老後生活に備える手段として、年金は重要な役割を果たす。それぞれ国民年金保険料と社会保険料(健康保険・厚生年金)を支払っている人は多く、前者の支払い時には自動引き落としなどを選択している人も多いのではないだろうか。ただしその中には二重支払いが発生してしまい、年金を支払いすぎてしまったというケースも存在している。
そんなときには年金の還付金申請を行い、払いすぎた分を取り戻すようにしよう。本記事では、年金の還付金について申請方法や関連書類などを含めわかりやすく紹介していく。年金の二重支払いが発生する仕組みを知っておくことで、そもそも還付金を発生させないという工夫も可能になる。
現在年金を納めている人は全員還付金の対象者となり得る可能性がある。そのため「自分が二重に支払っていないか」という確認も兼ねて、ぜひ最後までご覧いただきたい
そもそも年金制度に関して、詳しく知りたい方はこちらの記事で紹介している。
この機会にぜひ制度への理解を深めてみてはいかがだろうか。
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年金の還付金について
年金の還付金とは、既に支払った金額が納めすぎであったり、二重支払いになってしまったりしたケースに返ってくる金額のことを指す。通常、年金自体はサラリーマンや公務員などであれば給与を受け取る際に、給与から天引きされるので還付金は発生しづらい。
ただフリーランスなどの自営業者はもちろん、後述するようにタイミングによっては会社員も二重に支払ってしまうケースもあるので注意が必要だ。
もし還付金が発生してしまった場合でも、取り戻す仕組みは存在しているので安心していただきたい。後述する所定の手続きを行えば戻ってくるので、落ち着いて手続きを進めていこう。
年金の還付金が発生する仕組み
年金の還付金、つまり二重支払いが発生するケースは主に以下の3つが挙げられる。
二重支払いが発生するケース
- 自営業者が会社員になったケース
- 月の途中で退職したケース
- 海外に転出したケース
それぞれ紹介していく。
自営業者が会社員になったケース
特に最も発生しやすいのが自営業者が会社員などに就職したケースが挙げられる。この場合、1年間分まとめて年金を前払いしていて、年度の途中で就職すると給与を支払う際に天引きされて年金の二重支払いが発生してしまう。
またこのケースで注意していただきたいのが、国民健康保険の脱退手続きを行わないと還付通知は届かないという点だ。そのため還付金が発生する可能性の高い年の途中で転職をした元自営業者などは、まず最初に還付金手続きを行うようにしよう。
さらに1年以内の転職を視野に入れている方は、一旦前払いせず1ヵ月分ずつ納付するよう工夫しておくことをおすすめする。二重支払いを防ぐ工夫をして、還付手続きなどの手間を増やさないよう心がけておこう。
月の途中で退職したケース
月の途中で退職した場合でも、自営業者が会社員になったケースと逆のことが発生しているので、年金の二重支払いに該当する。年金制度には正社員が支払うことになる厚生年金と自営業者や無職の方が支払うことになる国民年金の2種類が存在している。
基本的に退職日に応じてその月の支払いがどちらになるかが判断されるので注意しておこう。退職日が月末の場合は、その月に支払うべき公的年金は厚生年金となる。一方、月内に退職し月末時点を迎えた時点で自営業者もしくは無職であれば、その月に支払うべき年金は国民年金となるのだ。
もし月の途中で退社して月末までに就職しなかった場合は、国民年金を支払う必要がある。このタイミングでは厚生年金は、退職前の給与を受け取るタイミングで既に支払ってしまっているので、二重支払いが発生して還付金が返ってくるという仕組みだ。
ちなみに国民健康保険を支払う期間は、資格喪失月の前月分までとなっている。そのため就職し社会保険を支払う月以降は国民健康保険料を支払う必要はない。
海外に転出したケース
海外に転出したケースでも年金の二重支払いが発生してしまう。国民年金に加入している方が海外へ転出し、その期間が5年以上の場合は国民年金から脱退したとみなされる。この場合、自分自身での手続きが別途必要となるので注意をしておこう。
ちなみに日本在住から海外在住になった旨を伝える「海外転出届」を市区町村へ提出すれば、国民年金への加入は義務ではなく任意となる。特に海外赴任のある企業で働いている方や海外移住を検討している方は覚えておこう。
還付には時効がある
年金の還付金には時効が存在するので注意が必要だ。時効は2年で、それを過ぎると還付金を受け取れなくなる。前述した還付金が発生しているケースに該当していれば、すぐに後述する手続きを進めていただきたい。
還付金のお知らせは、郵送で書類が送られてくる。あくまでも通知であり、還付手続きは義務ではなく2回郵送されることはないので、還付金が発生している方は忘れずにチェックしていただきたい。
それぞれの時効に関しても、送られてきた書類に記載されているので合わせてチェックしておこう。もし書類が送られてきていない場合は、お近くの年金事務所へ問い合わせて確認していただきたい。
年金の還付申告方法
年金の還付金が発生していた場合の還付申告方法を紹介していく。ポイントは以下の通りだ。
- 普通郵便で送られてくる
- 手続きは返送すればOK
- 1ヶ月を目途に振込
還付金のお知らせは普通郵便で送られてくるようになっている。この還付通知書と呼ばれる書類が年金事務所から送られてくるので、受け取ったと同時に同封の「請求書兼口座振り込み依頼書」へ必要事項を記入し、返送することで還付手続きは終了する。
書類に関しては届くまで待っていれば良いが、不安であればお近くの年金事務所へ問い合わせてみるのも手だ。返送してから、約1ヵ月から2ヶ月程度で指定の銀行口座へ振り込まれる。すぐ振り込まれるわけではないので、手続きは早めに行っておくようにしよう。
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年金の還付関連書類
還付申請方法は送られてくる通知書で還付金額を確認し、返信用封筒と一緒に必要事項を記入した所定の請求書を入れて提出すれば完了する。その際に送られてくる書類は主に以下の4つだ。
送付される書類
- 国民年金保険料の還付のお知らせ
- 国民年金保険料過誤納付還付・充当通知書
- 国民年金保険料還付請求書
- 返信用封筒
それぞれ紹介していく。
国民年金保険料の還付のお知らせ
この書類には還付される理由が記載されている。例えば免除申請のため、厚生年金加入のためなど、自分がどのような理由で還付されることになったのかが明記されている。お知らせに関しては提出不要だ。
国民年金保険料過誤納付還付・充当通知書
この書類は必ず保管しておくようにしよう。内容は、いくら還付金があるのかが詳細に記載されている。ここで実際の還付金をチェックしておこう。通知書は大切に保管しておくことをおすすめする。
国民年金保険料還付請求書
還付金を請求するには、この書類を返送することになる。内容に関しては以下のように個人情報と振込先を記載するようになっている。
記載事項
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- 届出年月日
- 振込先(ゆうちょかそれ以外の金融機関か)
特に複雑な内容ではないので、必要事項を記入するだけで簡単に作成完了する。
返信用封筒
返信用封筒が同封されているので、前述した国民年金保険料還付請求書を入れて提出しよう。宛先が記載されているので、書類を入れて切手などを貼って返送すれば手続き完了だ。提出後1ヵ月から長くても2ヶ月後には振り込まれるようになっているので、それまでは小まめに指定口座をチェックしておこう。
還付請求書が届いたらすぐに手続きを
国民年金の還付金があることを通知する「還付通知書」が届けばすぐに手続きを行うようにしよう。時効があるので、受け取れないとかなりもったいない。いくら受け取れるかは同封されている通知書を確認すれば詳細に一目で各わかる。
もし還付金が発生しているケースに当てはまっているのに、書類が送られてこない場合は国民健康保険から脱退手続きを済ませているかどうかを確認しておくことをおすすめする。
一方で、お金の悩みは多く、手続きも不安なケースは多いと思う。
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