- ほったらかし投資を成功させるポイントが知りたい
- ほったらかし投資を実践する具体的な運用法が知りたい
- ほったらかし投資のメリット・デメリットを理解したい
投資人口が増える中、あらゆる人が投資家として資産運用を始めている。
しかし、誰もが四六時中、投資と向き合えるわけではない。
仕事や生活に忙しく、投資に時間を費やせない人も多いのが現状だ。
そこで今、手間のかからない「ほったらかし投資」に注目が集まっている。
この記事では、ほったらかし投資として、実践方法や成功のポイントについて解説する。
ほったらかし投資は、あらゆることを任せられるわけではなく、投資家自身の戦略と準備が必要だ。
取り組む上で欠かせない、リスク許容度やポートフォリオ設定についても説明する。
投資に時間を割けない方や、運用の手間をかけることにためらいがある方はぜひ参考にしていただきたい。
ほったらかし投資の知識を身につけ、最低限の時間と手間で、高い水準の運用成果を目指そう。
ほったらかし投資とは
まずは、ほったらかし投資の基本事項について解説する。
利点や注意点を確認し、実践にあたっての基礎知識を整理してほしい。
ほったらかし投資の定義
ほったらかし投資とは、運用開始時に選択した手法や商品を放置することで利益を生む方法だ。
明確な定義はないが、次の3つを満たすものを指すことが多い。
- 投資開始時に選択した手法や商品の保有を継続する
- 細やかな値動きの確認や分析を必要としない
- 難しい投資判断の機会が少ない
広い意味では手間や時間を掛けずに投資をするスタイルを指す。
ほったらかし投資は、経済評論家だった山崎元氏と投資ブロガーの水瀬ケンイチ氏が、共著である「ほったらかし投資術」で提唱したことに由来する。
その後、ほったらかし投資は多様化したが、共通して言えるのは、少額の資金を継続投資する方法が一般的であることだ。
短期で大きな儲けを出すよりも、長期間に渡って運用し利益を着実に積み上げるスタイルが適している。
ほったらかし投資のメリット・デメリット
ほったらかし投資のメリットは、次の通りだ。
- 手間や時間がかからない
- 頻繁に値動きを追ったり投資判断をしたりしなくて良い
- 相場分析や売買の時間がなくても継続できる
- リスクを抑えやすい
- 長期運用することで、リスクを下げた資産形成が叶う
- リスクが低くなれば難しい判断を迫られる場面も少なく、ストレスのない投資ができる
- 金融知識が身に付く
- ファンドラップやロボアドバイザーの投資判断は、投資のお手本として参考になる
- プロやアルゴリズムの運用を観察することで、今の相場ではこういった売買をする、こんな手法を取るといったパターンを知識として蓄積できる
一方でデメリットもある。
- 完全にほったらかしはできない
- 投資後、一度も運用状況を確認しないのは危険だ
- どんな投資であってもリスクはある
- 定期的に投資先の見直しや、適宜適切な対応は欠かせない
- 手数料が高いことがある
- 自動で運用する代わりに、手数料が高めに設定されていることがある
- 特に信託報酬は、投資信託を保有している間は継続的に支払う必要があるため、事前に確認をしておきたい
ほったらかし投資が向いている人
ほったらかし投資が適しているのは、次のような人だ。
投資初心者
運用のプロやシステムが最適な運用を選択してくれるため、知識や経験を必要としない。投資が初めての人でも安心して始められる。
時間がない人
細やかなチャート確認や投資先の調整が不要なので、仕事や日常生活が忙しく投資に時間を割けない人に最適だ。
「放置すること」が手法であることから、多忙な人ほど実践しやすいと言えるだろう。
ローリスクやミドルリスクが運用方針の人
ハイリスク・ハイリターンの投資の場合、小まめな分析や売買が必要であることから、ほったらかしでは難しい。
リスクを抑えながら長期運用でじっくりと資産を育てたい人に向いている。
投資判断に自信がない人
投資が怖い、自分の判断が合っているのか心配な人は、プロやシステムに任せられるほったらかし投資がおすすめだ。
相場の荒れや市場の変化に心を乱されずに、運用を継続できる。
ほったらかし投資の実践法
ほっかたらかし投資ができる商品や仕組みについて紹介する。
- 投資信託やファンドラップ
- ロボアドバイザー
- 自動積立による投資
それぞれ順に見ていこう。
投資信託やファンドラップ
投資信託とファンドラップはどちらも、投資した資金の運用をプロに任せる方法である。
個人の投資では難しい幅広い資産種類や地域に分散投資しながら、市場の変化に合わせて適切な対応をとってくれる。
投資信託は自分に合ったパッケージ商品を選ぶイメージであるのに対し、ファンドラップは自分に合わせてオーダーメイドで作り上げるイメージだ。
それぞれの違いを詳しく見ていこう。
投資信託 | ファンドラップ | |
---|---|---|
特徴 | 商品は自分で選択し、運用を任せる | 顧客のニーズにあった投資を提案、投資運用全般を任せられる |
資産配分 | ファンド全体での管理となり一律 | 個人ごとに管理し自由度が高い |
運用状況の報告 | 決算時に運用報告書を交付 | 希望に合わせて定期報告や意向確認を実施 |
手数料 | 低めから高めまで幅広い | 投資顧問報酬が発生しやや高め |
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、AIによるアルゴリズムを用いてポートフォリオの作成や投資判断をする仕組みである。
ロボアドバイザーには、次の2種類がある。
- アドバイス型
- 最適なポートフォリオや運用手法を助言・提案してくれる
- 投資一任型
- ポートフォリオの策定から商品の売買、リバランスまで全自動で行う
特に投資一任型は、ほったらかし投資を実現するのに最適だ。
投資方針に関する質問に答えるだけで適切なリスク許容度が設定され、それに基づいた投資商品を組み合わせ、運用を開始する。
自動的に適切なタイミングで売却し、商品の入れ替えにも対応する。
人間の感情や主観に左右されない合理的な投資判断をするので、相場が荒れているときにも適切な売買ができるのが特徴だ。
自動積立による投資
金額と買付け頻度を設定する自動積立は、ほったらかし投資の代表格である。
一般的なのは、投資信託を積立で買い付ける方法だ。
決まった金額と時期に投資信託を買い付けていくと、値上がり時は少なく買い、値下がり時は多く買うことができる。
投資のタイミングを分散させることで、平均購入額を平均化し価格変動のリスクを抑えることが可能だ。
相場の上げ下げを随時見守る必要がないため、精神的にも負担が小さい。
非課税制度であるNISAのつみたて投資枠やiDeCoも、積立投資をする制度の1つだ。
これらを活用することでより効果的な運用が実現する。
ほったらかし投資を成功させるポイント
ほったらかし投資は、運用前に投資環境を整え、開始後もメンテナンスをしていくことが大切だ。
この章では、ほったらかし投資で資産を拡大させるポイントを3点紹介する。
資金管理の徹底
投資は損失が出ても、生活に影響を及ぼさない余剰資金で行うよう心がけてほしい。
余剰資金は預金から生活資金と、もしもの時の緊急資金を差し引いて余った資金を指す。
投資には元本割れのリスクがある。家計にとって必要な資金まで投資をしてしまうと、急な出費時に資金不足に陥ってしまいかねない。
生活資金に余裕がない状態で投資を行うと、焦りやネガティブな感情に左右され、不合理な判断をしてしまうこともある。
ほったらかし投資は、長期で行うものだ。
大きな金額を一度に投資するのではなく、投資すべき金額を見極め少額でコツコツ継続していこう。
投資目的とリスク許容度に応じた投資手法の選択
ほったらかし投資は、あくまで手段に過ぎない。
何のために投資をするのかを明確にし、どのような「ほったらかし投資」で目的を達成するのか考えることが大切だ。
投資目的と同様に重要なのが、リスク許容度の正しい設定である。
リスク許容度とは、どの程度の損失であれば受け入れられるかという度合いのことを指す。資産状況や収入、年齢や投資経験などをもとに見積もっていく。
リスク許容度別の投資方法例は、以下の通りだ。
- リスク・リターン高
- ロボアドやファンドラップのハイリターン設定
- リスク・リターン中
- 株式投資信託の積立投資、
- リスク・リターン低
- バランス型・インデックス型投資信託
ただし同じ資産クラスやサービスであっても、運用会社や商品によって特徴は異なる。投資前の情報収集と、各商品の比較検討は十分に行ってほしい。
定期的にポートフォリオを見直す
ポートフォリオとは、金融商品の組み合わせと配分を指す。
投資には最適なポートフォリオが欠かせないが、一度作成をしてそれで終わりというものではない。
ほったらかし投資であっても、ポートフォリオの定期的なメンテナンスはすべきだ。
プロやロボットの知見によって運用しているといっても、想定できない社会情勢や市場の変化はある。
そのため、資産配分を決めたのちも見直しを心がけたい。
月1回はどんな投資をしているのか、運用成果はどうかをチェックしてほしい。
目安として、1年単位で資産全体の状況を確認し、ポートフォリオのバランスが崩れていないか見直しを行う。
当初の希望や目標を大きく離れていた場合、商品や投資先の変更も視野に入れて対応しよう。
また、結婚や退職などのライフステージに変化があったときには、ポートフォリオ自体の見直しも必要だ。
ほったらかし投資であっても、定期的に適切な判断と対処をすることで、リスクを最低限に抑え、より運用効果を高められる。
ほったらかし投資の相談は誰にするべき?
ここまでほったらかし投資のメリットや、具体的なポイントについて解説してきた。
ほったらかし投資は、実施前に第三者に相談することで、より効果の高い投資ができる。
ここでは、投資の相談先や、候補となるIFAについて解説する。
投資判断や資産管理における専門家の重要性
ほったらかし投資は、投資のハードルを下げ取り組みやすい。
だからといって「何かよくわからないけれど、ほったらかしなら大丈夫」と安易に選んでしまうのは危険だ。
現在、ほったらかし投資ができる商品やサービスは多種多様に展開されており、それを比較し適切に選ぶ必要がある。
しかし、どれが自分にとって最適なのか判断するのが難しい。
そこで頼れるのが、投資運用の専門家だ。
運用のプロは金融や経済の知見に基づいて、個別最適なアドバイスを行っている。
自力で取り組むと、つい主観的になりやすいリスク許容度の設定やポートフォリオの作成も、第三者の客観的な提案があれば、冷静に判断ができる。
ほったらかし投資は、自分にとって最適な選択ができるかが、成否に直結する。
そのため投資前の第一歩として、プロのアドバイザーを活用する意義は大きい。
IFAに相談するメリット
IFAとは、独立系ファイナンシャル・アドバイザーのことである。
資産に関する相談から投資の手続きまで、一貫したサービスを担っている。
単なる商品の紹介だけに留まらず、資産全体のコンサルティングを行っている点が特徴だ。
資産状況や家族構成、投資に対する考えを丁寧にヒアリングし、顧客に合った運用プランを策定することを得意としている。
特定の金融機関に属さず独立の立場をとっているため、顧客のニーズにもっともふさわしい提案ができるのが強みである。
また、転勤や移動がないため、同じ担当者が対応できる。
長期運用をする場合、市場や相場の変化に直面することもあるだろう。
そんな時も、資産状況や運用志向を熟知したアドバイザーであれば、速やかにフォローすることが可能だ。
ほったらかし投資とIFAのサポートを組み合わせれば、より安心で効果的な運用が叶う。
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IFAを選ぶ際は、相談ニーズに応じた担当者を選びたい。
例えば、株式投資を重視したいのか、不動産投資に注力したいかによって、相性の良いIFAは異なる。
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ほったらかし投資を実践して、気軽に資産運用を始めよう
本記事では、ほったらかし投資の利点や効果的に運用するポイントについて解説した。
ほったらかし投資は、始めにしっかりとしたポートフォリオや運用方針を決めてしまえば、あとは継続するだけだ。
運用の手間や投資判断の難しさから、なかなか始められない人におすすめの方法である。
また、単に手間が減るだけではなく、リスク分散や取得価格の平均化など資産運用の結果に効果的な側面がある点も見逃せない。
いくつか具体的な実践法もとりあげたが、あくまで一例であり、最適解は個人によって異なる。
そのため資産運用に関する疑問や不安があれば、専門家からアドバイスを受けることを推奨する。
特にIFAは、中立的な立場からあなたに最適なアドバイスを提供してくれる。長期的なサポートも可能であるため、継続的な運用に欠かせない存在だ。
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