- レバレッジ型投資信託がどのようなものか知りたい
- レバレッジ型投資信託の運用リスクを適切に管理したい
- おすすめのレバレッジ型投資信託を教えてほしい
一般社団法人投資信託協会が調査した「数字で見る投資信託」では、公募公社債投資信託ならびに公募株式投資信託の純資産総額が、いずれも過去最高となった。
新NISAの制度も始まり、投資信託を活用した資産形成が身近になりつつある。
投資信託での資産運用を検討している人の中には、レバレッジ型投資信託を活用すべきか悩んでいる人もいるだろう。
レバレッジ型投資信託は、どのような特徴や注意点があるのだろうか。
今回は、レバレッジ型投資信託のメリットやリスク、おすすめの銘柄について解説する。
投資信託とは何か、投資信託のおすすめについて知りたい人は、記事をチェックしてほしい。
これから投資信託を始める人や、レバレッジ型投資信託に興味がある人は参考にしてもらいたい。
レバレッジ型投資信託の基本を理解しよう
最適なレバレッジ型投資信託を見つけるためには、基本的な特徴やメリットについて把握したうえで、自身のリスク許容度に応じた銘柄を探す必要がある。
そこで、レバレッジ型投資信託の基本について、以下の項目に沿って解説する。
- レバレッジ型投資信託の仕組み
- レバレッジ型投資信託で運用する意義
- おすすめのレバレッジ型投資信託はどう見つけるべきか
運用成果次第では、高いリターンを得られる投資信託なので、それぞれのポイントについて確認しよう。
レバレッジ型投資信託の仕組み
レバレッジ型投資信託は、基本的な投資信託と仕組みは同じである。
投資信託投資家が預けた資金を活用して、ファンドマネージャーが株式や債券へ投資をする。
投資によって得られた利益は、投資家に支払われる。
実際にどのようなパフォーマンスで運用するかは、ベンチマークに据える株式指数によって異なる。
代表的な指数は、以下の通りである。
- NYダウ
- アメリカを代表する30の銘柄から構成されている指数
- S&P500
- 一定条件を満たしたアメリカの企業500社で構成されている指数
- 日経平均
- 東証プライム市場に上場する225銘柄の指数
通常の投資信託との違いは、投資する資金の数倍のレバレッジ(てこ)を利かせて投資する運用スタイルである。
資金にレバレッジを利かせることで、リターンにもレバレッジが利く。
そのため、運用成果がプラスになる場合、通常よりも高いリターンが得られる可能性が高まる。
一方、市場がマイナスに触れた場合、レバレッジを利かせたために、損失も通常より高くなる。
つまり、一般的な投資信託に比べて、レバレッジ型投資信託はハイリスクハイリターンである。
「ブルベア型」と表記されている投資信託は、レバレッジ型投資信託である。
レバレッジ型投資信託で運用する意義
レバレッジ型投資信託のメリットは、市場が好調でプラス運用できる場合に、高いリターンが見込める点にある。
レバレッジについては、投資信託ごとに倍率が決まっている。
仮にベンチマークの指数が10%上昇した場合、レバレッジが3倍だと30%上昇したことになる。
つまり、レバレッジが3倍だと、運用効果でリターンが3倍の成果が出るので、高いリターンが期待できる。
ただし、レバレッジは日々の値動きに対してレバレッジが利くため、運用期間が長くなると、実際の指数の動きとは異なる値動きをする。
おすすめのレバレッジ型投資信託はどう見つけるべきか
レバレッジ型投資信託を選ぶ場合、ポイントとしては以下の3つを踏まえると良い。
- レバレッジは何倍なのか
- ベンチマークとする株式指数は何か
- 手数料はいくらか
レバレッジが高ければ高いほど、運用成果がプラスになった場合、得られるリターンも高くなる。
そのため、レバレッジが何倍になっているかは、銘柄ごとに確認する必要があるだろう。
ただし、レバレッジが高くても自身のリスク許容度に沿っているかは確認しておくと良い。
また、ベンチマークとする指数にも注目する必要がある。
日経平均なのか、S&PやNASDAQ100といったアメリカの株式指数かによって、成果も異なる。
そのため、成果目標としている指数も選ぶ際はポイントにしておきたい。
最後に、手数料がいくらになるか確認しておくと良い。
一般的に、投資信託には以下の手数料がかかる。
- 購入時手数料
- 購入時にかかる手数料
- 信託報酬
- 投資信託を保有中にかかる手数料
- 信託財産留保額
- 投資信託を解約した場合にかかる手数料
できるだけ信託報酬が低く、信託財産留保額がかからない銘柄を選ぶと良い。
おすすめのレバレッジ型投資信託を紹介
レバレッジ型投資信託の特徴やメリット、選び方について把握したら、銘柄を選び始めよう。
投資対象とする資産やレバレッジの程度によって運用成果が異なるため、今回は国内株式と米国株式でおすすめのレバレッジ型投資信託を紹介する。
- 日本株式
- 米国株式
- 米国株式
それぞれの銘柄について確認しよう。
SBI日本株4.3ブル
SBI日本株4.3ブルは、日々の株式市場の値動きのおおむね4.3倍程度になるように運用する投資信託である。
2018年12月から2023年6月における騰落率は、以下の通りになっている。
最大 | 401.3% |
---|---|
最低 | -55.2% |
年間収益率は、以下の通りになっている。
年間収益率 | |
---|---|
2017年 | -1.4% |
2018年 | -54.2% |
2019年 | 94.3% |
2020年 | 21.0% |
2021年 | 1.7% |
2022年 | -46.9% |
2023年 | 170.5% |
上記のように、リスクとリターンのブレが大きい銘柄となっている。
SBI日本株4.3ブルは、他の日本株におけるレバレッジ型投資信託と比較して、信託報酬が低い点がメリットである。
他の日本株におけるレバレッジ型投資信託と、信託報酬を比較しよう。
SBI日本株4.3ブル | 0.968% |
---|---|
楽天日本株4.3倍ブル | 1.243% |
ブル3倍日本株ポートフォリオ6 | 1.023% |
以上から、日本株を使ったレバレッジ型投資信託を選ぶ場合は「SBI日本株4.3ブル」がおすすめである。
iFreeレバレッジFANG+
iFreeレバレッジFANG+は、日々のNYSE FANG+指数の値動きのおおむね2倍程度になるように運用する投資信託である。
FANGとは、米国株式で主要銘柄である以下の株式を運用対象としている。
- Facebook(Meta)
- Amazon
- Netflix
上記4銘柄に、AppleやMicrosoft、NVIDIA、AMD、TESLA、SNOWFLAKEを追加した10銘柄で構成されている。
2018年9月から2023年8月における騰落率は、以下の通りになっている。
最大 | 78.9% |
---|---|
最低 | -74.2% |
年間収益率は、以下の通りになっている。
年間収益率 | |
---|---|
2020年 | 44.5% |
2021年 | 29.6% |
2022年 | -73.6% |
2023年 | 166.2% |
iFreeレバレッジFANG+は、テクノロジーによるイノベーションでさらなる成長が見込まれる米国上場企業の株式で構成されているので、短期的な視点でも成長を見込める可能性がある。
NASDAQ100 3倍ブル
NASDAQ100 3倍ブルは、日々のNASDAQ100指数の値動きの3倍程度になるように運用する投資信託である。
FANG+と異なり、テクノロジー以外の産業も含んでいるので、幅広い産業を対象としたリターンが期待できる。
2018年11月から2023年10月における騰落率は、以下の通りになっている。
最大 | 136.7% |
---|---|
最低 | -80.3% |
年間収益率は、以下の通りになっている。
年間収益率 | |
---|---|
2020年 | 28.6% |
2021年 | 87.9% |
2022年 | -80.3% |
2023年 | 80.8% |
以上から、どの銘柄もリスクとリターンのブレが大きくなっている。
レバレッジ型投資信託におすすめの運用戦略
レバレッジ型投資信託は、高いリターンを期待できる一方で、通常の投資信託よりもリスクも大きい。
そのため、レバレッジ型投資信託のリスクを把握したうえで購入するべきか検討する必要もあるだろう。
以下のポイントに沿って、レバレッジ型投資信託のリスクコントロールの方法を紹介する。
- レバレッジ型投資信託のリスク
- 効果的なリスクコントロール戦略
- 他の投資手法との適切な組み合わせ
それぞれ確認していこう。
レバレッジ型投資信託のリスク
レバレッジ型投資信託のリスクは、長期保有に向かない点である。
一般的に、投資は期間を長くするとリスクとリターンの幅が小さくなり、安定した運用成果を出すとされている。
しかし、レバレッジ型投資信託は、長期で保有し続けても安定した運用成果を得られない。
レバレッジ型投資信託は、日々の指数に対してレバレッジがかかるので、長期的には指数と異なる値動きをする。
そのため、短期的な売買でリターンを得る必要がある。
また、コストの面も他のインデックス運用の投資信託より割高になるケースが多い。
そのため、余計なコストがかかってしまい、運用成果が不調になるリスクがあることも把握しておくと良いだろう。
レバレッジ型投資信託に効果的なリスクコントロール戦略
リスクコントロールを効果的に行うには、他の投資信託に分散投資すると良い。
レバレッジ型投資信託は、短期的な売買によって運用成果を出す商品なので、一般的な長期保有の投資信託を主軸にし、レバレッジ型投資信託は資産の一部で運用すると良いだろう。
実際に、分散投資は投資リスクを軽減する効果に加え、運用を高める効果がある。
2020年にニッセイ基礎研究所が調査した「分散投資効果の計測とパフォーマンス改善の検証」によると、分散投資効果によってリスクを20%低減できている。
また、年率換算でみたリターンが3.92%から4.25%に向上している。
そのため、分散投資は運用パフォーマンスの向上に寄与している。
投資で一定の成果を出すためには、分散投資が重要といえるだろう。
異なる値動きをする資産や銘柄を取り入れておけば、他の資産が値下りしても、他の資産が値上がりすればリスクを下げることができる。
そのため、複数の資産に分散した投資が有効とされている。
レバレッジ型投資信託と他の投資手法を組み合わせよう
レバレッジ型投資信託と組み合わせるなら、インデックス型の投資信託がおすすめである。
インデックス型の投資信託は、ベンチマークとする指数に基づいた値動きになるように運用を目指す。
そのため、レバレッジ型投資信託とは性質が異なる投資信託である。
短期的なリターンを大きく狙うレバレッジ型に対して、長期的な視点で安定的な資産形成を狙うインデックス型は、同じ投資信託でも異なる値動きをする。
そのため、分散効果が得られやすいといえるだろう。
レバレッジ型投資信託のおすすめ銘柄や運用法が知りたいなら誰に相談するべき?
レバレッジ型投資信託は、一般的な投資信託と異なり、長期で保有する性質の投資信託ではない。
そのため、銘柄選びやベンチマークとする指標の考え方、コストの妥当性など、専門的な知識が必要になる。
また、実際にレバレッジ型投資信託で資産運用をするべきなのかは、世帯や資産の状況、また投資目標によっても異なる。
このような判断をするには、高度な専門知識や経験が必要になるだろう。
そのため、投資経験がない人には、自身で投資信託の銘柄を選ぶのはハードルが高い。
そこで、今回は資産運用の専門家であるIFAに相談するメリットについて解説する。
レバレッジ型投資信託の運用における専門家の重要性
レバレッジ型投資信託を選ぶ場合、投資目標やどのタイミングで資産を増やしたいのかなどで、選ぶ銘柄が変わってくる。
そのため、特に初心者はどのようなレバレッジ型投資信託を選ぶべきか、自分では判断がつかない。
特に、レバレッジの倍率やコスト面などでは、通常の投資信託よりも高度な知識が必要になる。
目標とする運用成果を達成させるためには、資産運用に関する知識や経験が豊富な専門家であるIFAに相談すると良い。
IFAとは独立系ファイナンシャルアドバイザーのことだ。
IFAの役割とメリット
IFAに相談すると、それぞれの状況に合った適切なポートフォリオや投資額をいくらにするべきか相談できるメリットがある。
レバレッジ型投資信託だけでなく、自分に合う資産運用のやり方についても、アドバイスが受けられる。
さらに、IFAは幅広い投資商品の中から自分に最適な金融商品を紹介してもらえる点もメリットだ。
ファンドの騰落率や、各種コストの面から、おすすめのレバレッジ型投資信託を紹介してくれる点もメリットといえるだろう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法
最適なIFAを見つけるためにも、IFA検索プラットフォームを経由して、自身の相談内容を得意分野としているアドバイザーを見つけると良いだろう。
「資産運用ナビ」は、投資が初めての人でも安心して利用できる無料のIFA検索プラットフォームなので、気軽に利用してみてほしい。
実際に、レバレッジ型投資信託だけでよいのか、日本や他国の金融商品も組み込むべきかもアドバイスが受けられるだろう。
他の資産クラスへの分散投資が必要であれば、トータルでアドバイスが受けられるので、その点も確認してもらうと良い。
レバレッジ型投資信託のおすすめ戦略は短期的な目線とコスト管理
レバレッジ型投資信託は、通常の指数の値動きより高い倍率で運用する方法で、高いリターンが期待できる投資信託である。
基本的な選び方としては、レバレッジの倍率や目標としている指数、コストの面を踏まえて投資すると良い。
ただし、リスクとリターンの幅が大きいので、リスクが高い点、通常の投資信託と異なり長期で保有してもメリットが出にくい特徴がある。
効率よく運用成果をプラスにするためには、短期的な視点で投資をしながら、投資信託のコストや運用スタイルを見て決める必要がある。
どのような銘柄を選ぶべきかは、個人の資産状況やリスク許容度に応じて異なる。
そのため、資産運用に関する疑問や不安があれば、専門家からアドバイスを受けると良い。
特にIFAは、中立的な立場から最適なアドバイスを長期にわたって提供してくれる。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用し、あなたに合ったIFAを見つけると良い。