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ETFに長期投資するとどのようなデメリットがある?デメリットを踏まえた適切な投資法も解説

この記事で解決できるお悩み
  • ETFに長期投資するとどのようなデメリットがあるのか知りたい
  • 特に長期投資のデメリットが大きいETF銘柄があるのか知りたい
  • デメリットを踏まえた適切なETFの投資法を把握したい

ETF(上場投資信託)は、手軽に分散投資が行える金融商品として人気がある。

「ETFの長期投資を行いたい」「ETFは長期投資に向いているのか知りたい」などと考えている方も多いだろう。

ただし、ETFの長期投資にはいくつかのデメリットがあるため、事前にデメリットや注意点を正しく理解しておくことが重要だ。

この記事では、ETFに長期投資するデメリットやどのような銘柄が長期投資に向かないのか、ETFで長期投資を検討する際のポイントなどを詳しく解説する。

ETFに興味のある方や、これから長期投資を始めたいと考えている方におすすめの相談先も紹介しているので、資産運用を成功させたいという方はぜひ参考にしてほしい。

目次

ETFに長期投資するデメリットとは?

まずは、ETFに長期投資するデメリットを確認していこう。

得られるリターンが限定的

ETFの多くは、特定の指数に連動することを目指したパッシブ運用が取り入れられている。

パッシブ運用では、市場平均と同等のリターンを目指して運用されるため、市場平均を上回るリターンを目指すアクティブ運用に比べて、期待できる収益が限定的というデメリットがある。

数%のリターンの差であっても、数年・数十年と運用を続けると、その差はどんどん大きくなる。

例えば、元手資金の100万円を5%の運用利回りと7%の運用利回りでそれぞれ運用したとする。

10年後・20年後・30年後の想定される運用資産額は下記のとおりだ。

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 10年後20年後30年後
運用利回り5%1,628,895円2,653,298円4,321,942円
運用利回り7%1,967,151円3,869,684円7,612,255円
出典:三菱UFJアセットマネジメント 一括投資シミュレーション

10年後の運用資産額はそれほど大きく変わらないが、20年・30年と運用期間が長くなるほど、その差は大きくなる。

年間2%の利回りの違いであっても、投資期間が長くなるほどその影響を受けやすい点には注意しよう。

過度な長期投資はリスクを伴う

一般的に、長期投資を行うと、短期的な価格のブレに影響されずにリスクを抑えながら運用しやすいと言われている。

しかし、あまりにも長期間投資を継続することは、逆にリスクを伴う。

例えば、かなり昔に購入した銘柄を見直さずそのままにしていると、現在の相場環境には適していない運用商品への投資を続けることになってしまう可能性もあるだろう。

相場のトレンドは時間の経過とともに変わるため、昔人気のあったETF銘柄であっても、現在はほとんど購入されていなかったり、パフォーマンスがそれほど良くなかったりするかもしれない。

加えて、金融商品の開発は日々進んでおり、どんどん運用コストの低い商品も開発されている。

何年も運用を見直さずにいると、運用方針や採用銘柄はほぼ同じなのにもかかわらず、運用コストが割高な銘柄への投資を続けてしまうことになる可能性もあるだろう。

また、複数のETF銘柄に分散して投資をしている場合も注意が必要だ。

初期投資時は、リスク許容度や運用目標を考慮してポートフォリオ全体の資産配分を決めていたとしても、時間が経過するとともに当初の資産配分からはズレが生じる。

保有している銘柄を見直さずにそのままにしていると、いつの間にか理想的なポートフォリオからは乖離していってしまう可能性が高い。

長期投資=運用資産をほったらかしにする、ということではない点に注意しよう。

テーマ型のETFでは分散投資効果を得にくい

ETFの中には、ESGに注力している企業に集中して投資をする銘柄や、今後イノベーションを起こすと期待されるテクノロジー企業を組み入れている銘柄のような「テーマ型」のETFも存在する。

こうした特定のテーマに特化したETFに長期投資をしても、分散投資の効果があまり期待できない点に注意しよう。

テーマ型ETFは、特定のセクターや銘柄を選んで投資を行うため、どうしても同じリスク要因によって価格が変動しやすい。

そのため、市場のトレンドにぴったりと合っているタイミングでは大きなリターンが期待できる。

しかし、リスクオフの局面やトレンドが過ぎてしまったタイミングでは、それほどリターンが見込めないどころか、大きな損失が発生する可能性もある。

特定のテーマに特化したETFに投資を行う際は、一つの銘柄を購入しただけでは資産分散効果が不十分である点をよく理解しておこう。

長期投資のデメリットが特に大きいETF銘柄とは?

ETFの長期投資によって考えられるデメリットを踏まえた上で、特に長期投資に「向かない」とされるETFの特徴や具体的な銘柄を解説していく。

旬の話題や材料をテーマとして運用するETF

流行りの話題やトレンドに従って運用するテーマ型ETFは、長期投資に向かないケースがある。

マーケットの中で特定のテーマが注目されている間は大きなリターンが得られる可能性があるが、トレンドが終わると売りが先行してしまうケースが多い。

テーマ型ETFや旬の話題や材料に特化して運用するETFは、短期〜中期の運用に活用するか、資産の一部で運用するのをおすすめする。

テーマ型のETFには、下記のような銘柄がある。

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銘柄コード/ティッカー名称概要
2638グローバルX ロボティクス&AI―日本株式ETF産業用・非産業用ロボット、コンピュータ支援設計、ビッグデータ、IoTなどロボティクスやAiに関連した商品・サービスを提供する日本企業への投資を行うファンド
HEROグローバルX ヒーローズ(ゲーム&eスポーツ)ETFビデオゲームの開発やeスポーツリーグの運営、AR・VRハードウェアの製造を行う企業等への投資を目指すファンド
2645グローバルX レジャー&エンターテインメント-日本株式 ETF旅行関連サービスの提供・旅行関連製品の製造など、レジャーやエンターテイメントに関連した商品・サービスを提供している日本企業への投資を目指すファンド

値動きの激しい国や地域・資産に投資するETF

新興国などの値動きの激しい国や地域に投資するETFは、あまり長期投資に向かない可能性がある。

先進国の資産に比べて値動きが大きいため、相場の状況によっては一気に予測と異なる方向に進んでしまう。

新興国の資産に投資を行う場合は、資産の一部のみで投資を行いつつ、定期的に資産配分をチェックしてリスク管理を行おう。

また、商品(コモディティ)に投資を行うETFも、値動きが激しくトレンドが読みにくいという特徴があるため、長期投資に向かない可能性がある。

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銘柄コード/ティッカー名称参照指数
FXIiシェアーズ中国大型株ETFFTSE・チャイナ25指数
EWZiシェアーズ MSCI ブラジル ETFMSCIブラジル指数
1699NF原油インデックス連動型上場NOMURA原油ロングインデックス

レバレッジ型・インバース型ETF

レバレッジ型ETFとは、指数の日々の変動率に一定の倍率をかけて算出されるレバレッジ型指標に連動するETFのことだ。

例えば、TOPIXブル2倍上場投信はTOPIXの2倍の値動きをするように設計されている。

インバース型ETFとは、指数の日々の変動率に一定の負の倍数をかけて算出されるインバース型指標に連動するETFだ。

つまり、元の指数とは逆の値動きをするように設計されているETFとなる。

レバレッジ型・インバース型ともに、予測した方向にマーケットが動けば短期間で大きなリターンを得られるが、予測から外れると大きな損失が生じる可能性もある。

相場トレンドに沿った取引に適した商品であり、長期的な運用や初心者の投資には向かない金融商品だ。

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銘柄コード/ティッカー名称概要
1568TOPIXブル2倍上場投信TOPIXレバレッジ(2倍)指数を対象指標とするファンド
1357NEXT FUNDS日経平均ダブルインバース日経平均株価の前日比変動率の-2倍となるように計算された日経平均ダブルインバース・インデックスに連動する投資成果を目指すファンド
SPXLDirexion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETFS&P500インデックスの300%のパフォーマンスを目指すファンド

デメリットを踏まえた最適なETFの投資法

ここまで解説したデメリットを踏まえ、ETFを効率的に運用するためのポイントや実際の運用例を紹介していく。

ETFでの長期投資を検討している方は、下記のポイントを押さえて投資を始めよう。

複数の銘柄に分散して投資する

ETFへの投資では、手軽に参照指数に組み込まれている複数の銘柄への分散投資が行える。

しかし、言い換えると参照資産以外の銘柄には投資ができないということでもある。

そのため、ETFへの長期投資を検討する際は、投資する銘柄が何を参照とするETFなのかをしっかりと把握した上で、なるべく異なる資産を対象とする複数のETFに投資をするのがおすすめだ。

例えば、TOPIXを対象とするETFへの投資を検討する場合は、合わせて米国株や債券、不動産などを対象とするETFにも投資をすると良いだろう。

異なる資産や銘柄を投資対象とするETFを組み合わせることで、分散投資効果を高めて安定的に運用を継続しやすくなる。

積立投資を活用する

ETFの長期投資を行う際は、積立投資を活用するのも一つの手だ。

積立投資とは、一定の間隔で一定の投資金額を買い付けてしていく投資方法を指す。

まとめて投資を行う場合は、投資タイミングによって投資成果が大きく変わるが、積立投資を行う場合は、投資タイミングを分散することでリスクを抑える効果を得られる。

価格が高い時には少なく、安い時には多く買い付けることで、購入単価を平準化しやすくなるのだ。

ただし、ETFの自動買付サービスが提供されていない証券会社では、毎回自分で買い付けを行う必要がある点に注意が必要だ。

また、NISAのつみたて投資枠で購入できるETFも限定的となっている。

定期的にポートフォリオの見直しを行う

ETFの長期投資を行う際は、定期的に運用ポートフォリオの見直しを行おう。

運用開始時点で理想的なポートフォリオを設定したとしても、運用を継続していくうちに、徐々に元の資産配分からは乖離していく。

そのため、元の資産配分に戻すために、定期的にリバランスを行って運用資産の調整を行うことが重要だ。

また、テーマ型ETFなど特定の資産を対象とするETFに投資をしている場合は、現在のマーケットのトレンドに合っているかを定期的に見直すことも必要となる。

トレンドから外れている、運用パフォーマンスが悪化している、と判断される銘柄については、運用額を減らしたり他の銘柄に入れ替えたりすることも大事だ。

投資を成功させる上で「長期投資」は重要だが、ほったらかしにしておくと逆にリスクが高まることもあるため注意しよう。

ETFの長期投資のデメリットに対策するなら誰に相談するべき?

ETFの長期投資には、いくつかデメリットや注意したいポイントがある。

ETFを資産運用に効果的に活用するためには、専門家に相談するのがおすすめだ。

ここでは、専門家に相談すべき理由や、おすすめの相談先を紹介していく。

なぜ専門家に相談するべきなのか

ここまで解説した通り、ETFの長期投資を行う際は、銘柄選びや運用方法に注意する必要がある。

SNS等で話題となっている銘柄や人に勧められた銘柄であっても、実は長期投資に向かないものも多いため、なかなか自分で見分けるのは難しいかもしれない。

そこで、資産運用の専門家に意見を求めることで、長期投資を前提としたETFの選び方や注意すべきポイントを理解しやすくなるというメリットを得られる。

特に投資初心者の場合は、資産運用のプロに相談することで、自分の運用目的やリスク許容度に応じた銘柄を選びやすくなり、長期的に安心して資産運用を進められるだろう。

IFAとは何か

資産運用の専門家にはいくつかの選択肢があるが、その中でもIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)が特におすすめだ。

IFAは、特定の金融機関からは独立した存在として、顧客に資産運用のアドバイスや金融商品の提案を行う専門家だ。

すべてのIFAは金融商品仲介業者としての登録を受けているため、具体的なETFの銘柄についての相談にも乗ってくれる。

購入したETFが見つかった場合は、そのまま証券会社での口座開設のサポートからETFの購入手続き、購入後のサポートまで一貫してフォローしてもらえる。

IFAの多くは金融機関出身者であるため、豊富な知識や経験に基づく助言が期待できるのも大きなメリットだ。

会社の販売方針や営業ノルマなどに提案内容が影響されないため、自分の運用ニーズに合った提案をしてもらえるという点で、初心者でも安心して利用できるだろう。

会社都合の転勤なども原則として発生しないため、長期を前提とする運用であっても継続的にサポートしてもらえるのも魅力の一つだ。

自分に合った運用方法が知りたい、具体的な金融商品について相談したい、と考えている方は、IFAへの相談を検討してみよう。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」の紹介

IFAに資産運用の相談を行う際は、自分に適したアドバイザー選びが重要となる。

そこでおすすめなのが、IFA検索サービス「資産運用ナビ」だ。

「資産運用ナビ」は、住まいや投資目的、金融資産などを入力するだけで、手軽に自分に適したアドバイザーを検索できるマッチングサービスだ。

アドバイザーのプロフィールページでは、自分が相談したい内容に対応しているか、自分と相性が良いか、実績は十分か、などさまざまな項目をチェックできるため、安心して相談に臨めるだろう。

資産運用について相談できるパートナーがほしい、長期運用を前提として資産運用を始めたい、と考えている方は、IFA検索サービス「資産運用ナビ」を利用してみてはいかがだろうか。

ETFの長期投資におけるデメリットを踏まえて最適な投資方法を検討しよう

ETFに長期投資を行う際は、リターンが限定的になりやすい点や、過度な長期投資はリスクにつながる点がデメリットとなる。

特に、テーマ型のETFやレバレッジ・インバース型のETF、値動きの激しいETFには注意が必要だ。

ETFでの長期投資を検討する際は、デメリットを理解した上で、適切なリスク管理や運用戦略を実践することが重要となる。

ただし、最適な運用戦略や投資銘柄は人によって異なるため、自分に適した運用方法を知りたい場合は、資産運用の専門家に相談するのがおすすめだ。

IFAは、特定の会社の営業方針やノルマに影響されず、中立的な立場で顧客に最適なアドバイスを提供してくれるというメリットがある。

自分にぴったりの運用方法を知りたい方は、ぜひIFA検索サービス「資産運用ナビ」を利用して、あなたに最適なアドバイザーを探してみよう。

ETFの長期投資に関するQ&A

ETFの長期投資を積立投資でする場合、その分配金は自動で再投資されますか?

ETFの分配金は、自動で再投資する仕組みがない。

そのため、分配金の再投資を行いたい場合は、手動であらためて買い付け手続きを行う必要がある点に注意しよう。

ETFに長期投資する際、税金面で気を付けるべきポイントはありますか?

ETFに長期投資を行う際は、株式同様に売買益に対する課税と分配金に対する課税がある。

ETFの売買益は譲渡所得となり、申告分離課税の対象となる。

原則、確定申告が必要だが、特定口座で「源泉徴収あり」を選択した場合は、確定申告は不要となる。

また、ETFの分配金は配当所得となり、総合課税または申告分離課税の対象となる。

売買益および分配金に対する税率は、20.315%(所得税15.315%、住民税5%)となっている。

高配当ETFに長期投資して損することはありますか?

高配当ETFは、配当実績の良い企業に集中的に投資を行うETFだ。

安定したリターンが得られることが魅力の一つだが、高配当ETFに長期投資を行っても、絶対に損をしないということはない。

金融商品である以上、元本割れのリスクは伴う点に注意しよう。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

・本サイト「資産運用ナビ」はアドバイザーナビ株式会社が運営しております。
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