利×0.66 | 基準金利-0.05% | 基準金利-0.03% |
下限金利 | 0.05% | 0.05% | 0.05% |
- 利子の受け取り
- 半年ごとに年2回
- 購入単位
- 1万円以上1万円単位
- 償還金額
- 額面100円につき100円
- 発行月
- 毎月
- 購入対象者
- 個人
利付国債
- 満期
- 2年、5年、10年
- 金利タイプ
- 固定金利
- 金利
- 発行月、銘柄により異なる
- 利子の受け取り
- 半年ごとに年2回
- 購入単位
- 5万円以上、5万円単位
- 発行月
- 毎月
- 購入対象者
- 個人、法人
物価連動型国債
物価連動型国債とは、物価動向に合わせて元本が変動する国債で、インフレ連動国債ともよばれる。
金利は満期まで変わらないが、元本が物価の変化に合わせて増減するため、利息額が増減する仕組みである。
前述のとおり、固定金利国債の場合はインフレ耐性が弱いが、そのデメリットに対応した商品といえる。
- 満期
- 10年
- 金利タイプ
- 固定金利
- 金利
- 財務省が決定する。最低利率0.005%
- 利子の受け取り
- 半年ごとに年2回
- 購入単位
- 10万円以上10万円単位
- 発行月
- 毎月
- 購入対象者
- 個人、法人
注意点
実際インフレ率が、発行時の「想定インフレ率」を下回る場合、「満期受取額と受取利息の合計」が購入時支払額を下回る場合がある。
国債の購入方法
国債の購入は、主要金融機関・証券会社などで行う。
新発債とは、「新規に発行される国債」のことで、発行価格にて取引される。
既発債とは、すでに市場に出回っている国債を指し、価格は時価で取引される。
選び方のポイント
投資家それぞれの、投資目的までの残存期間、ポートフォリオにおける国債の比率などを考慮して、自身に適した国債を選択する。
IFAとともに戦略を立てる
ファイナンシャルのプロであるIFAについて、説明する。
具体的には、IFAとは何か、利用するメリット、その選び方をそれぞれ理解してほしい。
IFAとは何か
IFA (Independent Financial Advisor:独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、特定の商品や販売会社に対し中立的立場で投資家をサポートするスペシャリストである。
IFAを利用するメリット
往々にして、販売会社の色のついたFA(金融機関職員など)は、自社の取扱商品を勧めがちである。
これは、彼ら自身が過大なノルマを課せられているからである。
このとき、勧められた商品が投資家にとって最善のものなら何ら問題はない。
しかし、ノルマのプレッシャーに負け、投資家にふさわしくない商品を提案する場合がある。
こうした点から、IFAは安心できるのである。
IFAの選び方
日本においては、残念ながらIFAの認知度は高くない。
したがって、IFAを探すのにも、どうやっていいか戸惑う投資家が大半であろう。
「資産運用ナビ」は、投資家にIFAを紹介するサイトである。
身近にIFAの知り合いがいない場合は、有効なツールとなる。
まとめ
この記事では、国債の基本的な仕組みから利回りの計算方法、メリットとデメリット、さらには国債の種類や購入方法について解説した。
ただし文中でも述べたが、自身の投資目的に合った国債を購入するのは意外に難しい。
こんな時は、IFAの利用を検討しよう。 IFAは、リスク管理や最適なポートフォリオの構築など、様々な面で投資家をサポートをする資産運用のプロである。
したがって、国債の選定に限らず、投資家の投資目的やリスク耐性に応じた投資提案をしてくれる。
そして 「資産運用ナビ」を利用することで、信頼できるIFAとつながり、個々の投資目的に合わせた助言を受けることができる。
さあ、さっそく「資産運用ナビ」へ相談してみよう。