「人生100年時代」といわれる現代において、100年の人生で自分がどのように生きていくか、家族とどのように過ごしていくか、生涯に渡って社会とのかかわり合いをどうしていくかを改めて考えることが重要になっている。
前段の人生のビジョンが明確になると、それに合わせた適切な資産運用を行うことの重要性が高まってくる。
現代では銀行に預金を預けてもまったく増えないという声をよく耳にする。
このように「預金金利に不満」を抱えている人は多いが、それと同時に何から運用を始めてよいかわからないという声もよくお聞きする。
そこで本記事では、運用方法の代表格である「債券投資」について解説していきたい。債券投資の「メリット」や「注意点」も知ることができるので、ぜひご覧いただきたい。
債券投資の3つの特徴
- 債券投資は投資先(発行体)に一定期間「お金を貸すこと」である
- 投資先(発行体)の信用度(財務健全性)が高いほど運用リスクは低くなる傾向がある
- リスクの低い投資先(発行体)の債券は金利が低く、リスクが高くなるにつれて受け取る金利は高くなる傾向がある
次の項目では、「債券投資の特徴」について詳しく解説していく。
債券投資は発行体に「お金を貸すこと」
債券投資とは、国や地方自治体、企業などが投資家からお金を借りる際の証書であり、発行体を信頼してお金を貸すことと同義である。
国や地方自治体が発行体である、いわゆる「国内の公共債」は一般的に安全性が高いとされる。
債券の主な発行体
債券の種類 | 国債 | 地方債 | 社債 |
発行体 | 国 | 地方自治体 | 企業 |
株式投資に比べローリスク・ローリターン
さまざまな投資商品の中で、一般的にはハイリスク・ハイリターンと言われる株式投資に比べ、健全な発行体の債券はローリスクの傾向がある。
債券投資は大きな値上がり利益は基本的には見込めないが、預金と比較しても金利は高い。
我々がお金を預けている銀行も、集まった預金を投資に回しており、実際に我々が預けた資金が債券投資に向かっているケースも少なくない。
そのため、すぐに引き出す必要のない資金であり、資産を少しでも安定的に増やしたいという方には預金から債券への直接投資も検討されるのも良いだろう。
リスクの低い発行体の債券は金利が低い
債券投資は、「発行体のリスクが低い」と「金利も低い」傾向にある。
リスクの低さという「安全性」と、金利の高さである「収益性」は比例するためだ。
たとえば、信用度が低い企業が発行体となる債券投資の場合はリスクが高いため、国債や地方債よりも金利が高いケースが多い。
債券投資の3つのメリット
- 得られる利益と満期までの仕組みが決まっている
- 基本的には保有し続けている間は利子を受け取れる
- 満期がくると投資元本が返ってくる
得られる利益と満期までの仕組みが決まっている
債券投資の大きなメリットは、「得られる利益を事前に確認できる」ことだ。
たとえば、株式投資や投資信託の場合だと、どのくらいの利益を得られるのか予測するしかない。
また、これらの予想はいわゆる世界情勢の変化によって大きく変動する。
それに比べ、債券投資はあらかじめ発行体より「年間支払われる金利が何%」、「いつの段階で満期を迎えるか」が事前に提示されている。
発行体へ「お金を貸す期間」と、発行体から支払われる「金利」が事前にわかるので、資産運用の成果をイメージしやすい。
保有し続けている間は利子を受け取れる
債券投資をすると、保有し続けている間は利子を受け取ることができる。
債券の種類により異なるが「1年に1回」もしくは「半年に1回」などの頻度で、発行体にお金を貸したお礼として「利子」が入ってくるイメージだ。
満期がくると投資元本が返ってくる
債券は、発行体へお金を貸す期間はあらかじめ決まっており、満期を迎えると投資元本が返ってくる。債券投資は、株式投資と比較して基本的にどのようなメリットがあるのか下の表をご覧いただきたい。
投資の種類 | 投資金 | 得られる利益の種類 |
---|---|---|
債券投資 | 満期に投資元本が返ってくる | 金利 |
株式投資 | 売却時の株価に左右される | 値上がり益・配当・株主優待 |
債券、株式はどちらも、発行元が資金調達として行うものだ。
企業目線で考えると株式を発行して集めたお金は、出資者に返済する義務が生じない。
投資家目線では株式投資を考えた場合は売却時の株価に投資資金が左右される。
それに比べ、債券の場合は「あらかじめ約束した期間だけ出資者からお金を借りる」ものなので、発行体は「お金を返す」のがルールとなっている。
債券投資の3つ注意点
投資にはリスクがつきものだが、債券投資であっても例外ではない。
債券投資の「金利の高さ」だけに惹かれてしまうと、思わぬリスクを抱えてしまうことがある。
注意点を確認し、リスクとリターンを理解したうえで、投資先を選ぶことが大切だ。
- 途中解約すると元本割れすることがある
- 外国債は為替変動リスクがある
- 発行体が破綻すると支払いを停止される
次の項目では、「債券投資の注意点」について詳しく解説していく。
中途解約すると元本割れすることがある
何らかの事情により、債券を中途解約する可能性もあるだろう。債券を満期まで保有すると、基本的に購入したときと同じ金額が返ってくる。
しかし、中途解約によって元本割れすることがあるので注意が必要だ。元本割れの原因となるのは、「時価」と「解約手数料」である。
実は株式と同じように債券の価格は日々変動している。
金利情勢や投資先の会社や国の情勢次第では「購入したときの価格」よりも「解約するときの時価」が低くなる可能性がある。
また、解約時には市場での売却が必要であり、これには手数料が発生するため、「受け取る利子」「債券の時価」などと考慮したうえで、元本が割れないタイミングを見計らい中途解約の決断をするのが理想だ。
外国債は為替変動リスクがある
外国債は、国内債よりも金利が高い傾向にあるが「為替変動リスク」もある。
そのため、外国債を購入するときは、その国の為替相場を見極めることが大切だ。
高金利によって利益が得られたとしても、日本円に換金したときに為替の影響を受けて返ってくるお金が減ってしまうケースもある。
特に新興国など世界情勢の影響により国の財政や情勢により大きく為替が変動するリスクには投資をする前に大きな注意が必要だ。
これまでこの水準まで為替が下がったことがない、というのはあくまでも以前はそうだっただけで参考にはならない。
自身の資産の割合やポートフォリオをしっかり考えて投資金額を決めていきたい。
これまで起きたことがないけれども起きる可能性があるかもしれない、もし何か起こったとしてもこの国や企業なら大丈夫であり持ち続けることができるという投資先を見つけることが重要だ。
発行体が破綻すると支払いを停止される
債券投資の安全性は「発行体」にかかっている。
発行体が破綻すると、利払いや元本の支払いが停止されてしまう。
また、債券の発行体が破綻しないにしても、経営状態が悪化すると利子が支払われなくなる場合もあるため注意が必要だ。
お金を貸す行為であるため、貸したお金が返せるような国なのか企業なのかというのが重要だ。
まとめ
債券投資は、株式投資に比べリスクが低いとされる資産運用だ。
保有している間は利子を受け取ることができ、満期になると元本が返ってくる。
その分リターンも低くなるが、「預金よりも高い金利」が期待できる。
我々の年金運用や、金融機関や財団法人の資産運用などにとって、債券運用は切っても切り離せない重要な運用手法だ。
リスク | 低い | → → → → | → → → → | 高い |
リターン | 低い | → → → → | → → → → | 高い |
債券の種類 | 国債 地方債 | 社債 外国債 |
債券運用にも様々な種類があるが、外国債は国内債よりも金利が高い傾向にある。「為替変動リスク」や「カントリーリスク」があることを忘れてはならない。
信頼できる担当者と相談しながら投資先を見極めることが大切だ。
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