- 40代におすすめの投資信託を中心としたポートフォリオが知りたい
- 理想的なポートフォリオの構築法が知りたい
- 40代から資産運用を始めたい
40代の資産運用では、積極的なリスクを取りつつ安定性も重視することが重要だ。
手軽に分散投資を行うためには、投資信託の活用を検討したい。
本記事では、40代におすすめのポートフォリオについて、投資信託を活用した3つのパターンについて紹介する。
40代はどれくらい貯蓄してる?
資産形成について考えるときに気になるのが、「同世代はどれくらい貯蓄しているのだろう」という点だ。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、40代の金融資産の保有状況は下記の通りだ。
金融資産保有なし | 30.0% |
---|---|
100万未満 | 10.0% |
100万~200万円未満 | 8.1% |
200万~300万円未満 | 4.7% |
300万~400万円未満 | 5.2% |
400万~500万円未満 | 3.5% |
500万~700万円未満 | 6.8% |
700万~1,000万円未満 | 6.1% |
1,000万~1,500万円未満 | 7.1% |
1,500万~2,000万円未満 | 3.2% |
2,000万~3,000万円未満 | 5.1% |
3,000万円以上 | 6.0% |
無回答 | 4.3% |
平均貯蓄額 | 811万円 |
中央値 | 180万円 |
40代で1,000万円以上の貯蓄があると答えた人は合計21.4%になり、およそ5人に1人が1,000万円以上の貯蓄を持っていることが分かる。
ただし、その一方で「貯蓄がまったくない」と答えた人も30%にのぼり、40代では持っている金融資産の格差が二極化している状況となっている。
ポートフォリオ作成前に知っておきたい40代に投資信託がおすすめな理由
40代の資産運用に投資信託がおすすめの理由として、下記の3つが挙げられる。
- 手軽に分散投資ができるから
- NISA制度が利用できるから
- 少額投資から始められるから
それぞれくわしく解説していこう。
手軽に分散投資ができるから
投資信託の大きな魅力が、手軽に分散投資ができる点だ。
投資信託は複数の銘柄を組み合わせて運用を行う。
投資家は1つのファンドを通じて分散投資ができるため、銘柄選定を行う手間がかからない。
また、投資信託は少額投資で分散投資が行える点も大きなメリットだ。
たとえば、株式投資で分散投資を行う場合、銘柄によっては1単元を購入するにもまとまった資金が必要となる。
もし投資信託と同様に数十、数百の銘柄に分散投資するとなれば、少額投資で取り組むことは難しいだろう。
その点、投資信託はワンコインからでも購入でき、個人では難しい分散投資にも取り組める。
NISA制度が利用できるから
投資信託はNISA制度の対象となっている。
NISA制度には「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの非課税枠があり、それぞれ投資対象が異なる。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
投資対象 | 金融庁の定める基準をクリアした投資信託 | 上場株式 投資信託(※) |
つみたて投資枠では「購入時手数料が無料」、「信託報酬が一定水準以下」といった基準が設けられており、より長期の資産形成に適したファンドが選定されている。
一方、成長投資枠ではより多くの投資信託が対象となっており、テーマ型の投資信託や新興国へ投資する投資信託など、幅広いラインナップから投資先を選ぶことができる。
NISA制度では通常20.315%かかる税金が非課税となるため、ぜひ活用したい制度だ。
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は併用することも可能であるため、ぜひ自分に合った使い道を考えてみよう。
少額投資から始められるから
投資信託は少額から購入できることも魅力のひとつだ。
最低投資金額は金融機関によって異なるが、スポット購入の場合は1万円から、積立投資の場合は100円もしくは1,000円から購入できるところが多い。
40代から資産運用を始める場合、「いきなり大きな金額を投資するのは怖い」と感じる人もいるだろう。
長く資産運用に取り組むためには、精神的な負担の大きさにも考慮する必要がある。
その点、投資信託であれば少額投資から始められるので、投資経験が浅い人でも無理のない範囲で取り組める。
積立投資の金額はいつでも変更できるため、まずは少額投資から始めてみて、後から投資金額を増やす計画でもよいだろう。
投資信託以外にも応用できる!40代がポートフォリオを構築するステップ
資産運用に取り組む際は、はじめにポートフォリオの資産配分を決める必要がある。
しかし、初めて資産運用に取り組む人にとっては、「どうやって配分を決めればよいか分からない」と疑問を感じることも多い。
ポートフォリオを構築する際は、下記の3つのステップに沿って資産配分を考えることがおすすめだ。
- 投資意向を明確にする
- 資産クラスの配分を考える
- 投資先のセクターや地域を分散させる
それぞれくわしく解説していこう。
投資意向を明確にする
資産運用を始める際は、まず自分の投資意向を明確にすることが大切だ。
特に、次のようなポイントは必ず明確にしておこう。
- 資産運用に回す金額
- 資産運用に取り組む目標
- リスク許容度
- 運用する期間
- 損切り
- 利益確定する水準
たとえば、リスク許容度を明確にしていない場合、想定よりも大きな損失を負ってしまう可能性がある。
自分に合った資産運用に取り組むためには、「どれくらいの価格変動に耐えられるか」という点を具体的な数字で自覚しておくことが重要だ。
ポートフォリオの資産配分はこの投資意向がベースになるため、細かい点まで明確にするようにしよう。
資産クラスの配分を考える
次に、投資意向に基づいて資産クラスの配分を考えよう。
たとえば、「リスクを取ってでもリターンを追求したい」という人は、株式の配分を多めに組み入れるポートフォリオが向いている。
先進国株式や新興国株式など外国株式を組み入れてもよいだろう。
反対に、「大きなリスクを負わずに安定的に運用したい」という人は、株式よりも債券の割合を多めに配分することがおすすめだ。
ただし、どのような投資意向であっても、1つの資産クラスに偏るポートフォリオはおすすめできない。
偏りのあるポートフォリオはリスクが大きいためだ。
資産クラスの配分を考える際は、株式や債券など必ず異なる資産クラスを組み合わせるようにしよう。
なお、具体的なポートフォリオの例については、本記事でくわしく後述しているため、そちらも併せて参考にしていただきたい。
投資先のセクターや地域を分散させる
資産クラスの配分が決まったら、各資産クラスの中でさらにセクターや地域を分散させよう。
たとえば、「ポートフォリオの60%を株式に充てる」と決めた場合、その中で国内株式や先進国株式、新興国株式の割合を決める必要がある。
外国株式や外国債券は、国内のものに比べて為替の変動リスクが生じるため、配分を決める際はリスクコントロールにも注意したい。
また、投資先のセクターが集中しないように注意が必要だ。
仮に複数の国に分散投資していても、いずれかの投資セクターに集中していると、その業界の変動要因が起きたときに保有資産が一気に下落してしまう可能性がある。
分散投資の効果を得るためには、投資地域だけでなく投資先のセクターを分散させることも意識しよう。
40代におすすめの投資信託を活用したポートフォリオ
適切な資産配分は、各個人の投資意向やリスク許容度によって異なる。
しかし、初めて資産運用に取り組む人にとっては、「どうやって資産を組み合わせればよいのだろう?」と悩むことも多いだろう。
ここでは、参考までに投資信託を取り入れた3つのパターンについて紹介する。
代表的な投資意向別に紹介するため、自分の投資意向に近いものはないか参考にしていただきたい。
リスクを取ってリターンを追求
リスクを取ってリターンを追求する積極型運用のポートフォリオとして、下記の資産配分が挙げられる。
資産クラス | 配分 |
---|---|
国内株式 | 20% |
先進国株式 | 30% |
新興国株式 | 20% |
国内債券 | 5% |
先進国債券 | 15% |
新興国債券 | 10% |
より積極的な運用を行いたい人は、株式の割合を多めにした資産配分が向いている。
株式は投資信託のアクティブファンドを活用してもよいだろう。
ただし、積極運用の場合でも一部債券を組み入れることは心がけたい。
株式に偏ったポートフォリオはリスクが大きくなりすぎるためだ。
一部債券を組み入れていれば、株式市場が下落した際に債券がクッション材となってくれる可能性がある。
リスクを低減するためには、債券を併せ持つことを意識しよう。
リスクとリターンのバランスを重視
リスクとリターンのバランスを重視した安定型運用のポートフォリオとして、下記の資産配分が挙げられる。
資産クラス | 配分 |
---|---|
国内株式 | 20% |
先進国株式 | 20% |
新興国株式 | 10% |
国内債券 | 10% |
先進国債券 | 30% |
新興国債券 | 10% |
安定型運用を目指す人は、株式と債券を同程度組み入れる資産配分が向いている。
株式は投資信託のインデックスファンドを活用してもよいだろう。
収益性のためには、一部新興国株式を組み入れるのもひとつの方法だ。
なお、国内債券については安定性はあるものの、収益性を狙うことは難しい。
そのため、あまり多くの割合は充てず、その分先進国債券で収益性をカバーすることがおすすめだ。
リスクを抑えた保守運用
リスクを抑えた保守運用のポートフォリオとして、下記の資産配分が挙げられる。
資産クラス | 配分 |
---|---|
国内株式 | 20% |
先進国株式 | 10% |
国内債券 | 30% |
先進国債券 | 40% |
リスクを抑えて運用したい人は、債券の割合を多めに組み入れたポートフォリオが向いている。
なおかつ、国内や先進国に比べてリスクの高い新興国の資産は取り除いてもよいだろう。
また、株式については先進国株式よりも国内株式の割合を高めることで、為替の変動リスクを低減できる。
投資信託のインデックスファンドなどを活用し、より多くの銘柄へ分散することを心がけよう。
バランスファンドへ投資する方法もある
これまで3つのポートフォリオを紹介したが、「資産配分の割合を自分で考えるのが難しい」という人は投資信託のバランスファンドを活用する方法もある。
バランスファンドとは、株式や債券、REITなどを組み入れて運用する投資信託だ。
複数の資産クラスを組み合わせて運用するため、投資家は1つのファンドを持つだけで分散投資ができるメリットがある。
バランスファンドによって資産配分のバランスが異なるため、自分の投資意向に合うファンドはないか探してみよう。
投資信託を活用した40代におすすめのポートフォリオが知りたいなら誰に相談するべき?
投資信託を活用した資産運用は、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)へ相談することがおすすめだ。
ここからは、IFAへ相談するメリットや相談先の探し方について紹介しよう。
投資信託の相談はIFAがおすすめ
IFAとは、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれる金融アドバイザーである。
特定の金融機関に所属していないことが特徴で、投資信託をはじめとした金融商品の提案・販売を取り扱っている。
IFAへ相談するメリットとして、「プロの意見を中立的な立場で聞けること」が挙げられる。
IFAは金融機関の職員ではないため、金融機関の営業方針や営業ノルマにしばられずにアドバイスが行える。
顧客の意向をしっかりとヒアリングしたうえで、本当に必要な商品だけを提案してくれるので、投資経験が浅い人でも安心して資産運用に取り組むことが可能だ。
「プロの意見を聞きたい」
「自分1人でポートフォリオを組む自信がない」
という人は、ぜひIFAへの相談を検討してみよう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の利用が便利
IFAには、それぞれ得意とする相談分野や取扱商品、メインの顧客層に違いがある。
自分に合ったIFAを見つけるためには、IFA検索サービス「資産運用ナビ」の利用が便利だ。
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40代はポートフォリオに投資信託を取り入れよう
本記事では、40代におすすめのポートフォリオとして投資信託を活用したパターンを紹介してきた。
適切なポートフォリオは各個人によって異なるため、本記事で紹介した資産配分をベースに自分に合ったポートフォリオを考えてみよう。
また、投資信託を活用した資産運用はIFAへ相談することもおすすめだ。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用して、資産運用のパートナーとなるような存在を探してみよう。