- 資産運用の手法を比較して自分に合ったものを見つけたい
- 運用法の選択基準を理解したい
- 資産運用を始める前に必要な知識を身につけたい
資産運用にはさまざまな資産クラスがあり、それぞれリスクや運用にかかるコスト、最低投資金額などが異なる。
適切な資産運用に取り組むためには、各資産クラスの特徴を理解したうえで、自分に合った運用方法を選ぶことが重要だ。
本記事では、資産運用の種類の比較や選び方、資産運用を始める前に知っておきたいポイントについて解説していく。
資産運用の種類を比べてみよう
資産運用には、主に次のような種類がある。
- 預貯金
- 債券
- 株式
- 投資信託
- ETF
- REIT
- ロボアドバイザー
- 貯蓄型保険
- FX
- 金(ゴールド)
- 不動産
それぞれ特徴を比較していこう。
預貯金
「元本を預けて利息を得る」という意味では、預貯金も資産運用の一種だ。
2024年3月現在、普通預金の金利水準は0.02%となっている。
決して高金利ではないものの、預貯金は預けた元本が守られるメリットがある。
いつでも自由に入出金ができる点も利便性が高い。
しかし、預金金利以上に物価が上昇すると、お金の価値が実質目減りしてしまうデメリットがある。
現在のようにインフレ&低金利の環境下では、預貯金で資産を増やすことは難しいだろう。
なお、預貯金には円建てだけでなく外貨建てのものもある。
外貨預金は、日本円の預金に比べて高い金利を受け取れるメリットがある。
「預金で高い利息を受け取りたい」、「外貨建てで資産を築きたい」という場合は、外貨預金を検討するのもひとつの方法だ。
ただし、外貨預金は預入時よりも為替が円高に推移すると、元本が割れてしまう可能性がある。
預金ではあるが、円建てでの元本保証がない点は理解しておこう。
投資と貯蓄のどちらをすべきか迷っている方は以下の記事を参考にしてほしい。
- 近々支出の予定がある人
- 安全に資産を守りたい人
- 自由に入出金を行いたい人
債券
債券とは、国や自治体、企業が資金調達のために発行する証券である。
あらかじめ満期と金利が定められていることが特徴で、定期的に利息を受け取れるメリットがある。
満期を迎えると預け入れた元本が戻されるので、比較的安定的に運用できる手段として知られている。
また、債券の種類によっては満期を待たずに市場で売却することが可能だ。
その際は、金利動向などの要因によって売却価格が決定される。
債券価格は金利と反比例の関係にある。
金利が上昇すると債券価格は下落し、金利が下がると債券価格が上昇する仕組みだ。
そのため、売却のタイミングによっては譲渡益を得られる可能性もある。
ただし、その反対に譲渡損を被るリスクがあることを理解しておこう。
なお、国が発行する債券に「個人向け国債」があるが、個人向け国債は元本がほぼ保証されているメリットがある。
より安全に運用したい場合は、個人向け国債の購入を検討してみるのもよいだろう。
- 安定的に運用したい人
- 定期的に利息を受け取りたい人
- 運用期間を決めたい人
株式
株式は、企業が資金調達のために発行する証券である。
債券と大きく違うのが、満期や利息が定められていない点だ。
株式を持つ人は企業の「株主」となり、企業の成長による恩恵を受けられるメリットがある。
企業の成長は株価に反映されるため、投資するタイミングによっては大きなリターンを狙うことが可能だ。
株式はNISA制度の「成長投資枠」の対象となっていることから、譲渡益が非課税となるのも嬉しいポイントである。
また、企業によっては配当や株主優待を実施することもある。
譲渡益以外に利益を受け取れる仕組みであるため、投資の楽しみとしている人も少なくない。
NISA口座で購入すれば配当金も非課税となるので、不労所得を築きたい人にも向いているといえる。
ただし、株式は企業が倒産したり、業績が悪化したりしたときに大きな損失を被るデメリットがある。
投資先は、財務状況や決算状況をよく確認したうえで選定することが重要だ。
- 企業に直接投資したい人
- 大きなリターンを狙いたい人
- 配当金や株主優待を受け取りたい人
投資信託
投資信託とは、投資家から集めた資金をひとまとめにして、プロの投資家が運用を行う金融商品である。
投資先の選定は「ファンドマネージャー」と呼ばれる人が行ってくれるので、投資家は銘柄選定の手間がかからないメリットがある。
また、投資信託は少額投資から始められることも特徴だ。
スポット購入の場合は1万円から、積立投資の場合は金融機関によっては100円から購入でき、まとまった投資資金がない人でも取り組みやすい。
投資信託も株式と同様にNISA制度の対象となっており、非課税で投資することが可能だ。
投資信託は「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の両方で対象となっているため、より非課税枠を利用できるのも嬉しいメリットだ。
ただし、投資信託はプロに運用を任せることから、運用中は「信託報酬」と呼ばれるコストが発生する。
信託報酬は保有中ずっと負担するコストであることから、ファンドを選定する際は必ずコストを比較することが大切だ。
- 少額投資から始めたい人
- 自分で銘柄選定を行う自信がない人
- 運用に手間をかけたくない人
ETF
ETFとは、「上場投資信託」と呼ばれる投資信託の一種だ。
通常の投資信託と異なるのが、「証券取引所に上場している」という点である。
通常の投資信託は「1日1価格」となっており、購入・解約の手続きを行った後から約定価額が分かるブラインド方式が採用されている。
一方、ETFは株式と同じように市場で取引されているため、価格動向を見ながらリアルタイムで売買ができるメリットがある。
「市場の動きを見ながら取引したい」という人に向いている金融商品だ。
なお、ETFもNISA制度の対象となっている。「つみたて投資枠」の対象ファンドは少ないものの、成長投資枠であれば外国のETFを買い付けることも可能だ。
NISA口座で買い付ければ分配金も非課税となるため、配当を目的とした投資に取り組みたい人にも向いている金融商品といえる。
- 市場動向を見ながら売買したい人
- 運用コストを抑えたい人
- 分配金を受け取りたい人
REIT
REITとは、投資家から集めた資金をもとに不動産投資を行う商品で、投資信託の一種である。
不動産の現物投資にはまとまった投資資金が必要となるが、REITは少額投資から始められるメリットがある。
現物投資と違って、物件の管理に手間がかからないのも嬉しいポイントだ。
また、REITは利益を分配金として投資家に還元することで法人税の減税を受けられる仕組みとなっているため、通常の投資信託に比べて配当利回りが高い特徴がある。
NISAの対象にもなっているので、非課税で受け取ることも可能だ。
ただし、REITは金利の上昇に弱い特徴を持っている。
不動産価格が下落した際や、空室が続いた際などは分配金が引き下げられるリスクがあることを理解しておこう。
なお、不動産の現物投資は相続税対策になるが、REITについては資産を圧縮する効果はない点にも注意が必要だ。
- 定期的に分配金を受け取りたい人
- 不動産に投資を行いたい人
- 複数の不動産に分散投資したい人
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーとは、AIを活用して投資のアドバイスや銘柄選定を行うサービスである。
ロボアドバイザーには「アドバイス型」と「投資一任型」の2種類があり、次のような違いがある。
アドバイス型 | 投資家の意向に応じて投資先や資産配分をアドバイスする 最終的な投資判断は投資家が下す必要がある |
---|---|
投資一任型 | 銘柄選定から運用までを任せることができる 運用中のリバランスも実施してくれる |
アドバイス型は投資の助言をもらうサービスで、最終的にどの銘柄に投資するのかという点は自分で判断する必要がある。
無料で利用できるものもあり、コストを抑えながらアドバイスを得られるメリットがある。
一方、投資一任型は投資家の意向に基づいて、銘柄選定や運用までを一任できるサービスだ。
リバランスも実施してくれるので、手間がかからないメリットがある。
ただし、利用には手数料が発生する。
- 投資にAIを活用したい人
- 運用を任せたい人
- 自分に向いている資産配分や投資先を知りたい人
貯蓄型保険
貯蓄型保険とは、死亡リスクなど万が一の事態に備えながら、貯蓄機能も持っている保険商品である。
保険と聞くと掛け捨て保険のイメージを持つ人も多いかもしれないが、貯蓄型保険では解約返戻金や満期保険金を受け取れるため、保険と貯蓄を両立できるメリットがある。
貯蓄型保険には、主に次のような種類がある。
- 終身保険
- 個人年金保険
- 養老保険
たとえば、個人年金保険は満期保険金を年金形式で受け取ることができる。
公的年金とは別に老後の収入源を作ることができるため、老後に向けた資産形成に取り組みたい人に向いている。
また、貯蓄型保険は生命保険料控除の対象となることも特徴だ。
生命保険料控除とは、支払った保険料の一部を所得から控除できる仕組みである。
資産形成に取り組みながら、現在の所得税や住民税の負担を軽減できるメリットがある。
- 万が一の事態に備えながら貯蓄に取り組みたい人
- 税負担を軽減したい人
- 安定的に資産運用を行いたい人
FX
FXとは「外国為替証拠金取引」の略で、外貨を売買したときの差額で利益を得る取引である。
外貨の現物を伴わず、取引時の差額を対象に譲渡損益が決まることが特徴だ。
たとえば、米ドル/日本円の取引で、1ドル=140円のときに買いを入れ、1ドル=150円のときに売りを行うと、差額の10円分が利益となる。
また、FXはレバレッジをかけられることも特徴だ。
レバレッジとは、証拠金を預け入れることで、実際の資金よりも大きな金額で取引ができる仕組みである。
仮に10万円の証拠金に対して10倍のレバレッジをかけると、100万円分の取引が可能となる。
取引で得た利益はそのまま受け取ることができるため、少ない資金で効率よく利益を得られる可能性がある。
しかし、その分リスクも大きくなる点に注意が必要だ。
レバレッジ倍率によっては、預け入れた資金以上の損失が発生することもあるため、最初はレバレッジをかけずに取引を始める方がよいだろう。
- 大きなリターンを狙いたい人
- リスク許容度の高い人
- 為替市場に興味がある人
金(ゴールド)
金も投資対象のひとつだ。
金は世界各国どこでも換金しやすく、採掘の絶対量が限られていることから、昔から資産形成手段のひとつとして知られている。
金は株式と異なる値動きをたどる傾向にあるため、株式投資の分散先としても有効である。
金への投資は現物を購入する方法や、投資信託・ETFを通じて投資する方法などさまざまだ。
貴金属メーカーの純金積立では、一定額を積み立てると現物へ交換できる仕組みもある。
ただし、現物の場合は保管リスクがある点に注意が必要だ。
株式や投資信託などは電子化されているため、第三者に盗まれる心配がない。
しかし、金の現物の場合は盗まれると資産そのものを失ってしまう。
現物を購入する場合は、金融機関の貸金庫を利用するなど、保管方法に配慮することが重要だ。
盗難によるリスクが心配な場合は、投資信託やETFで金に投資することを検討してみよう。
- 株式の分散投資先を探している人
- 現物で資産を保管したい人
不動産
不動産の現物投資は、取得した物件から家賃収入を得られるメリットがある。
不労所得を築きたい人には代表的な投資対象といえるだろう。
また、不動産の現物投資は相続税の対策にもなる。
不動産は相続時に資産価値を圧縮する効果があるため、現金のまま相続するよりも相続税の負担を軽減できる可能性がある。
「生前贈与や生命保険以外で相続税対策に取り組みたい」という人は、不動産の現物投資を検討してみるとよいだろう。
ただし、不動産の取得資金を借入金で用意する場合は注意が必要だ。
不動産の取得にはまとまった資金が必要となり、大きな借入金を背負うこととなる。
空室が続いたり、災害が起きたりして家賃収入を得られなくなったら、借入金を返済できなくなることもあるかもしれない。
場合によっては「不動産を手放して借入金だけ残る」ということも考えられるため、事前にしっかりとリスクを理解しておくことが重要だ。
- 家賃収入を受け取りたい人
- 相続税対策を行いたい人
- 現物の資産を保有したい人
最適な運用法を見つけるために!投資先を比較する方法
資産運用にはさまざまな金融商品があり、どの投資先を選べばいいか悩むことも少なくない。
自分に合った金融商品を選ぶためには、次のような投資意向から投資先を選定する方法がある。
- リスク許容度から選ぶ
- 運用期間から選ぶ
- 運用金額から選ぶ
- 運用の目的から選ぶ
- 運用にかかる手間で選ぶ
それぞれくわしく解説していこう。
リスク許容度から選ぶ
リスク許容度とは、「どれくらいの価格変動に耐えられるか」という目安である。
特に、マイナスになった場合の許容度は具体的に想定しておく必要がある。
自分のリスク許容度に見合わない金融商品を選んでしまうと、「想定以上のマイナスを被ってしまった」ということにもなりかねない。
反対に、「希望する水準の利益が得られない」というケースもある。
値動きの大きさは、金融商品によって異なる。
たとえば、「あまり大きな価格変動は受け入れられない」という人は、値動きが小さい債券やバランス型の投資信託、貯蓄型保険などが向いているだろう。
一方、「積極的にリスクを取って運用したい」という人は、株式や株式型の投資信託、FXなど値動きの大きな金融商品が向いている。
金融商品を選定する際は、自分のリスク許容度を明確にしておくことが重要だ。
運用期間から選ぶ
金融商品は運用期間から選ぶこともできる。
たとえば「5年後にマイホームを取得するときの頭金にしたい」という場合は、使う時期が近くに迫っているため、あまり大きなリスクを取ることはできない。
こういったケースでは、あらかじめ満期が決まっているかつ値動きの小さい債券に投資するのが適しているといえる。
その他にも、「60歳になったときにまとまった金額を受け取りたい」という場合は、受取時期が決まっている個人年金保険や養老保険が便利だ。
しかし、中には「将来に向けた資産形成がしたい」など運用期間が漠然としている場合もあるだろう。
その場合は、株式や投資信託など満期がなく自由に運用しやすい金融商品が向いている。
資産運用は、どれくらいの運用期間が取れるかによってもリスク許容度が異なる。
特に運用期間が短い場合はリスク許容度が低くなるため、慎重に投資先を選定することが重要だ。
運用金額から選ぶ
運用金額も投資先を決めるときの重要なポイントだ。
たとえば、日本株では「単元株制度」が導入されており、100株単位で売買する仕組みとなっている。
そのため、1株=1万円の銘柄を1単元購入しようとすると、100万円の投資資金が必要となる。
もし複数の銘柄に分散投資するとなると、まとまった投資資金を用意しなければならない。
「少額投資から始めたい」という人には、あまり向かないといえるだろう。
一方、投資信託はワンコインから購入することができ、1つのファンドを通じて複数の銘柄に分散投資できるメリットがある。
少額投資から始めたい人は、より最低投資金額が小さい金融商品を選ぶことがおすすめだ。
反対に、「手元のまとまった資金を投資に回したい」というニーズもあるだろう。
その場合は、複数の金融商品を組み合わせてリスクを分散させることが重要だ。
金額によっては、プロに運用を任せるヘッジファンドへの投資を検討することもおすすめである。
運用の目的から選ぶ
資産運用に取り組む目的は、人によってさまざまだ。
その目的によってリスク許容度も大きく異なる。
たとえば、「子どもの教育資金を準備したい」という人は、計画的に資金を準備する必要がある。
大きなリスクも取りにくいため、学資保険や養老保険を活用するとよいだろう。
また、「老後の生活資金を準備したい」という人は、iDeCoのような公的制度を活用する方法もあれば、株式や投資信託で自由に投資を楽しむ選択肢もある。
その他に「相続税対策をしたい」という人は、非課税枠のある生命保険や、資産の圧縮効果がある不動産投資などが向いているだろう。
自分のニーズに合った金融商品を選ぶためには、「何のために資産運用に取り組むのか」ということを必ずクリアにしておきたい。
運用にかかる手間で選ぶ
資産運用はどの金融商品に投資するかによって、その後の運用にかかる手間が大きく異なる。
たとえば、日々値動きが大きく変動する株式やFXなどは、自ら相場の動向を注視して売買のタイミングをはかる必要がある。
「テクニカル分析のスキルを身につけたい」という人は、こういった金融商品が向いているだろう。
反対に、「自分で売買のタイミングを判断する自信がない」、「運用にかける時間がない」という場合は、債券や貯蓄型保険など値動きの小さい金融商品が向いている。
投資信託も「銘柄選定を行う必要がない」という点では、投資にかかる手間が少ないといえるだろう。
また、一切の運用を一任したい場合は、ロボアドバイザーを活用するのもひとつの方法だ。
保有資産を適切に管理するためには、金融商品に応じて運用中も点検を行う必要がある。
「頻繁に気にかける自信がない」という場合は、なるべく運用に手間がかからない金融商品を選ぶようにしよう。
資産運用を始める前に知っておきたいポイント
資産運用を始める際は、あらかじめ次のようなポイントを押さえておきたい。
- リスクには複数の種類がある
- リターンとリスクは比例関係にある
- リスクはコントロールできる
- 税制優遇を受けられる制度がある
- プロのアドバイスは心強い味方
それぞれくわしく解説していこう。
リスクには複数の種類がある
資産運用にはリスクがつきものだが、そのリスクには複数の種類がある。
- 価格変動リスク
- 為替変動リスク
- 信用リスク
- 金利リスク
- 流動性リスク
どの金融商品に投資するかによって、存在するリスクが異なる。
たとえば、債券に投資する際は、金利リスクについて理解しておく必要がある。
金利リスクとは、金利情勢によって価格が変動することだ。
債券は金利の動きに大きな影響を受けるため、債券に投資した後は金利動向をよく注視しておく必要がある。
また、外国株式に投資する際は、為替変動リスクについても注意したい。
外国株式は実質現地通貨建てで資産を保有することとなるため、為替動向によって資産価値が増減するリスクがある。
為替動向によっては、「株価は上昇しているのに、円建てに換算すると元本が割れる」ということもあるため、為替市場の動きについても情報収集することが重要だ。
リターンとリスクは比例関係にある
資産運用に取り組む際は、リターンとリスクの関係性についても理解しておきたい。
リターンとリスクは常に比例状態にあり、リスクが大きい金融商品ほど大きなリターンを狙うことができる。
資産運用を始めるときは、「大きな利益を掴みたい」という気持ちが大きくなるかもしれないが、その分リスクも大きくなることに留意したい。
また、「あまり大きなリスクを取りたくない」という人は、その分得られるリターンも限定される点に注意が必要だ。
投資先を選定する際は、自分の投資意向を踏まえたうえでリターンとリスクのバランスを考慮するようにしよう。
リスクはコントロールできる
資産運用ではリスクをゼロにすることはできないものの、ある程度コントロールすることはできる。
たとえば、投資信託に投資する際は、価格変動リスクは避けられない。
投資信託は日々値動きがあるため、買付のタイミングによっては「高値掴みしてしまった」というケースも少なくない。
しかし、積立投資のようにドル・コスト平均法を活用すれば、買付のタイミングが分散され、高値掴みのリスクを低減することができる。
積立投資は最初に設定すれば、後は自動で買付を行ってくれるので、手間を掛けずにリスク分散ができるメリットがある。
また、株式に投資する際は、債券を併せ持つことで価格変動によるリスクを低減することが可能だ。
金融商品にはそれぞれ相性があるので、リスクを低減し合う組み合わせを理解しておくことが重要である。
資産運用に取り組む際は、「長期・分散・積立投資」の3つの基本を大事にしてリスクを低減するようにしよう。
税制優遇を受けられる制度がある
資産運用を始める際は、税制について理解しておくことも大切だ。
特に、NISAとiDeCoについては必ず押さえておきたい。
NISAは、株式や投資信託で得た利益が非課税になる制度だ。
1人あたり1,800万円までの非課税枠が与えられているため、ぜひ資産形成に活用したい。
2024年1月から改正された新NISAでは、非課税期間が無期限化されたため、生涯非課税投資が行えるのも嬉しいポイントだ。
また、iDeCoは「個人型確定拠出年金」と呼ばれる私的年金制度である。
毎月の掛け金を自ら選んだ金融商品で運用し、その運用成果を60歳以降に年金として受け取ることができる。
「老後が公的年金だけでは不安」という人は、ぜひiDeCoを活用したい。
iDeCoは掛金が全額所得から控除される仕組みもあるため、現在納めている所得税や住民税の負担を軽減することも可能だ。
プロのアドバイスは心強い味方
資産運用に取り組む際は、金融のプロへ相談することも検討したい。
資産運用の相談先として、主に次のようなところが挙げられる。
- 証券会社
- 銀行
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
資産運用は投資先の選定から売買のタイミングなど、多くの投資判断を下す必要がある。
現在はネット証券などで自ら取り組む方法もあるが、「自分1人で決めるのが不安」と感じる人もいるだろう。
その点、プロへの相談は、第三者の目線から客観的なアドバイスをもらえるメリットがある。
疑問点や不安な点も直接たずねられるので、安心して資産運用に取り組むことが可能だ。
自分に合った運用方法を見つけるためには、金融のプロを頼ることもひとつの方法である。
商品や運用方法を比較したいなら誰に相談するべき?
資産運用の相談は、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)へ行うことがおすすめだ。
ここからは、IFAの概要や相談のメリット、相談先の探し方について紹介していこう。
IFAとは?
IFAとは、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれる金融アドバイザーだ。
特定の金融機関に所属しないことが特徴で、顧客目線のアドバイスがもらえるとして近年注目を集めている。
資産運用の相談は金融機関で行うことができるが、利益相反が起こりやすいことがしばしば指摘されている。
もちろん金融機関も顧客の意向を優先した営業活動を行っているが、企業利益を追求する必要がある以上、完全に顧客目線になることは難しいといえる。
その点、IFAは金融機関の職員ではないため、営業方針や営業ノルマにしばられずにアドバイスをもらえるメリットがある。
「プロの意見を直接聞きたい」、「中立的なアドバイスがほしい」という人は、ぜひIFAへの相談を検討してみよう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」が便利!
IFAの需要の高まりを受けて、全国各地にIFA法人が増加している。
IFA法人は、それぞれ得意とする相談分野や取扱商品、メインとする顧客層などに違いがある。
自分のニーズに合ったIFAを探すためには、IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用することがおすすめだ。
「資産運用ナビ」では、いくつかの質問に答えるだけで相性の良いIFAを紹介してもらえる。
事前にIFAの経歴や得意分野を確認できるのも安心ポイントだ。
検索サービスは無料で利用できるので、ぜひ気軽に活用してみよう。
資産運用の種類をIFAと比較して投資先を選ぼう
資産運用にはさまざまな種類があり、その特徴をよく比較したうえで投資先を選定する必要がある。
自分のリスク許容度や運用期間、投資金額に応じて適切な投資先を選ぶようにしよう。
また、投資先の選定は金融のプロであるIFAへ相談することもおすすめだ。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用して、自分に合った相談先を探してみよう。