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投資の基礎である「分散投資」を考えるとき、ポートフォリオを組むことで投資効果を高められる。
この記事ではポートフォリオについて、意味やアセットアロケーションとの違い、ポートフォリオ作成のメリットや作成方法について解説する。
投資のポートフォリオとは?
ポートフォリオという言葉は、金融だけでなく、ビジネスの世界でも幅広く使われている。ここでは投資におけるポートフォリオに絞って解説する。
ポートフォリオの意味
ポートフォリオ(portfolio)とは「紙はさみ」「書類入れ」という意味がある。
投資においては金融資産の組み合わせを指す。有価証券は昔、紙はさみに入れて保管されていた。
ここから「ポートフォリオ」という言葉が使われるようになった。
アセットアロケーションとの違い
ポートフォリオは「アセットアロケーション」という言葉とともに使われることが多い。
アセットアロケーションとは、株式や債券などジャンルごとの資産配分を指す。
一方、ポートフォリオはさらに具体的な金融商品の組み合わせである。アセットアロケーションで資産配分を、ポートフォリオで資産配分の内訳を示すというイメージだ。
アセットアロケーション(資産配分):株式30%、債券30%、不動産10%、預貯金30%
ポートフォリオ(資産内訳):株式30%(A社・B社・C社)、債券30%(国債、D社債)
個人投資家が資産運用を考える時には、まずアセットアロケーションを決めて外枠を固める。その後、資産分野ごとのポートフォリオを具体的に考える、という流れが一般的だ。
投資のポートフォリオを組むメリットと注意点
ポートフォリオを組むことは、個人投資家にとってどんなメリットがあるのだろうか。
ポートフォリオを作成するメリット
保有資産を可視化しやすい
ポートフォリオを組むことで、金融商品の内訳と保有割合を把握しやすくなる。円グラフにまとめればより可視化され、次の投資行動を起こしやすくなる。
分散投資の管理がスムーズ
株式であれば銘柄、債券なら種類などを一望でき、分散投資の現状がはっきり見える。
投資分野の偏りは運用状況の悪化等、分散投資を妨げる要因を解消しやすい。
利益確定や損切りの基準ができる
なんとなく分散投資している状態よりも、投資割合の基準を持って資産運用している方が中長期運用しやすい。
なぜなら、ポートフォリオを組むことで投資分野ごとの保有割合を数値化できるからだ。
目標割合に対してどんな運用状況にあるのか客観的に比較できる。
そして目標より割合が多くなっていれば利益確定の売り、少なくなっていれば損切りの売りや追加購入の買い、など投資行動を起こす基準を持てるのだ。
感情をあまり入れずに投資行動に踏み切れる分、投資効果も大きくなるだろう。
ポートフォリオを組む時の注意点
メリットが大きいポートフォリオ作成だが、押さえておきたいポイントが2点ある。
投資先を増やしすぎない
分散投資は資産運用の基本である。しかし、あまりにも細かく投資先を分散すると、今後は管理しきれなくなるという問題が生じる。
できれば各分野ごとの内訳として、1種類20〜25%くらいずつ、全4〜5種類の分散を目安としたい。
投資先が重複しないよう気をつける
ポートフォリオ全体を眺めてみると、分野内ではしっかり分散投資できていても、分野をまたぐと投資対象が重複しているというケースが案外ある。
たとえば、国内株式を複数銘柄保有しながら国内株式に投資する投資信託も保有している、などだ。
ある程度の重複は仕方ないが、偏りすぎると分散投資の効果が薄くなる。
投資信託であれば、運用レポートなどで投資している個別銘柄まで確認するなどして、資産全体で見た時に投資先が重複しないように意識したい。
ポートフォリオに組み入れたい投資商品と選び方
個人投資家がこれからポートフォリオを組むときに役立つ、投資商品の代表例と選び方を紹介する。
金融商品の代表例
これからポートフォリオを組むなら、以下の金融商品を軸に選定するとよい。
- 株式
- 債券
- コモディティ(金、プラチナなど)
- 不動産
- 投資信託
これらはそれぞれ、違う値動きをするため、組み合わせて保有することで資産全体のリスクとリターンのバランスを取りやすい。
相関係数も参照しながらポートフォリオを考えてみよう。
なお、相関係数については別記事「分散投資とポートフォリオの違いは?リスクや相関係数を踏まえた資産運用のヒント」も参照してほしい。
ポートフォリオに組み入れる投資商品の選び方
昔から、「株式は100から自分の年齢を引いた割合がベスト」「債券は年齢で割合を決める」というアドバイスを聞く。
たとえばあなたが今45歳なら、株式55%・債券45%という具合だ。
年齢が若いほど株式の割合が多くなり、歳を重ねるごとに債券の割合が増えていく。
本記事ではこの方法の効果について詳しく検討しないが、割合のイメージとしてはこの考え方は参考になる。
投資信託を中心にしたポートフォリオにするのもよい。
投資信託は、ひとつの商品で複数の対象へ分散投資できる。
各ジャンルごとの投資信託を組み合わせて保有すれば、少ない商品数で幅広い分散投資が可能となり、管理しやすい。
別記事「ポートフォリオの考え方」ではポートフォリオの作成方法を深掘りしている。こちらもぜひ参考にしてほしい。
まとめ
ポートフォリオは組み合わせ方法が無限にあり、自分で作成するのは難しいと感じるかもしれない。
そんな時は、投資のプロに相談するのがおすすめだ。
「資産運用ナビ」で自分に合う投資の専門家を見つけ、直接コンタクトできる。
ポートフォリオの作成をはじめ、資産運用についても相談を気軽にできる。この機会に活用してみてはいかがだろうか。