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【劣後債の解体新書】メリットとデメリットを徹底解説

この記事で解決できるお悩み
  • 劣後債とは何かわからない
  • 劣後債のリスクに関する知識を深めたい
  • 適切な選び方とリスク管理方法を知りたい

リスクは高いが、利回りも高いと評判の「劣後債(れつごさい)」

商品の複雑さから長年経験がある投資家でも手を出している人が少ない劣後債だが、実はあまり知られていない魅力やメリットも多い。

今回は、劣後債について次のような疑問を持つ方へ向けて解説してみた。

  • 劣後債の基本知識を学びたい
  • 劣後債のメリットやデメリットを知りたい
  • 投資の基準をプロに相談したい

劣後債への投資をサポートする、投資のプロ、IFAの魅力についてもまとめているので、ぜひ今後の参考にしてみて欲しい。

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目次

劣後債とは

劣後債とは:基本知識から理解しよう わたしのIFAコラム

劣後債(劣後特約付社債)」とは、普通社債に比べて元本や利息が支払われる順位が低い社債のこと。

発行元の企業が破産した場合、普通社債の保有者など優先順位の高い人から順に弁済が行われ、劣後債の保有者はそれが終わり次第弁済がされるということだ。

一般的に弁済は【普通社債→劣後債→優先証券→普通株式】の順に行われ、劣後債は優先順位が高い普通社債と最も低い普通株式の中間的な性格を持つといわれている。

劣後債の定義と特徴

国債や社債と劣後債の一番の違いは「劣後特約」と呼ばれるものの有無にある。

劣後特約とは、劣後事由が合った場合の弁済順位が低くなるというもので、このリスクの代わりに利回りが相対的に高く設定される。

また、普通株式より弁済順位は高いが、値動きは普通株式よりも小さくなる傾向にある。

つまり「普通債券と普通株式の中間的な性質を持っている」というのが、劣後債最大の特徴だ。

劣後債の発行背景と目的

一見リスクの方が大きいように見える劣後債。ではなぜ企業は劣後債を発行するのだろうか?

その理由は「自己資本を高められる」という点が大きいと考える。

会計上劣後債は「負債」に位置づけられるが、資本としての性質を併せ持っているという特徴がある。

債券を持つ企業には、格付け会社と呼ばれる支払い能力を評価する期間が監査に入るのだが、劣後債を資本とみなしてくれることもあるので、「借金があっても返済能力のある会社」と信用を示してくれるのである。

つまり、劣後債を発行することで、企業は株式の価値を落とすことなく自己資本を高めることができるということだ。

劣後債の種類と他債券との違い

劣後債には、「永久劣後債」と「期限付劣後債」の2種類がある。

永久劣後債・満期がない劣後債
・元本の返済がされない代わりに、企業の経営が続く限り永久に利率が支払われる
期限付劣後債・満期が決められている劣後債
・相対的に利回りは小さいが、元本や利息が支払われる順位が高く、値動きは小さい。

元本や利息の返済順位が低いが利益率は高めに設定されているという点以外、劣後債は他債券とそれほど違いはないといえるだろう。

大きく違いが出るのは、万が一企業が経営破綻をして負債の返済が困難となった場合。

負債の返済は劣後債以外の普通社債などに優先して支払われていくため、最悪元本自体も戻ってこないこともあり得る。

劣後債のメリット

劣後債のメリット わたしのIFAコラム

リスクばかりがイメージされる劣後債だが、実は知られていない魅力やメリットが多いのも事実。

ここでは、劣後債のメリットについて解説していく。

高利回りの魅力

劣後債の最大の魅力は、なんといってもその利回りの高さ。

元本を回収できないリスクが他債券に比べて圧倒的に高いので、その分高い金利が設定されているのである。

リスクと同じ分だけ、まとまった利益が得られる可能性もあるというのが魅力的だ。

通貨分散効果がある

劣後債で利益を得るためには、倒産しない会社を選ぶことがポイント。

よって、投資先は分散しておき万が一に備えておくことが重要である。

例えば、円ベースで短期的に利益が落ちても、米ドル建て劣後債を発行している企業を選び保有を続け、損益分岐点を上回ることができれば結果的に利益につながる。

よって劣後債にはドル建て資産として持つことで・通貨分散効果があるといえるだろう。

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劣後債のデメリット

劣後債のデメリット わたしのIFAコラム

とはいえ、やはり劣後債にもデメリットがある。

劣後債の保有を考えている人は、リスクを知り、慎重に選んでいくことが重要だ。

返済順位が低い

先ほど紹介したとおり、劣後債は他債券に比べて元本や利息の返済順位が低いのがデメリット。

万が一企業が経営破綻してしまった場合、順位の高い普通社債から返済されるので、元本自体が戻ってこないというリスクも考えられる。

投資金額が大きくなる

劣後債は額面が大きく、投資金額が大きくなってしまうこともデメリットである。

近年では、数十万円程度から投資できる劣後債も増えてきたが、最低単位は100万円や250万円が主流で、投資の中でもやや高い印象だ。

早期償還される可能性がある

永久劣後債には「期限前償還条項」というものがある。

発行元の企業が任意で決定した時期に期限を早めて償還ができる権利であり、ファーストコールと呼ばれる満期前で切り上げて償還できる最も早い日に償還されるケースが多い。

劣後債が期限前に償還された場合、想定よりも利回りが下がる可能性もある。

劣後債の適切な選び方とリスク管理

劣後債の適切な選び方とリスク管理 わたしのIFAコラム

ここまで劣後債の基礎知識や、魅力的なメリット、デメリットやリスクなどについて紹介してきた。

では、「実際に劣後債を買うならどのように選び、リスク管理をしていけばいいか」という疑問について答えていく。

劣後債の選択基準

劣後債を選ぶ上で最も重要視したいのは、「満期までの期間がなるべく短い銘柄」であるということ。

永久劣後債のように満期がないものや、償還までの期間が10年を超えてくる銘柄などもあるが、長く持てば持つほどリスクも大きくなるので、期間は短いものを選ぶのが賢明だろう。

また、資金調達が目的の一般企業に対して、メガバンクなどの金融機関は資本への組み入れを目的として期限前に償還される可能性が高い銘柄である。

リスクが大きい一般企業より、期日が短くて返済能力も高い金融機関の銘柄を選ぶのもオススメだ。

リスク回避の戦略

劣後債によるリスクを回避するためには、きちんと戦略を立てて、自分に合ったポートフォリオを構築することが重要である。

適切な金融商品選び、資産からどの程度の比率で劣後債へ投資していくのか、具体的なポートフォリオの構築はリスク回避の対策に必要不可欠。

とはいえ、投資の中でもやや複雑な劣後債。ポートフォリオの作成は、投資のプロであるIFAへ相談するというのも一つの戦略である。

IFAとのパートナーシップ

IFA (資産アドバイザー)とは、独立系ファイナンシャルアドバイザーとも呼ばれる投資のプロフェッショナルだ。

証券会社や特定の金融機関に属さず、中立的な立場からあなたの資産運用をサポートしてくれる強い味方だ。

自社製品の押し売りやノルマなども一切ないので、会社利益に関係なくお客様目線での支援をしてくれる。「しつこい勧誘は嫌」「信頼できる人に相談したい」という人にはぴったりである。

劣後債の投資におけるポートフォリオの構築や、投資後のサポートなども一貫して管理してくれるため、IFAはあなたにとって、なくてはならないパートナーとなっていくだろう。

IFAへの相談から運用開始までは、下記の手順で始めることができる。

  1. IFAを探す
  2. 相談の申し込み
  3. 面談
  4. 運用スタート
  5. 商品購入後のフォロー

「自分に合ったIFAに出会えるのか不安」という人は、投資家と資産運用アドバイザーを結ぶマッチングサービス「わたしのIFA」に一度相談してみるとよいだろう。

まとめ

まとめ わたしのIFAコラム

本記事では、劣後債の基本知識やメリット・デメリット、そして銘柄の選び方やリスク管理のポイントについて詳しく解説した。

一見リスクが高いように見える劣後債であるが、リスクを正しく理解して保有していけば利回りの良さやリスク分散効果など様々なメリットがあるということもわかった。

とはいえ、やはり普通の債券等に比べて手を出すには少々難易度の高い劣後債。個人の知識だけでなく、ぜひ投資のプロIFAのサポートを取り入れながら進めていきたい者だ。

わたしのIFA」はあなたの性格や目的に合わせて最適なIFAを紹介してくれる投資家と資産運用アドバイザーを結ぶマッチングサービス。

ぜひ活用して、信頼できるIFAとともに資産運用をしていこう。

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※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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