- ほったらかし投資で運用を始めたい
- ほったらかし投資におすすめの方法が知りたい
- ほったらかし投資で資産を増やすためのポイントが知りたい
投資を始めたいが、時間をかけたくないと考える人は多い。
「仕事が忙しい」「毎日株価をチェックするのは面倒」という思いを抱くのは、あなただけではないのだ。
そんな悩みを抱える人々に注目されつつあるのが、「ほったらかし投資」である。
一見するといい加減な投資手法のように聞こえるかもしれないが、実は長期的な資産形成において合理的な側面を持つ。
本記事では、この「ほったらかし投資」に焦点を当て、その概要やメリット・デメリットを解説する。
さらに、実践に役立つアイディアや、具体的な商品選びのコツ、投資を始める際の手順についても紹介する。
記事の情報を活用しながら、あなたに合った「ほったらかし投資」のスタイルを見つけていただければ幸いだ。
ほったらかし投資とは?

ほったらかし投資とは、「投資対象を長期保有し、資産の増加を目指す投資スタイル」のことだ。
投資は資産形成に有効な手段だが、手間や時間を要する側面もある。
情報収集や分析が大好きという人でなければ、できるだけ苦労せず、「気づいたらお金が増えていた」という状況の方が理想的だろう。
ほったらかし投資では、投資対象を購入(または積立設定)した後は、細かく売買を繰り返さず、資産を「ほったらかし」て保有する。
必要最小限の設定や調整は行うが、毎日相場を確認したり、「いくらで買う/売る」を決めたりはしない。
やるべきことが絞られるので、忙しい人や投資知識が乏しい人でも実践しやすい方法なのだ。
この投資スタイルに適した手段は多岐にわたるが、代表的な方法としては以下のようなものがある。
- 投資信託(インデックスファンド)を積み立てて長期保有する
- ファンドラップで、資産形成をプロに一任する
- ロボアドバイザーを活用し、資産配分や運用をほぼ自動化する
ほったらかし投資のメリット

ここまで読んで、「そんないい加減なやり方で、本当に大丈夫⁉︎」と疑問を抱く方もいるかもしれない。
実は、正しく「ほったらかす」ことは、長期的な資産形成においては、ある意味正しいアプローチとも言えるものなのだ。
以下では、ほったらかし投資のメリットを確認しながら、その理由を解説していこう。
日々の値動きから解放される
ほったらかし投資では、投資対象の買い付けや初期設定を終えたら基本的に放置するため、頻繁に相場をチェックして売買判断を下す必要がない。
急騰や急落など、一時的な相場の動きに惑わされずに済むため、感情的なトレードによる余計な損失リスクを抑えられる。
精神的な負担も大幅に軽減できる点は、忙しい人や投資初心者にとって大きなメリットと言える。
忙しくても継続しやすい
時間や手間をかけずに投資を続けられる点も、ほったらかし投資の魅力である。
個別銘柄を細かく研究したり、市場ニュースに張り付いたりしなくても、あらかじめ長期保有を決めてしまえば運用が進む。
日々の情報収集を最小限に抑えつつ、余った時間を趣味やスキルアップ、家族との時間に充てられるため、ライフワークバランスを崩さずに資産形成ができる。
リスクを抑えた運用がしやすい
ほったらかし投資は、長期保有を前提とした方法だ。長期運用のメリットを得やすいという点が、大きな特徴だと言える。
長期的な資産形成は、時間を味方につけてリスクを平準化できると考えられている。
市場は短期的に上昇や下落を繰り返すが、長いスパンで見ると、それらの値動きが平均化されてリスクが薄まる可能性が高くなるのだ。
また、配当金や分配金を再投資することで複利効果を狙いやすいのも特徴だ。
頻繁に売買しないため、一時的な値動きに振り回されず、利益の源泉を長期的に蓄積できるメリットがある。
さらに、積立投資を組み合わせれば、高値づかみのリスクが分散されるため、時間分散の効果を最大限に活かしやすい。
金融知識を身につけられる
ほったらかし投資といえども、最低限の仕組みや商品特性について理解しておく必要がある。
たとえば、「なぜインデックス型投資信託のコストは低いのか」「ロボアドバイザーはどのように資産配分を決めているのか」といった点を学ぶことで、自然と金融リテラシーが向上する。
将来的にもう少し複雑な投資を検討したい場合でも、ほったらかし投資を通じて得た基礎知識や分散投資・リスク管理の考え方が大いに役立つだろう。
デメリットはある?ほったらかし投資が向いている人・向いていない人

とはいえ、ほったらかし投資にも当然デメリットはある。
ここでは、この手法のマイナス面に目を向けたうえで、どんな人に向いているか、そして向いていないかを分析していく。
ほったらかし投資のデメリット
ほったらかし投資のデメリットには以下の4つが挙げられる。
- 短期的な変動に対応しづらい
- 相場が急変した際に柔軟に売買できないため、暴落時に損切りや底値買いを逃しやすい。
- 短期間で資産を増やしづらい
- じっくりと時間をかける投資スタイルのため、ハイリスク・ハイリターンを狙う人にはもどかしく感じられる。
- 下落局面に強い精神力が必要
- 市場が大幅に落ち込んだときに耐えられず売却すると、想定外の損失を確定してしまう恐れがある。
- 商品選定を誤ると長期成績が伸び悩む
- 買い付け後に乗り換えを頻繁にしないため、最初の選択肢が重要。コストが高かったりリターンが低迷しやすい商品だと、長期的な成長に影響が出る。
ほったらかし投資が向いている人
ほったらかし投資に向いているのは、この手法のデメリット面が気にならず、おおらかにお金が増えるのを待てる人だ。
- 長期目線でコツコツと資産を増やしたい人
- 短期的な大勝ちよりも、時間をかけて投資を続ける姿勢を重視するなら、ほったらかし投資は適している。
- 投資に割く時間や労力を最小限に抑えたい人
- 日常が忙しく、投資の分析に時間を割くのが苦痛であれば、ほったらかし投資のスタイルが向いている。
- 値動きに一喜一憂したくない人
- 相場が上がったり下がったりするたびにストレスを感じる人や、頻繁な売買判断を避けたい人にも、落ち着いて取り組める方法としておすすめだ。
ほったらかし投資が向いていない人
一方で、以下のような人には、ほったらかし投資はおすすめできない。
- 短期的に大きなリターンを狙いたい人
- 早く資産を増やしたい、投機的なトレードで大きく稼ぎたいという人には、ほったらかし投資は物足りないだろう。
- 相場分析や売買を楽しみたい人
- 日々の相場の動きをこまめにチェックしたり、細かいトレードを積極的に行うのが得意な人にとっては、ほったらかし投資は退屈なものになりがちだ。
- すぐに投資資金を使う可能性がある人
- まとまった資金を近い将来に使う予定がある場合には、ほったらかし投資のみならず、あらゆる投資スタイルに向いていない。市場環境によっては大きく値下がりしたタイミングで資金を取り崩す必要があり、損失を確定してしまう恐れがあるためだ。
ほったらかし投資におすすめの運用方法

ここでは、代表的なほったらかし投資の選択肢として、以下の手法を取り上げる。
いずれも、長期で続けやすく、初心者にも比較的わかりやすい選択肢をピックアップした。
どの方法を選ぶかは個人の好みやスタイルによる。どれが自分に合った方法かを判断するうえで、参考にしていただきたい。
投資信託の積立投資
投資信託は、株式や債券など複数の資産をまとめてパッケージ化した金融商品だ。
専門家(ファンドマネージャー)が目標と方針に基づき、戦略を立てて運用してくれるから、投資家は資産配分や銘柄選定をする必要はない。
購入・保有して、運用目標の達成を待つ形となる。
投資信託そのものが、ある意味ではほったらかし投資を実践する一つの方法だ。
これに「積立投資(ドルコスト平均法)」を組み合わせれば、さらに安定性と堅実性を加えられる。
積立投資とは、「決まったタイミングで決まった額(数)の投資対象を自動的に購入し続ける方法」だ。
購入する投資信託を決めてタイミングと金額を設定すれば、あとは自動買付が行われるため、ほぼ「ほったらかし」で運用を続けられる。
メリット | デメリット |
---|---|
プロに運用を任せられる 少額から積立可能。月100円程度から始められる ドルコスト平均法により、長期的には取得価格が平準化できる 購入タイミングを分散するため、一時的な値動きの影響を抑えやすい | 商品によっては信託報酬(運用コスト)が割高 ファンドの質はまちまち。選び方を誤るとリターンが伸び悩むリスクがある 市場全体が下落する局面では元本割れリスクもある |
積立投資は、非課税制度であるNISAでも利用できる。NISA口座で運用すれば、運用益に課される約20%の税金を節税できる。
シンプルかつ効率の良い資産形成を目指すなら、NISA口座での積立投資はおすすめだ。
運用のポイント
- 毎月1回、または毎週などの頻度で自動的に買い付ける設定をすれば、ほぼ“ほったらかし”で投資を続けられる
- インデックス型の低コストファンドを選ぶと、長期にわたって効率良く資産形成が進められる
- NISAでの積立を優先し、資産運用のさらなる効率化を目指す
ファンドラップの活用
ファンドラップとは、投資家が預けた資金を、証券会社や運用会社の専門家が一括して運用してくれるサービスだ。
取引する金融機関にファンドラップ専用口座を開設し、投資一任契約を結ぶことで、運用を任せられる仕組みとなっている。
ファンドラップサービスは、一般的に以下の流れで利用できる。
- 資産状況やリスク許容度を金融機関に相談する
- 投資先となるポートフォリオの提案を受ける
- 提案内容に合意できたら、投資一任契約を締結する
- 運用を開始する
ポートフォリオの提案では、「リスクを抑えた運用」「ある程度ハイリスク・ハイリターンを目指す運用」など、投資家が希望する方針に即した複数の資産配分案が提示される。
これに納得し、契約を結んだら、運用開始となる。
運用後は金融機関が市場動向を見ながらリバランスを行うため、投資家は定期レポートやオンライン画面で運用状況を確認するだけで良い。
メリット | デメリット |
---|---|
運用を専門家に一任できる 資産配分に投資家の希望を一定程度加味できる 投資知識や分析時間が少なくてもスタートできる 売買や資産配分の見直しを金融機関が代行する | 手数料がやや高め(口座管理手数料や運用コストがかかる) 細かな商品選定は基本的にできない サービスによってはコストに見合わない可能性がある |
ファンドラップは、複数の資産クラスを組み合わせて運用する点において、バランス型投資信託に似ている。
ただし、完成された商品であるバランス型投資信託とは異なり、ファンドラップは投資家に合わせてオーダーメード感覚で調整できる。
だからこそ、ファンドラップの手数料は相対的に割高だ。
しかし、最近では1万円や10万円といった少額からスタートできるサービスを提供している金融機関も増えつつある。
自分に合ったサービスを探すのも、この方法での運用を成功させる鍵となる。
運用のポイント
- 自分の目標やリスク許容度を明確に伝える
- 提案内容に不明点があったら質問する
- 複数の金融機関のサービスや手数料を比較する
- 定期的に運用レポートをチェックする
ロボアドバイザーの活用
ロボアドバイザーとは、AI(人工知能)やアルゴリズムを活用し、投資家の代わりに資産運用を自動で行ってくれるサービスだ。
「投資目的」や「リスク許容度」などの質問に答えるだけで、ロボアドバイザー側が適切な資産配分を提案し、日々の値動きに合わせてリバランスまで実行してくれる。
ロボアドバイザーは、「アドバイス型」と「投資一任型」に大きく分類できる。
アドバイザー型は、リスク許容度などを診断し、投資先を提案するが、実際の売買判断は投資家自身が行う。
一方の投資一任型は、ポートフォリオの作成から売買までを自動で行うもので、ほったらかし投資のイメージに合う。
ユーザー登録とリスク診断をし、証券口座を開設して入金すれば、運用スタートとなる。投資家は基本的に運用状況をモニターするだけで良い。
メリット | デメリット |
---|---|
最小限の入力でスタートできる 投資一任型なら、ポートフォリオ作成から売買、リバランスまでのすべてを任せられる | インデックス型投資信託と比べると、年率手数料はやや高め 人間の裁量が少なく、例外的な相場急変に対応できないリスクがある 過去データに基づく運用。アルゴリズムが将来のリスクにどこまで対応できるかは未知数 |
運用のポイント
- 提供会社によって手数料や運用方針、対応する資産クラスが異なる
- 投資一任型とアドバイス型を区別し、自分のニーズにあったスタイルを選択する
- 長期的な資産形成を目指し、ドルコスト平均法を活用してコツコツと資産を増やすのが基本。頻繁な方針変更は避ける
iDeCo口座での積立投資
iDeCo口座での積立投資も、ほったらかし投資の仕組みとして利用できる。
NISAと同様に運用益が非課税となるだけでなく、拠出した掛金が全額所得控除の対象となり、所得税や住民税の軽減効果も期待できる。
一方で、NISAに比べ制約が多いため、柔軟な投資を求める場合には使い勝手が悪い面もある。
しかしながら、その制度上の硬直性こそが、長期で「ほったらかし」を続けるうえでは利点となりうる。
- 原則として60歳まで引き出しができない(加入期間が10年未満の場合、受給開始年齢が繰り下げられる)
- 拠出額(投資するお金)の変更は、年1回のみ可能
- 手続きは基本的に書面で行うため、変更には時間がかかる
- 取り扱える運用商品は、最大35本までと決まっている
ほったらかし投資のメリットであり目標は、手間をかけずに資産を形成することだ。
商品選定に時間をかけすぎたり、投資商品や拠出金額を頻繁に変えたりすると、「ほったらかし」とは言えない。
また、長期的な資産形成の効果も損なわれかねない。
iDeCoであれば、引き出しや条件変更をしにくい環境があるため、「強制的にほったらかす」形を取りやすい。
さらに、長期運用に適した商品にしか投資できないので、価格の上下を過度に気にせず、コツコツと資産形成を続けやすい。
運用のポイント
- iDeCoの掛金上限は職業や公的年金の種類によって異なるので確認が必要
- 金融機関により、取り扱い商品は異なる。投資したい商品を検討したうえで、iDeCo口座の申し込みをすると良い
- 拠出額は、一年に一度しか変更できないため、無理なく続けられる金額に設定することが肝要
その他のほったらかし投資手法
以下は、比較的リスクが高いほったらかし投資の手法である。
サービス設計が複雑なものも含まれるため、利用を検討する際は専門家への相談を強くおすすめする。
ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)は、インターネットのプラットフォームで事業者などに資金を貸し出し、利息・元本返済を待つ形の投資手法だ。
高利回りが期待できる反面、運営会社や借り手の信用リスクが大きい点に注意が必要である。
不動産投資型クラウドファンディングは、少額から複数の不動産案件に分散投資できる方法だ。
管理・運営は会社が担当するため、投資家は基本的に配当や分配金を受け取るだけの「ほったらかし」に近い形となるが、市場リスクのほかに流動性リスクも伴う。
株式やFX取引での「システムトレード」を利用した売買も、ほったらかし投資の一種と言える。
プログラムやアルゴリズムに従って自動で売買を行うため、日々の相場分析をせずに済む。
一方で、システムが相場状況に適切に対応できない場合、想定以上の損失を被る恐れがある。
ほったらかし投資に活用できる具体的な投資商品を紹介!

ほったらかし投資は、長期で運用するからこそ、商品選びが重要となる。
ここでは、投資商品を選ぶときに確認すべきポイントと、おすすめ商品の具体例をまとめる。
商品を選ぶうえで確認するべきポイント
どんな商品を選ぶにしても、以下のポイントをチェックしておけば、想定から大きく外れるような状況を回避できるはずだ。
リスク特性(値動きの大きさ・安定性)は許容できるか
株式やFXのように値動きが激しい商品を選ぶ場合、短期的な暴落や急騰が起きても「ほったらかしでも耐えられるか」を考えておく必要がある。
自分のリスク許容度を超える商品だと、途中で不安になり売却してしまい、「ほったらかし効果」を得られない可能性が高い。
自分がどの程度の変動に耐えられるかを冷静に考え、「ここまで下がっても売却せず保有を続けられるか」を基準に、リスク水準を絞ると良い。
流動性は十分か
流動性の確保も、忘れてはならないポイントだ。
ほったらかし投資の基本は長期保有のため、「いつでも売却できるか」はあまり重要でないように思えるかもしれない。
しかし、いざというときの資金需要やリバランスの可能性を考えると、「売りたいときに売れる商品」を選んでおいた方が不利な条件で売却するリスクを減らせる。
ほったらかし投資のメリットを十分に享受するためにも、「必要な資金を拘束しすぎない範囲」で、許容できる流動性を持つ商品を中心に選択することが望ましい。
コストは高すぎないか
ほったらかし投資の商品選びでは、いつも以上にコストにこだわるべきだ。
とくに注意が必要なのは、投資信託の「信託報酬」のように、保有期間中に継続的に発生する保有コストだ。
信託報酬は毎日、基準価額から差し引かれる形で負担する仕組みになっている。
1日の信託報酬額は、「投資額 × 年間信託報酬率 ÷ 365日」で計算する。
日々の負担は少額だが、保有期間が20年、30年と長期にわたると、合計では数百万円規模のコストとなる可能性がある。
したがって、同じ設計の商品であれば、より低コストの商品を選ぶことが長期投資において有利に働きやすい。
信託報酬の差は一見するとわずかに思えるが、保有期間が長くなるほど影響が大きくなる。この点はしっかり理解しておこう。
自分の投資目的を達成できる商品か
投資商品を選ぶ際は、自分の投資目的に合致しているかも、改めて確認しておきたい。
もし「年利回り5%以上を狙いたい」という明確な目標があるなら、実現できる見込みがある商品を選ぶ必要がある。
どのくらいのリターンが期待できるかを判断するには、おもに過去の運用実績を確認すると良い。
とくに、過去5年・10年といった長期的な実績が確認できる商品であれば、長期保有を前提とする投資との整合性を確かめやすい。
長期保有中に相場が上下しても、「自分の目的に合った商品を持ち続けている」という認識があれば、運用を継続しやすくなるはずだ。
不要な売買を避け、“ほったらかし”のメリットをより大きく享受しやすくなるだろう。
ほったらかし投資に適した投資商品
ここからは、すでに紹介したおすすめの運用方法のうち、自分で投資商品を選ぶ必要がある「投資信託の積立投資」と「iDeCo口座での積立投資」に適した商品について考察する。
投資信託の積立投資
ほったらかし投資のスタイルに合った投資信託としては、以下のようなものがある。
インデックス型の投資信託は、低コストファンドが多く、長期保有においてもコスト負担が大きくならない。また、 「市場全体の成長を信じて長期で持つ」という考え方が、ほったらかし投資と相性が良い。
- eMAXIS Slimシリーズ(全世界株式・先進国株式・国内株式など)
- SBI・V シリーズ(SBI・V S&P500インデックス・SBI・V 全米株式など)
株式・債券・リートなどを組み合わせる「バランス型」もおすすめだ。1本で資産クラスの分散ができ、リスクを抑えやすい。ただし、バランス型の中にはコストが高めのアクティブ型も含まれるため、手数料の確認は忘れないようにしたい。
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- 楽天・インデックス・バランス・ファンド
iDeCo口座での積立投資
iDeCoでの積立投資でも、投資信託のおすすめはインデックス型とバランス型だ。
しかし、もしiDeCo口座の利用目的を「資産成長を狙う」あるいは「元本保証で安全に増やす」と定めるなら、アクティブ型投資信託や定期預金を組み入れる選択肢もある。
アクティブ型投資信託は、市場平均(インデックス)を上回るリターンを狙う運用手法を取るファンドだ。リスクを高めに設定できる人なら、こうしたファンドを選択するのも面白い。ただし、コストが比較的高い点や、成績がインデックスを下回る可能性がある点は理解しておこう。
- ひふみワールド年金
- ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け)
定期的な見直しは必須!ほったらかし投資で資産を増やすためのポイント

ほったらかし投資といえども、完全に放置し続けるのは非常に危険だ。市場環境は日々動いているし、投資家であるあなたの状況も常に変化する。
ある程度は運用を調整しないと、当初の計画が台無しになりかねないのだ。
「ほったらかし」でも完全放置はNG
長期保有を前提とする投資でも、まったく見直しをしないのはリスクが高い。
たとえば株式相場の急騰で株式比率が高くなりすぎたり、大幅下落で債券比率が上がりすぎたりすると、想定以上にリスクやリターンが偏ってしまう。
こうしたバランスの崩れを放置すると、いざ相場が逆転したときに大きな損失を被る可能性がある。
ほったらかし投資であっても、必要最小限の確認と調整は欠かせないのだ。
定期的な見直しとリバランスが重要
定期的な見直しは、年1回程度を目安に行うと良い。
ポートフォリオの運用成績や資産配分を簡単に確認し、当初計画した比率から大きく外れているなら、売却や買い増しで元の配分に近づける。
- 投資信託の積立
- 当初設定した比率からの乖離があれば、買い増しや積立額の調整によってリバランスを行う。
- ロボアドバイザーやファンドラップ
- 基本的には自動でリバランスが行われるが、ライフステージや目標が変わったときは、運用方針の見直しと調整が必要になる。
見直しやリバランスも専門家に一任できる
もし見直しやリバランスが難しいと感じるなら、「資産運用ナビ」を通じて資産運用の専門家に相談してみるのも一案だ。
「資産運用ナビ」は、投資家と資産運用のプロをマッチングするプラットフォームである。
保有資産の監視やリバランスの委託ができる専門家を、簡単に探すことができる。
運用業務の一部を任せるのはもちろん、運用のすべてをマルっとお任せすることもできる。任せる範囲そのものを、専門家と一緒に検討することも可能だ。
「資産運用ナビ」なら、登録、利用、そして相談までのすべてが無料だ。投資や運用に関するどんなことでも相談できるので、まずは気楽に無料相談を試して欲しい。
【実践手順】ほったらかし投資を始める方法

最後に、実際にほったらかし投資を始めるための基本的なフローを紹介する。自分の投資スタンスに合わせてステップを調整して欲しい。
ステップ1:目標を設定する
まずは、何のために投資をするのか、目標を明らかにしよう。最初は、大きな方向性を考える程度で良い。
- 老後資金を貯めたい
- 子どもの大学進学資金を準備したい
- とりあえず運用してみたい
そのうえで、どれくらいの期間運用するのか、どのくらいの資産を目指すのかを考えてみよう。
- ほったらかし投資とはいえ、サービス内容や投資商品を選ぶ際に、運用期間や期待リターンの情報が必要になる
- 「65歳までに3,000万円」「年5%のリターンが欲しい」など、数値に落とし込んでおくと良い
- 数値化も面倒だったり不安があるなら、ファンドラップを選択するか、IFAやFPなどの専門家に相談しよう
そして、「投資に回せる資金はいくらか」を把握しよう。
- 毎月の収入から生活費や固定費を差し引いて、無理なく積立に回せる金額を把握する
- すでにある貯蓄の中から、どの程度までなら投資に振り向けても問題ないかを検討する。
- 手元に生活防衛資金として現預金を確保している状態で投資するのが基本である。この資金が準備できていないなら、積立と同時に貯蓄も進めるべき
ステップ2:証券口座を開設する
ほったらかし投資を行うには、投資商品の売買と保管をするための証券口座が必要だ。
早く気軽に口座開設したいなら、ネット証券がおすすめだ。口座開設はオンラインで完結し、手続きにかかる時間も短い。
最近は、サポート充実に力を入れているネット証券は多く、中には投資相談を受け付けるという会社もある。
ネット証券なら、おおむね以下のステップで口座開設ができる。「最短、翌営業日から取引可能」とする証券会社も多い。
- 公式サイトで「口座開設」をクリック
- 個人情報を入力
- マイナンバーと本人確認書類の提出
- (証券会社による審査)→審査通過の連絡を受ける
- 口座での初期設定と入金
おすすめの証券会社は、ネット証券の「SBI証券」と「楽天証券」だ。
口座開設数と取り扱い商品において、常にトップ争いを繰り広げており、サービス充実や改善も迅速だ。
- SBI証券のおすすめポイント
- 外国証券の取り扱いが充実(9か国)
- Vポイントを貯めて使える仕組みがある
- 「ゼロ革命」により口座開設数を伸ばしており、今後も手数料引き下げが期待できる
- 楽天証券のおすすめポイント
- 楽天ポイントを貯めて使う仕組みが充実。楽天経済圏にいる人なら、より効率的に資産形成ができる
- 常になんらかのキャンペーンが行われている
- 取引ツールやWebのUIが秀逸。楽しみながら投資が続けられる
ステップ3:投資商品を選定し購入する
証券口座を開設したら、次は投資商品を選んで購入する段階だ。
ロボアドバイザーやファンドラップを利用する場合は、運用方針を定めるだけで商品を選定する必要はない。
それ以外の方法(たとえば投資信託の積立など)で運用する場合は、投資商品を自分で選定し、購入手続きを行わなければならない。
ネット証券でなら、以下のような流れで投資信託の積立設定ができる。
- 商品を絞り込む
- 証券会社の検索機能やランキング、推奨記事などを参考にして、投資候補をリストアップする。
- 候補を比較し選ぶ
- 商品ページや目論見書を確認し、ファンドの詳細情報(リターン、純資産額、ボラティリティ、信託報酬など)を比較する。
- 商品を購入する
- 商品ページで「積立」ボタンを押し、決済方法や預かり区分(運用する口座)、積立頻度、金額(口数)などを入力して発注する。
個別株式やETFの積立設定も、上記とほぼ同様の手順で進められる。
なお、積立ではなく「購入」の場合は、リアルタイムの取引となるため、株数や価格(指値・成行注文)を指定して発注する。
「ほったらかし投資」は資産形成の最強手段!早速始めて資産を大きく成長させよう

ほったらかし投資は、自分に合った投資商品を選び、長期に保有するだけのシンプルな方法だ。
初心者でも簡単に始められ、長期的な資産形成を目指すのに非常に適している。
ほったらかし投資の実践方法は、投資信託の積立やファンドラップ、ロボアドバイザーの活用などさまざまだ。
どの方法が良いか迷ってしまうなら、まずは証券口座を開設し、情報を集めながら検討すると良いだろう。
証券口座の開設に費用はかからない。
ネット証券の2大巨頭である楽天証券とSBI証券のいずれか(または両方!)を利用しておけば、大半の投資ニーズをカバーできるはずだ。
資産形成の第一歩は、証券口座の開設である。公式サイトにアクセスし、必要事項を入力すれば申し込みが完了する。
手続きを終えたら、いよいよ「ほったらかし投資」のスタートだ。長期の視点で資産を育て、将来の安心を手にして欲しい。
ほったらかし投資に関するQ&A
