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高配当ETFを徹底比較!自分に合った銘柄を見つけよう

この記事で解決できるお悩み
  • 高配当利回りのETFを比較して自分に合うものに投資したい
  • 高配当ETF投資のメリットとデメリットが知りたい
  • 高配当ETFを選ぶ時に重視すべき点が知りたい

この記事では、高配当ETFの概要や選び方、さらにはさまざまな種類のETFを比較解説する。

ETF(Exchange Traded Fund)とは、上場投資信託ともよばれる投資信託の一種だ。

投資信託は証券会社によっては扱っていない商品もあるが、ETFは株式と同じく、証券口座があればリアルタイムで売買できる。

また投資先から得た配当金や利息を運用会社がまとめ、再投資はされず、投資家に分配金として支払われる。

配当利回りが高い高配当ETFに焦点をあてて説明するので、ETFでの投資を検討している人は参考にしてほしい。

※配当利回り:投資金額(購入金額)に対して得られる年間配当金額(分配金額)の割合

目次

比較する前に知っておきたい高配当ETFの基本

ETFは株式などと同様に、市場での価格上昇にともない、資産の拡大が期待できる(キャピタルゲイン)

その一方でインカムゲインとして、3%以上の高い配当利回りで、分配金が得られるETFもある。

このようなETFを高配当ETFとよび、近年関心が高まっている。

しかしETFは、元本保証がされている金融商品ではないため、資産を減らす危険性もある。

ここでは高配当ETFの長所と短所を解説する。

高配当ETFが選ばれる理由

高配当ETFは、一般的なETFと同じく、投資先は分散されている。

このため、仮に一部の投資先が破綻しても、ETF自体の価値がゼロになることはない。

また高配当ETFでは、堅実な投資先が多い傾向があり、市場価格は安定しているといわれている。

配当利回りが低下した投資先はETFから除外され、利回りが高い投資先への入れ替えが定期的に行われている。

なお分配金は年数回に分けて支払われるが、NISA口座で投資すれば、税金がかからない不労所得が得られる。

高配当ETFの注意点

高配当ETFの中身は、比較的成熟した投資先で構成されていることが多く、急激な成長が期待できる投資先は少ない傾向がある。

さらに将来にわたり、高配当が約束されているわけではないので、投資先の業績不振や不景気などで分配金が減るときもある。

価格が値下がりする投資先が多くなると、その影響でETF全体の価格が下がり、将来売却した際に損失が生じる恐れもある。

業績に不釣り合いなほど過剰な配当を行う投資先は、財務状態が悪化し、結果的に破綻する危険性もある。

なお分配金は自動的に再配当されないため、投資信託のような分配金による「複利の効果」は得られない。

高配当ETFを比較する際の基準

市場には、さまざまな高配当ETFがあるため、どれを選べばよいか悩んでしまうこともあるだろう。

可能な限り、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を、将来にわたり期待できる高配当ETFを選びたい。

そこでここでは、よりよい高配当ETFを選ぶための比較基準について解説する。

投資対象の成長性と安定性のバランスを比較する

高配当ETFといえども、「投資先の将来性に投資する」という投資の本質は変わらない。

「将来性」とは、将来にわたり配当を支払い続ける「安定性」、または投資価値の上昇が期待できる「成長性」のことだ。

優れた高配当ETFは、安定性の高い投資先と、ETF価格の上昇が期待できる成長性の高い投資先で構成されている。

株式のETFでは、電力・ガスなどの公益企業や消費財分野は安定性が高く、ITやヘルスケア分野は成長性が期待される投資先だ。

高配当ETFを選ぶ際は、ETF内で構成比の高い投資先を調べ、成長性と安定性のいずれに重きを置くETFかを確認しておこう。

分配金重視ならば安定性の高い投資先の比率が大きく、株価重視ならば成長性が見込まれる投資先の比率が大きいETFを選ぶとよいだろう。

分配金の実績推移を比較する

購入候補の高配当ETFが見つかったら、これまでの分配金実績の推移を確認しておこう。

配当利回りが維持されている、または上昇しているETFが望ましい。

またETF内の構成比率が大きい投資先の経営状況を、確認しておくこともおすすめする。

減配している投資先のなかには、新たな事業開拓のため配当を抑え、敢えて減配している場合があるかもしれない。

また経営状況に反して、無理な配当をしている投資先もあるかもしれない。

株式の場合は標準的な配当利回りは2%程度であるため、経営状況は芳しくないのに、配当利回りが高いときは気をつけた方がよい。

運用コストを比較する

ETFには、運用コストとして、以下の三つの手数料がかかる。

  • 購入手数料
    • 購入時にかかる手数料
  • 信託財産留保額
    • 売却時にかかる手数料
  • 信託報酬
    • ETFを保有している間に支払う手数料(損失があったときにも支払う)

信託報酬以外の費用(監査費用、ETFの上場費用など)を含めた総経費率でコストを表すファンドもある

運用コストは重視すべき点だが、コストを優先して高配当ETFを選んではいけない。

購入候補のETFが数点に絞り込まれた結果、さまざまな点で同レベルのETFが複数あったときになったら、最後はコストで選ぶ。

コストが高いETFでも、コスト以上に高い収益性が安定的に継続しているのであれば、そのETFを選ぶことも一考だろう。

高配当ETFを種類別に比較しよう

高配当ETFには、さまざまな種類があるが、ここではいくつかの観点に分けて比較する。

最初は地域性として、日本と海外、それぞれの高配当ETFを比較する。

次に運用方針の違いとして、インデックス運用とアクティブ運用、それぞれの高配当ETFを比較する。

最後に投資対象の違いとして、株式・債券・不動産の各高配当ETFの違いを解説する。

日本と海外の高配当ETFの比較

まず日本のETFと海外のETFの違いには、為替リスクの有無がある。

前者は日本円で取引されるために為替変動の影響はないが、海外のETFでは現地通貨で売買されるために為替リスクが生じる。

また海外のETFといえど、先進国ETFと新興国ETFに分けられ、日本以上に成長性が期待される国も多い。

先進国では政治も経済も安定しているため、新興国と比べて、投資に関する危険性は低い。

しかし新興国では、今後の成長性に期待されている反面、政治・経済が不安定な国も多い。

先進国と比べて投資対象としての信用力が低いため、配当利回りが高めに設定されているETFもある。

日本の高配当ETF(例)

NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信

  • 配当利回り
    • 3.02%(2024年4月24日時点)
  • 特徴
    • 日経平均株価の構成株式のうち、予想配当利回りの高い50社を選び、投資先として構成
    • その50社の株価指数に連動し、同様の運用成果をめざすETF
海外の高配当ETF(例)

NEXT FUNDS ブラジル株式指数・ボベスパ連動型上場投信

  • 配当利回り
    • 7.52%(2024年4月24日時点)
  • 特徴
    • ブラジル・サンパウロ証券取引所に上場する株式のうち、流動性の高い株式で構成
    • ブラジルのボベスパ指数に連動し、同様の運用成果をめざすETF
指数とは

市場における価格の値動きを表す指標

インデックス型とアクティブ型の高配当ETFの比較

一般的に資産の運用方針は、インデックス運用とアクティブ運用に大別される。

前者は、指数に連動する運用をめざす方針だ。

一方の後者は、運用会社のファンドマネージャーが投資先の選定や入れ替えを行い、インデックス運用以上の成果をめざす運用方針だ。

そのためアクティブ型高配当ETFでは、運用会社の経費が多くなり、インデックス型高配当ETFと比べて信託報酬は割高になる。

しかし収益性は、ファンドマネージャーの手腕にかかっているため、常に高い運用成果が得られるとは限らない。

インデックス型高配当ETF(例)

NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信

  • 配当利回り
    • 3.02%(2024年4月24日時点)
  • 特徴
    • 日経平均株価の構成株式のうち、予想配当利回りの高い50社を選び、投資先として構成
    • その50社の株価指数に連動し、同様の運用成果をめざすETF
アクティブ型高配当ETF(例)

NEXT FUNDS 日本高配当株アクティブ上場投信

  • 配当利回り
    • 2.28%(2024年4月24日時点)
  • 特徴
    • 配当利回りに着目し、高水準なインカムゲインと中長期的な値上がり益の獲得によるトータル・リターンをめざすETF
    • 投資先は、予想配当利回りや業績動向などを考慮して候補株式を選別
    • 各投資先への組入比率は、流動性や投資分散、そして今後の株価上昇の可能性などを踏まえて決定

投資対象別の比較

各高配当ETFの主要な投資対象には、株式・債券・不動産(REIT)がある。

債券とは

国や企業に投資家が資金を貸し付けたことで受け取れる有価証券。

投資家は貸付金にともなう利息が得られる。

不動産とは

ETFではREIT(リート)とよばれる不動産投資信託として組み込まれる。

REITでは投資家から集めた資金を不動産に投資し、得られた賃貸料収入や売却益は、投資家に分配される。

株式と債券との関係性は、一方が上がると他方が下がるという真逆の値動きをすることが多い。

このため両方の高配当ETFをバランスよく所有しておけば、市況変化があっても資産を維持しながら、安定的に分配金が得られる。

また債券は、株式と比べて、ローリスク・ローリターンの安定資産ともいわれている。

一方で、長期的な高配当を期待するのであれば、REITの高配当ETFもおすすめだ。

株式や債券と異なりモノ(不動産)に投資しているため、モノの値段が上がるインフレ状態にも強い投資先だ。

高配当ETFを比較して自分に合った銘柄を見つけたいなら誰に相談するべき?

ここまで高配当ETFの概要や選び方、そしてさまざまな種類のETFを比較解説した。

しかし実際にETFを購入することになると、不安を感じてしまう人もいるかもしれない。

そのようなときには、資産運用の専門家に相談することをおすすめする。

ここでは相談すべき資産運用の専門家として、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)について解説する。

さらに自分にあったIFAを探すための手段として、IFA検索サービス「資産運用ナビ」を紹介する。

専門家へ相談する重要性

世界にどのくらいの数のETFが現在存在しているか正確な数は不明だが、2022年末時点でも8,754のETFがある。

現在ではその数から増えている可能性は高く、そのなかから自分にあったETFを選ぶことは、簡単ではないはずだ。

しかし、さまざまな専門知識や豊富な投資経験をもつ専門家がいれば、購入すべきETFが見つかりやすくなるだろう。

またETFを売却する際にも、専門家から、最適なタイミングを教えてもらえばよい。

IFAという存在

資産運用の専門家といっても、証券会社の社員は、どうしても会社方針を優先した対応になってしまう。

FP(ファイナンシャルプランナー)は、金融商品の具体的提案が、法律上禁じられている。

その一方で証券外務員資格をもつIFAは、金融機関に属していないため、中立的立場で相談者の利益を優先した助言をしてくれる。

さらに転勤や人事異動がないため、資産運用のための長期的サポートも可能だ。

このようなことから、IFAに対する投資家からの関心が、近年一層高まっている。

「資産運用ナビ」の効果

このように投資家からの需要が高まっているIFAだが、自分にあったIFAに出会うことは難しいともいわれている。

IFAは全国各地にいるが、それぞれ専門分野や投資方針が異なり、自分と肌のあうIFAとは簡単に巡りあえないとの声も聞く。

最適なアドバイザーに出会うために、ここでは無料で使えるIFA検索サービス「資産運用ナビ」を紹介する。

簡単な質問に答えるだけで、その回答結果をもとに、候補者を紹介してくれる。

候補者とは何人面談しても無料であるため、自分にあったIFAを見つけられるだろう。

高配当ETFを比較して、自分に合った銘柄を見つけよう

この記事では、高配当ETFに投資するメリットとデメリット、高配当ETFの選び方を解説した。

世界には莫大な数のETFがあるが、どれを選ぶべきか、投資する人それぞれの投資方針によっても異なる。

ETFでの投資を行うにあたって、疑問や不安があれば、資産運用の専門家からアドバイスを受けてみてはどうだろうか。

資産運用であるIFAは、中立的な立場から長期にわたって、最適な助言や提案をしてくれる。

IFAと出会うためのツール「資産運用ナビ」を利用して、自分にあったIFAをみつけよう。

高配当ETFの比較に関するQ&A

おすすめの高配当ETFの特徴を教えてください。

ETF価格の上昇とともに、安定的かつ高い配当利回りが得られるETFをおすすめする。

通常のETFと比較した、高配当ETF投資のメリットとデメリットは何ですか?

メリットは、高い配当が期待できる投資先を中心に投資を分散している点だ。

さらに収益性の向上をめざして、定期的に投資先を見直していることもあげられる。

一方でデメリットは、市場の状況によっては減配することや、購入時の価格と比べ原本割れする恐れがある点だ。

日本の高配当ETFと米国の高配当ETFの違いは何ですか?

現地通貨での取引となるため、米国の高配当ETFには為替リスクが伴う。

一方でGDP世界第一の米国は、日本の高配当ETFと比べて、ETF価格の上昇や高配当が期待できる。

高配当ETFを比較する時に見るべき主要な指標は何ですか?

高配当ETFを選ぶ際に、金融商品のリスクを評価する指標として、シャープレシオがある。

シャープレシオとは、運用で取ったリスクに見合うリターンを上げたETFかどうかを測る指標だ。

投資には必ずリスクがともなうため、リスク以上のリターンが得られるETFを選びたい。

シャープレシオの値が高ければ、小さなリスクで大きなリターンが得られるETFであると評価される。

複数の購入候補からETFを選ぶ際には、よりシャープレシオが高いETFを選ぶべきだ。

日本株式向けの高配当ETFのうち、「iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF」と「NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信」を比較する。

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銘柄シャープレシオ(5年間の年率)
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF1.17
出典:日本経済新聞「iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF:運用実績」
NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信0.92
出典:日本経済新聞「NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信:運用実績」
※シャーププレシオは2024年5月時点の値

上記の二つの高配当ETFのうち、現時点の実績では、「iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF」の方が優れているといえる。

なお一般的にシャープレシオが、1.0以上であれば優良な金融商品と見なされ、2.0以上だと特に優良なものと評価される。

日本と海外の高配当ETFの税金処理にはどのような違いがありますか?

日本のETFでは、売却益や配当金に20.315%の税金がかかる。

このとき特定口座(源泉徴収あり)で運用していれば自動的に源泉徴収されるが、NISA口座での運用ならば非課税になる。

一方の海外では、その国の税制に従うことになるが、米国ETFの場合では以下のようになる。

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 米国の税金国内の税金
  売却益への課税0%20.315%
  分配金への課税10%20.315%

上記①では、円換算した売却益(「円建ての売却金額」と「円建ての購入金額」の差)に課税される。

こちらも特定口座(源泉徴収あり)では源泉徴収され、NISA口座での運用であれば非課税になる。

上記②では、米国と日本で二重に課税されるが、確定申告を行えば米国での課税は控除される(外国国税額控除)

ただしNISA口座での運用では、国内の税金は非課税になるかわりに、米国の税金は課税される。

個別株の配当銘柄に投資するのと比較して、高配当ETFに投資するのはどのような違いがありますか?

ETFは投資先が分散されているため、個別株と比べてリスクが低い。

ETFが投資している一部の株価が下落しても、他の投資先が補ってくれるからだ。

また自分の知らない株式銘柄でも、株価が上昇した株式が、ETFの投資対象ならば利益が得られる。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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