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投資市場の見通しはどのように立てればいい?

この記事で解決できるお悩み
  • 投資環境の見通しが知りたい
  • 投資環境の見通しを分析できるようにしたい
  • 投資に関する様々なリスクに備えたい

投資をはじめる際に気になるのは、市場(マーケット)の見通しだろう。

投資で成果を出すためには、短期または中長期的な視点でマーケットを予測しながら、最適な金融商品に投資する必要がある。

では、どのように投資市場の見通しを立てれば良いのだろうか。

今回は、投資市場の見通しの立て方や、適切なリスク管理について解説する。

投資環境の分析をしたい人、投資に関するリスクに備えたい人は、参考にすると良い。

また、投資に限らず資産運用を行う上で見通しと立てるためには、金利などの基礎知識も学んでおこう。

目次

投資の見通しを立てる重要性

市場の分析をする以前に、まず投資を始める前には、目標や想定利回りから逆算した投資計画を策定する必要がある。

なぜ、投資をする場合に計画を立てる必要があるのだろうか。

投資計画の重要性や、実際に計画をどのように立てると良いか、以下のポイントを踏まえながら解説する。

  • 投資をするのに計画を立てるべき理由
  • 投資計画の立て方
  • 投資計画を立てる時の注意点

それぞれのポイントについて確認しよう。

投資をするのに計画を立てるべき理由

投資を始める前には、達成目標や想定利回りからシミュレーションした投資期間の設定など、投資計画を立てる必要がある。

計画のないままに投資を始めても、目標や投資期間が定まっていないので、市場の動向に右往左往してしまうからだ。

結果として、行き当たりばったりの投資となり、うまくいかないだろう。

そのため、市場分析をする前に、投資計画を策定しておくと良い。

投資計画の立て方

最初に、投資に回しても良い余剰資金がいくらか洗い出しておく必要がある。

投資はあくまでも、生活に支障が出ない範囲で行うものである。

そのため、余剰資金を把握して、投資に回せる資金を明確にしておく。

まずは、自身の資産状況から投資に回しても問題ない金額を確認する。

生活費の6ヵ月分の貯蓄ができていなければ、まずは投資に回す資金よりも先に、生活防衛費として貯蓄から始めよう。

生活費の6ヵ月分の貯蓄ができていれば、目的が無い資金を投資に回し運用を始めるのが良いだろう。

次に、自身がどの程度まで運用損失を許容できるか、リスク許容度を把握しておく必要がある。

リスク許容度とは、投資に回す資金から、いくらまでならマイナスになっても許容できるかの金額のことだ。

リスク許容度を超えた投資を行うと、運用成果に一喜一憂してしまい、一時的にマイナスになると怖くなり早々に売却してしまうリスクが高いからだ。

そのため、自身の年齢や性格、収入や資産、投資経験などから、リスク許容度を把握しておくと良い。

最後に、投資目標の策定が重要である。

投資目標とは、投資を「いつまで」続けるのか、また投資によって資産を「どれくらい」増やすのか、ゴールを設定することである。

投資する資産クラスによって想定利回りは変わるため、具体的な商品の選定にも関わってくる。

たとえば、5万円の積立投資で2,000万円を達成する場合の期間を、想定利回り別に確認する。

  • 想定利回り3%
    • 23年2ヵ月
  • 想定利回り5%
    • 19年8ヵ月
  • 想定利回り7%
    • 17年3ヵ月

想定利回りが高くなるほどリスクも高い。リスク許容度との兼ね合いで、どの程度の利回りで運用するか想定できれば、運用する商品の選定も変わってくる。

投資計画を立てる時の注意点

投資計画を立てる場合の注意点は、さまざまな投資手法を用いた場合のリスクを把握しておくことである。

たとえば株式に投資する場合、代表的な投資手法は以下の通りである。

高配当株投資法高配当銘柄にのみ投資する方法
優待株投資法優待が受けられる株式にのみ投資する手法
IPO株投資法初値の値上がり益を狙う投資手法
バリュー株投資法企業の資産に対して株価が割安な株式に投資する手法
グロース株投資法成長が期待できる企業の株式に投資する手法

さまざま投資方法では、メリットがある分デメリットもある。

そのため、複数の投資手法を少額で実施して、リスクを分散させると良いだろう。

投資環境を見通して的確に分析する方法

マーケットは、株価が上昇するトレンドと下降するトレンド、また一定に推移するトレンドに分かれる。

先々の市場動向を分析できるかは、投資を成功させるうえで重要なスキルである。

投資環境を的確に分析する方法について、以下の観点から解説する。

  • 投資市場の変動要因
  • 市場分析の手法
  • 2024年の世界経済と日本経済の見通し

それぞれ確認しよう。

投資市場の変動要因

投資市場が変動する要因は、主に経済情勢や地政学的なリスクがある。

過去にあった経済ショックは「リーマンショック」や「コロナショック」である。

これらの経済ショックが生じた際に、世界的に株価が大きく下落した。

また、戦争や国際関係の緊張によって市場に影響が及ぶリスクを地政学的リスクという。

ウクライナ情勢や2001年の同時多発テロが代表的な例である。

さらに、政治的な要因も市場には影響を及ぼすケースがある。

このように、投資市場に影響を与える要因は、多岐にわたる。

そのため、さまざまなリスクに対策できるように、異なる資産や通貨に分散して投資をしておくと良いだろう。

市場分析の手法

市場分析の代表的な方法に「ファンダメンタル分析」と「テクニカル分析」がある。

それぞれの方法について確認しよう。

ファンダメンタル分析は、企業が決算発表で公開する「賃借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」をもとに分析する。

以下の指標を他の企業と比べて、割安なのか割高なのかを比較すると良い。

PER株価収益率
指標が低いほど割安。
PBR株価純資産倍率
指標が低いほど割安。
ROE自己資本利益率
数値が高いほど良い。
ROA総資産利益率
数値が高いほど良い。
配当利回り投資金額に対して配当がいくらもらえるかの指標
時価総額企業の規模

次に、テクニカル分析について確認する。

テクニカル分析は、過去の値動きについて傾向やパターンがないかを分析して、将来の株価や為替の動向を予想する方法である。

ただし、必ずしも過去の動き方と同じにはならないので、分析を外さないように精度を高める必要があるだろう。

2024年の世界経済と日本経済の見通し

2024年の世界経済に目を向けると、上値が重くなっているが緩やかに伸長するとみられている。

大和アセットマネジメント「投資環境見通し」と、ニッセイアセットマネジメント株式会社「投資環境(現況と見通し)」は共通して成長推移にあると予想している。

まず、アメリカは今後も底堅く経済成長をすると考えられる。

また、ユーロ圏は年後半から緩やかな回復をすると見られている。

一方、日本経済は物価高で個人消費は伸び悩む状況が続くと予想されている。

また今後は、金利上昇インフレ円安が資産運用に与える影響を学んでおくと、見通しがより鮮明になるだろう。

見通しを踏まえた投資の対策法

今後の経済情勢を踏まえながら投資する場合、適切なリスク対策が必要である。

どのような対策が必要なのか、以下のポイントを踏まえながら解説する。

  • 長期・分散・積立投資の活用
  • バランスの取れたポートフォリオの作成
  • ポートフォリオの定期的な見直しとリバランス

それぞれ確認しよう。

長期・分散・積立投資の活用

資産運用を行う場合「長期投資」「分散投資」「積立投資」のポイントを踏まえながら実施すると良い。

  • 長期投資
    • 資産を長く保有する
  • 分散投資
    • 異なる値動きをする資産に分散して保有する
  • 積立投資
    • 一括投資ではなく分割して投資する

長期投資は、資産運用の効果を高めてくれるメリットがある。

一般的に、株式や投資信託への投資は複利で運用をするため、運用成果がプラスであれば投資期間が長くなるほどリターンは大きくなりやすい。

出典:金融庁「投資の基本

分散投資は、異なる値動きをする資産を組み合わせて投資をすることだ。

株式や債券だけでなく、リートなども組み合わせながらリスクコントロールすると良い。

一般的に、株式の割合が増えるとリスクとリターンが高くなりやすい。

積立投資は、一括投資と比較して購入単価が平準化されるので、安定的な運用効果が期待できる。

一定のタイミングで同じ金額で購入し続ける「ドルコスト平均法」が、代表的な積立投資の方法である。

バランスの取れたポートフォリオの作成

投資計画やリスク許容度に応じた金融商品を組み合わせて、バランスの取れたポートフォリオを作成しておく。

ポートフォリオを組み合わせる場合は、収益性や安定性、流動性を考慮しながら準備すると良い。

  • 収益性
    • どのくらいのリターンが得られるか
  • 安定性
    • 収益が安定しているか
  • 流動性
    • すぐに現金に換金ができるか

ポートフォリオを組む場合は「異なる値動きをする資産を組み合わせる」ようにすると良い。

複数の資産を組み合わせれば、一部の運用商品がマイナスだったとしても、他の商品がプラスならトータルのマイナス分を抑えられるメリットがある。

以上から、ポートフォリオは自分のイメージ通りに資産運用をするために必要な考え方である。

ポートフォリオの定期的な見直しとリバランス

投資目標の変化や、市場の変動、運用成果に応じてポートフォリオを見直す必要がある。

当初は積極的にリスクを取りながら高いリターンを期待して資産運用をしていても、運用成果がマイナスになっている場合など、このまま継続していくべきか検討するべきだ。

市場の見通しと投資の相談は誰にするべき?

市場分析や投資の見通しを立てる場合、リスク許容度や余剰資金の設定、投資する金融商品の選定には、専門的な知識が必要になる。

特に、ファンダメンタル分析やリスク許容度に見合った銘柄選び、運用方針の考え方など、専門的な知識が求められる。

特に、投資経験のない初心者は、分からないことが多く自分で決められないポイントもあるだろう。

そこで、今回は資産運用の専門家であるIFAに相談するメリットについて解説する。

投資判断や資産管理における専門家の重要性

投資目標や予算の設定など、特に初心者はどのような方法で投資信託を始めると良いか判断がつかない。

そのため、目標とする運用成果を達成させるためには、資産運用に関する知識や経験が豊富な専門家であるIFAに相談すると良い。

IFAに相談するメリット

IFAに相談すると、それぞれの状況に合った適切なポートフォリオや投資額をいくらにするべきか相談できるメリットがある。

予算設定だけでなく、自分に合う資産や具体的な投資手法についても、アドバイスが受けられる。

さらに、IFAは幅広い投資商品の中から自分に最適な金融商品を紹介してもらえる点もメリットだ。

ファンドの騰落率や、各種コストの面から、おすすめの金融商品を紹介してくれる点もメリットといえるだろう。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法

最適なIFAを見つけるためにも、IFA検索プラットフォームを経由して、市場分析を通した今後の見通しや、予算の設定、投資計画の策定が得意なアドバイザーも多い。

「資産運用ナビ」は、無料のIFA検索プラットフォームで、気軽に利用できる検索プラットフォームである。

市場分析を通した今後の見通しや、予算の設定、投資計画の策定だけでなく、おすすめの金融商品など、資産運用に関する総合的なアドバイスが受けられる。

また、投資目標の変化や、市場の変動、運用成果に応じてポートフォリオは見直す必要がある。

IFAは、アフターフォローも継続的に実施している。

当初は積極的にリスクを取りながら高いリターンを期待して資産運用をしていても、運用成果がマイナスになっている場合など、このまま継続していくべきかアドバイスがもらえる。

分散している金融資産の割合を変更する必要があるかも含めて、IFAに相談して決めると良い。

市場の見通しと今後の投資戦略はIFAに相談しよう

投資計画の策定や市場の見通し、また投資手法や分析方法について解説した。

投資による運用成果を高めるためには、目標や予算の設定、リスク許容度の把握に沿った計画の策定が重要になる。

計画の策定にあたっては、どのような投資手法を活用して投資をするのか、また投資対象としてポートフォリオに組み入れるべきか、自分で分析して見通しを立てる必要がある。

また、実際に投資をスタートさせた後も、定期的にポートフォリオを見直して、リスクコントロールが重要となる。

市場の見通しや分析に関する疑問や不安があれば、専門家からアドバイスを受けると良いだろう。

特にIFAは、中立的な立場からあなたに最適なアドバイスを長期にわたって提供してくれる。

IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用し、あなたに合ったIFAを見つけると良い。

投資の見通しに関するQ&A

投資計画を立てるコツはありますか?

まずは、投資に回せる余剰資金を明確にし、リスク許容度を把握する。

次に、投資目標を想定利回りごとにシミュレーションすると良い。

投資市場が変動する中で、リスクを適切に管理するにはどうすればいいですか?

異なる資産や通貨でポートフォリオを組むと良い。

複数の資産を組み合わせれば、一部の運用商品がマイナスでも、他の商品がプラスなら、マイナス分を抑えられる。

投資市場を的確に分析するにはどうすればいいですか?

企業が決算発表で公開する「賃借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」をもとに、指標を理解する必要がある。

とはいえ、初心者には理解できない部分でもあるので、IFAに相談すると良い。

短期投資と中長期投資の見通しの立て方に違いはありますか?

中長期投資に比べると、短期投資の見通しは難しいのが特徴だ。

中長期投資の場合、企業の成長性や将来性、実際の財務状況などを確認して見通しを立てるといいだろう。

長期投資のメリットとデメリットは何ですか?

長期投資のメリットは下記のとおりだ。

  • 複利効果が期待できる
  • 値動きを毎日チェックしなくても良い
  • コストを抑えることができる

複利効果が期待できる

複利効果とは、得た利益に対してさらに利益が上乗せされていくため年数が長いほど圧倒的に有利だ。長期投資の最大のメリットと言えるだろう。

値動きを毎日チェックしなくて良い

長期投資は十数年、何十年かけて利益を狙うため、値動きをチェックする頻度は少なくても問題ない。忙しい人には嬉しい特徴だ。

コストを抑えることができる

短期投資は「安く購入し高く売却する」を繰り返して利益を得るものであり、売買するのにコストがかかるのが特徴だ。

しかし長期投資は長期保有するため、結果的にコストを抑えることができる。

長期投資のデメリットは下記のとおりだ。

  • 資産が増加するまで時間がかかる
  • 売却のタイミングを判断しにくい

資産が増加するまで時間がかかる

長期投資は長い期間をかけてゆっくりと形成していくものだ。

即効性はないため「数ヶ月後に成果を出したい」「1年後に資産を用意したい」といった人には不向きである。

売却のタイミングを判断しにくい

長期でずっと持ち続けていた場合、いつ売却すればいいのかタイミングに悩むことがある。

一般的に、売却のタイミングは、目標金額を達成したとき、もしくは現金が必要になった時である。

ポートフォリオの定期的な見直しはどれくらいの頻度で行うべきですか?

ポートフォリオの定期的な見直しは、少なくても年に1度はしよう。

ポートフォリオの構築とともに、見直しをすることはとても大事だ。

たとえば株式:50、債券:50でポートフォリオを組んだ場合、1年後に同じ資産配分であることはほとんどないだろう。価格は日々変動するからだ。

また、結婚や子どもの誕生、転職などライフスタイルが変化したときもポートフォリオの見直しを行うことで、常にライフスタイルに合ったポートフォリオを維持することができる。

執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。資産運用の相談サイト「資産運用マッチング」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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