- 円安が資産運用に与える影響を知りたい
- 円安時におすすめの運用法が知りたい
- 円安時の資産運用で注意すべき点を知りたい
新NISAでは、海外株式へ投資する投資信託への人気が集中している。
しかし現在の日本はインフレが進行しており、1990年以来の円安水準である一時151円97銭にまで下落した。
このようにインフレが進行していると「海外資産への投資は、もう遅いのではないだろうか」と不安を抱えている方も多いだろう。
この記事では、円安と資産運用の関係性や有効な資産運用戦略について解説する。
また具体的な銘柄や商品を出して解説するため、初心者でも参考になる内容となっている。
円安時の資産運用戦略について知りたい方は参考にしてほしい。
また、この記事を通じて投資の見通しを分析したい方は以下の記事を参考にしてほしい。
円安と資産運用の関係性
円安と資産運用の関係性について以下3つを解説する。
- 円安とは
- 日本で円安が進行し続ける理由
- 円安時のメリットとデメリット
円安とは
円安とは海外の通貨に対して日本円の価値が低くなることを言う。
一方で高くなることを「円高」と表現する。
ドル円の為替レートが「1ドル=100円」から「1ドル=110円」に動くと円の価値が安くなったことになるため「円安」と呼ばれる。
逆に「1ドル=90円」になると円の価値が上昇したため「円高」と呼ぶ。
円安になると海外に物を高く売れるため、輸出に有利だ。
一方で円高は海外製品を安く仕入れられるため、輸入に有利となる。
為替動向は日々の生活や資産運用に大きな影響を及ぼす。
そのため為替動向がどのようになっているのか意識することが大切だ。
日本で円安が進行し続ける理由
ドル円の為替レートは、過去10年間100円台から110円台で推移してきた。
2022年から急激に円安方向に動き、2022年10月20日には1998年8月以来となる1ドル=150円台前半を記録した。
円安が進行し続ける理由はさまざまあるが、大きな原因は米国と日本の金利差だ。
アメリカはコロナショックで大規模な金融緩和を実施したが、コロナショックから回復した後インフレが加速した。
FRBは高止まりするインフレを抑制するために利上げを行ったことが、大きな金利差を生んだのだ。
利上げを実施したことで、金利がつかない円よりも高い金利が受け取れるドルを買う方が多くなり「ドル買い円売り」が行われ、円安が進んでいる。
また日本が大規模な金融緩和政策を継続していたことも原因の1つだ。
2024年3月19日の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の解除を決定した。
しかしそれまでは大規模な金融緩和を維持していたことで、米国と日本との金利差が広がった。
結果として「ドル買い円売り」が加速し、円安が進行している。
円安時のメリットとデメリット
日常生活や資産運用における円安時のメリットとデメリットについて解説する。
メリット
円安のメリットは、外貨建ての資産収入または資産価値が上昇することだ。
たとえば外貨建ての資産を100ドル分保有しているとしよう。
「1ドル=100円」100円のときの資産価値を円に直すと1万円だ。
仮に資産価値が変わらず、為替が円安に進行し「1ドル=120円」になった場合の資産価値は1万2,000円になる。
つまり資産価値が変動していなくても、為替が円安方向に動くと外貨建て資産の価値が上昇する。
デメリット
円高のデメリットは「生活費の上昇」と「海外資産の購入コストの上昇」の2つだ。
日本は多くのものを輸入に頼っている。円高になると輸入コスト・仕入コストが上昇する。
これらのコストは販売価格に転嫁されるため、私たちの生活費は上昇し、生活が苦しくなる。
また円高は、海外資産の購入コストの上昇にもつながる。
これまで1万円で1株購入できていた株式が、円安の進行によって1万2,000円出さないと、購入できなくなってしまう。
これからも円安進行すると考えるのであれば、早めに資産運用を始めないと、資産形成の面では不利になってしまう。
円安時におすすめの資産運用法
円安時におすすめの資産運用法について以下3つを解説する。
- 株式投資
- 海外資産への投資
- 現物資産への投資
株式投資
円安で恩恵を受ける輸出産業やインバウンド銘柄への株式投資は、非常におすすめだ。
たとえばトヨタ自動車が考えられる。
トヨタ自動車の売上は2021年から2023年3月の3年連続で増加している。
またトヨタ自動車は2023年11月1日に、為替レートの前提を変更し、業績予想の修正を発表した。
修正前の営業利益は3兆円だったが、修正後は4兆5,000億円と従来予想より50%も引き上げた。
これからも円安が継続するのであれば、トヨタ自動車をはじめとした輸出産業は堅調の可能性が高い。
インバウンド銘柄であれば、寿スピリッツの業績が堅調だ。
寿スピリッツはお菓子の製造販売を行っており、シュクレイ、フランスなどが有名だ。
空港や高速道路の売店、ホテルや土産物店に商品を提供しており、インバウンド需要が見込める銘柄である。
売上高は2021年から2023年まで連続で増加している。
また2026年3月期のインバウンド売上高の目標として100億円を掲げている。
この数字は2023年3月期実績である19億7,800万円のおよそ5倍だ。
いかにインバウンド需要が旺盛かがわかるだろう。
上記のような銘柄に投資すれば、円安の恩恵を受けられる。
海外資産への投資
海外資産への投資を検討しても良いだろう。
中でも推奨するのは外国債券や海外REITだ。
外国債券の中でも米国債は買い時と言えるだろう。
米国10年債の利回りは2024年4月27日時点でおよそ4.2%だ。
安定性の高い資産で、4%近い利回りを今後10年にわたって確保できるというのは非常に魅力的である。
また債券は基本的に金利が低下すると、価格が上昇するため、FRBの金利政策次第では値上がり益も狙える。
さらに円安が進めば、資産価値の上昇も期待できる。
資産の分散を意識するなら海外REITも選択肢の1つだろう。
日本経済新聞によると、年初来の海外REITの成績は-0.8%、国内REITは-4.8%だった。
成績に差が出た原因は為替動向にある。
ドル円相場は年初からおよそ6%下落したため、海外REITのマイナスは、為替差益の影響で緩和された。
海外の資産や分散投資していると、円安によってマイナスのリターンを緩和してくれることもある。
円建ての資産しか保有していない方は、今から外貨建て資産の保有による分散投資をおすすめする。
現物資産への投資
不動産や金などの現物投資も有効だ。
円安のデメリットでも解説したが、円安は輸入コストが上がりインフレになりやすい。
インフレになると現金が目減りするため、購買力が落ちてしまう。
不動産や金などの現物資産は、インフレに強いという特徴がある。
むしろインフレになると資産価値が上昇する可能性もある。
また海外投資家から見ると、円安は日本の資産を安く買えるチャンスでもある。
そのため海外投資家の資金が流入することで、日本の不動産価格が上昇する可能性は十分にある。
円安が継続する場合、保有資産が現金だけでは生活が年々苦しくなってしまう。
株式や海外資産、現物資産への分散投資をすることで、円安への対策ができる。
円安時に取るべき投資戦略
円安時に取るべき資産運用戦略について以下3つを解説する。
- 為替変動に備えて複数国の資産を保持する
- 資産分散や時間分散を活用してリスクを抑える
- 海外資産への長期積立投資を行う
為替変動に備えて複数国の資産を保持する
為替の動向を読むことは専門家でも難しい。
そのためどのような為替変動があっても対応できるように、複数国の資産を保有するのがおすすめだ。
投資信託であれば1つの商品で、さまざまな国や資産に分散投資できるものもある。
たとえば「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は、以下8つの資産に均等投資できる商品だ。
- 国内株式
- 先進国株式
- 新興国株式
- 国内債券
- 先進国債券
- 新興国債券
- 国内REIT
- 先進国REIT
また組入上位10通貨は以下の通りだ。
1 | 日本円 | 37.3% |
---|---|---|
2 | 米ドル | 26.0% |
3 | ユーロ | 5.7% |
4 | 中国元 | 2.8% |
5 | 香港ドル | 2.5% |
6 | インドルピー | 2.2% |
7 | 台湾ドル | 2.1% |
8 | ブラジルレアル | 1.9% |
9 | 英ボンド | 1.7% |
10 | メキシコペソ | 1.7% |
これだけの資産、通貨に分散投資できていれば、どのような為替変動があっても大ダメージを負う可能性は低くなる。
資産分散や時間分散を活用してリスクを抑える
資産分散や時間分散も非常に有効だ。
資産によって資産額が上昇するタイミングは異なる。
複数の資産を保有していれば、円安・円高どちらに進行したとしても、急激な資産額の変動を抑えられる。
また時間分散を活用して投資を行うことも有効だ。
先述したように為替動向を正確に予測することは専門家でも難しい。
そのため為替リスクを減らすためには、投資タイミングを分散することが重要だ。
投資タイミングを複数設けると、円安・円高どちらのタイミングでも投資が行える。
つまり極端な円安での投資を避けられ、大きな為替差損を防げる。
海外資産への長期積立投資を行う
これまでの解説を加味すると、現在合理的な円安時の運用戦略は海外資産への長期積立投資だ。
海外資産は外貨建てのため、円安時には資産収入や資産額の増加が見込める。
また長期で積立投資を行うことにより、為替リスクを抑えることもできる。
新NISAの活用により、税負担も軽減できる。
円安時の資産運用戦略に迷う方は、海外資産の長期積立投資を実践しよう。
円安時の資産運用の相談先はどこが良い?
資産運用の相談先について以下3つを解説する。
- 資産運用における専門家の重要性
- IFAの役割とメリット
- IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法と利用推奨
本記事で紹介してきた円安時の運用方法をすべて実行することは難しい。
特に資産運用の経験がない方は、本当にこれで良いのかと疑問を持つだろう。
自分と相性の良い資産運用の相談先を見つけていれば、不安や疑問があるときにすぐにアドバイスを求められる。
資産運用における専門家の重要性
資産運用で成功するために大切なことは、自分にあった運用戦略を実行することだ。
ネットや書籍に記載されている運用戦略は、万人におすすめできるものであって、あなた自身に合っているとは限らない。
専門家に資産運用を相談すると、あなたに合った運用戦略を提案してもらえる。
また資産運用を継続していると、景気や非常の動向によっては現在の運用戦略に不安や悩みが出てくることもあるだろう。
すぐに相談できる専門家がいれば、アドバイスを求めることができ、あなたの抱える不安や疑問をすぐに解消してくれる。
IFAの役割とメリット
あらゆる専門家の中で最もおすすめするのは、独立系ファイナンシャルアドバイザーと呼ばれるIFAだ。
IFAとは銀行や証券会社などの金融機関に所属しておらず、中立的な立場で資産運用のアドバイスを行う専門家である。
投資家の運用目標や資産状況を加味した上で、適切な運用戦略や投資先の紹介をしてくれる。
IFAは複数の金融機関と提携しているため、紹介できる商品に制限はない。
IFAには転勤がないため、長期的な関係を築きやすい。
金融機関に所属している営業担当者であれば、一般的に3年〜5年に1度転勤がある。
現在の担当者が転勤になってしまうと、新しい担当者と1から関係を築かなければならなくなる。
担当者が変わると、これまでの相談内容が共有できていなかったり、相性の悪い担当者に当たってしまう可能性もある。
IFAは基本的に転勤がないため、一度信頼関係を築ければ将来にわたって、あなたに有益なアドバイスを提供してくれる。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法と利用推奨
IFAを探すならIFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用しよう。
「資産運用ナビ」は無料でIFAを探せるサービスだ。
簡単な情報を入力するだけで、あなたと相性の良いIFAを紹介してくれる。
IFAのプロフィールや実績は公開されており、ミスマッチを防ぎやすい。
面談はWebと対面どちらにも対応しており、好きな方を相談者が選べる。
また無料で何度でも相談が可能で、提案内容や商品に納得がいくまで繰り返し相談ができる。
費用が発生するタイミングは、IFAから紹介された商品を購入するときのみだ。
「円安で生活が苦しい」「円安時の最適な資産運用の戦略を知りたい」と考えている方は、「資産運用ナビ」を活用して、信頼できる資産運用のスペシャリストを探してはいかがだろうか。
円安時でも効果的な戦略で資産運用を続けよう
この記事では、円安と資産運用の関係やおすすめの資産運用戦略について解説した。
円安は生活コストが上昇するといったデメリットはあるが、購入する資産や運用戦略によっては資産を増やすチャンスでもある。
万人におすすめできる円安時の運用戦略は、海外資産への長期積立投資だ。
しかしこの運用戦略は一例であり、最適解は個人により異なる。
自分に合った運用戦略を知りたければ、資産運用のスペシャリストにアドバイスを求めよう。
スペシャリストの中でもIFAは中立的な立場で、あなたにベストな提案を長期に渡って提供してくれる。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用すれば、自分と相性の良いアドバイザーを無料で簡単に見つけられる。